勇者さんのD×D   作:ビニール紐

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日頃の行いって大事ですね、全く同情が湧かない。



ほんの少しクロスオーバー要素がありますが知らなくても全く問題ないので知らない方も気にしないで下さい。


第26話

それは一枚の手紙だった。

 

書かれている内容な挑発一色、それは彼? に対する挑戦状だった。

 

「…………」

 

彼? は無言で手紙を出した者の名前を確認する。

 

 

宛名はリゼヴィム・リヴァン・ルシファー、今、世界でも最も注目されている大魔王を名乗る男の名だった。

 

しかし……

 

 

「……違うにょ」

 

何が違うのだろうか?

 

男? 何かをしばし考えるとおもむろに左拳を振るった。

 

同時に表現不能の不思議な音がアパートに鳴り響き、男? の正面の空間に旅人の扉的な穴が創り出された。

 

「これは、嘘だにょ」

 

そう言うと男? は空間の穴に自ら身を踊らせる。

 

 

そして男? はアパートから消え去った。

 

『嘘よ! それは邪悪な者がついた嘘なのよッ!!』

 

付けっ放しのテレビからは魔法少女ミルキーオルタナティヴ7の再放送が流れている。

 

 

それは主人公が悪の帝王の卑劣な策を見破るミルキー屈指の名場面であった。

 

 

 

 

 

 

 

「フッフッフッフ」

 

「……勇真さんどうしたんですか? さっきから笑ってばかりですよ」

 

ルミネアがやけに上機嫌な勇真にそう尋ねた。

 

「フフ、実はリゼヴィム問題があっさり片付きそうだからね、それが嬉しくて」

 

よくぞ聞いてくれました! そう言わんばかりの笑みで勇真は答えた。

 

たまに勇真はこういう状態になる。

 

で、こういう時に限って良くないことが起こるんですよね、とルミネアは若干警戒心を強めた。

 

「え、あのリゼヴィム達をですか?」

 

「そうだよ、あのリゼヴィム達をだ」

 

「でも、勇真さん彼らを見てもかなりヤバイって言ってませんでしたか?」

 

「うん、言ってた。でも、そんなの比較にならないくらいヤバイ奴をリゼヴィム達にけしかけたから大丈夫」

 

「そ、それは違う意味でヤバイのではッ!?」

 

「大丈夫、大丈夫、“この世界” ならアレが暴れても世界崩壊なんて事は起きない筈だから、きっとアレならリゼヴィムをそれこそ蟻を踏み潰すより容易く片ずけてくれるよ、ああ、しかし、なんで最初からアレを利用しようと考えなかったんだろう? トラウマの所為かな?」

 

ルミネアは悟った。

 

あ、これダメな時の勇真さんだ、と。

 

こういう前段階の状態で自信がある時、勇真は大抵何かで失敗するのだ。

 

「ええと、そのアレって何ですか?」

 

「ミルたんさ」

 

「ミルたん、ですか? それって人の名前なんですが?」

 

ルミネアは勇真が異世界で勇者をしていた事は聞いているが具体的にどんな敵から世界を守ったのか知らないのだ。

 

「うん、種族的には………………認めがたいけど、人……らしい」

 

やけに葛藤した感じに勇真は言った。

 

「それって、どんな人なんですか?」

 

「二メートル以上の長身に異常に発達した筋肉……そうだなぁ、簡単に言うとトロルが猫耳つき魔法少女のコスプレした様な感じかな」

 

 

その時、ルミネアは自分と勇真以外居ないはずの無人島で確かな人影を確認した。

 

で、その人影はゆっくりと此方に近づいて来る、特徴は魔法少女コスをしたマッチョ……たった今、勇真が話していた人物に合致する。

 

しかし、害意を知らせる島の結界は作動していない。

 

勇真も警戒した様子はない。自分が気づいて勇真が気づかないはずないだろうとルミネアは判断。

 

そして、なるほど、勇真さんが呼んだんですね、と彼女は思った。

 

 

「それってあの人ですか?」

 

そう言ってルミネアは、遠慮勝ちに此方に近づく勇真が呼んだと思われる魔法少女? を指差した。

 

「そうそう、あんな感じの、あんな感じの、あんな………………え?」

 

ルミネアが指した対象を見て勇真の笑顔が凍りつく。

 

 

 

「お手紙、確かに受け取ったにょ」

 

巨漢の魔法少女? はそう言ってヒラヒラと勇真が出した手紙を振った。

 

 

 

 

 

「うわあああああああああああああああああああああああああああッッッ!?」

 

「ゆ、勇真さんッ!?」

 

突然恐慌状態に陥った勇真にルミネアは慌ててしまう。

 

しかし、そんなルミネアの千倍勇真は慌てていた。そして焦っていた。

 

 

 

バカな、バカなバカなバカなバカなバカなッッッ!? 認識阻害の結界は? 敵対者探知結界は? 防御結界は? え、無視? 俺確かにこの島に張ったよねッ!?

 

勇真は大いに混乱した。

 

ちなみに勇真の策はこうだった。

 

①リゼヴィムの居城を突き止める。

 

②リゼヴィムを騙ってミルたんに手紙を出す。

 

③ミルたんにリゼヴィムを倒してもらう(完)

 

 

……穴だらけに感じるが魔法少女に憧れ正義感が強いと思われるミルたんには対しては割といい手ではある。

 

しかも、手紙を出す為に……

 

リゼヴィムの口調を真似て書いた手紙を最高位の逆探知不可能の探索魔術で見つけ出したミルたんの自宅(実家の近所と判明し、二度と家には戻らないと決意した)のポストにリゼヴィムの姿と魔力性質を模した魔導人形を使ってシュート! 追跡不可能の多重転移を用いて地中海沿岸まで転移させ、そこで契約解除し、完全に手掛かりを無くした。

 

……ここまで面倒な事をしたのだ、普通はバレない。

 

 

……はずなのだが。

 

 

 

「バ、ババ、バカなっ!? な、な、何故ここにッ!? というか、なんで俺がそれを出したとッ!?」

 

「ただの勘だにょ」

 

え、やっぱりこの人? 理不尽ッ!

 

勇真はそんな事を思いつつも神器を完全発動、身体能力最大強化に設定、更に『天閃』を全力発動、その三重強化で上げられる限界まで自身の身体能力を強化する。

 

そして、神話の英雄を上回るおおよそ人類最速のスピードを得た勇真はルミネアを連れて死ぬ気でこの場を離脱しようとする。

 

 

しかし……

 

 

「遅いにょ」

 

そんな勇真の何千倍も速く、というか最早速度という概念が狂ってるとしか思えない超々々々々々………………………々高速で勇真に接近したミルたんが勇真の超々高密度多重対物魔法障壁を紙のように破り捨て彼の頭を鷲掴みにした。

 

ちなみに移動の際の足音すら鳴らなかった。完全に物理法則も魔法法則を超越してしまっている。

 

ミルたんは鷲掴みにした勇真の頭をゆっくりと捻り、自分と目が合うように角度に合わせた。

 

「さて、話を聞かせてもらうにょ」

 

凄まじい殺意に満ちた、しかし、純粋な輝きを秘めた瞳が勇真を貫いた。

 

「…………はい」

 

 

勇真はなんで自分はこんなバケモノを思い通りに操れると思ったんだッ! と深く深く後悔した。

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、リゼヴィムを騙ってミルたんに手紙を出し、リゼヴィムをミルたんに倒させようと思ったにょね?」

 

「申し訳ございませんッ! その通りでございますッ!」

 

人の尊厳? 誇り? なにそれ美味しいの?

 

勇真は元勇者として、というか人としてどうなの? というレベルでプライドを投げ捨てると砂浜に頭を打ちつける、ザ・土下座と呼べる様な美しい土下座をかましていた。

 

 

そんな勇真を悲しそうな目でルミネアが見ているが、彼にそれを気にする余裕はないし、焦りすぎて見られているという自覚もなかった。

 

 

「なんでこんな回りくどいことをするにょ? どうして勇者さんが倒さないにょ?」

 

勇者さんなら簡単なはずだにょ、と首を傾げるミルたん。

 

 

その仕草は絶望的に可愛くない。

 

「い、いえ、自分は力不足でして、はい」

 

砂浜に頭を擦り付けたまま、勇真は答えた。

 

決して不可能ではない、不意打ちが決まればなんとかなる可能性はある。だが、勇真は出来るだけリスクを負いたくなかったのだ。

 

 

 

……まあ、結局リスクを負わないための小細工が裏目に出でてこんな状況に陥ってしまったのだが。

 

「そんな事はないと思うにょ、勇者さんは強かったにょ」

 

「そ、それは昔の話でして」

 

困った様に勇真は言う。

 

「……確かに、さっきの動きは悪過ぎたにょ、昔の数十分の一の速度だったにょ、魔法障壁も紙みたいに脆かったし、何かあったにょ?」

 

それに勇真は……

 

 

「貴方に聖剣を叩き折られて魔法行使能力が数百分の一になって、時間操作と運命操作と因果律操作の魔法が使用不可になったせいですよッ! !」

 

ーーと言いたかったが、やっぱり怖いので言えなかった。

 

 

「はは、実は鈍ってしまいまして、今の俺は一般人にも劣る貧弱なモヤシくんなんですよ」

 

代わりに出てきたのは不必要なレベルで自分を下卑する言葉、しかもわざわざ情けない声まで作る徹底振り……この男、自分の情けなさを強調して自分には本当に出来ない、そういう認識をミルたんに刷り込もうとしているのだ。

 

これが、元勇者とは悲しい話である。

 

 

「それは仕方ないにょね」

 

勇真の言い訳を受け入れたのか、ミルたんは目を瞑って頷いた。

 

あ、これ助かったんじゃない!? ミルたん出陣の流れじゃない!?

 

ちょっと勇真は期待した。

 

 

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

「じゃあミルたんが勇者さんを鍛えるにょ」

 

ミルたんの口から出た勇真の期待と予想の斜め上を行く言葉だった。

 

 

「……………え?」

 

思わず呆然とした声が勇真の口から漏れた。

 

「ミルたん、弟子を持つのは初めてだから少し嬉しいにょ」

 

「…………」

 

勇真は顔を上げてミルたんを凝視する。

 

そして、トラウマから吐き気を催した。

 

「う、げっ………あ、あの今なんと?」

 

「だからミルたんが勇者さんを鍛えるにょ」

 

 

「………いやいやいやいや、あのですねミルたん様ッ!? 貴方様がちょっと手紙に書かれた場所に行って一発パンチを撃ってくれれば済むわけでして、私のような小僧が出る幕など欠片もなく、その役目は完全無欠に魔法少女様の役割と言いますか、つまり、修行とか全くもって必要ないわけでして! え、で、なぜ修行などという話にぃッ!?」

 

よほど混乱しているのか、勇真は支離滅裂な言い訳なんだかよく分からないことを口走った。

 

「実は今、ミルたんは害意を持って他者を傷つける事が出来ないにょ」

 

「あれ? さっき俺、魔法障壁を砕かれた上で首を捻じ切られそうになりましたが」

 

「あれは逃げようとした勇者さんを止めようとしただけで害意はなかったにょ」

 

「なるほど、では逃げようとするリゼヴィムを害意がない感じにぶっ殺して下さい、これで全て丸く収まります」

 

「何言ってるにょ? そんな事は出来るわけないにょ? 頭大丈夫かにょ?」

 

何言ってんだコイツ、そんな感じの呆れた目でミルたんは言った。

 

「……〜〜ッ!!」

 

それに勇真はキレかけた。

 

そんな言葉をそんな態度で、どこに行くにも魔法少女コスをする頭の大丈夫じゃない変態マッチョに言われた日には勇真だってキレそうになる。

 

だが、勇真は負ける戦いを挑まない主義だ。敗北の美学? ハッ! 負け犬が好きそうな言葉だなぁ! な思考の勇真は再び頭を砂浜に打ちつけると冷却魔法で物理的に頭を冷やしバカな行動を起こさぬ様に自分に拘束魔法を掛けた。

 

「…………それで、何故、害意を持って傷つけられないんですか? 魔法少女になる為の儀式ですか?」

 

「実は2ヶ月前くらいにミルたんまた魔法少女になる為に異世界に出掛けたにょ」

 

「そんなユ○キャンで資格を取ろうとする感覚で異世界に行かないで下さい! 世界が滅びますッ!」

 

大袈裟ではなくマジの話だった。なんたって勇真はその体験者である。ミルたんは存在の格が高過ぎて生まれた世界でしか生きていけないのだ(世界がミルたんの存在に耐えきれないので)

 

「勇者さん大袈裟にょ、で、その世界からこの世界に帰る時に、ちょっとパンチに力を入れ過ぎて予定よりも三枚くらいに多く次元の壁砕いてしまったんだにょ」

 

「…………」

 

 

パンチで、次元の壁を、砕く? 意味不明な言葉に勇真はフリーズした。

 

「で、繋がった先が勇者組織? 勇者組合? みたいな感じの組織のロビーだったにょ」

 

人間とか、鬼とかドラゴンとか悪魔さんとか猫さんがいたにょとミルたんは補足を入れた。

 

「…………」

 

勇真は無言を貫いた。

 

どこから突っ込みを入れたら良いのか分からなかったからだ。

 

「で、そのロビーでミルたんはいきなり襲われてしまったにょ」

 

「いや、そりゃそうでしょ……あ、いや、おかしいか普通逃げるよね」

 

勇気あるなぁ、と勇真は内心でミルたんに襲い掛かった勇者(愚か者)を称賛した。

 

「確か、剣聖さんと呼ばれてたにょ、とんでもなく強かったにょ」

 

「うわぁ、マジですかぁ、ミルたん様の基準で強いですか、凄いですねその方、異世界の創造神か何かですか?」

 

勇真の中ではミルたんの強い=世界の創造神級以上という方程式が成り立っている。そしてそれは決して間違いとは言い切れない。

 

「でも、ミルたんは魔法少女を目指す者にょ、簡単には負けられないと頑張って剣聖さんを倒したにょ、おかげでお気に入りの服がボロボロになったにょ……でも、それはほんの始まりだったにょ、そこから大量の人達がミルたんに勝負を挑んで来たにょ」

 

「…………」

 

うゎ、その人達絶対勇者(バカ)だ、これに襲い掛かるとかもう、ガチで勇者(命知らず)だ。勇真は心の中で名も知らぬ勇者達を讃えた。

 

「それで、これにはミルたんも堪らなかったにょ、なんとか半分くらい倒したところでミルたんは呪いをら掛けられて強制的にこの世界の戻されてしまったにょ、それのせいで少しでも害意ある攻撃が出来なくなってしまったんだにょ」

 

「え、マジすかッ!?………凄い」

 

勇真は少し感動した、この理不尽の権化に対して呪いを掛けた上で強制的にこの世界に戻すとは凄まじいなどというレベルではない。

 

「(うぁ、何者だよその集団……あ、勇者集団か、でもスゲェ、もう人類史上類を見ない偉業だよ……出来れば2年前にその呪いをかけて欲しかった)」

 

……自分がコレと戦う前に掛けて欲しかった。というかタイミング悪ッ! もしかしてまだリゼヴィムが生きてるのってその呪いの所為? じゃなきゃとっくに対処してるか?

 

そんな間の悪自体に勇真は疲れた溜息を吐き出した。

 

「……だからミルたんはリゼヴィムを倒せないにょ、勇者さん! ミルたんの、ミルたんの代わりにリゼヴィムを倒して欲しいにょ!」

 

「ああ〜それ、俺のセリフなんですけど? というか、実力的に厳しいモノがあります」

 

「だからミルたんが鍛えて勇者さんを昔の強い勇者さんに戻してあげるにょ!」

 

これも魔法少女への第一歩にょ! と勇真にとって死ぬ程ありがたくない好意を、正にありがた迷惑をミルたんは言った。

 

「いや、自分はほら、才能ないですし、それに昔の実力に戻るとかは装備的に絶対不可能でして、だからミルたん様にはもっと才能があって使命感に燃える素晴らしい方を見つけて指導していただきたいと思います……あ、俺の知り合いに兵頭って奴が居るんですけど、そいつなかなか熱血で良い装備(ブーステッド・ギア)持ってるんでそいつを指導してもらえますか?」

 

他力本願! 勇真はこの理不尽を押し付けるべく数少ない幼馴染を売ろうとした。

 

それを見てルミネアがうわーといった感じの冷たい目をする。少なくとも彼女は勇真以上の才能の持ち主を知らない……目の前のよく分からない(ミルたん)は除いてだが。

 

……ということで。

 

 

「良いんじゃないでしょうか」

 

ルミネアは勇真が訓練を受ける事を賛同した。

 

「ル、ルミネアッ!?」

 

勇真が未だ嘗てない程焦った顔で、信じがたい事を聞いた様な目でルミネアを見る。

 

「良い機会じゃないでしょうか? 勇真さんを指導出来る格上の人なんてそれこそ世界でも殆どいませんし、せっかくの才能を眠らせて置くのはもったいないですよ」

 

「ルミネア、前にも言ったけど才能に踊らされるのは愚かな事だよ、人間自分らしく生きるのが良いと俺は思うんだ!」

 

「それはただ勇者さんが努力したくないだけですよね?」

 

勇真のサボリ思考をあっさり読んだルミネアがそう言った。

 

「い、いや、そんな事は」

 

「……ミルたんさん、勇真さんの代わりに私を鍛えてもらえますか?」

 

踏ん切りがつかない勇真にルミネアは溜息を吐くと、強い決意を秘めた目でミルたんに自身を鍛えてくれるよう願い出た。

 

それに勇真は更に焦った。

 

「ま、待ってッ! ルミネア、それダメ! マジで死んじゃうからッ! 命を粗末にするのは良くないからッ!! 俺がやる、俺がやるよッ! その方がマダマシだよッ!!」

 

そんなルミネアの行動を止めさせる為に勇真がミルたんに修行を願い出た。

 

 

 

「だ、そうです。ミルたんさん勇真さんをお願いします」

 

「任せるにょ、きっと立派な勇者に戻してみせるにょ!」

 

「あ、あれ? なんでそんなにあっさりッ!? え、もしかして、ハメた? え、俺、嵌められたの!?」

 

「さあ、さっそく始めるにょ、でもここは訓練するには狭くて脆いにょ、でもミルたん良い場所を知ってるにょ」

 

そう言ってミルたんは腕を振るう、すると不思議な音と共に旅人の扉的に空間の穴というか渦のようなモノが虚空に出現する。

 

そして、ミルたんは勇真の頭を鷲掴みにして……

 

「ちょ。ま、ルミネアァ! ルミネアァァァァ!!」

 

ーーポイッと穴へと投げ入れた。

 

そして勇真の声は聞こえなくなった。

 

「じゃ、行ってくるにょ」

 

そして、ミルたんも穴へと飛び込む。

 

 

数秒後、空間の穴は音もなく塞がった。

 

 

「……どうか、気をつけて下さい」

 

ルミネアの声が無人島に小さく響く、それも直ぐに波の音に消えていった。

 

 

 

 

 

 




やったね勇真! 高性能師匠が出来たよ!

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