戦う定め   作:もやしメンタル

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29話《王様ゲーム》

「ふふーんっ、今日はベル君とのデートだ〜っ」

 

街中を黒髪の二つに結ばれた髪がピョンピョンと跳ねる。

スキップをして進むヘスティアは只今上機嫌だった。

 

それは昨日のこと、いつものようにバイトから帰ってきたヘスティアよりも先にベルたちは帰ってきていた。

「お帰りなさい神様」

「ただいまベル君、すまないね、食事当番はボクもなのに」

「いえ、神様もバイトで頑張ってるんですから」

「うう〜っ、ベルクーーーーンっっ!!」

「えっ?わっ、危ないですよ神様っ!?」

「ああ〜、こんなに心優しい子がいるだろうかっ、ボクはベル君と出会えて幸せだよっ!」

「包丁っ、包丁握ってますから神さまっ!?」

瞳を涙でにじませるヘスティアはベルに抱きつき、ベルは顔を真っ赤にさせた。

ベルが悲鳴に近い声を上げていると、ダダダダダッと誰かが走ってくる音が…

「ヘスティア様っ、ベル様から離れてくださいっ!!」

「のわっ!何をするんだキミはっ!」

「ベル様の邪魔をなさらないでくださいと言っているんですっ!」

突如現れたリリはヘスティアをベルから引き剥がした。いつものようにギャーギャーと喧嘩が始まりベルは苦笑いするのだった。

 

食事も終わり、それぞれが散らばっていく。ヘスティアも自分の部屋に行こうと歩き出した時。

「神様っ」

名前を呼ばれ振り返ると、ベルが立っていた。

「どうかしたのかい?ベル君」

「あの、明日神様バイトお休みですよね?」

「?、ああそうだよ」

「なら明日、九時に以前集合した南西のメインストリート、アモールの広場に来ていただけませんか?」

「へっ?」

途端にヘスティアは硬直する。

これは…これは…

 

デートのお誘いというやつかーーっっ!?

 

途端にヘスティアは目を輝かせる。

前に一度、まだファミリアがベルと二人きりだった時にしたデート。

デートと言っても、その時には傲慢な女神たちのせいでデートらしいものができなかった。そしてあの時約束したんだっ!

そうっ!また来ようって!!

 

「どうですか?神さー」

「行くよっ!行く行く、ぜぇったいにっ!!」

「は、はい…っ!?」

ものすごいヘスティアの迫力にベルは怖気付くのだった。

 

そんなこんなでしっかりとお風呂にも入り、オシャレもしてアモールの広場にヘスティアは向かっていた。

ふふふっ、悪く思わないでくれよサポーター君。君よりベル君はボクを選んだんだっ。

「神様ーっ」

そうして歩いていると、前方から声がした。ヘスティアは笑顔で手を振る。

「ベルくーーんっ!おまた……せ…」

見えてきた光景に、ヘスティアは走る速度が落ちていった。そして完全に足を止め尋ねる。

「べ、ベル君…なんで”勢揃いなんだい”?」

目の前にはベル以外にも【ヘスティア・ファミリア】が全員揃っていた。

「あ、言いそびれちゃいましたけど。今日はヘルメス様から招待されててみんなで行くことになってたんです。神様もバイトがお休みって聞いたので」

笑顔で答えるベルにヘスティアは頬を引きつらせるのだった。

 

* * *

 

「…あの、神様。なんで怒ってるんですか…?」

「別に怒ってなんかないよっ!」

「は、はぁ…」

二人きりでのデートだと思い込んでいたヘスティアは顔をプイッと背ける。

原因がさっぱりなベルは汗をかきながら頭にハテナを浮かべるのだった。

そんなことをしてやがてついたのは【ヘルメス・ファミリア】のホームだった。

 

* * *

 

「お邪魔します」

「おおっ、来たね。待ってたよ…って、なんでそんなに睨んでいるんだ?ヘスティア」

「へっ、気のせいさっ!」

不機嫌な神様に苦笑いして、僕は首をかしげるヘルメス様に話しかけた。

「あの、なんで僕たちは呼ばれたんですか?」

「ん?ああなに、暇だったから神の気まぐれってやつさ。はっはっはっ」

ヘルメス様が笑う中、僕たちは唖然とするしかなかった。

なんだかキリト達の苦労が少しだけ分かった気がする…

そんなことを考えていると「じゃあ、入ってくれ」とヘルメス様に通されるのだった。

 

 

 

 

 

「あっ、アルゴノゥト君っ!」

「へっ?」

ドアを開けたそこには、【ロキ・ファミリア】の皆さんが…。それに以前あったリズベットさんとシリカさんもいる。

「な、なんでここに?」

「ずっとダンジョンにもぐっててね。一日休めとロキに言われてしまったんだよ」

「ちっ、なんで休まなきゃなんねーだ」

僕の問いにフィンさんが肩をすくめて答える。ベートさんは苛立たしげに舌打ちをした。

いつもなら怖気付いてしまうところだが、目の前にいるアイズさんに意識がいってしまい。只々放心する。そんな僕にアイズさんはこくりと首をかしげる。そんな仕草に顔を真っ赤にしてしまう僕に気づいたリリが「ふんっ」と僕の手を摘んできた。

「いたたっ、ちょっリリ!?」

「ベル様は何をデレデレしているのですかっ!」

「おいトマト野郎っテメェどこ見てんだっ!」

「す、すみません…っ!?」

なんでベーさんにまで怒られるのかわからなかったが頭を下げているとポンっと手を頭に乗せられた。

「まーまーベート、そんなに怒るなよ」

見ると、苦笑いするキリトがいた。

「あーくそっ、おいキリトっ。付き合え」

「えっなに告白っ?」

「ちげーよっ!体動かしてぇんだよっ」

「えー、お前相手だと疲れるんだよ。動いてなきゃダメだとかベートさんは子供ですか?」

「あんだとコラァっ!!」

「ちょっとー、二人とも静かにしてもらえる?」

溜息をつき肩をすくめたキリトにベートさんがつかみ掛かった瞬間、その腕に手を置いたアスナさんが微笑んでるけどすごく怖いオーラを放ち登場した。これにベートさんまでもがおとなしくなった。

するとアスナさんはいつもの微笑みに戻り手を叩く。

「さて、何をしましょうか」

その言葉にティオナさんが手を挙げた。

「あっ、私この前教えてもらった遊びがあるっ」

「どんな遊び?」

「『王様ゲーム』って言うんだって!」

その瞬間、辺りが静まり返った。

それを知らないのは僕とアレシアさんだけのようで首をかしげる。

「どうしたんですか?」

「ア、アレシアは仕方ねぇが…ベル、お前知らないのか?」

「えっ?」

汗をかくヴェルフに問われる。頷くと今度は命さんが口を開いた。

「それぞれがくじを引き、王様になった一人の人に絶対に従わなければならないというゲームです…」

「なっ」

そんな恐ろしい遊びがっ!と僕は周りの空気を理解した。

「ねっ、面白そうでしょっ」

「この馬鹿ティオナ…」

笑うティオナさんにティオネさんが溜息をつく。その隣でアイズさんが「王様ゲーム…」とつぶやくのが聞こえてアイズさんも知らなかったことに気づくのだった。

 

 

 

それぞれが席に座り、急遽作ったクジを出す。

「さっそくやってみよーう!」

とティオナさんの声にそれぞれがクジを引く中、ベートさんはそっぽを向いていた。

「けっ、んな馬鹿ミテェなのやってられるか」

「ほう、ベートはやらないようだ。アイズ、もうあやつと口を聞くなよ」

「なっ、なんだとクソババアっ!!」

やる気のないベートさんにリヴェリアさんが隣にいるアイズさんに言う。その瞬間、ベートさんは立ち上がった。

そんな中ティオナさんも立ち上がる。

「ほんとベートって空気読めないよねぇ」

「うるせぇぞクソアマゾネス」

気がつけば喧嘩の騒ぎだ。これじゃゲームどころではない…

「おっ、俺王様ーっ!」

と思っていたのだがキリトが普通に切り出した。

その声に場が王様ゲームに戻される。ベートさんも、一度アイズさんを見ると「ちっ」と舌打ちして座った。

そんな中、気に留めていなかったようにキリトが考える。

「うーんどうしようか…」

そう言って悩んでいたキリトが何かを閃きバッと顔を上げた。

「三番が後で俺に蜂蜜パイをおごれっ」

「子供だーっ、子供がいるぞーっ」

「まったくあんたは…」

「ふんっ」と胸を張って言ったキリトにそれぞれが唖然とし、神様はどこかに向かって叫び、リズベットさんが溜息をついた…。

「…ちなみに三番は…」

「はぅっ、わ、私ですっ」

まさかの三番は春姫さんということで、キリトは「何個買おうかな〜」とニヤニヤし、春姫さんは「はぅぅ、お手柔らかにお願いします」と涙目になっていた。

そんなキリトの頭にアスフィさんがチョップをし黙らせた。

「よ、よし。次行ってみよう」

今度は神様の声でみんなが引き始める。

「お、俺だ」

ヘルメス様がヒラヒラと王様のクジを揺らした。それにキリト、アスナさん、アスフィさんは青ざめた。

そんなことは御構い無しに、人差し指をピンと立て爽やかに笑いながらヘルメス様が口を開いた。

「それじゃあ、全員自分の好きな者を言うにしよう」

『なっっ!!!』

一部が固まる中、アスフィさんは溜息をついた。

「それじゃあ、アスナから時計回りにしよう」

「えっ、わ、私からですかっ?」

一番に指名されたアスナさんは顔を赤らめてアタフタとし始めた。その隣にいたリズベットさんなニヤニヤしながら肘でつつく。

「どうせ答えはわかってるわよっ、さっさと言いなさいって」

「なっ、ちょとリズ…っ」

その言葉に一同がキリトを見つめると、さっきまでの威勢はどこへやら、赤くなり小さくなっていた。そしてモジモジしながらもアスナさんは口を開いた。

「キ、キリト…君です…」

『フーーーーーーーッッ!!』

「うるさいなっ!!」

「さぁ次ーーっっ!」

「あ、私か。私はまだキリト諦めてないからね〜」

「うぐ…っ」

「なっ、私だってキリトさんのこと…す、好きですからねっ!」

『えぇーーーーーっっ!?』

リズベットさんとシリカさんのまさかの発言に僕らは驚く。

「おー、流石キリトモテるねぇ」

「……」

キリトがもはや何も言わなくなってしまっていた。

「で、ではアスフィさん」

「いません」

「ティ、ティオナさん…」

即答だったアスフィさんに苦笑いし進める。

「私はうーん…いないかな〜」

その言葉に一同『ですよねぇ』と心で思う。

「じゃあ次ティオー」

「団長よ」

「わ、わかりました…で、では次は…っ!」

そこまで言った瞬間、次の人物、アイズさんに気づき目を見開いた。

絶対聞き逃せないっ!!

「私は…」

その声にベルが身を乗り出し、ベートは聞き耳をたてる。世界で最も大切なことのように二人は耳をすませ、アイズさんは口を開いた。

 

「じゃが丸くんのあずきクリーム味」

 

『へっ?』

全員が素っ頓狂な声を上げる中「好きな者と好きな物を間違えているような…」とヘルメス様が笑うのだった。僕が脱力していると、隣のキリトが静かに肩に手を乗せた。

 

「…で、では次、リヴェリアさん」

「いるわけがない」

「す、すみません…では、フィンさん」

「んーそうだなー僕は…」

「誰ですか団長っ!?」

「い、いないよ…」

「次にベートさー」

「あんっ!?」

「そのまた次にっ!!」

リヴェリアさん、フィンさん、ベートさんと何故か僕が進めているが何でだと思いながら命さんにふる。すると命さんが顔を赤くしてオドオドし始めた。

「わ、私は…そのー」

「うんうん、タケと命くんならうまくやっていけるよ」

「へ、ヘスティア様っ!?」

先に言ってしまった神様の言葉に命さんは顔から火が出そうなので次に回す。

「好きって何?」

「え、えっとー。それはですね…」

アレシアさんの質問にいつものことになってしまった僕は教え始める。そうして、こちらはパスとし先に進めた。

「俺はいつでもヘファイストス様一筋だ」

「おー、やけにヘスティアのところは神様好きが多いなー」

「そうなんだよ。この流れに便乗するのはどうだいベル君っ?」

「へっ?」

「なっ、ヘスティア様、何を仰っているのですかっ!」

「で、では次へーっ!」

春姫さんは顔を赤らめ、もじもじとしていたがやがて決心したように

「わ、私はベル様で…」

「リリも勿論ベル様ですっ」

「何を言うかーっ!ボクが一番ベル君を愛しているっ!!」

「あ、あのー」

「「ベル(君)(様)は黙ってて(くれ)(下さい)っ!!」」

「は、はいぃっ…!」

「お、次ベルだぞ」

「へっ?」

ヴェルフに言われ、ハッとする。その途端に神様たちも大人しくなりこちらに視線を向ける。全員から見つめられ僕は顔を真っ赤にした。

「いいいいませんよっ!」

「ベル君嘘はいけないな〜神の前ではお見通しだよ」

否定するがすぐにヘルメス様に見破られてしまう。汗をダラダラと流し、僕はアイズさんを見る。キョトンとするアイズさんと目があうと余計に顔が熱くなり僕はそのまま…

ボンっとショートした。

「わーっベルくーんっ!?」

「おおおお水をっ!」

その場は一気にドタバタとなったのだった。

 

〜五分後〜

「す、すみませんでした…」

「いやいいよ、俺も強要してすまなかった。次に行ってくれ」

次は…とみんなが視線をキリトに向ける。そん本人はびくっと肩を揺らした。

「お、俺か…?」

珍しく顔を赤らめるキリト、その隣に座るアスナさんも真っ赤だ。キリトは俯きながら呟いた。

「ア、アスナです…」

「くそぅっ、このリア充めー!」

「ごちそうさまでーす」

「ああもう終わったぞっ!」

「じゃあまたクジを引こうっ」

そうしてまたみんなでクジを引く。

「あ、私だわ」

王様はティオネさんだ。

「な、なんか碌な命令が来ない気がするぅ…っ」

ティオナさんが顔を苦くする中、ティオネさんは指を顎に添え考える。

「そうねぇ…

 

二番が五番にキスする」

 

『えぇーーーーっ!?』

あまりのことにそれぞれ声を上げる。

「だ、誰だいっ!」

「よかった、俺じゃないな…」

「私二番…」

アイズが手げると、場が一気に静まった。そして…

「誰だーっ!?」

「クッソーっ、違うっ!!」

それぞれがと言っても男がざわめく中、一向に名乗り出ない。その中ヘスティア様が立ち上がった。

「ふっ、無駄な足掻きだっ!みんなっクジを見せるんだっ!」

その言葉にそれぞれがクジを出す。そしてそこに出さない者が一名。

俯き続けるベルだった…

「ベル君かいっ!?」

瞬間ベルの頭から湯気が出てガバッと顔を上げた。

「無理です無理です無理です!!」

「…そんなに嫌?」

「へっ?」

その時、アイズさんが何故か悲しそうに尋ねてきたことでベルは固まる。

「いや、その…。ファ、ファミリアが違うしっ!ここはやっちゃダメですよっ!!」

「んーまぁそうねぇ…じゃあ…」

番号を変更するティオネさんにホッとすると同時に「僕のバカやろーっ!!」と絶叫する部分もあるのだった。

「四番アイズに」

「ちょっとーっ!?」

何故か受ける側の変更なしに声を上げるがさっきみんな出した中での四番は…

「キリト…?」

「イヤイヤダメだろっ!?睨んでるっ!隣からすごい俺睨まれてるからねっ!?」

「面倒くさいわねー、じゃあ五番が四番にでいいわよ」

「おかしいだろっ!?」

「なんで僕また戻ってきてるんですか!!」

「間違ってるぞっ!?なんでB○にしようとしてるんだよっ!!」

「あー、じゃあ一番が五番にで」

「だからなんで僕なんですかっ!?」

「ふっふっふっ…ついにこの時が来たっ!ベル君っ、ボクと愛を分かち合おうじゃないかっ!!」

「か、神様っ!?ちょっ、ふぐっ!?」

「ヘスティア様っ!ベル様から離れてくださいーっ!!」

 

 

〜五分後〜

「はぁ…はぁ…、つ、次へ行きましょう…」

「お、また俺だ」

今度当てたのはまたまたヘルメス様、今度は何が来るのかとそれぞれが身構える。

「七番が女の子になってスクール水着を着るっ!」

「なんでわかったんだーっ!?」

その瞬間に立ち上がったキリトは叫んだ。

「んー?神の勘さっ」

「このエロ神ぃっ…!」

プルプルと拳を震わせるキリト。するとキリトは何か思いついたようにハッとする。

「み、水着なんて持ってないでしょーっ」

「これだ、サイズもぴったしだぞっ」

「ふぬっ…!?」

『やーれっやーれっ』

「なんのいじめですかっ!?」

「はっはっはっ!諦めるんだなキリトっ」

「ぬ…っ」

ヘルメス様達が手をいやらしく動かしキリトに迫る。徐々に追い詰められていくキリトは、瞬間

「あっ!逃げたっ!!」

「まちなさーいっ!!」

逃亡するのだった。

 

* * *

 

その後も色々としていると、気がつけば時間はだいぶ過ぎていることに気づいた。そうして僕たちは切り上げることにするのだった。

「はぁー、疲れたけど楽しかったよ。こういうのもたまには悪くないね」

「おう、また来てくれよー」

「僕的には王様ゲーム以外でお願いします…」

「春姫さん蜂蜜パイ覚えておいてくださいよ」

「は、はいっ」

そう言ってみんなが解散していく。

 

僕は空を見上げた。

今までずっと田舎にいて、友達と遊んだりできなかった。勿論おじいちゃんといるのは楽しかったけど…

「こんな感じなんだな…」

風が吹く。少しひんやりとした風は僕の頬を優しく撫でた。目を閉じ思う。

 

オラリオに来て良かったと

 

何度も思ってきたことだが、そう心でつぶやく。すると後ろから足音が聞こえた。

「ヘスティア様たち行っちゃったぞ?」

隣に立ったキリトが尋ねてきた。そんなキリトに僕は顔を向ける。

思えばキリトとの出会いからもう一段階、いろいろなことが始まったな…と思うと笑みがこぼれた。それを見てキリトは首をかしげる。そんな少年に僕は神様たちの後を追うべく走り出しながら振り返り、言った。

 

「また遊ぼうねっキリトっ!」

 

無邪気に笑い、走って行ったベルにキリトは少しの間あっけにとられたが、昔のサクとマリーがベルの姿に重なった。キリトもふっと微笑み小さく手を振って、呟いた。

 

「ああ、またな」

 


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