～風が吹く丘2・鷹の団遭遇～
ーガッツ視点ー
おぞましい予感についてはこの際放っておこう。
今は目の前に居る物盗りに集中だ、集中。
だが鳥肌がヤバい。
い、いや集中しろ、集中するんだ俺！！
物盗りぐらい大した事はないが、舐めて掛かるのは不味い。
ーお？早速一人かかってきたな。馬の上なら有利、だと思い込まない事だな。俺が背に背負っている大剣がただの飾りなわけないだろう？なーぜか、俺と、俺の大剣を見比べて
「あんなの飾りに決まってるだろ？」って言うヤツ多いんだよなあ。使わない剣背負うワケないだろうに……
話がずれたな。
馬上の敵に対し、まずは脇から肩にかけて斬り上げる。真っ直ぐ突っ込んで来る馬に轢かれないよう横へずれておく。
残った方が面白い顔で固まってやがるな。阿呆、そのまま
叩っ斬ってやろうか？
え？「そ、そんな細っこい腕で何でだよおおお？？！！！」
だと？俺だって知らん、そんな事。変わったヤツだな、ほら ほら、軌っちまうぞー。
何とも言えない茶番に成りかけたその時
ーっ！！此方に接近してくる蹄の音がする？新手か？
……さっきのヤツらとは比べるまでもないのが来やがった…
黒い髪、黒曜石のような瞳、褐色の肌…今まで見た事がないタイプだ。おそらく女だろうな。俺と同じ筋肉の付き方してる。全体的に身体の線が細いし、筋肉の付き方も男のとは
何か違う。
ん？物盗りのヤツに呆れた目を向けている………。
当然だろう。敵の真ん前で百面相してるんだからなあ…。
だが そんな呆れた表情も、さっき斬り殺したヤツの方を見れば、怒りの雰囲気こそ出すが、此方を冷静に鋭く見据えてた。コイツの方がヤれるな、少しは楽しませてくれよ？
ーガッツ視点終ー
ーキャスカ視点ー
コルカスの奴…本当に何をしてるんだ（呆）
敵の、前で、本当に、何をやってんだ？！（怒）
いや、落ち着け、冷静になるんだ、私！
今は目の前にいるコイツに隙を見せたら不味い。
一瞬、 殺された仲間の方に目を向ける。
チクショウ、すまない。速く駆けつけれてたら、あるいは…。
怒りを込めた 、しかし冷静さを失わない目を奴に向ける。
…コイツ笑ってる？この状況を楽しんでいるというのか？
ーいいだろう。相手をしてやる。来いっ！！！
ーキャスカ視点終ー
ーグリフィス視点ー
キャスカが行ったか…
あの男はかなりの腕前だ、キャスカでは勝てないだろう。
キャスカは女にしては男に引けはとらないし、場数も踏んでいる。今までほぼ負け無しだ。ん？ほぼ（・・）って何だって？勿論俺が相手の時に決まっているじゃないか。
キャスカが 、死んだ団員を見ているが冷静さを保っている。
アイツは少し前まで仲間が殺された時 激昂して冷静で無くなる事が多かったからな、成長したな…
俺は嬉しいよ。あんなに小さかったキャスカが…（しみじみ）
おっ キャスカが先に動いた、だが相手は強敵、あの得物を軽々しく振るう怪力だ。剣で受け流しつつ、相手を消耗させる方が良いだろう。
両方共に 一回斬り結んで離れた。キャスカが剣で受け流そうとして、最後のほんの少し耐えきれなかったようだ。あのまま体勢が崩れるだろう。タイミングが丁度だ。
キャスカ、ナイス。（いい笑顔）
さあ、新しい団員を迎え（強制的）に、キャスカの援護に行こうか。
グリフィスの台詞は（ ）で色々表現してみようと思います。
感想・ご指摘お待ちしております。