流戸(りゅうと)一族。
それは、木の葉の里にいる数多の一族の一つである。
流戸一族はある血継限界を持っている。
流戸一族は、その昔、写輪眼を持つ、うちは一族から分岐したと言われる。
日向やうちはと同様に血継限界の眼をもっている。
その名は複写眼(ふくしゃがん)。
写輪眼と違い、忍術と幻術のコピーしかできない。
その変わり、コピーに関しては相手の印を見ずとも、術自体を見るだけでコピー可能。
分析力、解析力に関しては写輪眼を上回る。
写輪眼が印の動きをコピーして、忍術・幻術をコピーするのに対し、
複写眼は忍術・幻術の分析・解析の結果、コピー元の術を使えるようになる。
だが、動体視力が上がるや幻術の媒体としての使用や体術のコピーが出来ないなど、
写輪眼ほどの多様性はない。
故に世間的には、劣化写輪眼と呼ばれている。
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「明日がアカデミーの卒業試験か、項目はなんだろな?」
少年はつぶやいた。
「まあ、よほどのことがなければ、受かるだろ。きっと・・」
少年はそのまま歩いて自分の家に向かっていた。
「だいたい、内の一族は、うちはに勝て、勝て、いい過ぎなんだよな。
そりゃ、劣化って言われて、あれなのは、わかるけどさ。
あっちの一族はどっかに隠し子でもいなければ、もう二人しかいないんだから。
風前のともしびなのにさ、このままなら、あっちは滅びるのみなのに」
「いや、逆か?滅びるからこそ、最後に勝ったことにしたいってことか?
サスケはまだ写輪眼に目覚めてないみたいだから、その分のアドバンテージは
こっちにあるけど、同級生と用もないのに、戦ってどうすんだ?」
「まあ、いいや、どうせあいつとおれじゃ、同じ班には、ならないだろ。
成績同じぐらいだし」
ユーリはこの自分の甘い考えを後悔したのは、その次の次の日のことだった。