オリアナに会った日から2日。学園都市に潜入成功。
「大変だったね」
「ええ。これでお別れね」
学園都市の河川敷(おそらく上条さんVS美琴の場所)。
『
もうお別れの時間。
それこそ一緒に行動したのは3日しかなかったけど、楽しかった。
「よかったらこれを使ってくれるかしら」
「これは……」
渡されたのは単語帳のページが5ページ。
『強化版
彼女の願いを叶えるためにはこういうこともできるようになった方がいいと思ったから、こういうこともできるようにしたんだよ。
そして魔導書の原典の性質の一つである、ページ自体を一種の魔法陣に変えて魔力を循環させることで半永久的に活動を続ける性質を少し強化して、『
「安心して。あなたを罠にはめるつもりはないわ」
「うん。わかってるんだよ」
「あなたがそれの使い時を間違うことはないと思うけど、危ないことになる前に使って。ここって意外と治安が良くないみたいだもの」
そうだね、寝るときは野宿になるだろうし。不良に襲われた時に身を守るものは必要だし。
「じゃあね。オリアナ」
「ええ、また会いましょう。インデックス」
学園都市内を見て回ることにしようかな。今夜寝るところを決めないといけないし。
そう思って街を歩きだしたのが30分前。
クレープ屋の前を通ってお腹がすいたのが20分前。
不良たちに絡まれ、せまい路地に連れて行かれたのが10分前。
そして現在……
「何見てんだ、てめえ!!」
「なンだこの状況」
『歩く教会』の防御力に任せて不良たちを倒そうと思った時に路地の奥から現れたのは、白系の奇妙なファッションをした白髪の……少年?
「うそ……」
学園都市潜入一日目でこの人に会えたのはいいことなのかな?悪いことなのかな?
「ちょうどいい。そいつには俺らの活動のために募金してもらおうぜ!」
「面倒くせェ」
「ああ!?舐めたこと言いやがって。やっちまえ!」
私の前に立つリーダー格っぽい男が言うと、それ以外の不良が白い人に向かっていく。
あ!リーダーっぽい人が今隙だらけかも。
「えい!」
「へ?ぐッ!?」
リーダーっぽい人の鳩尾に前かがみの状態で全体重を乗せた肘を打ち込む。それで、相手の体がくの字に折れ曲がった瞬間、私は頭を上げて相手の顎に頭突きを喰らわせた。そして、後ろに倒れたになった相手の腹部を全力で踏みつけてっと。
「これで良し」
「この女ぁ!!」
全員、白い人に向かっていけばよかったのに……面倒くさいかも。
横から降りぬかれた鉄パイプが私の腕に当たり、曲がる。
流石『歩く教会』だね。私には全くダメージないし。
「なっ!?この女、能力者か!?」
「違うんだよ」
男が鉄パイプを捨てて掴みかかってきたのを避けつつ鉄パイプを拾い、振り向きざまに鉄パイプを相手の腕にむけて振りぬく。
「ってえ!?」
まあ、この体で繰り出す攻撃なんて痛い程度だよね。
鉄パイプ攻撃でひるんだ相手の横をすり抜けつつ腹部に向けて鉄パイプを振りぬいて、しゃがむ動きで足払いをかけ、倒れた男の腹部を踵落とし気味に踏みつける。
「はあ……お腹減ったんだよ」
ただでさえ、この体になってからお腹がすいてしょうがないのに、こんなことしてたらもっとお腹がすくんだよ。
横を見てみると、死屍累々と言った感じで倒れている不良たちと、一人だけ無傷で立っている白い人。
「そこの人。助けてくれてありがとうなんだよ」
「……俺は俺に向かってきた馬鹿を潰しただけだ」
「助けるついでに頼まれてくれない?」
「あァ?」
不良退治から数分後、私は
「ありがとう」
「別に」
白い人にハンバーガーをおごってもらっていた。
「どォでもいいんだが、オマエの辞書に遠慮って言葉はねェのか?」
まあ、ハンバーガー十五個を食べたからね。さらにお持ち帰りで二十個。
「こっちは朝から何も食べてないんだよ。それに滅茶苦茶暑いし」
「そンな暑苦しい服きてっからだろうが」
「ええ!?まさかあなたはこんな公衆の面前で私に服を脱げって言うのかな!?」
「今の言葉をどうとればそォなるンだ?」
冗談はこれくらいにしておこうかな。
「私の名前はインデックスっていうんだよ」
「随分愉快な名前してンだなァ」
「正式名称はIndex-Librorum-Prohibitorum。見ての通りイギリス清教のシスターだよ。あなたの名前は?」
まあ、大体予想はついてるけどね。
「
「随分とすごい名前かも」
「喧嘩売ってンのか?」
「名前聞いた途端に『随分愉快な名前』って言った、あなたに言われたくはないんだよ」
さて、あんまりからかうと怖いから適当にやめておこうかな。
それにしても
学園都市最強のLEVEL5。あらゆるベクトルを変換する能力者だね。攻撃を反射したり、地球の自転エネルギーでビルを投げたり。
「さて、お礼をしたいところなんだけどなんだけど……私はシスターさんだからね。あなたの悩みを聞く位しかできないんだよ」
「悩みなンてねェよ。そもそもオマエは俺が悩みがあるように見えんのか?」
「まったく見えないんだよ!」
「おい」
「と言ってもね、悩みがないように見えるのと実際に悩みがあるのかは別だよ。そもそも悩みがない方が珍しいんだから」
怖い鬼は自分を恐れる人々と友達になりたかった、みたいな感じかな?
「悩みなんて人に話してみるだけでも楽になるものなんだよ。……まあ今日会ったばかりのシスターに悩みを話せって言うのも難しいと思うけどね」
「……オマエ、一体何歳だ?」
「さあ?まあ見ての通り十四歳くらいだと思うんだけど、本当のことは私にもわからないんだよ。……このお礼はいつかするからね。具体的には卒業式に体育館裏で」
「お礼参りじゃねェか」
「あはは。冗談だよ」
さて、今夜寝る場所も確保しなきゃいけないし、行かないとね。ハンバーガーも忘れずに。
「それじゃあ私はもう行くね」
「あァ」
さてと……どうしようかな?
侵入者が一人はいったっていうのに、この町はあまりにもおとなしすぎる。
暗部が動いているようには見えないし、アレイスターが邪魔してこないのも気になるかも。
まあ私がイギリス清教所属のシスターだから、私を襲ってイギリス清教と戦争したくないって言うのもあるだろうし、アレイスターのプランに影響が出るかもしれないから動けないのもわかるんだけど。
……まあ私程度に見破れる闇なら、暗部の底も知れるからね。多分私とかかわらないように動いてはいるんだと思うけど。
まあ、そんなことより……
「今夜寝る場所がないのが問題なんだよ……」
もう日も傾き始めているし、大体二時くらいだとおもうんだけど。
早く寝る場所を決めないと夜もぐっすり眠れない。
正直、学園都市は治安が悪すぎる気がするんだよ。流石に学園都市に入った初日から不良に絡まれたのはわけがわからなかったもの。
できれば雨風が防げて、不良に襲われない安全な場所がいいかも。
となるとだれかに泊めてもらうしかないわけだけど……。さっき知り合った
あれ? 今、視界の端っこに何か違和感が……って、あれはまさか!?
「今日の私は運がいいのか悪いのかわからないかも」
いろいろあって投稿が遅くなりました、たくヲです。
学園都市に潜入。いきなりあの人との邂逅回。
これからも『とある主要人物に憑依して最強の魔術師を目指す』をよろしくお願いします。