ゼロの使い魔 虚無の騎士   作:へタレイヴン

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戦闘描写がグタグダです。と言うか戦闘描写で良いのだろうか。
それでも大丈夫だ問題ないと言う方はどうぞ。


13羽 

面倒な相手だ、と小さく舌打ちをしながら、プレイヤーは繰り出される鋭い突きを最小限の動きで交わす。

こちらから攻撃を仕掛けたくても、相手は槍の中でも長大な削り取る槍。そして、持ち主の傷を癒すという審判者の盾を構えている。

突っ込んでいっても、盾で防がれるのは眼に見えているし、何より相手の槍捌きはかなりのもの。突っ込めば、逆に串刺しにされてしまうだろう。

相手は突き出した槍を手元に戻さずに、プレイヤー目掛けて横になぎ払う。その攻撃を紋章の盾で受け止めて、一旦後方に下がり、仕切りなおす。

 

「おいおい、こいつ何者だぁ?魂だけなのに、物質として存在してやがる。こんなのありえるもんじゃねぇぞ?」

 

デルフの言う事は最もだろう。ボーレタリアのファントム達やロードランにて見るレイス。彼らは魂だけを別世界に飛ばし、呼び主に協力したり、逆に刈り取る者も存在している。

詳しい事は分からないが、彼らは拡散した世界の住人であり、時には人間性を求めて、時には強敵を求めて魂だけを異世界に移動させ、戦い続けているらしい。

今回の霊は、肉体を取り戻すために現れた【黒ファントム】こちらの人間性を刈り取るために現れた【ダークレイス】のどちらかだろう。

思えば、人間が一番デーモンに近いのかもしれない。現に自分の為だけに、こうして人の命を刈り取りに来ているのだから……。

 

 

上空では、シルフィードから落ちる勢いで身を乗り出しながら、ルイズがプレイヤーの事を案じていた。

 

「ミスロングビル、怪我は大丈夫かしら?かすり傷程度だから、ハンカチで止血はしておいたけど」

「ありがとうございます。ミスツェルプトー。私は大丈夫なのですが……」

 

未だに青い顔をしながら、ロングビルは眼下に存在する黒霊を視界に納める。まるで血の色の様な色をして存在する黒霊の姿は、明らかに異質であり恐怖を覚える。

 

「プレイヤー、どうして防戦一方なのよ。あんなにおっきなゴーレムも倒せるんだから、そんなにてこずらないでしょう!!」

「ルイズ、幾ら彼が強いからって、あんまり無茶な事言うんじゃないわ。相手は得体の知れない存在なんだから」

 

キュルケがルイズの肩を叩くが、彼女はそれでも心配そうにプレイヤーの事を見つめている。今まで、ギーシュのゴーレムやフーケの巨大な土ゴーレム相手にも、一歩も引かずに戦ってきたプレイヤーが、あんなにも消極的な戦い方をするのが信じられないようだ。

 

「いいえ、彼の戦い方は良いのかもしれません。……私の杖を見てください」

「え、なによその杖。上半分が、削られてる?」

「はい、先ほどあの槍の一撃を、咄嗟に杖で防いだのですが、杖を壊されてしまいました。もしかすると、あの槍は杖……いえ、武器を壊すことに特化した槍なのかもしれません」

「そんな……。つ、杖には固定化の魔法がかかってるのに、それを無視するなんて……!!プレイヤー……」

 

ロングビルが、ルイズに杖を見せてこうなってしまった経緯を説明していた。本来、メイジの使う杖には、強固な固定化の魔法が施されており、そうそう壊れるものではない。

その杖を壊してしまう槍の一撃を、人間が受ければどうなるか。簡単に想像が付くことだ。

デーモン、ファランクスのデモンズソウルから生み出された長大な槍、削り取る槍は相手の武器、防具に多大なダメージを与え、壊すことを目的とした槍だ。

その槍の穂先は、棘や幾重にも生えており、名前の如く装備の耐久度を削り取るのだ。

如何に固定化の魔法が施されていようが、相手は人外の魂から生み出された武器。それに対抗できるのも、また人外の存在だけなのだ。

ルイズは、シルフィードから身を乗り出して見守ることしか出来ない自分に苛立ちを感じるも、祈ることしか出来ない。

そんなルイズ達を尻目に、タバサは先ほど取り返した太陽の書を何度も何度も捲り直しては、最初のページに戻るを繰り返していた。

 

(白紙、白紙。全部のページが白紙。そんな訳がない。このマークは、この太陽のシンボルマークは確かに……太陽の信徒の物)

 

何時もの無表情とは違い、焦った表情を浮かべながら、タバサは何度も何度も白紙のページを隅から隅まで確認していた。もしこれが太陽の信徒が書いた魔道書ならば、この状況を打破する手段も書かれているはずだ。しかし、何度見直しても全ては白紙。

これの何処が魔道書なのだと、ギリっと奥歯をかみ締めながら、眼下で戦っているプレイヤーに視線を移す。

 

 

 

ギャリン!!と大きな金属音を立てて、美しい紋章の盾の一部が削り取られる。

 

「ああああ、紋章ちゃんがぁぁ!!だ、大丈夫だ、その位の傷を負っても、君は美しい!!……このトゲ槍がぁぁぁ!!少しばかり、身長でかいからって調子に乗ってんじゃねぇぞ!!」

 

削りリ取られた紋章の盾を仕舞いつつ、激昂するデルフに落ち着けと言いながら、プレイヤーはどうしたものかと思案をめぐらせていた。

このままいけば、確実にジリ貧で押し負ける。相手が削り取る槍を装備しているとなると、こちらも早々武器を変える事が出来ない。

自慢の武器の数々を台無しにはしたくないが、そうも言っていられないのが現実であり、悲しいところ。しかし、生半可な攻撃では、強固な巨人の鎧に阻まれてしまうだろうし、一撃で倒せなければ審判者の盾で傷を癒されてしまうだろう。ならば、求められるのは強固な鎧すら叩き壊す一撃必殺。それこそ、彼の得意分野ではあったが、中々に隙を見せてくれない。

一瞬、ほんの一瞬でも隙が出来れば……。そう思いつつ、プレイヤーは黒霊の槍の攻撃を交わし続けていた。

 

 

 

 

 

(お父様、お父様……!!どうして、どうして何も見えないの……どうして……!!)

 

眼下では大切なプレイヤーが戦っていると言うのに、何も出来ないという歯がゆい思いをしながらタバサはギュッと太陽の書を抱きしめる。

その時、胸ポケットがホンノリと熱を持っていることに気がついた。徐に胸ポケットに入れていた太陽のメダルを取り出すと、太陽の書から少しだけ光が零れているのが見える。

まさかと思い、太陽の書をめくれば、そこには黄金色に輝く文字が示されていた。

 

(我、この書を新たなる太陽の信徒に授ける。汝、真の太陽の信徒ならば、証である太陽のメダルを握りて、書を開くが良い。さすれば汝に太陽の奇跡を眼にするだろう。太陽の戦士、ソラール)

 

眼に映るのは、そんな一文と多くの太陽の奇跡。その中の奇跡のひとつの文字列にタバサが触れると、何かが流れてくる感覚を感じた。

 

(これは、太陽の奇跡?……これなら、お父様に手助けすることが出来る!)

 

キッと表情を引き締めて、タバサは太陽のタリスマンを取り出すと、自身の持つ魔力とソウルを流し込み、書に記されていた奇跡――否、メイジなので魔法なのだろうか――を使おうと試みる。

 

「キュルケ、ルイズ。少し下がって。……お父様を援護する」

「援護って……タバサ、下手に手を出したらプレイヤーの邪魔になるんじゃないの?」

「そうかもしれない。けど、キュルケ。私は黙って見守ってるなんて、出来ない」

「そう……よね。お願いタバサ、プレイヤーを手伝ってあげて」

 

 

キュルケの言葉に、今まで以上の意志を込めながら返すタバサの瞳には、強き太陽の光が宿っていた。その光こそ、正に太陽の戦士の証。

その姿にキュルケは何もいえなくなり、ルイズは願うように眼を閉じる。

太陽のタリスマンを握っている左手を天高く掲げる。すると、そこに眩い太陽の光が集まり具現化する奇跡、雷の槍。

その輝きにルイズやキュルケだけでなく、ロングビルまで眼を奪われていた。バチバチと音を立てる槍を、思いっきり振りかぶると、タバサは眼下の黒霊に投げつけた。

 

 

突如として上空に現れた雷の槍を見つけた黒霊は、慌てて審判者の盾を上に向けて受け止めようとするが、させるかと言わんばかりに、プレイヤーはアヴェリンに火のボルトを装填すると、黒霊目掛けて打ち出した。しかし、そのボルトは黒霊ではなく、カカカっと軽い音を立てて審判者の盾に突き刺さってしまった。

外したのか、と黒霊は仮面の下で哂みを浮かべるが、プレイヤーの狙いは間違ってはいなかった。

火の魔法が施されていたボルトから、火が生まれあっと言う間に審判者の盾を燃やし尽くしてしまう。これがもし、金属の盾ならば燃えることはなかっただろう。

しかし、審判者の盾は木で作られており、大盾の中では軽いほうだが、火には極端に弱いのだ。その性質を知っていたプレイヤーだからこそ、火のボルトで燃やすという手段を思いついたのだろう。慌てて審判者の盾を離し、怒りそのままにプレイヤー目掛けて槍を構えての突撃を行おうとした黒霊だが、彼は怒りで我を忘れてしまっていた。上空から降ってくる雷の槍の存在を……。

空気を焦がすような音を立てて、投げつけられた槍は吸い込まれるように黒霊の背中に命中し、膨大な熱量と電撃が巨人の鎧を焼く。

その衝撃で動きを止めてしまった黒霊に好機とばかりに、プレイヤーは走り出しソウルの中から、ある物を取り出すと、思いっきり振りかぶった。

最後に黒霊が見たのは……頭上高く振りかぶられた巨大な鉄の塊、塔の盾が振り下ろされる瞬間であった。

 

 

 

ズズンと大きな音を立てて、地面にめり込んだ塔の盾から手を放しながら、プレイヤーはふう……と大きく息を吐く。

咄嗟の事とは言え、流石に塔の盾で叩き潰すのは、無理があっただろうかと思いつつも、黒霊が消滅し、流れ込んでくるソウルと人間性を受け止める。

よくよく見ると、地面にはひび割れが起きており、振り下ろした塔の盾の衝撃が如何に強かったのかを物語っていた。

 

「ひゅう~、塔の盾のおっちゃん。凄まじい破壊力だな。……盾だけど、こんだけの威力あるなんて、盾にしとくには惜しいぜ」

 

背中でカチカチ言っているデルフに、苦笑しつつプレイヤーは身体の緊張をほぐしておく。そして、徐に振り返り、こちらに突進してくる主と娘を抱きとめるのだった。

 

 

 

 

 

馬車

 

 

「つまり、あの宝玉はプレイヤーの居た所の道具で、悪霊とかを呼び寄せるものだったってこと?」

「そして、太陽の書は、太陽の信徒って言う誓約をしている者しか読めないって事なのね」

 

ルイズとキュルケの言葉に、大体はあっていると答えながら、プレイヤーは頷いておく。あの後、心配して泣きそうになっていたルイズとタバサを慰めるのに、一苦労しながらもこうして帰路に付くことが出来た。しかし、帰路で待っていたのは、当然の如く質問攻めだ。

 

「はぁ~、それなら学院長が厳重に保管してたのも、納得できるわね~」

「えぇ、きっと悪用されないようにって事で保管してたのね。けど、プレイヤーもどうして速く教えないのよ!!え、教える暇がなかった?で、でも貴方もシルフィードに乗れば逃げる事だって」

「おいおい、ルイズの嬢ちゃん。相棒だって逃げれたら苦労はしねぇよ。けど、さっきの説明で言ってただろう?あの瞳に見られたが最後、悪霊に殺されるか、悪霊を殺すまで付きまとわれるって」

 

納得するキュルケとは反対にルイズはプレイヤーに食って掛かるが、それは無理だとデルフがプレイヤーの対応が正解だったと弁護する。

 

「まぁまぁ、プレイヤーも無事だった訳だし、それで良いじゃない。それに太陽の書も戻ってきたんだから」

「キュルケの言う通り。お父様は無事だった。それでけでも充分」

「それはそうだけど……って言うか、どうしてタバサはそこに座っているのよ!!」

 

ガルルとうなり声が聞こえてきそうな剣幕のルイズだが、プレイヤーの膝の上に座っているタバサは気にせずに、太陽の書を眺めていた。

そんなルイズを宥めつつ、プレイヤーは良くやったと意味を込めて、優しくタバサの頭を撫でる。

ん~っと気持ち良さそうに眼を細めるタバサに、キュルケはクスクスと笑みを零し……ルイズは少しだけ悔しそうにしながらふん!!と言ってプレイヤーの背中からデルフを引き剥がして、寄りかかる。

 

「うおおい!!そりゃねえだろ、ルイズの嬢ちゃんよ!!そこは俺の定位置だぞ!!」

「うっさいわね、ボロ剣!!プレイヤーの背中は私の場所なの!!あんたはそこら辺に置かれてなさい!!」

「ひ、ひでぇ。内容は相棒にデレデレな事言ってるのに、口調は凄まじく棘だらけだ」

 

何時もの如く、背中に寄りかかってくるルイズにプレイヤーは、心配を掛けた事を謝ると返って来たのは、少しいじけた主の声。

 

「あんまり心配掛けさせないで。貴方は私の騎士なんだから……。絶対に私の所に帰ってきなさい。良いわね?」

 

 

 

学院広場

 

 

ルイズ達を馬車から降ろし、プレイヤーと一緒に馬を馬屋に返し終えたロングビルはなにやら考え事をしていた。

 

(まったく……死ぬかと思ったじゃないか。なんなんだいあの得体の知れない化け物は!!お陰でお宝の1つはパァになっちまうし、魔道書も読めずってかぁ。

あ~あ、だったらサッサと売っちまえばよかったよ。はぁ、もったいない事したねぇ)

 

 

学院長の秘書であるロングビルこそが、世間を騒がす大盗賊土くれのフーケその人であった。

当初、太陽の書が白紙であり、使い道も分からなかったので、わざと学院の教師達を誘き寄せて使い方を知ろうとしたのだが、現れたのは生徒のルイズ達。

なら、ゴーレムで一暴れした後に宝玉と書を回収してトンズらしようとおもっだだが、これまたプレイヤーを狙って現れた黒霊に邪魔されて失敗。

こうして学院まで戻ってくることになってしまったのだ。最初から、安値でも良いから売ればよかったなぁと思いつつ、フーケは今後のことを考えていた。

そんな事を考えていると、突然プレイヤーが彼女の腕を握り、広場の死角になる塔の陰まで引っ張り込む。

 

「ぷ、プレイヤーさん、突然どうしたというのですか?」

 

慌ててロングビルと言う仮面を被るフーケだが、プレイヤーは静かにデルフを引き抜くと彼女を塔の壁に押し付け、首元に刃を押し当てる。

 

「動くなとよ、秘書の姉ちゃん。いや、土くれのフーケつて言えば良いのか?」

「かは。ぷ、プレイヤーさん、苦しいです……何を言ってるんですが、フーケは逃げたんでは……」

「生憎だが、相棒は特別らしくてな。あんたのソウルだがで分かってたんだとよ」

 

カチカチと冷たく語るデルフの言葉どおり、プレイヤーには最初から分かっていた。ロングビルの火とソウルの形が、昨夜みたフーケの物とまったく一緒だったのだ。

ソウルや火の形は、人それぞれであり、同じという物は絶対に存在しない。だからこそ、彼女がフーケと同一人物だと知ることが出来たのだ。

 

「……なら、どうするって言うんだ、ここであたしを殺すのかい?それとも、城の連中に引き渡すのかい?」

 

先ほどまでの理知的なロングビルとは違う口調。既に正体がばれたと分かり、偽るのを止めたのだ。ギラリと光る瞳は、正に肉食獣の物。

絶体絶命だと言うのに、それでも彼女の牙は抜けていないようだ。

 

「さぁてな、それは相棒に聞いてくんな。……どうやら、とことん変わり者の様らしくてな」

「はっ?……なんだいこれは?」

 

しかし、プレイヤーは何故かデルフを鞘に仕舞い、次にソウルから取り出した袋をフーケに手渡した。

ズッシリと重たい袋を慌てて、両手で受け止めるフーケだが、訳が分からないといった表情をしている。

 

「空けてみなとよ。はぁぁ~、相棒って本当に変わった性格してるよなぁ。あん、お前ほどじゃないだとぉ?はっ、ちげぇねぇ!!」

「ちょ、おいおい、待ちなよ。なんだい、この袋の中身は!!」

 

だっはっはっと笑うデルフと口元に笑みを浮かべているプレイヤーに、フーケは慌てて袋の中身を付き返す。

そこには、見たこともない硬貨――ロイド金貨等――がギッシリト詰まっていた。

 

「こりゃあ、金貨じゃないか!!こんなのをあたしに渡して、どうしよってんだい!!」

「安心しろだとよ。全部純金と純銀で出来てるから、骨董品として売ればそれなりの額になるって相棒は言ってるぜ?」

「そう言う事じゃないよ!!あんたは、あたしを捕まえないのかって聞いてんだよ、何考えてんだい!!」

 

フーケの疑問は最もだろう。先ほどまで刃を突きつけていた人物が、盗賊である自分を捕まえずに金貨まで手渡してきたのだ。

誰だって、正気を疑いたくなるだろう。しかし、プレイヤーはキョトンとしながら首を傾げるばかりだ。

 

「はっ、相棒はお宝の奪還を請け負ったが、フーケ捕縛までは請け負ってねぇってさ。それに、おたくのゴーレムと戦えたのが楽しかったから、今回は見逃してやるとよ。

その金貨を骨董品で売って、その金でどっかにいけだとさ。相棒の好意というか、気まぐれというか。そう言うのに感謝するこったな」

 

デルフの言うとおり、プレイヤーはポンとフーケの肩を叩いて、その場を立ち去ろうとした。

しかし、相手は大盗賊、土くれのフーケだ。そんな彼女が、一方的に借りを作られたままで、我慢できるだろうか。……出来るわけがない。

 

「待ちな!!こんだけ一方的な借りは好きじゃないんだよ!!あんた、あたしを雇いな。それなりの働きはしてやるよ」

「……だとさ、相棒。どうすんだ?実際、フーケっつえば凄腕で有名だ。情報網とかもそれなりにあると思うぜ」

「そのインテリジェンスソードの言うとおりだよ。表でも裏でも情報を集めてやるさ」

「俺っちとしては雇っといた方が、良いとは思うぜ。下手に敵に回すのも面倒だしなぁ」

 

フーケの言葉に振り返り、プレイヤーは眼を細めて考える。今回は確かにフーケを捕まえる気は無いし、金貨を手放しても痛くも痒くもない。

ソウルが通貨代わりに使われていたボーレタリアやロードランでは、金貨なんぞ役に立たなかったので、大量に保管してある。

それに情けない話だが、自分はルイズに養われているので、衣食住の心配も少ない、仮に放り出されても、傭兵でもすれば食い扶持は稼げるだろう。

デルフの言うとおり、ここでフーケを雇っておけば、色々とこの世界の情報やら、貴重な武器の存在などが分かるかもしれない。そう結論付けたプレイヤーは、頷くと右手を差し出した。

 

「よし、これで契約は成立だね。安心しな、あんたに雇われている以上、盗みはしないさね」

「お~お~、相棒に心強い仲間ができたぁねぇ。……でもよ、頼むから伝説の武器の情報とかは勘弁してくんねぇか。俺の肩身が狭くなる」

「それは雇い主のこいつに言ってくんな。……それじゃ、初仕事だ。なんでも最近になって発見された洞窟に曰く付の……」

「おいおい、早速それかい!!相棒も、目を輝かせてんじゃねぇよぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 




うおおお、色々書いてたらグタグダになってしまいました。
次回はダンスパーティー編を短く書いて、直ぐに次の里帰り編にいきますかね。
とりあえず、月の草の出番ですね。
……本当、草食べれるデモンズって幸せでしたよね。(遠い眼

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