ガタゴトと馬車は音を立てながら、街道を進んでいく。
貴族専用の馬車らしく、装飾が施されているが、音の割には振動が小さいので乗り心地も良いのだろう。
そんな馬車の中で、ルイズは同乗者であるシエスタから、なにやら教わっているようだ。
「えっと……ここはこうして、こうで良いのよね、シエスタ」
「はい、とてもお上手ですよ、ルイズ様。それじゃ、次はですね」
小さく拍手をしながら、シエスタはルイズの作品――刺繍――を見て微笑んだ。何故、彼女達が馬車に乗っているのかというと、数日前までさかのぼる事になる。
フーケが宝物庫の壁を破壊し、宝物を盗んだが、ルイズ達が取り戻したまでは良かった。しかし、問題はその後だ。
大穴を開けられた宝物庫の壁は修理しなくてはいけないし、それなりに時間もかかるらしい。それならば、いっその事学院全体の修復もしてしまおうとオスマンが提案。
所々は教師達が修繕を行ってきたのだが、それ専門の建築士やメイジ達には及ばない。その間、学院は休みと言う事で、生徒達には帰郷する様に指示が出されたのだ。
国外から来ている生徒達に関しては、城下町に宿を用意されているので、そこを利用する生徒も多いらしい。なお、タバサはキュルケの実家に行っている
彼女の使い魔のシルフィードならば馬車で行くよりも速く着くし、気心知れたキュルケの所の方が良いのだろう。
そんなこんなで里帰り中のルイズは、その移動の間にシエスタから裁縫や刺繍を教わっていたのだ。
「ふう、中々難しいのね。シエスタってなんでそんなに早くできるの?」
「ほら、私の場合、弟達が直ぐに洋服とか破いちゃいますから。一々、買ってるとお金が足りなくなるのでこうして縫っていたんですよ」
「へぇ~、賑やかそうだけど大変ね。けど、私が学院卒業したら、こっちで雇ってあげるから大丈夫よ。お給料、沢山出すから!」
ふん!と胸を張るルイズに、シエスタは笑いながらペコリと小さく頭を下げた。何故、シエスタも里帰りに着いて来ているのかと言うと、ルイズが学院を卒業する時が来たら、シエスタの事を雇いたいと以前から言っていたのだ。今回の里帰りもちょうど良い機会ということで、同行してもらったらしい。
「けど、実は私もお裁縫、ある人達に教わったんですよ。農作業が忙しいときとか、その人達の所に弟や妹達も預けてましたから」
「あら、そうなの?それって、親戚とか村の人とか?あ、村の人だと一緒に作業してるものね」
「ふふ、私の村の近くに小さな寺院があるんです。そこにいる2人の姉妹さん達にお願いしてたんですよ。すっごく美人で優しい人達で、私の憧れなんですよ!」
「貴女が憧れるって、相当ね。どうんな人達なの?」
「お姉さんの方は、すらっとした美人さんで、サラサラの真っ黒な髪がとても綺麗なんです。妹さんの方は少し小柄ですけど、雪みたいな真っ白な肌と髪をしてるんですよ!!」
キラキラと眼を輝かせるシエスタに、ルイズはクスクスと小さく笑みを零してしまう。それほどまでに彼女が憧れるとなると、本当に良い人達なのだろう。
そんな事を話しながら、再びルイズはシエスタに裁縫を教え貰い始めた。
ちなみに、プレイヤーはと言うと、ルイズ達が乗っている馬車の隣を、馬に乗って随伴しているところ。
何時もの様なアルトリウスの鎧ではなく、簡素なレザーアーマーを装備し、背中には矢筒と弓を背負い、どこなく狩人に見えるかもしれない。
「いや~、良い天気だなぁ。……確かに、相棒の言うとおりそこら辺の草原で昼寝できたら、最高だろうな」
辺り一面、広大な草原が広がり、空はとても晴れ渡っている。暑くもなく寒くもない気温なので昼寝には最高だなとプレイヤーも考えていたところだ。
「しっかし、ルイズの嬢ちゃんって公爵の娘だもんなぁ。……こりゃあ、到着まで時間がかかりそうだわな」
確かにデルフの言うとおりだ。出発前に地図を見せてもらったが、その領地の広さにはプレイヤーも度肝を抜かれた。まさか、里帰りに3日近くも要するとは思っていなかった。
まず、学院からヴァリエール領地まで約1日。そこから更に屋敷に到着するので2日目――今日――の夕方か夜なのだ。流石に、その位の距離となると中々に帰れない。
「ん?……おぉ~、相棒、あれって村じゃねぇか?ほら、地図の印の休憩場所じゃね?」
プレイヤーも地図を取り出して、確認してみれば確かに体感的な距離で、あの村が屋敷到着前の最後の休憩場所だと分かった。
馬車の御者に聞いてみると、あそこで小休止した後に屋敷に向かうと答えが返ってきた。
「ルイズ様、おかえりなさいませ!!ささ、こちらに果実を用意しておりますので、ごゆっくりお休みください!」
村の長らしき老人が、馬車から降りてきたルイズに恭しく礼を行うと、広場に設置されている日よけ傘とテーブルに案内している。
流石は大貴族のご令嬢だなと感心しつつ、プレイヤーも馬から下りるが何故か村人達がこちらに寄ってきた。
「あぁ、ルイズ様の護衛の方ですな。ささ、何か必要な事がありましたら言ってくだされ」
「プレイヤー!貴方も、しっかりと休んでおいて!!ほら、遠慮はしないこと!!」
きっと彼ならば遠慮するだろうと思ったルイズは村人に囲まれながらも、大声でプレイヤーに休むように指示を出した。
流石に主にそう言われては、彼も素直に頷くしかなく、デルフを通じて食事と飲み物を頼むと、ちょっとした木陰に腰を下ろす。
「お~お~、さっきからすげぇな。ルイズの嬢ちゃんは村人に歓迎されてるし、シエスタなんか負けじと側で飲み物とかついでるねぇ」
カチカチと鍔を鳴らすデルフに、そうだなと答えながらプレイヤーは優しげな眼でその光景を眺めていた。
何処の世界でも、民を蔑ろにする貴族とは存在するものだが、ルイズやヴァリエール家の人達は違うのだろう。村人達は、本当に彼女の帰郷を心から喜んでいるし歓迎している。
よく見れば、シエスタは子供達の相手をしているし、彼女も彼女で結構楽しんでいるのかもしれない。
ふっと人の気配を感じ、そちらを見ると青年が飲み物とパンが入った籠を持って立っていた。
「あの、騎士様。こちらが食事となります。あ、だいじょうぶですよ。騎士様が喋れない事は、先ほどシエスタ様から聞きましたので」
どうやらシエスタはルイズ付の専属メイドとして認識されたらしい。村人達に様付けされている辺り、流石と言うべきなのか。
こちらに食事を持ってきた青年に、小さく頭を下げつつプレイヤーはパンを頬張る。少し硬いが、学院で食べるパンとは違い、どこか素朴な味がするので悪くはない。
黙々と食べているプレイヤーだが、じーっとこちらを見てくる青年の視線に気がつき、首を傾げる。
「あ、いえ……その剣ってインテリジェンスソードなんですよね?はじめてみましたので……」
「そりゃそうだろう。喋る剣を作るなんて酔狂な奴、中々にいねぇさ」
「ほ、本当に喋るんですね。あの、騎士様は……お強いんですか?」
「強いだぁ?あ~、まぁ剣の俺が言うのもなんだが、桁外れだよ、相棒は。こんな人畜無害そうな顔してパンを頬張ってるが、それこそ戦いとなりゃむぐ……」
ベラベラと喋るなと言った風に、プレイヤーは苦笑を浮かべてデルフの事を鞘に深くしまう。確かにこの剣は面白いが、こうしてお喋りなのが玉に瑕だ。
しかし、青年はなにやら俯き、考え込んでいるようだ。どうしたんだ?と首を傾げる前に、青年は勢いよく顔を上げて、プレイヤーの顔を見つめた。
「騎士様、お願いします!!北の森を調べていただけませんか!!かつては、村の農園があった場所なのですが、突然、色の無い濃霧に覆われてしまい……」
「こりゃ、オスト!!騎士様を困らせるではない!!ほら、騎士様の馬に餌をやってこんか!!」
「し、しかし村長!!あの濃霧が出てからと言うもの、得体の知れない奴らが……」
「その件に関しては、既に公爵様にお話を通して居る。近日中に調査隊を派遣すると言ってくださった。……さ、速く行きなさい」
「……はい、分かりました。騎士様、突然のご無礼お許しください」
頭を下げて走っていく青年、オストの背中を見送りながら、プレイヤーは先ほどの話の中の単語を思い出す。
色の無い濃霧。それは、かつてボーレタリアに存在していたあの霧の事なのだろうか?もし、それがここにあると言うのならば……ただのメイジには太刀打ちは出来ないだろう。
「いやはや、オストが失礼しましたな。実直で気の良い者なんじゃが……。あぁ、先ほどの話は気にしないでくださいれ。騎士様はルイズ様の護衛の事だけ考えてくだされ」
確かに、今の自分はルイズの護衛として随伴している身だ。勝手に彼女から離れて、北の森とやらを調査するのは出来ない。
なんとなくその濃霧の事を気にしつつ、後でルイズに頼んで行かせて貰おうと決めたプレイヤーなのであった。
ヴァリエール家 屋敷
「すげぇな。屋敷と言うよりは、城砦だなありゃあ」
デルフの言葉に、プレイヤーは頷くと、目の前の景色に唖然としていた。
高い城壁と周りには深い堀。奥には城らしきものまで見える始末だ。確かに、これでは屋敷と言うよりは城と言うものだ
下手すると魔法学院より大きいかもしれないなと考えつつ、プレイヤーは堀の前で馬を止める。まぁ、流石にアノールロンドやボーレタリア王城に比べては小さいが、むしろあの2つが以上にでかいだけなのだろう。ボーレタリア王城は城下町を囲むように建設され、長大な山脈と強固な城壁で鉄壁の守りを誇り、アノールロンドに居たっては、古き神々の都だ。比べるという方が酷なのかもしれない。
城壁の上には大砲やら、弓を携えた兵が見えるし、向こう側の跳ね橋にも待機している兵士達の姿が見える。
そして、跳ね橋の近くに待機していた巨大な石像――デルフ曰く跳ね橋とか門を開け閉めするゴーレム――が橋を降ろし、門を開けるのを確認すると馬車と一緒に前に進む。
ゴーレムの近くを通り過ぎるときに、まるでセンの古城の奴隷巨人の様だと考えながら、プレイヤーは見上げる。
「あ~、そうだ、相棒。今回、俺っちは人前でしゃべらねぇからな。理由?相棒自体目立つってのに、俺みたいなのがいたら余計にだろう?」
それもそうだなと、と納得しながら、これから城の兵士達に馬を預けて、馬車から降りたルイズ達の後をプレイヤーは追う事にした。
屋敷 内部
これはまた本当に凄まじいなと、とプレイヤーは感心したように屋敷の内部を観察していた。
どれもこれも、かなりの値打ちがするものだと分かる調度品の数々。内装だけならば、アノールロンドに匹敵するんじゃないか?と思いつつ、プレイヤーはルイズの後を追いかける。
一応は彼女の使い魔と言う立場なので、晩餐会に出席する事は許してもらったが、シエスタは駄目だったらしい。まぁ、ルイズが使用人長に話を通してあるので、今頃はプレイヤーの宿泊する部屋の準備でもしててくれているのだろう。……どんな部屋なのかは知らないが。
食堂の扉の前で、緊張した面持ちのルイズに大丈夫か?と問いかけながら、プレイヤーは後ろに控える。
「え、えぇ、大丈夫よ。……うぅ、久々だから、緊張してるだけ。……よし、いくわよ」
家族に会うのになんでそんなに緊張するんだ……と思いつつ、プレイヤーは扉を開けてルイズの事をエスコートするが……食堂の中に入ってなるほどと理解した。
まずは突き刺さってくる視線が3つ。1人は白髪交じりの金髪の男性のもの。1つはルイズと同じピンクブロンドの女性のもの。そして、最後が金髪のメガネの女性のもの。
唯一の救いと言うべきなのは、同じピンクブロンドでも、ニコニコとこちらを見ている女性が居る事だろうか。
とりあえず、何時ものように椅子を引いてルイズを座らせると、プレイヤーは後ろに控えておく。どうみても、5人分しか椅子が用意されていないので、座れない。まぁ、あまり座りたくもないが。
「お父様、お母様。ただいま帰郷いたしました」
「うむ、長旅ご苦労であった。まずは疲れを癒すために食事としよう」
その言葉に父親の公爵は頷くと、使用人達に合図を出して食事の準備をさせる。そして、豪華な晩餐会が始まるのだが……。
音がしない。作法的には、正しいのだろうが、あまりにも無音。流石のプレイヤーも、表情は崩さないが背中には冷や汗がびっしょりだ。
こんな食事をしていた楽しいのだろうか……と考えながらも、彼は静かに佇むのみ。ここで下手に動いたら、色々と不味し事になるのは明白だし。
1時間ほどたって頃だろうか。デザートや紅茶が運ばれてきたので、そろそろ晩餐会は終わりなのだろう。
そう思い、内心でほっとしていると、こちらを見ている視線に気がついた。それを辿って見ると、それはにこやかな女性のもの。
「あ、ふふ。はじめまして、ルイズの護衛の兵士さんでしょう?お名前は、なんて言うの?」
「カトレア。気軽に声を掛けないの。第一、護衛の兵士にしては、随分と安っぽい鎧のようだけれど」
「あら、そうでしょうか?皮製の物ですし、軽くて丈夫なのかもしれませんよ、エレオールお姉さま?」
ニコニコと笑みを浮かべる女性、カトレアとは対照的にメガネの女性、エレオノールの視線がプレイヤーに突き刺さる。
事前に聞いていたが、本当に3姉妹らしいが……こうまで性格が違うものなのだろうか。いや、エレオノールとルイズの性格は似ているなどと考えていると、更にエレオノールの視線が強くなる。
「まぁ、良いわよ。そこの、速く名乗りなさい」
「あ……その、お姉さま。彼は、喋れないんです」
「喋れない?……そう、そんな兵士を良く護衛にしたわね」
値踏みするように見ていた視線が、今度はルイズに向けられる。一瞬、ビクリとしたルイズだが、話はこれで終わりではない。
「それに、彼は護衛の兵士ではなく……わ、私の使い魔なんです」
「使い魔?……人間の使い魔ってことかしら?」
すうっとエレオノールともう1人のピンクブロンドの女性、公爵夫人の眼が細くなる。まずい、色々とまずい気がしてならないと、プレイヤーは背中に冷や汗が流れるのを感じる。
公爵はふむと何か考えている様子だし、カトレアはまぁまぁと笑みを崩さない。
「まぁ、それなら、ルイズもサモンサーヴァントに成功したのね。ふふ、良かったわね。それで、使い魔さんのお名前はなんて言うの?」
「プレイヤーって言います。今は、こう言う革の鎧ですが、れっきとした異国の騎士だそうです」
「ふむ、人の使い魔か。つくづく、変わっている娘だとは思っていたが……まぁ、良い。しかし、異国の騎士なら何故、革の鎧を?」
そのルイズの言葉を聞いて、公爵もプレイヤーに視線を向ける。レザーアーマーを着ていた理由は、長旅で馬に疲労を掛けたくなかったからであり、別に深い理由はない。
どうする?とルイズに視線を向ければ、少しだけ考える素振りを見せたが、装備を変えても良いと、頷かれたのでソウルを纏う。
淡い光がプレイヤーの身体を包むと同時に、上級騎士の兜とアルトリウスの鎧。そして、黒鉄の手甲と脚甲を装備した、何時ものプレイヤーが存在し、優雅に一礼を行っている。
それには、公爵だけでなく夫人やエレオノールも驚いた顔をしている。まぁ、当然だろう。いきなり、装備品が変われば誰だって驚く。
優雅な一礼に、カトレアは一瞬見惚れたが、直ぐに小さく頭を下げる。
「今のは……そこの騎士、一体なにをしたのか答えなさい!!」
「お、お姉さま、落ち着いてください!!プレイヤーは、異国の術を使えるそうなんです。えっと……ソウルと言うのに物を変換して魂に収納する術、だそうです」
「まぁ、それじゃ、プレイヤーさんはメイジなのかしら?」
「いいえ、違います、ちぃ姉さま。プレイヤーの居た所では、誰もが習う事の出来る術だったそうです」
「異国の術……それならば、ある程度は納得できるけど、ならルイズはどうして彼の言いたい事が分かるの?」
「恐らくですが、使い魔の契約が関係してるんだと思います。プレイヤーの言いたい事が伝わってくるんです」
スラスラと答えるルイズに、エレオノールは内心で驚いていた。自分や母親の前では、何時も緊張した面持ちの彼女のはずなのに、プレイヤーが後ろに控えていると言うだけで、緊張感が少なくなってきていたのだろう。
「ふむ、特殊な術を会得している異国の騎士か。ならば、なにか異国の品はないだろうか。よければ、見せて欲しいのだが」
「え、異国の品ですか?……プ、プレイヤー、なにか出しなさい!!」
公爵の当然の申し出に、慌てるルイズはプレイヤーに大丈夫だと言う様に、一振りの剣を取り出して、前に掲げる。通常の剣とは違い、片刃で湾曲しているそれは、飛竜の剣と呼ばれるもの。かの飛竜、ヘルカイトの尻尾から生み出されたドラゴンウェポンの1つだ。
その剣を使用人に預けて、公爵の手元まで運ばせる。受け取った公爵は、飛竜の剣を手に持つと、しげしげと観察し始めた。
「ほう、随分と変わった剣だが……これは何の剣かね?」
「えっと……飛竜の剣と言って、飛竜の尻尾から生み出された剣、だそうです。……え、この食堂位の大きさはあった?……って、それを倒したの!?」
事も無げに答えるプレイヤーに、ルイズは椅子から転がり落ちそうになるのを何とか耐えた。この食堂位の大きさとなると、タバサのシルフィードどころではない。
そんな飛竜を打ち倒したと言う彼の言葉に、ルイズだけでなく彼女の家族達も目を丸くしていた。
「た、ただの騎士にそんな事が出来るわけがないでしょう!!その剣も本当に飛竜のものか」
「いえ、事実のようね。……彼が持っていた物とよく似ている」
エレオノールが言葉を続けようとしたのを遮って、公爵夫人は飛竜の剣を公爵から受け取り、ディティクトマジックで剣の事を調べていた。
「この剣に宿る力を見る限り、竜の力があるのは事実。随分と貴重な物を見せてくれたようね、異国の騎士よ」
「うむ。カリーヌの言うとおりだ。もし、飛竜を倒す実力があるのならば、見てみたいがな。さて、今宵はここでお開きとしよう。ルイズも長旅で疲れただろう、ゆっくりと休むが良い」
未だ納得していないエレオノールはプレイヤーの事を睨みつけているが、流石にこの場で何かを言う気はないようだ。
ほっと安心するルイズとプレイヤーなのであった。
「あの風貌。確かに、彼が言っていた通り。……ねぇ、ソラール。彼が貴方の言っていた……火の英雄なの?」