TRPGサークル「十泉卓上会」活動記録 キルデスビジネス   作:浅井烏

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はじめに
この物語は仮想リプレイです。実際に収録したものではなく、架空のキャラクタが遊んでいるという設定です。
使用したシステムは「キルデスビジネス」です。この場を借りてお礼申し上げます。

登場人物
坂上 玄我(さかがみ げんが)男 今回のGM(ヘルP)
桜園 幽那(さくらぞの ゆな)女 プレイヤーその1 マンチ気味
百地 剣山(ももち けんざん)男 プレイヤーその2 バトルマニア
子安 燕 (こやす つばめ) 女 プレイヤーその3 ロール重視
雨鳥 蒼 (あめとり そう) 男 プレイヤーその4 変人
路傍 野石(ろぼう のぜき) 女 プレイヤーその5 不意打ち大好き



第一話「ビッグになりたい」前編

0-0 イントロダクション

 

 梅雨入りして間もないころ、6人の男女がTRPGを遊ぶべく集まっていた。そうして、一人の男が確認を取ると、通りの良い声で言った。

「それでは、『リアリティーショーRPG キルデスビジネス』はじめていきましょうか」

 

路傍:いぇーい、キルデス、キルデスー。

桜園:確か、5月30日に新しいのが発売されたのよね? 今日わざわざやるってことは……。

坂上:そのとーり。今回は、この『ケイオスチャンネル』にて追加されたデータをガッツリ使ったセッションをしようと思う。

百地:えーと? 具体的には?

坂上:人気ルールと標的強化だな、これはおいおい説明するとして、ルールを解ってるのはとりあえずキャラ作ってくれ。キルデスが初めての奴は……。

 

パラパラと手が挙がった。

 

坂上:OK、とりあえず世界観から説明してくか。

子安:大体、これリプレイ録っているんでしょ? どっちにしろ説明しないとだめだったんじゃ。

坂上:そうとも言う。

雨鳥:言わない。

坂上:それじゃあ、まずキルデスビジネスという番組についてだな。こいつは地獄で放送されているテレビ番組で、何の変哲もない人間3~5人程度集めて、そいつらに『黄金の魂』の刈取りをやらせてその様子を放送する。そして、その中で『ソウル』というポイントを稼ぎあわさせて、それがトップだった奴の願いが何でも叶う。と、まあこんな感じだ。

子安:じゃあ、私たちのキャラはそれに参加するの?

坂上:その通り。他人はライバルってことになるな。……そうそう、それと、ゲーム中はマスターのことをヘルPと呼ぶように。

子安:へるぴー?

雨鳥:ほら、ボーカルなロイドとか、マスターなアイドルとか。

坂上:関係ないです。地獄のプロデューサーなのでヘルP。これ以外にも、地獄にあるものには大体ヘルが付きます。……だんだん敬語が入って、Pモードになってきた。

雨鳥:わりとテキトーだね。地獄。

坂上:凄まじくテキトーです。では、大体説明が終わったんでキャラ作っていきましょう。

子安:はーい。

坂上:まずは名前と性別と……、まあ説明しなくてもよさげなところから。

雨鳥:この、キャラ属性……って、何?

路傍:そのキャラクターが何を大切にしているか、だね。例えば、笑顔ならみんなの笑顔が一番って感じになるし、修行なら世界で一番強くなりたい! って感じ。

子安:い、意地悪なんてのもあるのね。

桜園:あ、それ私取るつもりだから。

百地:いやな予感がする。

桜園:気のせい、気のせい。

坂上:次は特技決めましょう、一つの縦列につき一つ取ってください。

桜園:一応言っておくけど、このゲームは指定された特技からのマス目に5を足したものが目標値になるから、適当に散らさないと後で泣きを見るよ。

雨鳥:ん、大丈夫大丈夫。

百地:そういえば、戦闘アビリティの取り方については大丈夫なのか?

雨鳥:一応。それとなく事前に説明されたし。確か、この中から二つ選ぶんだよね?

桜園:そうそう、一つのスタイルにつき3つアビリティがあるから、合計6つをリスク1から6まで埋めてね。例を挙げると、ファイアとサムライなら爆炎剣士になれるし、サイコとセクシーなら……。

路傍:エロくて、頭がおかしい。

百地:さらっと最低なこと言ったな。

路傍:いやぁ、それほどでも。

百地:えらくないっ!

子安:で、最後に余った一つの欄は……。

路傍:キラートリックだよ。名前も描写もオリジナルの超必殺技! なんと! この技の判定に成功するだけで相手は死ぬ!

子安:おおう、ワンダフル。

桜園:ま、細かいところは作りながら、ね。そいじゃ二人ともゴーゴー。

雨鳥・子安:おー。

 

数十分後

 

0-1 DJ SPLATTER

 

坂上→ヘルP:では、桜園さんから時計回りにキャラの自己紹介をお願いします。

桜園→DJ:はい。アタシはDJ SPLATTER(でぃじぇい すぷらったー)。アメリカのデトロイトで活動するアングラ系ミュージシャンで、願い事は『自由に音楽を楽しみたい』。普段はラップしながら猫や兎を掻っ捌くパフォーマンスで、極々一部の層から熱狂的な支持を受けています。

雨鳥:デトロイトに対する風評被害だな。

路傍:一人でも支持する人間がいることに驚きだよ!

百地:それ以前に犯罪だろうが。

ヘルP:では、DJさんはどこにいます?

DJ:ライブの帰りかな。深夜にやらざるを得ないし。

ヘルP:遠くのほうから、赤い光とサイレンが聞こえてきます。

DJ:「ちっ! もう嗅ぎつけやがったのか! ポリ公の4文字め!」

雨鳥(警察):「いたぞ! 連続動物虐殺犯だ!」

路傍(警察):「神妙に縛につけ!」

子安(警察):「御用! 御用だ! 観念しろ!」

ヘルP:お前ら、即興とはいえもうちょっと頑張ろうぜ。

百地:時代劇のセリフじゃねぇか。

DJ:さすがにパトカー相手では分が悪く、追い詰められる。

ヘルP:では、そのパトカーの中からスーツを着た骸骨が現れて……、「どうも、私、ヘルPと申します」と名刺を差し出します。

DJ:「シィット! いよいよ地獄のほうからお迎えかい! って、あれ、名刺?」

ヘルP:「はい。私、地獄でテレビ番組のプロデューサーをやっておりますヘルPです。今回、あなたに出演依頼を申し込みたく現世まで馳せ参じました。あ、これパンフです。」

雨鳥:時代劇アトモスフィアが伝染した。

DJ:読むよォ。「殺すのかぁ、いいねぇ、気に入った! アタシをそこまで案内しな!」

ヘルP:さっきまでそこにあったはずのパトカーがいつの間にかヘルタクシーになっています。「どうぞ。」

DJ:好き放題殺せておまけにうまくいけば願いまで叶う! サイモンとガーファンクルのようにアタシにぴったりだ!

百地:あいつ、ただの猟奇殺人鬼じゃねぇのかなぁ。まあいいや。俺の番だな?

 

 

0-2 シブシソ

 

百地→シブシソ:俺はズールー族の屈強なる戦士、シブシソだ。願い事は、『アフリカを統一したい』

雨鳥:いつの時代のお人?

シブシソ:普通に現代だが?

子安:どんだけ時代錯誤なんですか。

DJ:別にいいんじゃない? この人は、ちょっとグローバル化の流れについていけてないだけのただの屈強なる戦士よ。

路傍:その、『屈強なる戦士』の時代錯誤感がねー……。

シブシソ:ところでヘルPよ、俺は導入シーンのアイデアが全く思い浮かんでない。

ヘルP:まあ、大丈夫ですよ。シーン表振りますんで。……『あなたの写真で壁が埋め尽くされた』『屋上』

DJ:は?

シブシソ:……見事にバグったな。前半部だけ振りなおしてくれ。

ヘルP:『押し寄せてくる砂に埋もれた』ですね。

シブシソ:サハラか。

雨鳥:南アフリカの戦士が砂漠で何やってんだ?

子安:結構な距離あるよね。

シブシソ:砂漠化が進むダカールの廃ビルで、俺は戦っている。

DJ:誰と?

シブシソ:……奴と。

雨鳥:だから、誰と!?

ヘルP:これ、考えてないパターンですね。

シブシソ:そうだ、ヘルP、助けてくれ。

路傍:かっこいい顔で言うセリフじゃない。

ヘルP:どうしようかな……。では、シブシソの一撃が決まり、相手は無残に倒れこみます。

シブシソ:これで終わりだ、強敵よ。

ヘルP:すると、倒したはずの相手が骨となっていて、むくりと起き上がります。

シブシソ:「何者だ!?」

ヘルP:「いやあお強い! ……その力を、私どもの番組で役立ててみませんか? もちろん報酬は出しますよ。あなたの願いを叶える、とか」

シブシソ:「詳しく聞かせてもらおうか」……そして俺は、地獄に向かった。

路傍:カッコよさとノープランさが同居してるねぇ。

雨鳥:ひとつ突っつくところを間違えるだけで大変なことになりそう。

ヘルP:次は子安さんですが……。

子安:大丈夫、イラスト描いてるだけだから。もうすぐ終わるし、進めちゃって。

 

 

0-3 大庭 桃李

 

子安:できました!(キャラクターシートを見せる)

シブシソ:ニワトリじゃねえか。

子安→桃李:僕はニワトリの大庭 桃李(おおば とうり)だよ! 夢は『自分の王国を救う』ことさ。

雨鳥:ついに人外が。

シブシソ:これ、危なくないか?

桃李:ん?

シブシソ:いや、そこに小動物を虐待してたやつがいる件について。

DJ:しないよ。ニワトリって暴れるし、結構強いし。

路傍:そういう問題かなぁ。

ヘルP:場所は……、やっぱり養鶏場でしょうか。

桃李:シーン表振ってもいいんだよ?

シブシソ:やめとけ、俺のようにバグる未来しか見えない。

DJ:いや、あんたほどこのニワトリは行き当たりばったりじゃないと思う。

雨鳥:酷いなぁ。

桃李:一応振ってみようかな。ヘルP、お願い。

ヘルP:はいはい。……『あなたが根城にしていた』『祭壇』

路傍:祀られてんの!?

桃李:「僕は太陽の使いだ。この者たちは、皆重要な信徒だ。しかし、この地ももうすぐ陥落しようとしている。僕らのような、異端の信仰を排除しようとする者たちによって」

DJ:いきなり壮大になったわね。

ヘルP:つかつかと、祭壇に踏み入ってくるものがいます。

桃李:「何者だ!」

ヘルP:「はじめまして、私、ヘルPと申します」

桃李:「ヘルP……、聞いたことがあるぞ。何でも、テレビショーの出演と引き換えに願いを叶える悪魔だとか」

シブシソ:何で知ってんだよ。

桃李:だって、僕は神の使いだから。悪魔のことも知っている。

雨鳥:もうそれでいいや。

路傍:下のほうから、ヘルPに対するブーイングが。

DJ(群衆):「悪魔めー!!」

雨鳥(群衆):「耳を貸してはなりませんぞ、神の御使い様!」

ヘルP:そんなことは聞き流します。ヘルPの耳には、基本的に自分にとって耳触りの良い情報と知らなきゃいけないこと以外は入ってきません。

路傍:なんて都合のいい! 私にもちょうだい!

シブシソ:つーか、お前骸骨だろ。

ヘルP:つーん、聞こえませーン。

DJ:うっわムカつく。

桃李:話を戻そう。えーと?

ヘルP:ヘルPが交渉を持ちかけます。「なら話は早い! この追い詰められた絶体絶命の状況から……、一発逆転、狙ってみません?」

雨鳥:うさんくせー。

桃李:「……くっ! 背に腹は代えられない、か。あの者たちは、稲妻を吹く棒で武装していると聞く。我々の武器は一番いいもので黒曜石だ。どうやっても勝てないだろう」

DJ:ちょっと待って、あんた日本生まれじゃないの?

路傍:名前は日本だけど、エピソードはどう聞いても中南米だね。

桃李:それは、ええと、そうだ! ヘルPが勝手につけたんだよ!

ヘルP:なんと、悪魔に責任転嫁するというのですか!?

桃李:僕は神の使いだからね!

ヘルP:む、そこまで言われたらこっちだって黙って引き下がるわけにはいきませんね。無理やりにでも連れて行きますよ!

桃李:望むところだ!

雨鳥:ヤバいよ、こいつマジヤバい。

路傍:鳥のくせして特攻精神に恵まれてるしね……。

 

 

0-4 幽舫

 

雨鳥→幽舫:私は幽舫(ゆうほう)。表向きは人間だが、その正体は『地球を宇宙植民地にする』計画を実行するために秘密裏に送り出されたエージェントなのだ!

DJ:あ、これ、話通じない人だ。

シブシソ:お前が言うな。

路傍:自称……宇宙人?

幽舫:自称ではなく、私は正真正銘の宇宙人だ!

桃李:ああもう、確実にめんどくさい!

ヘルP:シーン表振ります?

幽舫:そうしてくれ。

ヘルP:『奇妙なオブジェだらけの』『学校』です。

幽舫:では近所の学校だ。私は美術室を秘密裏に改造し、母星との連絡拠点としているのだ。勿論、偽装も完璧。多少増えたアイテムは、素人目には生徒が作った紙粘土のオブジェと見分けがつかないだろう。

路傍:あー、これ七不思議がいっこ増えるやつだわ。

DJ:逆に追及されにくいでしょうけどね……。

幽舫:では、母星への定期報告を行う。「報告します。WS-03、通称地球を植民地化するにあたって、いくつかの懸念すべき事項を確認いたしました。まず、この地球を現在実行的に支配している種族、ヒトについてです。」幽舫の手の中にある物体が、もわもわと光る。

シブシソ:これは、本当に宇宙人なのかただの危ないやつなのか……。

桃李:どっちでも僕らの敵に変わりはないけど。

幽舫:「どうやら、悪魔と呼ばれる高次の存在が内密に手を貸しているようです。事実、この惑星のテクノロジーでは到底不可能な現象がしばしば散見されます」

ヘルP:そこでザザザとノイズが入ります。「素晴らしい! よもや、独力で我々の存在に気付くものがいるとは!」

幽舫:「なっ! 何者だ! 貴様!」

ヘルP:「その悪魔ですよ。幽舫さん、貴方をスカウトしに参りました」

幽舫:「悪魔……、ふふふ、そうか、キルデスビジネスだな? 良いだろう、出てやろう」

桃李:即答するんだ。

幽舫:だって、電波ジャックされちまったし。よく考えなくても出るしかねぇじゃん。

DJ:……このヘルP、人を追い詰めるのが上手いよね。

桃李:それよりも、電波通信なの? 意外とローテク。

幽舫:それは、その、お前たちのレベルに合わせて話してやっただけだ! 全く地球人め! 思い上がりも甚だしい!

シブシソ:こいつ逆切れしやがった!

幽舫:く、任務と無関係にムカついてきたぞ。何が何でも優勝して、こいつらに吠え面かかせてやる!

路傍:斜め上の方向に、さらに切れた!?

桃李:取扱注意ってレベルじゃねぇぞ!

幽舫:なんとでも言え! 私は高等な存在だ! 地球の土埃にまみれたお前らとは格が違うのだ!

ヘルP:「あ、ヘルポータル開いておいたんで。勝手に来てください」

幽舫:「む、すまないな」

DJ:この宇宙人、妙にプライド高いところがあるから気を付けないと……。

 

 

0-5 麻田 芥子

 

ヘルP:ラスト、路傍さん。

路傍→芥子:はい、麻田 芥子(あさだ あこ)です。日本でおくすりを売ったりしてます。

シブシソ:なんか引っかかる言い方だな。

芥子:私は、お薬の力を使えばもっともっと多くの人に笑顔を与えられると信じているんですよ。ただ、日本は法律がきつくて、十分にやりたいことができないんです。

桃李:すっごい嫌な予感。

芥子:まあ、そんなわけで、願い事は『お薬でみんなを笑顔にしたい』です。

DJ:つーか、さ、まどろっこしいのはいいからゲロっちゃいなよ。

芥子:え?

DJ:「私はジャンキーです」ってさあ! アタシ、あいまいなヤツは嫌いなのォ!

幽舫:どうせそうなんだから放っておけば?

芥子:何の事だかさっぱり。そうそうヘルP、シーン表振ってもらえる?

ヘルP:『燃え上がる炎に照らされた』『倉庫』

桃李:え?

シブシソ:何だ? 火事か?

芥子:え、あ、えーと「お薬、増やしておきましょうねー」

DJ:やっぱだめだ! こいつだめだ! アタシよりよっぽどおかしい!

桃李:自分がおかしい自覚はあったんだね。

幽舫:何がどうなれば、火事の中で診察という状況が起こりうるんだよ。

ヘルP:診察台に縛られた男は、何やらもがいてます。

芥子:「はーい、もうだいじょうぶですよー」

桃李:何が何だか。

幽舫:えらくトチ狂ったサイコポップな状況とでも言えばいいのか?

シブシソ:軌道修正できんのか? これ。

芥子:そこで、「OKでーす!」ってヘルADが言う。実は、キルデスビジネスには何回か出演してるんだけど未だ優勝はゼロ。人間界にも戻るに戻れないし、今はこうやってチマチマ番組に出ながら路銀を稼いでるって設定なんだけど、……どう、いける?

ヘルP:まあいいんじゃないですかね。データに影響はありませんが。

DJ:もし影響したら暴動が起こるわよ、こんなん。

桃李:その辺は公平なんだね。

ヘルP:勿論、私どもは悪魔ですから。

シブシソ:契約外のことにはかかわらないとか、そんな感じか。

幽舫:官僚主義的といえなくもないね。

ヘルP:ふらふらと芥子さんに声をかけますよ。「芥子さーん、休憩の後6番スタジオ入りお願いします」

芥子:「お、いよいよね。今度こそ勝ちたいところなんだけどねー」

ヘルP:「まあ、貴女が勝とうが負けようが悪魔的にはどっちでもいいんですけど」

芥子:「あはは、ヘルPちゃん、ヘルプレッソ買ってきて」

桃李:馴染んでるなあ。

幽舫:そういえば、中の人的には一番のベテランか?

芥子:そうかも。

DJ:いろんな意味で要注意な相手ね……。

 

 

1-0 オープニングトーク

 

ヘルP:みなさんは薄暗いステージに立っています。すこしするとライトが照らされ、オープニングテーマがかかり始めます。「さあはじまりました、キルデスビジネス! 今回の回収人はこいつら!」ヘルPがそう言うと、皆さんのほうにカメラが。ポーズお願いしますってカンペが出てますね。

DJ:一応芸能人だし、手でもふっとこう。

シブシソ:眩しそうにしている。目がいいからな。

桃李:こう、羽をぶあっと。

幽舫:腕を組んでるかな。

芥子:また来ちゃいました。って感じで後頭部に手をやる。

ヘルP:「この個性豊かな回収人のうち、見事願いを叶えるのは誰なのか! では、初期ソウルとして200ソウルがそれぞれプレゼントされます」

桃李:モニターに顔写真が映っていて、その隣に200って数字が。

幽舫:いや、頭の上に数字がリアルタイムで出る形式かもしれない。

シブシソ:それ、ゼロになったら死ぬやつじゃね?

芥子:石化するほうかも。

ヘルP:「では今回の標的をご紹介しましょう。『ビッグになりたい』タカさんです!」モニタには、体長が1kmを超すのではないかというほど巨大な烏賊が映っています。

桃李:え、ビッグになりたいって、そういう?

幽舫:これ、悪魔に曲解されたパターンだよな。

シブシソ:それよりなぜ烏賊なんだ? 魂あるのか?

ヘルP:一寸の虫にも五分の魂、烏賊ならどうってことないでしょう。

DJ:もう、それでいいわ。

ヘルP:「して、もとはただの凡人、あいや凡烏賊だったタカさんですが、黄金の魂の力でこんなにでっかくなりました。もはや、烏賊のタカさんではなく、クラーケンのタカさんとお呼びすべきでしょう!」

芥子:ん、クラーケン、タカ……。うん、もういいよ。

幽舫:何か悟ったね、この子。

DJ:ヘルP、ちょっとネタのレベルが低すぎない?

ヘルP:新鮮ですよ?

シブシソ:そういう意味じゃないと思う。

ヘルP:まあそれはそれとして、みなさんにはタカさんが主を務める水中都市に向かってもらいます。

芥子:え、息、大丈夫?

幽舫:ガムのCMかなんかと勘違いされそうな台詞だな。

ヘルP:その辺は平気ですよ。水中抵抗とかが違和感を及ぼさないように地獄的パワーでなんとかします。

シブシソ:そうか、それは良かった。俺の戦闘術は、サバンナの広大な平原における地上戦を想定したものだからな。

桃李:また適当言ってる。

DJ:それより、そこには何がいるのさ。まさか、イカオンリーってわけじゃないでしょうね?

ヘルP:まあ、その辺は特に決めてませんが、そこは皆さんの適応力とアドリブでなんとか。

芥子:行き当たりばったりだなぁ。

DJ:こいつに期待したアタシが馬鹿だったわ。

ヘルP:それより、『サブプロットの獲得』に移りましょう、全員でD66お願いします。

 

行動順:DJ→芥子→シブシソ→幽舫→桃李

 

桃李:しつもーん。サブプロットってなに?

ヘルP:んー、とりあえず見てれば分かると思います。幸いにも経験者が序盤に固まりましたし。ではDJさん、キャラ属性と1D6お願いしますね。

DJ:はいはい。……意地悪の6ね。

ヘルP:『泣かせたい』です。キャラを一人選んで、そのキャラに対する関係の深度を2以上にすればクリアです。報酬は200ソウルと視聴率10%、人気2億人。判定は、《情動》で。

DJ:(キャラシを見比べながら)うーむ、成功しやすそうなのはっと……シブシソ、君に決めた!

シブシソ:何だと!?

芥子:まー一番成功しやすいからね、しゃーないしゃーない。

DJ:このアフリカンの男泣きで、アタシは率が取れると確信した。目標値6だし。

 

DJ・サブプロット獲得判定・成功

 

幽舫:これ、失敗するとどうなるんだ?

ヘルP:視聴率が下がりますが、初回のみ失敗してもサブプロットと関係は獲得できます。逆に言うと2回目からは獲得できません。それと、サブプロット獲得判定に成功するとそれとは別に人気2億人を獲得しますね。

幽舫:OK、理解した。

DJ:「ねえシブシソ、泣いてくれる? なるべくいい声で」

シブシソ:「そんなの嫌に決まってるだろうが!」

DJ:「えっ!?」

桃李:そんな意外そうな顔をすんなよ。

芥子:この人、やっぱりどこかおかしいわね。

DJ:よし決めた。なんとしてでも泣かせてやる。

ヘルP:悪魔的には模範的優等生ですがね。では次、芥子さん。

芥子:ほいほーい。……人気の4。

ヘルP:『アレを奪え』です。あの小道具は自分にこそ相応しいと思うわけですね。深度を3にするか戦闘で倒して奪えばクリアで、報酬は深度×200ソウルになります。判定はもちろん《小道具》で。

芥子:えーと、DJで。他はみんな特技が遠い。

 

芥子・サブプロット獲得判定・成功

 

芥子:よしよし、あのピアスはウチのもんだという決意をする。って、たしかヘルマイクは心の中の声も拾っちゃうんだっけ?

ヘルP:ええ、バッチリ流れてますね。

シブシソ:ギロッ。

幽舫:不味いぞ、勘づかれてる。

桃李:変なメーターが黄色くなってる。

DJ:お前ら、人を猛獣かなんかみたいに扱ってるでしょ。

シブシソ:違うのか?

DJ:よし泣かす。

シブシソ:ひええ、言うんじゃなかった。

幽舫:おい、屈強なる戦士。

芥子:わたしのターンなんだけどなぁ。まあいいか!

DJ:あんたもあんたで、ターゲットが外れたわけじゃ無いんだからね!?

芥子:うえー、やっぱこの人猛獣だよう。ヘルP、次行っちゃってー。

ヘルP:はい、次はシブシソさん。

シブシソ:……修行の4だ。

ヘルP:『改造』です。相手より多くのヘルサイバーをインストールした状態で結果フェイズを迎えられればクリアで、報酬は600ソウル。判定は《衣装》です。

シブシソ:む、桃李だ。いろんな意味でこいつにだけは負けたくない。

芥子:目標低くねぇ?

シブシソ:いや、こいつは強い。俺はそう確信している。だから負けるわけにはいかないのだ。

桃李:いい目をしてるよ、いや本当に!

シブシソ:判定だ。

 

シブシソ・サブプロット獲得判定・成功

 

シブシソ:どうだ!

DJ:そんなドヤ顏されても。

幽舫:ニワトリをライバル視しながらドヤ顔するアフリカの屈強なる戦士か。

芥子:やめて。そうやって羅列させられると変な笑いが出てくる。

桃李:なんか、さりげなく僕まで馬鹿にされてる気がする。

DJ:いや、気がするんじゃなくて、現にバカにしてるんだけど?

桃李:こ、こいつ!

シブシソ:とりあえず、もう今はいいだろう。次行こう。

幽舫:逃げたな。まあ、振るけどさ……オカルトで1だ。

ヘルP:『死の探求』です。相手が自分の登場しているシーンで二回戦闘で死亡すればクリア。報酬は400ソウルです。判定は《職業》で。

幽舫:マジか、みんなして特技がめちゃくちゃ遠い。……いや、DJならなんとかなりそうだ。

桃李:そうなの?

幽舫:《芸術家》だから、端っこ仲間なのだよ。

DJ:仲間って、殺すのが目標なんでしょ?

幽舫:そうだが。

DJ:それは仲間って言わない。

幽舫:なんだとー!?

シブシソ:とりあえず、判定しようぜ。

幽舫:そうだった。判定だ。

 

幽舫・サブプロット獲得判定・成功

 

ヘルP:成功ですね。

DJ:……ちょっと待って、これって、芥子と幽舫が結託して襲いかかってくるんじゃ。

芥子:あっ、本当だ。私と幽舫くんの利害が一致してる。

幽舫:今更?

桃李:気付いてたんだ。

幽舫:今さっき、な。

シブシソ:お前ら五十歩百歩っていうんだぞ、そういうの。

DJ:なにやらアフリカ人が、日本の四字熟語の解説を。

シブシソ:そ、それは、その、ヘルP! シーンを進めろ!

幽舫:ほんっとに、お前はキャラが安定してないなぁ!

桃李:もういいよ。……ええっと、対悪魔の5だ。

ヘルP:『不殺』です。標的が殺されずに生き残るとクリアで、報酬は700ソウル。標的に対して、《願望》で判定を行って下さい。

桃李:え、きついなぁ、目標値8か。

芥子:というか、キャラ属性『対悪魔』なんだ。

桃李:まあね、こう見えてハートは熱いからさ。

幽舫:そういう問題か?

桃李:心の持ちようは大事だと思うけど。判定するよ!

 

桃李・サブプロット獲得判定・失敗

視聴率:40%→30% テコ入れ発生

 

ヘルP:失敗しましたが、サブプロットは獲得できます。

桃李:いきなりオケラかー。

DJ:ニワトリが巨大イカを守ろうとする。うん、率も下がるわ。

シブシソ:ちょっと眉間を抑えたくなるな。

芥子:ヘルP的には動物好きな層のウケを狙ったつもりなんだろうけど。

幽舫:可愛いって言うより、ちょっとグロテスクだしな。

桃李:ニワトリだよ? イカだよ?

DJ:ダメだこりゃ。

ヘルP:まあサービス一回で取り戻せるんで、頑張ってください。それではヘルポータルが開いて、皆さんを水中六分儀市へと連れて行きます。みなさん、コメントもらえますか?

桃李:よーし、頑張るぞー。

DJ:頭の隅っこにモヤモヤが残っちゃうのよね、このメンツ。

シブシソ:やるしかないだろう。地獄まで来たんだ、退路は既に断たれているんだ。

芥子:私みたいに地獄暮らしする覚悟があるんなら別だけどさ。

幽舫:それは御免被りたいな。まあいい、高等な存在が下等な連中に遅れをとるはずが無い。

ヘルP:では行動順の決定ですね。

 

行動順 DJ→幽舫→桃李→CM→芥子→シブシソ

只今のソウル

DJ:200 シブシソ:200 桃李:0 幽舫:200 芥子:200

 

 

1ー1 zapzap!

 

DJ:強制サービスかー。

ヘルP:ちょっと待って下さい、人気ルールの説明を。

芥子:ああ、追加ルールの?

ヘルP:はい、……って、みなさんサマリーをガン見してますね。

シブシソ:ふうむ、人気を1億人単位で消費することで色々できるんだな。

ヘルP:まあ、判定に失敗した時にプラス修正つけれたり、サービス拒否したり、そこに書いてあるとおりのことができます。

DJ:で、早速使えるのか……、いやいいわ。サービス拒否はしない。

ヘルP:では普通にサービスということで。ランダム表振りますね。……『有毒な汚水がたっぷり溜まった』『屋上』で『サイコサスペンス』です。適当に猟奇殺人でも引き起こして下さい。それで、ヘルピープルの心はがっちり戻ってくるはずです。

桃李:え、なにこれ?

芥子:これはサービスシーンと言って、視聴率が不味くなってくると局の判断で本筋とは全く関係のない視聴率稼ぎのための撮影をやらされるの。概ねランダムで。

幽舫:見下げ果てた番組だな。コンプライアンスはどうなってるんだ。

シブシソ:難しい横文字を使えばいいってもんじゃないぞ。この宇宙人が。

幽舫:何だと下等人種が。

DJ:はいはい。とりあえず幽舫、相手役として協力しなさい。

幽舫:ん、何をすればいいんだ?

ヘルP:いえ、判定の目標となる特技を提供するだけなんで、特に何もしなくていいですよ。強いて言えば、ロールプレイに乗ってあげてください。

DJ:まあ、そういうわけで、アタシ達は排水処理施設の屋上にいるわ。

幽舫:「ふむ、水中都市において、排水処理は重要な事項。密閉して処理されて……興味深い。君もそう思わないか?」

DJ:「んー、アタシは他にもっと興味惹かれるものがあるんだけどなぁ。」

幽舫:「そうか、まあ私の邪魔立てはしてくれるなよ。それさえ守ってくれれば良い」

DJ:「りょーかーい」と言って、背を向けた幽舫に何かを振りかぶる!

ヘルP:ここで判定?

シブシソ:サイコサスペンスねぇ。

芥子:これ、ただの暴力シーンじゃ。

DJ:成功するとサイコサスペンスが始まるのよ。それでは判定っと。

 

DJ・サービス判定・失敗→成功

視聴率:30%→50%

 

桃李:あっ。

DJ:まだよ!人気を使うわ!……2億人分消費して、判定は成功!

ヘルP:サービス成功とテコ入れ脱出なので、200ソウルと人気3億人ゲットです。

DJ:やりー。

シブシソ:すごいな、一瞬でリカバーしやがった。

幽舫:ひとつ気になっているんだが、どうして人気を消費すると色々できるんだ?

ヘルP:ファン層を武器にヘルPに圧力をかけて、自分の望み通りの展開にしてもらうわけですよ。その分、どうしてもヤラセになってしまうので人気も下がる。と、そういうわけですね。

シブシソ:ひどい話だ。コンプライアンスの危機ってやつだな。

幽舫:納得はした。……で、これはどうなるんだ?

ヘルP:DJさんの狂気に気づいた幽舫さんが、思わずとっさに反撃してしまいます。そこで、DJさんからのゴネが入る感じで。

幽舫:なるほど、では「何だっ!?」と振り向きざまに光線銃を抜き撃ってしまう。zapzap!

DJ:「え、ちょっと待ちなさいよ! 被害者役が反撃しちゃダメじゃん! ほら、あんたも言ってやって!」

ヘルP:「えーと、一応そういうことなんで、幽舫さん、フレーバー的に食らってあげてください」

幽舫:ええと「た、弾詰まりだと!?」……光線銃だからあり得ないけど。

DJ:「あら、ちゃんと銃は当てないとダメよ? 坊や。」で、何かを無造作に振り下ろす。画面が暗転。湿った音。

シブシソ:こんなんでいいのかなあ。

芥子:ぶっちゃけ、誰かが殺されるのを見たかっただけかもね。

DJ:率が取れれば、それが正義よ!

幽舫:くそう、憶えていろよ?

 

只今のソウル

DJ:400 シブシソ:200 桃李:0 幽舫:200 芥子:200

 

 

1-2 死ぬよ。

 

幽舫:さて私の手番だが、そうだな、何をしようか。

芥子:あのDJを殴りに行くんだったら手伝うよ!

シブシソ:俺もだ。サブプロット達成のため、戦闘がしたい。

DJ:来んな。

幽舫:わかった、桃李は?

桃李:ソウル0だしなぁ、どうしよう。

ヘルP:出るだけ出て、援護だけしながら放出されたソウルの分け前だけ頂くって手もありますよ。

桃李:うーん、幽舫としては?

幽舫:味方は一人でも多いほうがいい。できれば参加してくれると有難い。

桃李:じゃあ出よう。

幽舫:良し、意見はまとまったな。ではDJに戦闘を仕掛ける!

ヘルP:シーンはどうします?

幽舫:復活して襲いかかるという逆襲感を出すために違う場所にしよう。シーン表だ。

ヘルP:……『ヘル』『屋上』さっきとは違う水中ビルの屋上です。

幽舫:「あいつは、屋上で殺人を繰り返している。……今日はきっとここに現れるはずだ」

桃李:そういう設定なんだ。

幽舫:「あの時は不覚を取ったが、今の私には頼もしい仲間がいる。負ける気はしない!」

芥子:登場しようか。

シブシソ:そうだな、剣と棍棒を構えて、辺りを警戒している。

桃李:鳥目だから役には立てなさそう。

DJ:はぁ、やるしかないのよね。ギュルンと音を立てて、チェーンソーで背後のドアをぶち破る。「ごめーん、遅刻しちゃった。って、あれ、団体さん? こりゃあ、やりがいがありそう!」

幽舫:「あの時の痛み、忘れてはいない! さあ、次はお前の番だ」

シブシソ:「俺も泣かされそうになったんだ。ただで済むと思うな!」

芥子:「そのピアスは私にこそふさわしいと思うんだよねー。とりあえず死んで、ね?」

桃李:「僕はただのヘルプです!」

DJ:台無し!

 

行動順:シブシソ→幽舫→芥子→桃李→DJ

 

ヘルP:戦闘ルールの説明に入ります。皆さんが取れる行動は二つに一つ、最大3回まで力を溜めて、1回につき1、その戦闘中ずっとダイスの出目にプラス修正をつけられる【チャージ】か、その名もズバリな【攻撃】かです。順番が最後の人のみ【攻撃】しかできません。それでもって、誰かが【攻撃】を宣言した瞬間、残りの順番の人の行動は全て飛ばされ、使い捨ての妨害ポイント【ブロック】を得ます。【ブロック】は、攻撃に使うアビリティを宣言した瞬間に消費することで、【リスク】というそれ以下の出目が出たらファンブルとなる値を上げることができます。ここまでいいですか?

幽舫:大丈夫だ。

ヘルP:はい。では次に攻撃の手順について、まず、攻撃を宣言した人はリスクが1か2のアビリティを宣言し、目標値5の判定を行います。

桃李:失敗すると?

芥子:死ぬよ。

桃李:えっ。

シブシソ:あれだ、迂闊に技を振ったせいでカウンター貰う感じ。

ヘルP:そんな感じです。で、判定に成功した場合、指定特技の欄にある特技を目標に、相手は反撃の判定を行います。その際、反撃に使うアビリティは使われたものより【リスク】が1か2だけ高いものを選んでください。当然、反撃に失敗すると死にます。

桃李:まあ、サマリー見ながら頑張る。

ヘルP:そして最後に、死ぬとヘルERという治療施設で復活するのですが、この時治療費として【ソウル】が取られます。そして払った分だけ【ヘルスラッグ】という改造ポイントをゲットできます。これを使って、より強くなって帰ってこれる訳ですね。では1順目、行動をどうぞ!

シブシソ:チャージ。

幽舫:チャージ。

芥子:DJに攻撃。

桃李:ええと、ブロックを獲得、で、いいのかな?

DJ:あってるわ。「さぁ、最初の獲物はあなたかしら?」

芥子:「貴方のような、小動物を虐めるような人は許せない! ついでにピアスとソウルよこせ!」

シブシソ:この場合、後半が本音だな。

芥子:うるさいうるさい! 急発進をくらえっ!

 

芥子・急発進・失敗

 

ヘルP:芥子さんの一撃は明後日の方向に。

DJ:……何やってんだこいつ? って顔になって、カウンター。

芥子:「じ、自分の毒が回る……。がくり」……200ソウル放出した。改造されてくるねー。

幽舫:いや、ちょっと弱すぎないか?

芥子:文句はダイスに言ってよぉ!

シブシソ:ええい、次行くぞ! 次!

 

行動順:桃李→シブシソ→DJ→幽舫

桃李:チャージ。

シブシソ:チャージだ。

DJ:チャージ。

幽舫:やれやれ、攻撃するしかないか。DJ、覚悟しろ。

DJ:上等、かかって来なさい!

 

幽舫・殺人光線・成功

DJ・腹裂き・失敗

 

DJ:うえ、4振っちゃった……。

ヘルP:人気使います?

DJ:いやいい。おとなしく死んで、改造されてこようっと。……ソウル放出は200、死亡は1回目だから蘇生代は50ね。

幽舫:ふう、あと一回私の前でDJが死ねばサブプロットはクリアか。さて、場の400ソウルを山分けして戦闘は終わりにしよう。

桃李:そうだね、終わろう。

シブシソ:続ける!

桃李:何で!?

シブシソ:サブプロットのクリアのためには、一回でも多く死んで改造されねばならんのだ! 仮に勝ってもソウルが美味い! 俺にとって、戦わぬ理由などない!

幽舫:く、この戦闘狂め!

ヘルP:戦闘続行を一人でも希望すれば戦闘は続きます。っつーことで殺しあえ!

 

行動順:シブシソ→幽舫→桃李

 

シブシソ:さぁ、幽舫に攻撃だ!

幽舫:度し難き男だな!

 

シブシソ・STバッティング・成功

幽舫・連射・ファンブル

視聴率:50%→30% テコ入れ発生

 

幽舫:ピンゾロだとぉー!?

シブシソ:その辺に落ちてたコンクリ片を棍棒で叩き込んだ。

桃李:撃ち落そうとして失敗した感じかな……。

ヘルP:テコ入れを発生させたので200ソウル没収。放出できるソウルがないので、そのまま改造されてきてください。

シブシソ:……あれ、ひょっとして俺が殴った意味は?

幽舫:ゼロだよ、ゼロ! いや、むしろテコ入れ突っ込んだ分マイナスだよ!

シブシソ:なんてこったぁー!

芥子:バカだ、こいつバカだ。

DJ:このノープランアフリカンめ。

桃李:……とりあえずソウル山分けして終わろう。200ずつでいいね?

シブシソ:アッ、ハイ……。

 

只今のソウル

DJ:150 シブシソ:400 桃李:200 幽舫:-50 芥子:-50

 

 

1-3 この人でなし!

 

DJ:3人とも改造終ったから報告。アタシは『判定補助』の【エレクトロアビスソード】を入れたわ。

桃李:なにその名前。

幽舫:ヘルサイバーの名前は完全ランダムで決まるんだ。かく言う私も、『判定補助』の【グリムデーモンスキン】だ。

芥子:私は『特技追加』の【ブラックブラッドハート】だよ。

ヘルP:さて桃李さん。前回の戦闘で視聴率が危ういのでサービスの方をお願いします。

桃李:仕方ない。何をすればいいの?

ヘルP:……『ヘル』『学校』で『死んだ人の話をする』

芥子:怪談?

ヘルP:いえ、一応感動系の方なのですが。

DJ:学校で死んだ人の話って、どう聞いても怪談よね。

ヘルP:死んだ人の話さえしてくれれば、それでもいいですよ。

桃李:相手はどうしようかな。……シブシソで。

シブシソ:わかった。

幽舫:怪談の組み合わせじゃないよな、これ。

桃李:「この学校には言い伝えがある。満月の晩に、校庭にある薪の束を背負ったアフリカ人の銅像が走るという」

DJ:は?

幽舫:なんて頭の悪い描写だろうか。

シブシソ:……え、俺が走んの?

桃李:そう。そこに、僕が犠牲者役の少年少女探検隊を連れてくるから。

ヘルP:いや、死んだ人の話をしろよ。……してください。

芥子:慇懃無礼キャラのヘルPですら、素に戻らざるを得ないカオス空間。

シブシソ:まるでわけがわからんが、とりあえず走ってる。

桃李:そこに、僕が少年少女を引き連れて現れる。(裏声で)「ほ、本当に動いてる!」

DJ:いや、冗談じゃなくてどうすんのよこれ。

シブシソ:そっちに向かってけばいいのか?

桃李:そこで一番デカブツだけど臆病な奴が、石を投げるなりして攻撃しちゃうのよ。さあシブシソ! ピッチャー返しで撃ちかえせ!

シブシソ:おもむろに一本足打法で……グワラグワッキーン!

芥子:あ、そういうこと!?

幽舫:どういうこと?

芥子:人を殺して、その人の『死んだ話をする』

DJ:あー、成る程。……ってトンチ問答やってんじゃねぇんだよ!

桃李:(裏声で)「なんてこった! ケニーが死んじまった!」

芥子:(裏声で)「この人でなし!」

ヘルP:もう、ここで判定してもらっていいですか?

 

桃李・サービス判定・成功

視聴率:30%→50%

 

ヘルP:えーと、細かいことはともかくウケたようです。200ソウルと人気3億人どうぞ。

桃李:やったー。じゃあ、残りのメンツがシブシソを倒して、このシーン終わり!

シブシソ:はぁっ!?

DJ:いや、うん、もうとっとと終わろう。

幽舫:あー、酷かった。

 

只今のソウル

DJ:150 シブシソ:400 桃李:400 幽舫:-50 芥子:-50

 

 

1-4 ヘルモービル

ヘルP:一旦CMでーす。

 

ヘルモービル

人を轢けば轢くほど速くなり……走りは別次元へ。

ヘルモービルがお求めやすい価格で新登場。

 

幽舫:……うん?

ヘルP:次の手番の人がこれを宣伝するロールプレイをすると、50ソウルもらえます。

シブシソ:ようはマーケティングだな。ステルスだろうがダイレクトだろうがなんでもいいのだ。

DJ:おい、屈強なる戦士。

シブシソ:もう、細かい事にはこだわらないことにした。

芥子:キャラが一貫してないと、後々悲惨だよ?

桃李:それはそれで面白そうだけど。

ヘルP:まあ、とりあえず芥子さんのシーンですね。

 

 

1-5 とんだ藪蛇だ

 

芥子:DJと交流しよう。シーン表お願い。

ヘルP:……『燃え上がる炎に照らされた』『バス停』

幽舫:また燃えてるのか。

ヘルP:芥子さんには火難の相でも出ちゃったのでしょうかね。

DJ:とりあえず出てくるわ。「……何の用かしら?」

芥子:「あなたの覚悟を聞いておきたくてね。ここは地獄のバス停、少しずつここも、地獄に取り込まれていく」

DJ:「それで?」

芥子:「地獄と添い遂げる事になってもいいのかってことよ。……もし地獄に堕ちることになれば、もう現世へは帰れはしない」

DJ:「……ま、アタシにゃ帰るところはもうないしね、その辺はあんま気にしてないかな」戻っても逮捕されるだけだし。

シブシソ:そういやそうだったな。

桃李:覚悟が決まってるっていうか、決めざるを得ないっていうか。

芥子「……そう、それならいいのだけれど」ここで判定かな。

 

芥子・交流判定・成功

 

ヘルP:成功ですね。関係の深度を1増やして、100ソウルと人気1億人どうぞ。

芥子:とりあえず危険域は脱した、ここからここから。

DJ:これでマイナスなのは幽舫だけかしら。……大丈夫?

幽舫:200ソウル以上戦闘で吐かせれば一発で逆転できるんだ。あまり心配しないほうが良い。

DJ:そうなんだけど、サブプロットの存在が状況をややこしくしてるのよねぇ。くそう、悪魔め。

芥子:「あの人は、まだ人間でいられている」

桃李:ん?

芥子:「そのうち、悪魔に特別な感情を抱けなくなる日が来る。その時、あなたは今のあなたのままでいられるかしら」

シブシソ:……これはあれか? こう、思わせぶりな事を言って話を繋げるやつ。

DJ:せっかくいいシーンだったのに! やっぱあんただけは絶対泣かす!

幽舫:やれやれ、とんだ藪蛇だ。……確かにシブシソが全面的に悪いとは思うが。

芥子:……あっ!

桃李:どうした?

芥子:「最後に忠告よ、ここは……、地獄は、魂や信念すらも容易く変異させる。忘れないで」そう言って、ヘルモービルで走り去る。

ヘルP:はい、50ソウル。

シブシソ:あ、CM!

芥子:ギリッギリで思い出せた……。

 

只今のソウル

DJ:150 シブシソ:400 桃李:400 幽舫:-50 芥子:100

 

1-6 思いやり合いながらの殴り合い

シブシソ:やっと俺の番だ。標的を相手に戦闘する。ヘルP、シーン表だ。

ヘルP:では、……『鳥が無数に集まってきている』『庭園』

幽舫:……水中だよな? 今回の舞台。

シブシソ:ええと、烏賊ということで。

桃李:いや、水上のみならず、水中でも生活できるよう進化した水鳥が……。

シブシソ:それは流石に訳が分からなさすぎる。イカパークという設定でいこう。

芥子:ナワバリバ……。

ヘルP:それ以上いけません。

シブシソ:ともかく、あの巨大イカを倒すべく俺は此処に来た。「出て来い、タカ! 俺と戦え!」

DJ:ちょっと待った、関係使って乱入する。「シブシソ、あんたを泣かすのはこのアタシよ。どこの馬の骨……骨?」

幽舫:無いな、骨。

桃李:イカだし。

DJ:「ともかく! 負けんじゃないわよ!」

シブシソ:いや、負けたいんだけど。ヘルサイバー入れないといけないし。

芥子:……ああもう、尺が取られるから、P! タカさん出して!

ヘルP:はいはーい! お二人の前に現れるタカさん! クラーケンに人類は勝てるのか? レディ、ゴー!

DJ:締まんないなぁ!

 

行動順:タカ→DJ→シブシソ

 

ヘルP:タカさんはチャージ。

DJ:チャージ!

シブシソ:後手に回ったか。タカを攻撃。

 

シブシソ・斬り降ろし・成功

タカ・鉤拳・ファンブル

 

シブシソ:……あ。

ヘルP:触腕による薙ぎ払いを、物の見事に切り落とされました。タカは撤退。シブシソに300ソウルと人気2億人です。

シブシソ:ま、まあ結果オーライ! 戦闘終了!

DJ:続行! そのソウル寄越せ!

ヘルP:はい、では続行です。

 

行動順:シブシソ→DJ

シブシソ:DJに攻撃するしかないか。くそっ!

DJ:来なさいよ。

 

シブシソ・STバッティング・成功

DJ・速弾き・成功

 

DJ:シブシソの打撃を音の衝撃波で弾いて、そのまま反撃。

シブシソ:目標値7で一回判定か、9で二回か……。

芥子:連斬で行きましょう。二回判定ならそうそう失敗しない。

桃李:シブシソ! あいつの言うことに耳を貸しちゃ駄目だ!

シブシソ:……桃李を信じてみるか。

DJ:ここでブロックするわ。

 

シブシソ・横薙ぎ・失敗→成功

 

シブシソ:ヘルP、人気を使うぞ。……2消費して、判定は成功。「ちょ、ちょっと待て、ここでキラートリックを映せば、数字はきっと上向く。DJ、ここは喰らってくれ!」

ヘルP:「えーと、そういう事なんで、お願いできます?」

DJ:あー、まあアタシも人の事言えないし……、うん、そういう方向で行きましょうか。

幽舫:お前ら、なに殴り合いながら談合してんだよ!

芥子:そういうゲームだけどね、これって。

DJ:シブシソの攻撃を喰らってあげながら……『絶唱』で反撃。

 

DJ・絶唱・失敗→成功

 

DJ:人気を使って成功させる! 2消費で成功。「あ、シブシソ、ごめん!」

シブシソ:「任せろ、喰らった事にする!」

桃李:なにこの、思いやり合いながらの殴り合い。

幽舫:まったく、せいぜい人気を消耗してろ。

シブシソ:「この俺をここまで追い詰めるとは……、よかろう、始祖より受け継がれしこの技で葬ってくれる!」

芥子:セリフはかっこいいけど、さ、判定キツくない?

シブシソ:ええい、為せば成るのだ!

 

シブシソ・キラートリック『猛牛の魂』・ファンブル

視聴率:50%→30% テコ入れ発生

 

シブシソ:まだだ、人気を……、失敗したぁ!?「おい、キラートリックを映すんじゃなかったのかー!?」

ヘルP:「映しましたよ!?」

DJ:『キラートリックを映せ』とは言ってたけど、『成功したところを』とは言ってなかったしねぇ。そういう事じゃない?

シブシソ:この悪魔めー!

DJ:そうです、私が悪魔です! とりあえず、テコ入れ分の200ソウル没収!

シブシソ:ソウル放出は……200か。

DJ:よっしゃ、いただき! さあ1回目の標的戦に行きましょう!

幽舫:シブシソは?

芥子:だからよ。このゲーム、改造中にシーンに呼び出されると、その改造がキャンセルされるんだ。

シブシソ:その事に途中で気付いて、負けるつもりだったのに勝たなきゃいけなくなったんだよ!

桃李:うわ、エグ。

DJ:だから、早く次行きましょ!

 

只今のソウル

DJ:350 シブシソ:250 桃李:400 幽舫:-50 芥子:100

 

 

1-6 驚きの白々しさ

 

ヘルP:標的戦です。出る人は?

全員:(挙手する)

DJ:改造しないんだ。

シブシソ:ヘルスラッグは持ち越せるし、結果フェイズを迎える前にもう一度死ねればいいからな。焦る必要はない。

幽舫:そうだな。それよりも桃李はトップなんだから、引っ込んでてもいいんじゃないか?

桃李:出たくないけど、あいつを守らなくちゃいけないし。

芥子:こっちもこっちで、ピアス分捕らなきゃだし。

幽舫:DJが死ぬトコ見なきゃだし。

ヘルP:えーと、シーン表振りますね。……『太陽が強烈な光を投げかける』『牢獄』

シブシソ:……ん?

ヘルP:どうやら南国の海上刑務所で迎え撃つと、そういう展開です。

DJ:あー、そういう。

芥子:なんか、映画でありそうなシーン。

幽舫:むしろゲームっぽいよな。ちょうど5人パーティだし。

桃李:仲間割れ確定だけどね。

シブシソ:すると、目の前の海面がポコポコと泡立ち、次の瞬間には海水を巻き上げながら現れる巨大生物。

ヘルP:そうそう、そんな感じです。画面にエフェクトがかかって戦闘開始!

 

行動順:幽舫→桃李→タカ→DJ→芥子→シブシソ

 

幽舫:チャージだ。

桃李:チャージ。

ヘルP:タカもチャージします。

DJ:しゃーない、タカに攻撃。

 

DJ・爆音・成功

タカ・鉤拳・失敗

 

ヘルP:んん、出ませんか……。300ソウルと2億人どうぞ。

DJ:よしよし、ソウルゲット。……で。

芥子:戦闘は続く!

DJ:……そうよね。はぁ。

 

行動順:DJ→シブシソ→芥子→桃李→幽舫

 

DJ:チャージ。

シブシソ:チャージだ。

芥子:よし、DJに攻撃!「貴女に言いたいことは山ほどあるけど、取り敢えずピアスよこせ!」

DJ:「来やがったわね!」

幽舫:新手の妖怪かよ。

 

芥子:毒針 成功

 

芥子:よし、効果でチャージを減らす!

DJ:むう、速弾きで……。

芥子:更にブロック!

幽舫:わたしもブロックを使う。

シブシソ:協力してブロックする。

桃李:僕もだ!

DJ・ぐぐぐ、寄ってたかって邪魔ばっかり!

 

DJ・速弾き・ファンブル

視聴率:30%→10%

 

DJ:200ソウル放出した。とっとと改造しなきゃ。

幽舫:これで私と芥子のサブプロットが達成されるな。

ヘルP:そうですね。報酬は奇しくも両方400ソウルです。

芥子:よっしゃー。

ヘルP:で、視聴率も2人分上昇して……、あれ?

桃李:……まだ30%だね。

シブシソ:前のシーンと合わせて2回ファンブってるからな。

幽舫:で、戦闘はどうする?

芥子:ここでさらにファンブルすると、サービス一回でテコ入れから抜け出せなくなるってのが最大の問題な訳で。

桃李:場のソウルは200だから、ちょうど4人で山分けできるね。

シブシソ:……今、戦闘を続けて得するのは俺だけか。テコ入れで手番が拘束されるのはもっと困るが……。

DJ:殴っちゃっていいと思うよ? どうせ困るのはお互い様なんだし、1対3の交換ならやっちゃえやっちゃえ。

シブシソ:うおお、変な囁きを聞いてしまった。殴る、殴らない、……そうだ!

幽舫:見ろ、余計な事を閃いてしまったじゃないか! お前が唆したせいで!

DJ:失礼な。ただの助言ですわ。

芥子:驚きの白々しさ……。

シブシソ:桃李、手を組もう。お互いのサブプロット達成のため、俺はもう標的を殴らない。お前はなるべく死なない。でどうだ?

桃李:むう、確かに、サブプロットを達成した連中が次に狙いそうなのは標的。魅力的な提案ではある……。そして、奴らに標的を殴らせないためには、番組をテコ入れ地獄に突っ込ませるのが一番手っ取り早い。

ヘルP:それ、ヘルP的には非常に困るんですが。

幽舫:ほら、ヘルPもこう言ってるぞ!

桃李:……よし、戦闘続行!

芥子:うええ。

シブシソ:盟友よ、共に行こう!

 

行動順:幽舫→桃李→芥子→シブシソ

 

幽舫:チャージ

桃李:チャージ

芥子:チャージ

シブシソ:攻撃→芥子

 

シブシソ:ふふふ、今の俺に、もう恐れるものなど何も無い。行くぞ!

芥子:勝っても負けても得をする相手が一番厄介。わかってたはずなんだけどなぁ!

 

シブシソ・STバッティング・成功

芥子・毒電波・成功

シブシソ・連斬・成功

芥子・キラートリック『大地荒廃』・成功

視聴率:30%→40% テコ入れ脱出

 

芥子:よっし! ツイてる!

桃李:一回も人気使わずに素振りで成功したかー。

ヘルP:キラートリックに成功したので、視聴率が10%アップ、テコ入れ脱出したので芥子さんに200ソウルです。

シブシソ:視聴率を減らすつもりが……、まあいい、ソウル放出は……300か、足らないから250だけ放出と。

ヘルP:それでは、キラートリックの描写を。

芥子:はーい。でっかい注射器が飛んできて、地面に突き刺さると同時に中の液体が注入されて、そこからどんどん紫色に。

シブシソ:触れると死ぬやつか。

芥子:ザッツオーライ。

シブシソ:では、俺も紫色になって死んだ。

桃李:ひまわり植えなきゃ。

芥子:オーブ割らなきゃ。

DJ:何のゲームの話よ……。

幽舫:場のソウルがこれで450か、3人で割り切れるな。どうだろう、桃李、別に私たちは標的を殴らないからここで終わりにしないか?

桃李:え、いいの?

幽舫:少なくとも利確をしておきたいのだ。標的を殴る以外にやるべき事もあるしな。……芥子はどうだ?

芥子:そっちこそいいの? 自分で言うのもなんだけど、今ぶっちぎりでトップよ?

桃李:……まあ、サブプロットの700ソウル欲しいし。差がそれ以下なら。でも、シブシソと約束は……どうしよう。

シブシソ:別にサブプロットさえ達成できれば文句は無い……。よし、次!

DJ:ただいま改造中。ってカンペ持ってる。

ヘルP:一昔前の番組ロールですか。

芥子:マジックで書いた感じのアレか。

桃李:「以上、ヘルERから中継でしたー」

幽舫:えーと、150ソウルずつ山分けでこのシーンは終わり、でいいか?

シブシソ:ちょっと待った!

DJ:改造終わりの報告よ!

ヘルP:早かったですね。

シブシソ:まあ、取るもの自体は決まってたからな。そっちの話し合いもあったみたいだし。

DJ:そゆこと。アタシがとったのは『行動順強化』の【ハイテクゴシックハート】よ。胸元に機械仕掛けのハートのアップリケがついた。

シブシソ:で、俺が『判定補助』を2つ、【エターナルスペシャルキャノン】【キングシノビギア】と『特技追加』の【グリムブレイズスキン】だ。

幽舫:お前、何者?

桃李:ターミネーターみたいなことになってない?

シブシソ:格好良いじゃないか。デデンデンデデンって。

ヘルP:本人が満足してるいるようですし、別にいいんじゃないでしょうか。

DJ:もう、それでいいわ……。

 

只今のソウル

DJ:350 シブシソ:-100 桃李:550 幽舫:500 芥子:850




後半へ続く

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