今世紀エヴァンゲリオン   作:イクス±

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やってまいりました。二回目の使徒戦!

私なりに最強のシンジくんをイメージして書きました。(小並感)


第六話「イメージするのは常に最強の自分」

「なぁシンジ、俺すごいことに気づいたかも知れない」

 

 

一時間目が終わり、次の時間の準備をしていると何時の間にか近くにいたケンスケがいきなりそう言った。

 

 

「いきなりどうしたのさ?」

 

「授業中ずっと考えてたんだけどな?交番に落し物・・・まぁ百万円を拾って届けたとするじゃん?」

 

「うん」

 

「すると謝礼として落し物の一割から二割、十万か二十万くらい貰えるわけだ」

 

「そうなるね」

 

「ここまではいいな?」

 

「常識だしね」

 

 

言い聞かせるように話すケンスケの話を聞きながら相槌を打つ。

するとケンスケは眼鏡をキランと光らせて言葉に力を込めだした。

 

 

「ここからが本題なわけだが・・・俺が80歳のおばあさんを拾ったとするだろ?」

 

「え?」

 

「そして俺は交番におばあさんを届ける、すると俺は謝礼を貰えるわけだ」

 

「・・・なるほど」

 

「シンジはもうわかったか、謝礼は落し物の一割から二割。つまりは俺は8歳から16歳までの女の子が貰えるということになるんだ」

 

「ケンスケ・・・やはり天才・・・」

 

 

 

「いやお前らどんな話ししとんのや!?」

 

「あ、トウジ」

 

 

トウジの鋭いツッコミ。こうかはばつぐんだ。

 

 

「いや日本の常識についてね」

 

「途中から明らかにおかしいやろ!?」

 

「まぁケンスケだし」

 

「あぁそら仕方ないわ」

 

「待てコラ」

 

 

抗議の声を上げるケンスケは無視してトウジと会話を続ける。

 

 

「で、トウジどうしたの?僕等のどっちかに用事でも有った?」

 

「ん?あぁそうやった。さっき時間無くて殴れへんかったから改めてツラ貸せ言いに来たんやったわ」

 

「え?嘘、マジで殴るの!?」

 

「当たり前やないか(真顔)」

 

 

そう言ってトウジは椅子に座ってる僕の胸ぐらを掴んで持ち上げた。

ちょ、ちょっとやめて怖い怖い怖い!

 

 

「ケンスケ助けて!」

 

「シンジ死すべし慈悲は無い」

 

「イヤーッ!!」

 

 

くそっ!こうなったら何としても二度殴らせてアムロのセリフを言うしか・・・!

 

 

「・・・ん?おわっ」

 

「アバーッ!?」

 

 

僕が覚悟を決めているとトウジがいきなり何かに驚いて手を放し、僕は軽く押されるような形で後ろに倒れてさっきまで座っていた椅子に勢いよく座る形になってしまった。

地味にお尻痛い!

 

 

「非常招集、先行くから」

 

「え?」

 

 

ダメージを受けたお尻をいたわる暇も無く、いつの間にか側に居た綾波さんの声に変な声を上げてしまう。

そんな僕を気にする様子も無く、綾波さんは用事が終わったと言わんばかりに教室から出て行ってしまった。

 

 

「いきなり現れたからビックリしたわ・・・なんやシンジ、綾波と知り合いだったんか?」

 

「そうかトウジは知らないんだったな、綾波もシンジと同じでパイロットらしいぜ?」

 

「マジかいな・・・ん?てことは非常召集って」

 

 

そこまでトウジが言ったところで、避難を促す放送が流れ始める。

 

 

「・・・こういうことやな」

 

「お、出番かな?」ガタッ

 

「お前それネタじゃ無くてガチだろうが」

 

 

そんなやりとりを最後に僕らはそれぞれの向かうべき場所へと走り出した。

・・・別れ際にケンスケが言った「応援するからな!」が妙に頭に引っかかるのはなんでだろう?

 

 

 

・・・

 

 

 

 

『エントリースタート』

『LCL電化』

『圧着ロック解除』

 

「父さんいないのか・・・何してんだろう?」

 

 

エントリープラグの中で、独り言を呟く。

乗る前にリツコさんから今日はNERVに父さんが居ない事を教えられた。

何故態々そんなことを教えられたのか意味が解らず、何か支障があるのか聞いてみると特に無いとの事。

父さんェ・・・もしかして僕より仕事して無いんじゃないかあの人。

 

 

「(・・・嫌な予感がするんだよね、主にケンスケ関係で)」

 

 

僕はただ警戒するだけじゃ無く、行動に移すことにした。

ミサトさんに無線越しに問いかける。

 

 

「ミサトさん、ちょっといいですか?」

 

『どうしたのシンジくん、作戦を再確認したいのかしら?』

 

 

作戦ってライフルを乱射するだけじゃないですか。

僕が聞きたいのはそれじゃない。

 

 

「学校のみんなの避難は完了したかわかりますか?アレだったら確認するのは僕のクラスメイトだけでもいいんですけど」

 

『え?ちょっと待ってね・・・』

 

 

僕が心配なのは、ケンスケが避難もせずに何処かに隠れてるんじゃないか、という事。

「応援するって言っただろ?」とか言ってひょっこり現れそうな気がする。

 

 

『・・・大丈夫ね、係の職員がシェルター内で全員の点呼を確認済みよ』

 

「そうですか・・・ありがとうございます、態々すみません」

 

『これくらい別にいいわよ』

 

 

ケンスケのことだからやりかねないと思ったけど別にそんなことはなかったみたいだね。

よかった。さすがのケンスケでもそこから脱走しようなんて思わないよね(フラグ)

 

 

『出撃準備完了しました』

 

『よし!シンジくん、問題ないわね?』

 

「おk」

 

『敵A.T.フィールドを中和しながらパレットライフルの一斉射撃、練習通り大丈夫ね?』

 

「はい」

 

 

めっちゃリアルな映像での射撃訓練を何度もしたしね。

・・・でも的として映し出されてた前回の使徒。

コアじゃなくて何処を撃っても倒れる適当っぷりだったからちょっと不安だけど。

 

 

『発進!!』

 

「ぐうっ」

 

 

ミサトさんの声の後に襲ってくる重力。

発進するとき何かセリフ言いたいんだけど、多分舌噛むだろうから言えないんだよね。

ガクンと大きく揺れてエヴァが止まる。

そして目の前には虫のような形をした使徒。

 

んー・・・また近づいてオラオラすれば倒せるかな?

 

僕は地面からせり上がってきたライフルを手に持ち、構えながら考える。

リツコさん達には悪いけど、ライフルで倒せるとは思っていない。

めちゃくちゃに連射する攻撃はフラグだって王子が身を持って教えてくれてるからね。

 

 

『A.T.フィールド展開!』

 

『シンジくん、作戦通りに!』

 

「了解ぃ!!」

 

 

とりあえず今は攻撃しなきゃ。

僕は言われたとおりにライフルを連射した。

撃ち続けると、弾が着弾した時に巻き起こった煙で使徒が見えなくなってしまった。

 

 

『バカ!煙で前が見えない!!』

 

「バカとはなんですか!!」

 

『あっゴミン』

 

 

撃ちながらミサトさんの声に反論する。

こっちは作戦通りにやってるだけなんですからね!

しばらくしてライフルからは玉が発射されなくなり、僕はライフルを投げ捨てる。

 

まずいな・・・これは非常にまずい。

 

敵が煙で包まれるなんて、絶対に傷一つ無いフラグだ。

少しはダメージを与えられるかも!なんて思ってたけど甘かった。

「なんなんだぁ今のは・・・?」とか言って現れるに違いない!

やめろォ勝てるわけがない!!

 

僕は逃げるんだぁ・・・と言う暇さえ惜しかったのですぐにお馴染みバックステッポゥでその場を離れた。

すると離れた瞬間に煙を切り裂きながら光の鞭が飛び出し、僕がさっきまで居た場所を切り刻んだ。

 

鞭か・・・これはオラオラは諦めたほうが良さそうだね。

 

煙が晴れ完全に姿を現した使徒を睨みながら考察する。

あんなの殴ったら逆にこっちがダメージ受けそうだよ。

 

 

『シンジくん!新しいライフルよ!』

 

「わかりました!」

 

 

新しい顔だったら勝ちフラグだったのになぁ、と考えながらライフルを構える。

すると使徒はゆっくり前進しながらすごい勢いで鞭を伸ばし攻撃してきた。

僕は落ち着いてイメージを巡らせる。

エヴァは鞭が当たる直前に大ジャンプをして横宙返り、そして空中で逆さまになりながらライフルを発射。

撃ちながら着地すると、事前に教えられていた踏めばライフルが飛び出す仕掛けになっている場所を踏み抜きライフルを入手。

僕はライフルを二丁拳銃のように構えた。

 

人間の腕力じゃこんなことはできないよね!

 

そしてまた飛んできた鞭を軽やかなジャンプで躱し、また滞空しながらライフルを乱射した。

 

 

『すごいわシンジくん!』

 

『なんて動きなの・・・!』

 

 

昨日ブラックラグーンを見直してよかった!

想像しているのはレヴィの動きだからね!

 

・・・だけどこのままじゃダメだ。

 

A.T.フィールドもちゃんと中和して全弾命中しているはずなのに全く堪えていない。

やっぱりグミ撃ちじゃダメか・・・

 

しばらく跳ね回り続けると、使徒の周りを一周し終わりまた使徒の目の前にやって来る。

そこで両脇から二本の鞭が挟み込むように襲ってきたのでバックステッポゥで躱すと、鞭がいきなりグンと曲がって滞空しているエヴァの片足に巻き付いた。

 

バックステッポゥが読まれた!?と言うより誘導されたのか!!

 

後悔しても時すでにおすし。

グインと引っ張られるとすごい勢いで空中に投げ出されてしまった。

 

ふわっとした感覚を感じたのもつかの間、次の瞬間には背中から地面に叩き付けられた。

ぐえぇ・・・体育の柔道の時お手本で先生にひっくり返された時みたいだ。

 

 

『シンジくん!大丈夫!?』

 

「なんとか・・・ん?ちょっ!?」

 

 

ミサトさんの声に応答し一体何処に投げ飛ばされたのか辺りを見回すと、近くの山だと理解すると同時にエヴァの指の間で縮こまってるケンスケとトウジを見つけた。

ホントお前は予想を裏切らないなケンスケ!!

 

 

『シンジくんのクラスメイト!?』

 

『何故こんなところに!?』

 

 

驚くのはいいですから早く指示を・・・くっ!?

ミサトさんに指示を仰ごうとしたところで使徒が近づいて来ていることに気づく。

 

あっちいけ!

 

鞭で攻撃される前に、僕は手を動かさないように足を思い切り振り上げ使徒の顔?を蹴り上げた。

すると使徒は少し仰け反りながら大きく後退した。

 

ぃよし!!

今のうちに・・・!

 

 

『シンジ君、そこの二人を操縦席へ!二人を回収した後一時退却、出直すわよ』

 

「了解!!」

 

 

僕が答えた少し後に周りが暗くなり、エントリープラグが開く。

 

 

「二人とも!早く!!」

 

「お、おうすまんな・・・」

 

「あ、靴はそこで脱いでね」

 

「すみません、お邪魔しまーす」

 

「なんでお前ら遊びに来たみたいになっとるんや!?」

 

 

色々話しながら二人が中に入ると、扉が閉まり周りが明るくなる。

さっきと同じように使徒が映し出されるが、そこにはかなりのノイズが走っていた。

 

 

『神経系統に異常発生!』

 

『異物を二つもプラグに挿入したからよ、神経パルスにノイズが混じってるわ』

 

 

そんなのは気合いでカバーだ!!

 

 

『(というわけでエヴァさん!彼らは僕の大切な友達なんでなんとかなりませんか?)』

 

 

そこ、結局言ってることと違うとか言わない。

だが結果オーライ、ノイズはドンドン収まっていく。

 

 

『神経パルス回復!?』

 

『なんですって!?』

 

 

よしよし、さすがエヴァさんだね。

後は撤退して体制を立て直すわけだけど。

 

 

「ぶっちゃけケンスケ、逃げられると思う?」

 

「・・・無理だな」

 

 

やはりケンスケも同じ感想らしい。

 

 

「なんで逃げられへんのや!?」

 

「俺達みたいなお荷物がいる時、大体は撤退とか体勢を立て直すだとかはできなくてそのまま戦うことになるんだよな」

 

「そうそう」

 

 

でも、逃げられたならそれに越したことは無いよね。と付け加えてミサトさんに指示された撤退ルートを進もうとするが、使徒とは逆方向に意識を向けようとした瞬間鞭が飛んでくる。

 

なんとか避けたけど・・・

 

 

『ダメね、このままじゃ撤退する前に追撃されるわ』

 

『そんな、如何にかならないの!?』

 

「ですよねー」

 

 

知らなかったのか?使徒からは逃げられない!

そんな幻聴が聞こえてくる。

ダメージ覚悟で突撃するしかないか・・・

 

そこまで考え、突撃の許可を貰おうとしたところでちょうどミサトさんから指示が飛んでくる。

 

 

『シンジくん!』

 

「あ、はい!」

 

『とりあえず撤退は中止!今から安全なルートを割り出すからそれまで時間を稼いでほしいの。できるかしら?』

 

 

・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ。時間を稼ぐのはいいんですが―――」

 

『どうしたの?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「別に、アレを倒してしまっても構わないのでしょう?」

 

「やっちゃって、アーチャー!」(ケンスケ裏声)

 

 

イメージしたのは最強の自分、そして今繰り出せる渾身の一撃。

次の瞬間には、エヴァは肩から取り出したナイフを構え走り出していた。

 

 

「おいいいいい!!今のはわいでもわかるで!?なんで死亡フラグ建てよった!?」

 

「「ついうっかり」」

 

「おまえらあああああああ!!!」

 

 

走り出したエヴァはそれなりに勢いが付いたところで軽くジャンプ。

滞空している僕等へ向けて鞭が襲い掛かって来るが、それよりも早く着地。

走り幅跳びのように着地したエヴァはしゃがむ様な形になるが、エヴァは急には止まれない。

勢いのまましゃがんだ体制のまま地面を抉りながら進み、滞空していたエヴァを狙っていた鞭は僕らの上を通過した。

 

 

「よし!!」

 

「トウジ!なんか叫ぶぞ!!」

 

「は!?」

 

 

よし、ケンスケも順調に勝ちフラグを建てる準備をしているみたいだ。

 

鞭を潜り抜けたためにコアはもう目の前。

エヴァは滑りながらも僕の想像通りのポーズでナイフを構えていた。

その構えは腰を深く落として相手に向かって半身の姿勢をとり、ナイフは左手のみで持ち刀身は地面と水平に保ち体の後ろに置き先端を使徒に向け、右手を前に突き出してナイフにやや重なるような位置に置いていた。

 

 

そして使徒のコアがナイフの間合いに入った瞬間、

 

 

「その心臓―――」

 

 

全体重を掛けて左片手一本突きを繰り出す!!!

 

 

「―――貰い受ける!!!」

 

「いっけえええええええええ!!!」

 

「うおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

ナイフは勢いのままにコアへ深く突き刺さり、その衝撃は使徒を突き抜けて後ろの地面まで地割れのように大きく切り裂いた。

コアも時間差でパックリと真っ二つになり、使徒はグラリとこちらに倒れてきたので避けるとドスンと地に附してそのまま動くことは無かった。

 

 

「か、勝ったんやな?」

 

「あぁ、見事な牙突だったな・・・」

 

「花京院!イギ―!アヴドゥル!終わったよ・・・」

 

 

無線越しに聞こえる歓声をBGMに、今度は立ち上がらないように終わりフラグをしっかりと立てる僕。

 

こうして二回目の使徒は、僕等の友情(笑)の前に敗れ去ったのだった・・・




死亡フラグは勢いで殺す!

今回のタイトルは考えるのに苦労しました。

いや最初は「少年は荒野を目指す」にしようと思ったんですけどね?弓兵的に。
そしたらなんかそんな感じのタイトルの漫画があるらしんですよ、グーグル先生曰くですが。
なので、こんなタイトルになりました。

「あれ、内容とあんまり合って無くね?」とか思っても気にしないでね!



次回の投稿は水曜日・・・に、できるといいなぁ(希望的観測)

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