NARUTO~複写眼を持ちし者~   作:サムナ

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トナカイとシカは昔同じだと思ってた

卒業試験は分身の術だった。

優秀な方であるユーリはとくに問題もなく無事アカデミーは卒業した。

ユーリが帰宅すると、家の中で中年のオッサンがニヤニヤといやらしい笑いを

浮かべながら、本を読んでいた。

 

「親父・・・、キモいよ」

 

親父とよばれたオッサンはそそくさと読んでいた本を隠しながら、

 

「・・・・帰ってたのか、我が息子よ。だが、ただいまの挨拶もしない息子に

 育てた覚えはないぞ」

 

「いや、言ったから。親父がなんか読んでて聞こえなかったんだろ。

 イチャイチャなんたらとかいう奴」

 

「いかん!いかんぞ。これを読むにはお前にはまだ早い。

 だいたい学校はどうした。学校は?」

 

「今日で卒業だよ。試験も受かったよ。というか、分身の術って、なめてんのか?

 普通に学校通って、授業受けてたら、サルでも出来るよ」

 

「あー、今はそうなんだな。まあ、頑張れ息子よ」

 

「???、ああ、明日から下忍だから頑張れってこと?そりゃ、頑張るよ」

 

聞こえない様にボソッと父親は呟いた。

 

「違うんだが、まあなるようになるか」

 

そんな心温まる?親子の会話は終わり、次の日を迎えるのだった。

 

 

 

現在は、班分けの為に集まっていた。

 

「なあなあ、トナカイマルは誰と組みたくない?」

 

ユーリは髪を後ろで縛っている少年に声を掛けた。

 

「とりあえず、めんどくせーやつとは組みたくねえな。

 というか、そういうのは、普通組みたいやつとか聞くんじゃねのかよ?」

 

少年は眠そうにしながら答えた。

 

「別にいいだろ。

 まあ、同感だ。おれもソメイヨシノとウスケとだけは組みたくねえ」

 

「もう誰だかわかんねえよ。それ。

 ソメイヨシノはサクラの一種・・だよな?ウスケは右と左で・・・サスケか?

 まあ、サクラはイノと、どっこいどっこいだが、サスケも

 めんどくせえ奴の筆頭格だからな。」

 

「だろ」

 

「というか、名前をわざわざ間違うのめんどくさくないか?」

 

ため息をつきながら言った。

 

「ワザと間違えてると思ってるのか失礼なやつだな。トナカイマルは俺をなんだと思ってるんだよ」

 

少し頬を膨らましながら、反論した。

 

「うん。さっきから、気になってたけど、似てるけど、違う動物だからね。

 その名前。あれか?ひょっとして、「角のついてる動物+マル」で

 覚えてるのか?オレの名前を」

 

「じゃあ、カモシカマルか?」

 

「だいぶ、近づいたけど、余計なものが付いてるね」

 

「じゃあ、カモシカ?」

 

「マルは余計じゃないよ」

 

「悪い、悪い、軽い冗談に決まってるだろ。シカク」

 

「それはうちの親父の名前だからな」

 

「じゃあ、ゴカク?」

 

「うん。そうだね。シカクの息子だから、ゴカクだね・・・、

 って、違うわ!!」

 

「はっ!まさかのサンカクだろ」

 

「増やして違うからって、減らせばいいもんじゃねえよ!!」

 

「うーむ?」

 

「そうだな。覚えないんじゃなくて、正しく覚えないの間違いだったな。

 ところでオレの名前はシカマルなんだけどな。

 まあ、めんどくせえから、それでいいけど」

 

少し呆れながら、シカマルは言い返した。

 

 

 

その後、担任教諭であるイルカ先生が教室に入ってきて、班を発表していった。

 

「第六班・・・・・」

 

「第七班、うずまきナルト、春野サクラ、うちはサスケ、流戸ユーリ」

 

「よっしゃあー!!(サスケはいらん)」

 

「しゃーーんなろ!!(ナルトはいらん)」

 

「ふっ(誰もいらん)」

 

「クジラ先生、四人目が呼ばれた気がしたけど、間違えですよね?

 もう一度、第七班の所を良く見た後、再度読んでください」

 

ユーリは手を上げつつ、教師に聞き返した。

 

「いや、何回読もうが、この班は特別に四人構成になっている。

 それと、俺はイルカだ!何回目だ?このやりとり」

 

「なんでですか?班の力が均等になるように成績を基準に選んだでたじゃないですか?

 おれとウスケの成績は同じくらいのはずです。

 これはおかしくないですか?」

 

「ユーリ、おかしかろうがなんだろうが、この班の構成は変わらん」

 

「ウスケとは、オレのことか?」

 

ウスケこと、サスケはつぶやいた。

 

「くっ、ウスケとヨシノとメンマが一緒なのか、

 めんどくさくなりそうだな」

 

その後、他の班も発表されていった。

 

担当上忍が迎えにくるまで教室で待っている事になったが、

他の班は担当が迎えに来て、次々に教室を出て行ったが、

七班の上忍はいつになってもこなかった。

 

「遅い!」

 

「zzzzzzzz」

 

「遅すぎるってばよ!」

 

「いくらなんでも遅くない?」

 

一人は眠っていた。

 


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