デジモンアドベンチャー=9人目の選ばれし子どもと可能性の紋章= 作：黒風
1999年8月3日 ビッグサイト
side 白羽
「違う…
違う…この子じゃない…この子も…」
僕は何時間かまえに引き続いて子供たちを対面させられている…
正直さっきヴァンデモンに生意気な目などと言われて傷つけられた足が痛い、
ものすごく不可解な理由、テイルモンもこんな気持ちだったんだろうな…
僕はいまデジヴァイスも持ってないしPチェスモンもいない。
武器になる物だってない…
唯一の救いと言ったらやっぱりこのゴーグルを取られなかったこと、
お兄ちゃんの形見だからいつも持っているこのゴーグル。
僕は何もできない…
だって僕は一人じゃ戦えない…
アレ？なんでだろ？今更になって震えが止まらないや…
ねぇお願いお兄ちゃん･…
少しだけでいいからボクに力を貸してよ…！
そんなこと言っても返ってくる言葉はないのにね･…
なんだかバケモンたちが騒がしい…？
後ろの列の方で何かあったみたいだ…
「おいお前!勝手に列を離れるんじゃない！」
「いいじゃないかちょっとくらい」
「おいまてっ…ぐわぁっ！？」
騒ぎの原因になっていた人物がこちらへ近づいてきた
「ねぇ君大丈夫？足怪我してるよね！？
早く手当しないと大変だよ……？」
えっ！？この声…聴いたことある…
僕はゆっくり顔を上げる
嘘だ！でもそんなことって
「昔から･…
あんまり心配かけさせるなよな白羽…？」
そういってボクの頭に手を乗せて笑う人は…
まぎれもなく僕の大事な…大事な
「おにいちゃんっ！！」
だった…
side ヒカリ アクアシティ
「そろそろ二時間だ…太一の奴…」
ヤマトさんが不安そうな声を出したのを聞いて私はもう泣きそうだった。
お兄ちゃん大丈夫だよね？
きっと今頃お父さんやお母さん達を助けに行ってて白ちゃんとも…。
Pチェスモンやテイルモンたちだって頑張ってるんだもんね？
だからきっと…
「ヤマトォ！！ひかりちゃーん！！」
「ヒカリー！！」
「ヒカリちゃーん！！」
「空！テイルモン！Pチェスモンも！まさか太一の奴！？」
「ヤマト！太一は無事よ！だって私たち太一に聞いてきたんだもの！」
お兄ちゃんは無事だった！
空さんたちの話によるとPチェスモンとテイルモンは私が心配だったからついてきたんだって…
「皆ビックサイトに捕まってるのよ！」
「ビックサイトか･…」
「ひっひっひっひっ…
ひひひ八人目を探さずともお前らを倒せば同じこと！
ここで果てるがよい！
いでよっ！」
急に出てきたお化けみたいな大きな鎌を持ったデジモン…
恐竜みたいなのとカマキリみたいなのが皆を傷つけていく…
これは…こうなっているのは全部私のせい…？
私がいるからみんなや白ちゃんが痛い目にあってるの？！
ヤメテ…
ヤメテヤメテヤメテ!
嫌だいやだ！
「あっ…あっ」
皆を傷つけないで！お願い…
「いやっ……
お願い！
やめてぇぇぇぇぇぇっ！！！」
side Pチェスモン
「私が八人目なの…
どこにでもついて行くからっ…！
皆を傷つけるのはもうやめて……！」
「ヒカリッ！？」
もしかしてヒカリちゃん自分を犠牲にしようとしているの！？
そんなの白羽が知ったらきっと悲しむ…
でも、この方法なら白羽に会えるかもしれない…
「…ねぇ！ファントモン！私も連れてって！
私は9人目のデジモンだから…
大人しくする…その代り白羽を自由にしてほしいんだ！」
「Pチェスモンまで何を言っているんだ！」
「ヒカリが行くなら私も行く！」
「テイルモン…ありがと…」
そうして私とテイルモン、ヒカリちゃんはファントモンに連れられて
東京ビッグサイトに向かう…
待っててね…白羽！
今すぐ、今すぐ行くから！！！！
side 太一 ビッグサイト
待ってろよヒカリ…
必ず白羽とみんなを助けだすからな!!!
だから無事でいてくれよっ！！
えと、2週間に一、二回更新になりました(
忙しいのですいません！
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