ツイテル話 作:笹鉄砲
久しぶりに揃った俺たちだがみんながみんな特に親しい訳ではないので各々が好き勝手に話している状態である。
これだけ濃い面子が同期にそろうなんて凄いと本気で思う。
「おい君たち! もう少し静かにした方がいいな」
俺たちが好き勝手に会話をしていると眼鏡をかけた人が話しかけてきた。
「君たちがルーキーか。アカデミー出たてほやほやの十人だろ? まったくキャッキャ騒いじゃって。ここは遠足じゃないんだよ?」
話しかけてきたと思ったらいきなり注意とかこいつ委員長タイプだな。将来はストレスで禿げそう。
いのが名前を尋ねたことによりカブトと言う名前であることが判明。なんでも周りがイラついてるから静かにした方がいいとのこと。確かに周りの人らは柄の悪い人の多い。
ちなみに私は急に出てきてうるさいあなたにイラついてます。
そこから何も分からない新人である俺たちに仕方なしに教えてあげるとか言いだした。
一回落ちた人のアドバイスとか別にいらないです。
「カブトさんは試験を受けるのは二回目なんですか?」
「いや、七回目だよ」
どうやら年に二回試験があるらしいので四年目に突入したらしい。俺の想像を遥かに飛び越える受験回数だ。俺は前世の経験からアドバイスを送った。
「もう夢を見るのはやめて転職した方がいいと思うんですよ。ほらもういい年だしね。周りの人も自分の未来を真剣に考え始める時期でしょ。あなたも考え始めた方がいいですって。このままだとバイト戦士になりますよ。毎年同期が出世したとか聞かされたら泣きたくなりますよ」
「……」
俺のツッコミに黙るカブトさん。
「えっと、ということはこの試験について詳しいんだ?」
サクラのフォローが輝いた。そしてナルトも褒めるがシカマルが受かってないと追い打ちをかける。俺もそう思うよね
そこから苦笑いしながら先輩風を吹かせてなんか教えてくれるらしい。カードを出して中忍試験の事やらを教えてくれるが俺には興味がないのでスル―。
そのカードには個人情報も載っているらしくドヤ顔でアピールしてきた。
「他人の情報を集める前に自分の実力を高めないから何回も落ちるんですよ。いいですか、他人の実力を眺めた所で自分の実力にはならないんですよ。そこの所分かってますか?」
「……」
俺のツッコミに再度黙るカブトさん。なんか貼り付けた苦笑いが剥がれそうだ。
それを無視してサスケがマユゲとガアラ(誰それ?)たちの情報が知りたいらしく尋ねたがガアラの方は他里で新人ということで全然情報が無いらしい。しかも音の里とかいうリズミカルそうな里の情報は全くないらしい。聞いてて一番興味が引かれる名前の里なのに。
ここまで聞いて俺は思ったことを言った。
「できないことに対して言い訳ばっかりしてちゃんと試験の準備しないから何回も試験落ちたんですね。分かります」
「……いい加減にしろよ」
今度はボソッと何か言ったが聞き取れなかった。
「Pardon?」
ネイティブもびっくりの発音で聞き返す。
「ガキがいい加減に……」
「俺の名前はうずまきナルト! てめぇらには負けねーぞ! 分かったかー!」
急にナルトが大声で叫んだのにびっくりしてしまう。そこから空気を読めとサクラに怒られるナルト。お前のせいでカブトさんが何と言ったか聞き逃したじゃないか。
「すみません、もう一回言ってもらえます?」
「てめぇらはどこまでも僕を……」
今度は聞き逃さないようにしようと耳を傾けていると前から♪マークを付けた額当てをした忍者がカブトさんに襲い掛かった。今殴りかかってる人は顔中に包帯巻いている。
あんな大怪我してる状態でよく試験を受けようと思ったな。この時期に怪我とは運が悪い。
隣を見ると避けた筈のカブトさんの眼鏡が割れていた。後ろからサスケの驚いた声とシカマルの調子に乗るからだ的な声が聞こえてくる。その通りだけど後輩が出来たら調子にのっちゃう気持ちは分かる。
そこから眼鏡を外して本気モードを見せるのかと期待したが嘔吐してしまいナルトとサクラに介護されている。
言いたくないけどこの人運が無い人だわ。しかも大衆の面前で吐くとかかなり精神的に来るものがあることまでしちゃったのだ。今後のカブトさんにはなんとか踏ん張ってもらいたい。
「四年も受験してるのに弱いな」
みんなが思ってます。
「あんたのカードに書いときな音隠の三人は中忍確実だと」
それを世間ではフラグと言う。
そう思いながらカブトさんに攻撃を仕掛けてきた人を見るが服のセンスが再不斬を超えている以外の感想は思い浮かばない。しかし向こうは違うらしく俺にも話しかけてきた。
「お前だけは絶対に殺してやる」
なんで俺は初対面の奴に殺す発言をされるのか。それよりも気になるのが彼の服である。
その服は一体どこで買ったのだろうか? まるで前世で見た外国人が来ていた面白い言葉が書いてある服みたいだ。
「死ねー!」
「そこまでだガキども!」
そして一番ハジケた死の文字が書いてる服を着た奴が俺を殴ろうとしたところで前から怒声が飛んできたことにより攻撃は中断された。どうやら試験官が到着したようなので中忍試験が始まるのだろう。