NARUTO~複写眼を持ちし者~   作:サムナ

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写輪眼と忍び刀七人衆

「チッ、余計なコトを」

 

サスケは毒付いていた。

 

「ナルト、悪かったな。けがさしちまった。

 様子見が過ぎて、ユーリに指示を出すのが遅くなっちまった。

 サスケとサクラはよくやった」

 

カカシは一人を脇に抱えたまま、喋りかけた。

ユーリは投げ飛ばした男の上に乗り、クナイを首に突き付けていた。

 

「大丈夫か、ナント。

 こいつらの爪は毒付きだから、早く毒抜きしないと。

 とりあえず、毒がまわらない様に腕をきつくこのヒモで縛っとけ」

 

ユーリが

相手を抑えつけたまま、話しかけ、取りだしたヒモを投げた。

ナルトは不安そうな表情して、それをうけとった。

 

「ふんっ、よぉ、ケガはねーかよ。ビビり君」

 

サスケはナルトにバカにする様に話しかけた。

 

その後、襲いかかってきた男たちを縄で縛り、

カカシはなぜ、襲いかかられるのをそのまま見ていたのか理由を説明し始めた。

理由は敵のターゲットを知るためで、自分たちの小隊の誰かが狙いなのか?または、

依頼主のタズナが狙いなのかを知る必要があるためである。

 

この小隊にも、狙われる理由が多々あるためだろう。

カカシは言わずもがな、他里にも名は知れ渡っていて、当然恨みもたくさん買っているだろうし、

ユーリとサスケは、木ノ葉の中でも有名な血継限界の家系であるし、

ナルトは九尾が封印された人柱力であるためだ。

何もなさそうなのは、サクラぐらいだろう。

 

だが、敵の狙いがタズナであることは明らかだった。

しかも、どうやらタズナには心当たりがあるようだった。

カカシはタズナに事情を問いただし、始めた。

 

依頼でウソがつかれていて、ナルトの治療も必要ということで

一度里に戻るように話が進んでいると、

ナルトが自分のケガしている左手の甲にクナイを突き刺した。

キズが広がったため、血がいきよいよく出ていた。

 

「ナルト、なにやってんのよ!!アンタ!」

 

サクラはその様子を見て、騒いでいた。

 

「オレがこのクナイでオッサンを守る。任務続行だ!!」

 

ナルトは笑いを浮かべながら叫んだ。

 

その後、カカシがナルトの治療していると、タズナが事情を話し始めた。

タズナには、この忍者たちの雇い主に心当たりがあるようだった。

 

その名は、ガトーカンパニーの社長のガトー。

世界でも有数の大金持ちである。

そのガトーは、1年ほど前に波の国に眼をつけて、

海上交通・運搬を牛耳っているとことであった。

 

波の国は、現在、陸路では行く事ができないため。

海上交通を牛耳るということは、その国を支配しているといっても、

過言ではないだろう。

故にタズナが橋を完成させて、陸路で行く事が可能になってしまうと、

その支配力が弱まる事につながるため、タズナ暗殺を狙っているとのことだった。

その間、ユーリはというと、

 

「先生、こいつらの装備もらっていいですか?」

 

「構わんが、荷物を増やすことはあまりお勧め出来ないぞ」

 

「ああ、大丈夫です。この前、知り合った武器屋の息子に

 倉庫用の巻物貰ったんで。

 早速、役に立つとは、思わなかったな」

 

ユーリは襲いかかってきた男たちの装備を取り外し、巻物の中に突っ込んでいった。

とりあえず、その後の話し合いにより、国へ帰るまで護衛を続けることになった。

 

 

 

 

 

タズナの知り合いの船に乗り、しばらくすると波の国に着いた。

そこから、少し歩いていると、ナルトがキョロキョロし始めた。

何かに気付いた表情をした後、

 

「そこだぁー!!」

 

と、手裏剣を草むらに投げつけた。

 

その後、静寂が流れた。

 

「フ・・・、なんだネズミか」

 

「って、何かっこつけてんのよ!

 そんなとこになにもいないじゃない」

 

「コラ!お前が手裏剣使うな。マジで危ないから」

 

「そうだぞ。もし、一般人がいたらどうすんだ」

 

「チビスケ!まぎらわしいことをするんじゃねえ」

 

ナルトは反省していないようで、再びきょろきょろとまわりを

見回し始めた。

 

「「!」」

 

そして、再び手裏剣を草むらに投げつけた。

 

「そこかぁーー!!」

 

「ヤメェーイ!」

 

サクラはナルトを殴って止めた。

 

今度は手裏剣の位置を確認してみると、

白いウサギに命中していた。

 

「なんてことすんのよ!」

 

サクラはナルトを叱りつけ、ナルトはウサギを抱いて謝っていた。

 

「なんだ・・・、ウサギか」

 

タズナは安堵していた。

 

「先生」

 

ユーリはカカシの方を見ていた。

 

「気づいたか?」

 

「ええ、これって」

 

その時、二人は何かに気付いた様だった。

 

「「!!」」

 

「全員伏せろ!」

 

カカシは叫んだ。

全員が伏せていると、巨大な何かが飛んできた。

その何かが木にささると、それは人の身長と同じくらいの刃が

ついている剣だった。

その剣の柄の部分に人が立っていた。

どうやら、敵であることはほぼ間違いないようだった。

 

「これはこれは、元忍び刀七人衆の一人で、霧隠れの抜け忍の

 桃地再不斬君じゃないですか」

 

カカシは男に話しかけ、ナルトが飛び出そうとするのを

手で押さえた。

 

「邪魔だ。下がってろ、コイツはさっきのやつらとは、桁がちがう。

 このままじゃあ、キツイか・・・」

 

カカシは自身の額当てに手を掛けた。

 

「写輪眼のカカシと見受ける・・・、悪いが

 じじいを渡してもらおうか」

 

「!」

 

「?」

 

「(写輪眼!?)」

 

「(あいつ、強いな。先生と同レベルくらいか?)」

 

「卍の陣だ。タズナさんを守れ・・・、

 お前たちは手を出すな。それがここでのチームワークだ。

 ザブザ。まずは、オレと戦え」

 

ユーリはタズナの後ろで構えた。

 

「(おいおい、隊長の指示だろうが、さっさと、構えろよ)」

 

カカシは額当てを上げながら告げた。

額当ての下の左目には、勾玉の様な文様が三つ浮かんでいた。

 

「ほーーー、噂に聞く写輪眼を早速見れるとは、光栄だね」

 

ザブザと呼ばれた男は、刀の柄の上に立っていた。

 

「さっきから、シャリンガンシャリンガンって、なにそれ?」

 

ナルトは騒いでいた。

その声に答え、サスケが写輪眼の説明をし始めた。

 

「写輪眼・・・、いわゆる瞳術の使い手はすべての幻・体・忍術を瞬時に

 見通して、はねかえしてしまう能力を持つという・・。

 ・・しかし、写輪眼の能力はそれだけじゃない」

 

「え?」

 

「クク・・、御名答。ただそれだけじゃない。

 それ以上に怖いのはその眼で相手の技を見極め、コピーしてしまうことだ」

 

「(はねかえす方が強いと思うのはおれだけかな?)」

 

「俺が霧隠れの暗殺部隊にいたころの手配帳にお前の情報が載ってたぜ。

 千以上の術をコピーした男、コピー忍者のカカシ」

 

「スゲェーってばよ!」

 

ナルトは喜んでいた。

 

「さてとお話はこれぐらいにしとこうぜ。

 オレはさっさとそこのじじいを殺らなくちゃならねえ」

 

「!!」

 

「「「!」」」

 

ナルトたち三人はタズナを囲むように構えた。

 

「(遅えよ!)」

 

「つっても、カカシお前を倒さなくちゃならねえみたいだな」

 

ザブザは刀を引きぬき、瞬身の術で水上に移動した。

 

「(地の利を取ったか。水遁系が得意なんだろうな)」

 

ザブザはすでに印を結んで、構えていた。

 

「あそこだ!」

 

「水の上!?」

 

ナルト達がそれに気が付き、そちらに視線を向けていた。

 

「忍法・・・霧隠れの術」

 

「(複写しとこう)」

 

ユーリはすぐに複写眼を発動させた。

 

「消えた!?」

 

サクラの言うとおり、ザブザの姿はあたりの濃い霧のせいで見えなくなっていた。

 

「まずは、オレを消しにくるだろうが・・・、

 桃地ザブザ・・、こいつは霧隠れの暗部で無音殺人術の達人と言われた男だ。

 気が付いたら、あの世だったことになりかねない。

 オレも写輪眼を全てうまく使いこなせるわけじゃない。

 お前たちも気を抜くな」

 

下忍たちは気を入れなおしていた。

 

「8ヶ所、咽頭・脊柱・肺・肝臓・頸動脈に鎖骨下動脈・腎臓・心臓、

 さて、どの急所がいい?クク・・・」

 

「「「!!」」」

 

辺りを静寂が包んでいた。

 

カカシが印を組むと、辺りに殺気が満ち溢れた。

サスケはその殺気に触れ、小刻みにと震えていた。

それを見かねたカカシが声を掛けた。

 

「サスケ・・、安心しろ。お前たちは俺が死んでも守ってやる。

 オレの仲間は殺させやしないーよ!」

 

と笑顔でカカシは告げた。

 

「(死んだら、守れなくねえ?)」

 

一人、空気の読めないことを考える少年がいたとか、いなかったとか。

 

「それは、どうかな・・・?」

 

ザブザの声がどこからか聞こえてきた。

次の瞬間、ザブザはサスケたちとタズナの間に現れた。

 

「おっさん!」

 

「「「!!」」」

 

ユーリはタズナの襟首を掴み引っ張ろうとしていた。

 

「終わりだ」

 

その言葉の次の瞬間、カカシはサスケ達を弾き飛ばし、ザブザの目の前に現れ、

クナイを突き刺していた。

クナイからは、血ではなく、水がこぼれおちた。

カカシの背後にザブザがもう一人現れた。

背中の大刀をカカシに向かって、振り降ろした。

 

「先生!後ろ!」

 

ナルトは指差しながら叫んだ。

 

「!」

 

カカシが気づくと同時にクナイを指していた方のザブザが水になった。

大刀がそのまま、振りぬかれ、カカシは上半身と下半身に分離したと思いきや、

カカシの方も水に変わった。

 

「動くな・・・」

 

ザブザの背後には、首元にクナイを突きつけたカカシがいた。

 

「終わりだ」

 

「ククク・・終わりだと・・分かってねえな」

 

「(先生、気づいてねえな)

 違う!先生!そいつも水分身だ」

 

タズナの襟首を掴んでいたユーリは叫んだ。

 

「!!」

 

その瞬間、今気付いたようだったカカシの背後に、ザブザが現れた。

 

「たいしたガキだ。だが、遅かったな!」

 

その言葉と同時に分身は水に戻り、本物の方は大刀を両手で振りかぶっていた。

カカシが背後を振りかえると同時にザブザは大刀を振りきった。

カカシは、這いつくばる様に屈みなんとかよけた。

ザブザはその振り切りを地面に打ち付け、その回転エネルギーを利用して、後ろ回し蹴りを放ち、それをカカシはまともに喰らい、水上へと飛ばされた。

 

飛ばされると同時にまきびしを撒いて、追撃を防ごうとしたが、

それに気付いたザブザには、交わされた。

 

「・・くだらねぇ」

 

ザブザは瞬身の術で水上に移動した。

 

「せんせぇー」

 

水の方へ飛ばされたカカシは体が重そうに鈍い動きをしていた。

 

「あの水、チャクラが練りこんであるな」

 

ユーリたちは水面の方を見ていた。

どうやら、水自体にチャクラを練りこみ、粘性の様なものを

付随させているようだった。

 

「フン、バカが!水牢の術」

 

ザブザは素早く印を組み、術を発動した。

 

「何!?」

 

カカシを水球が包み込み、その水球に閉じ込められてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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