憑依如月と不吉な駆逐隊   作:8号機

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今日からイベント!
作者的には特定の新艦娘が気になるところです。


第八八四二駆逐隊4

なんだよ『ソロモンの牙』駆逐隊って。名前変えた結果がこれかよ。録な名前の駆逐隊居ないじゃん。

 

「『ソロモンの牙』って……まさか、あの鎮守府最強と名高い……」

 

「……たぶん、そう」

 

しかもその名前で最強なのかよ……。だが、皆のげんなりした顔を見れば勝ち目は無さそうなのだろう。

 

「と……とにかく、お昼ご飯は早めに食べた方がいいかも……です」

 

「そーだねー」

 

「よっしゃあ、早弁だ」

 

いや、弁当じゃないだろ。時計を見るとちょうど十時をまわったところだ。昼にはまだ早いだろう。だから聞きたい事がある。

 

「あのー、着る服無いかしら?」

 

 

 

 

『こちら深雪さま、廊下の東側に人影は無い』

 

『……こちら霰、西側も問題なし』

 

無線機からの連絡を聞いて段ボールを抱えながら部屋を出る。身を低くしてそのまま西へ向かう。

 

『こちら子日、ポイント2に人影無し』

 

『こちら高波、ポイント3に人影無しかもです』

 

西側の曲がり角を曲がる。霰のサムズアップに答え、急いで北へ向かう。

 

『こちら高波!部屋から二人出てきました。そっちに向かってるかもです』

 

報告を聞くなり壁際の目立たない場所に移動する。そして段ボールを被り、息を潜める。

 

「それでさ……あれ?なんだろうこの段ボール」

 

ばれた?

艦娘が近づいてくる。この段ボールは素早く隠れるために底が抜けている。つまり持ち上げようとするとあられもない姿の如月が発見されてしまう。それはそれで興奮するしアリだが今は困る。

 

「なんだろう?夕張の落とし物?」

 

段ボールから外が見えないため、近づいてくる艦娘がどこに居るか分からない。いつバレるか分からないというのは以外と精神に来る。

 

「北上さん、夕張の発明なんかに付き合ってたら碌なことがないです。早く食堂に行きましょう。そして二人きりで昼食を……フフフ」

 

「うーん、それもそうだねー」

 

最後に何て言ったか聞こえなかったけどナイス大井っち!俺に近づいていた艦娘、北上は離れていった。

 

「危ない所だったわ。助けてくれても良いじゃない」

 

何のための監視役だよ。

 

『す……すみません、でも……』

 

『……大井先輩は、超こわいから……』

 

うん。俺も無理だったわ。自分に出来ないことを人に強要するのは良くないな。

何はともあれ、目的地にたどり着いた。俺が向かっていたのは『ソロモンの牙』駆逐隊の部屋である。もちろん演習の勝利宣言をするためではない。そこには睦月型駆逐艦の一番艦、『睦月』が所属しているらしい。つまり、睦月に服を借りに来たのだ。

 

「失礼します」

 

扉をノックする。

 

「はーい、誰?」

 

扉を開けて中から駆逐艦娘が出てくる。銀髪の長い髪に子日のものと似た頭部の浮遊ユニット。一目で俺が外れを引いた事がわかる。

 

「はぁ!?アンタ、その格好何なの?よっぽどたるんでいるようね?」

 

精鋭揃いの『ソロモンの牙』駆逐隊で最も厳しいとされる艦娘がこの叢雲らしい。ゲームでその性格は知っている。

 

「ついてきなさい。指導室に連行するわ」

 

叢雲が俺の手首を掴んで引っ張る。機関出力の差か、単純な体格差か、なすすべなく引きずられる。近くで待機しているはずの高波と霰の姿は見えない。あいつら逃げたな。

 

「およ?叢雲ちゃんどうしたの?」

 

その時、前方から声がかけられる。まるで地獄で、仏を見たような感覚だ。

背丈は如月と同じくらい。赤茶色の少し癖のある髪、紺色の上着を格好よく着こなす駆逐艦。

 

「およよ?もしかしてそこにいるのは如月ちゃん?」

 

待ち望んでいた如月の姉。睦月がそこにいた。

 

 

 

 




段ボールの中に下着のロリ……
自分で書いといてなんかこう……

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