気づいたら見知らぬ制服を着ており、見知らぬ学園におり、周りに流されるがまま学園生活を送っていた。
そして今はテストの真っ最中。
俺は机に座っており、問題を解いている。
「…………」
自分は何故こんなとこにいるのだろう。
思い出そうとするが何も思い出せない。
頑張って深く思い出そうとすると頭が痛くなる。
テストが終わったら寮へ帰ろう、この時間を乗り切れば今日は帰れる。
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ようやくテストが終わった。
部活へと向かう者、今回のテストはどれだけできたかを話し合う者、テストが終わって背伸びをする者と様々だ。
ずっと気になってたが隣の教室が凄くうるさい。
テストが終わると同時に騒ぎ始めるし、前の時間でもテストが終わったら騒いでたぞ。
俺は荷物をまとめ教室を出て、男子寮へと向かい、自分の部屋へ入る。
この寮は普通なら二人部屋なのだが自分は一人だけだ。
なので一人になってゆっくり考えるにはちょうどいい
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【男子寮 少年の部屋】
「えっと…まずは今までの事を思い出してみるか。
俺はいつの間にかこの学園にいて、学園生活を送っていて今に至る訳で………あぁ~、わかんねぇ!」
ゆっくり考えるまでもなかった…。
深く考えると頭が痛くなるし、思い出せるのは今まで過ごしてきた学園生活の事だけ。
もう面倒なので夕飯になるまで寝る事にした。
制服のままだがお構いなしにベッドへとダイブし、そのまま眠りにつく。
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「…ん…んぅ……」
ふと目を覚ます。
外は暗い、寝過ごしていないか付けてたままだった腕時計で時間を確認する。
「約8時前か…。ちょっと寝過ごしたかな」
そのまま寝てしまったからか、ところどころ制服にシワがあり、一応シワになってる箇所を適当に引っ張るが、当然シワが直る事がない。
「……まあ、とりあえず飯食いに行くとしますかね。財布はポッケにちゃんと入ってるよな」
ズボンのポケットから財布を取り出してOKと、自分の心の中で言って、再びポケットへとしまって自分の寮室を出て、鍵をきちんと閉めて食堂へと向かった。
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【第二連絡橋付近】
一人寂しく食堂へ向かって歩いていると、ようやく第二連絡橋が見えてきた。
この橋を通れば食堂に着く。さっさと渡ろうと思うと
「ん? 何か騒がしいな……」
食堂から何やら歌が聴こえるようだ。
確か…“Girls Dead Monster”略してガルデモだったか。
普段はライブが起こる前に飯食ってるから全然聴いたことなかったな。
俺は、できれば静かに飯食いたいのでうるさい場所で食べるのはあまり好きじゃない
――ズドォォン…!!
「な、何だ何だ!? 何ださっきの音…って、煙が上がってないか!? あれ!!?」
食堂前のとこから煙が上がっており、しかも自分とは違う制服をした奴らがぞろぞろと集まってくる。
あ、女の人もいるようだ。一人くの一みたいな格好をしてるから結構目立つな……。何かのコスプレか?
「というかあの制服って、何かと問題を起こしたり変な事をやってる集団じゃないかよ…」
変な事や問題を起こしてると言っても噂でしか聞いた事がないので内容まではわからない。
そんな噂を聞いた以上、そんな奴らと関わったらと面倒な事になるからあの制服を着てる人を見かけたら逃げるようにしてたな。
「立ち上がったぞ! 撃てっ!!」
……待て、待て待て待て待て待て!! あいつ等、いろんな銃を持ってないか!?
俺は銃の知識はないからどんな銃を使ってるかは説明できないので悪しからず…って、撃ち始めたぞ!?
煙で一体何に撃ってるのかはわからなかったが、徐々に煙が薄くなり、人影が見えてきた。
あの身体の大きさからすると、あの煙の中にいるのは女の子で、銀色の長髪の人と言えばこの学園で一人しかいない。
「もしかして……生徒…会長…?」
確信はできないがあんな髪の色をしているのは生徒会長ぐらいだと思う。
というより何故会長が撃たれてるんだ?
それにどうしてか、変な集団が撃ってる弾は会長に当たらず、あちこちと散らばっていく。
――ヒュン!
左頬に何かが掠り、痛みが出てきたのか、ヒリヒリしてくる。
ヒリヒリしている左頬を左手でそっと触り、左手を見てみると――
「……血…?」
恐らく流れ弾がこちらに来たのだろう。
という事はあいつ等が使ってる銃は……
「本物かよ……!」
本物の銃だとわかった俺は、今いるこの場所にいるのが怖くなってきた。
「な……、何でこの学園に本物の銃なんてあるんだよ! 銃刀法違反だろ!!」
とにかくこんなとこにいたら危ない!!
そう思った俺は急いで自分の寮へと戻ろうとする。
あんな光景をみたら食堂に行きたくなくなるっての!
生徒会長が心配だが、立ってるだけで銃を弾いていたんだ、何で弾いていたのかはわからないけど大丈夫だろう。…いや、大丈夫だと願いたい。
寮へ帰りたいと一心に走っていたら誰かとぶつかる
「うあっ!!」
「あっ…!」
どうやら早く帰りたいがあまり、周りをよく見ていなかったからか、知らぬ間に誰かとぶつかってしまった。
ぶつかった時の声からするに、ぶつかった相手は女の人だ。
俺は怪我はしていないが、彼女は怪我をしているかもしれない。
なので俺は直ぐに立ち上がり
「ご、ごめん…。急いでたからよく見てなくて……。大丈夫? 怪我は…ない?」
そう言って右手を差し出す
「…はい、大丈夫です」
少女は自分の手を掴み、自分はその手を引っ張り、少女を立たせる。
金髪のツインテールをしており、大人しい感じの娘だ。
耳に付いてるの、インカムって奴かな……?
「あ……」
彼女の制服を見て、この人もあいつ等の仲間だと知り、思わず何歩か後ずさってしまう。
「…血がでていますね。どうかしたのですか?」
血……? あぁ……、左頬から垂れている血の事か。
流石に流れ弾に掠っちゃいましたなんて言える訳がない。
俺はどんな言い訳しようか考えていると
「まずは保健室に行きましょう。話はそこでもできますし」
「え? あ…はい……」
少女が保健室に行くという案を言い、俺は戸惑いながらも気弱な返事をし、金髪の娘と保健室へと向かう事になったのだった。
以上、第一話でした。
次回で主人公の名前が明らかになります