とある主要人物に憑依して最強の魔術師を目指す   作:たくヲ

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※この作品は他の目指すシリーズ作品を読んでいなくとも結構です。

それではお楽しみください。


ぷろろーぐ

私が目を覚ますと白い空間だった。

 

えーと?私は休日を利用して家で『とある魔術の禁書目録』全22巻、『新約とある魔術の禁書目録』を5巻まで読破したところまでは記憶がある。

 

それがなんでいきなり学校の制服姿でこんな白い場所にいるんだろう?

 

「わしは神じゃ」

 

でも、ここはどこ?ただの女子高生をこんな所に放り出して何がしたいのかな?

 

「わしは神じゃ」

 

ここが白い床を叩いてみると柔らかいような固いようなどっちかよくわからない感触だった。

 

「わしは神じゃ。……いい加減、反応してくれないかのう?」

「いきなり、『わしは神じゃ』とか言う見知らぬおじいさんが現れた時の反応なんて私は知りません」

「ふむ……次からはパターンを変えてみるとするかのう?」

 

まさかこのおじいさん、いままで何人もの人に『わしは神じゃ』なんて台詞を言い続けてきたのかな?

 

「そんなことよりもおぬしに話があるのじゃ」

「見知らぬおじいさんに真っ白な部屋に二人きりって危険な香りがすごいので離れてもらえますか?」

「ふむ、話を聞いてくれるのであればこの場所について教えてしんぜよう」

 

む。それは知りたい。

 

「わかりました。聞きます」

 

おじいさんは頷いて話し始める。

 

「ここはおぬしたち人間が天国と呼ぶ場所じゃ」

「……大丈夫ですか?っていうか、正気ですか?」

 

本気で言っているんだとしたらおせっかいながら病院に案内するしかない。

 

「正気じゃ。……話を戻すぞい。残念ながらおぬしは死んでしまったのじゃ。家に小さな隕石が突っ込んでのう」

「だから、あなた大丈夫ですか?」

「そして先程から言うように、わしは神じゃ」

 

無視された……。

 

「……」

「むう?ふむ、わしが神様なのか疑っているようじゃな。まあ、今まで一般人だったのだから仕方ない話じゃ。ここは二つほどわしの力を見せてやろう」

 

おじいさんが手をかざすと水晶玉が出現した。そこには私の通っている学校が映っていた。そこの教室にいるのは私のクラスメイトと先生。その中の違和感はひとつ……私がいないというだけ。

 

「このように、別の場所を見ることができる。さらに」

 

おじいさんが私に手をかざすと、私の服が一瞬でメイド服に!?

 

「……もどしてください」

「……はい」

 

おじいさんは素直に戻してくれました。私にコスプレ趣味はない。見るのは好きだけど。

 

「これで、分かったじゃろう?」

「そうですね。流石に……でもその神様が私に何の用ですか?」

「それはのう。おぬしを漫画・小説・アニメの世界に転生させようと思ったのじゃ」

 

へ?なんで私?

 

「なんて顔をしておるんじゃ。……理由は単純。友がわしに、ある計画のため最低5人の転生者が必要だと言ってきたのじゃ」

 

神様に友達なんているんだ。正直驚いた。

 

「無論じゃ。まあ、その友の計画のために、4人ほど転生させ、おぬしは最後の一人というわけじゃ」

 

心を読まれた?

 

「拒否権は?」

「もちろんある。が、それだと輪廻転生の輪に戻るだけじゃ」

 

どうしよう。

 

前世の生活に戻る……のはできなさそうだ。このまますべて忘れて新しい人生をやり直すのもいいかもしれない。

 

でも、前世で見た二次創作のようなことができるのなら転生もしたい、かな?

 

「すみません。いわゆる転生者特典というのはつきますか?」

「勿論つける。つけないとすぐに死んでしまいそうじゃからのう。今ならおぬしの望む力を二つまで与えよう」

 

特典なしだと死ぬ? ってことは私が転生したらバトル系の世界におくられる、ってことなのかな?

 

あと、特典二つ?二次創作なんかだと三つくらいのはずなのに?

 

「一応サービスで転生先について教えておこう。日本にはおぬしの生前の日本にはない巨大な組織が堂々と存在し、魔法がある世界じゃ」

「……わかりました。私、転生します」

「ほう、意外と迷わず決めたのう」

 

でも、特典はどうしよう………………決めた。

 

「もう決めたのか。急ぎの話しでもないから、もう少し考えてもよいのじゃぞ?」

「大丈夫です。もともとなりたいものは決まってましたから」

「ならば欲しい特典を言うがいい」

 

私が欲しいものは……。

 

「『とある魔術の禁書目録の10万3千冊の魔道書の知識』と『魔術や魔法の知識を見ることで解析、追加していく能力』です」

「ふむ、よかろう。おぬしの願いはエントロピーを凌駕した」

 

まどかマギカ?

 

「おぬしが転生すると自動的に能力として発現するからのう。全力全開で頑張ってくるがよい」

 

リリカルなのは?

 

「転生者としての生活を存分に楽しんでくるといいじゃろう」

 

その言葉を聞いた瞬間から、私の目の前が黒く塗りつぶされていく。

 

「では行くがよい。■■■■よ」

 

その言葉を最後に私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5人の転生者が揃った。

 

一人目は狙撃手。

 

二人目は魔物使い。

 

三人目はデバイス。

 

四人目は暗殺者。

 

これは五人目の転生者。魔導書の力を持つ少女が最強の魔術師を目指す物語。




作者のたくヲです。

目指すシリーズ第5弾。ということで始まりました、この作品。

この作品は目指すシリーズにおけるひとつの区切りと言える作品となっています。と言っても前書きの通り、他の目指すシリーズを読んでいなくても理解できる作品に仕上げます。

これからも、『主要人物に憑依して最強の魔術師を目指す』をよろしくお願いします。

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