鎮守府Aに向けての報告メールは、最初は五月雨が意気込んで作成していたが、そのうち船を漕ぎだしたので、隣にいた那珂は肩を叩いて彼女を現実に戻す。
「五月雨ちゃん、続きはあたしが作っておくからさ、あなたはもう寝ていいよ。」
「ふぇ……?あ、すみません……眠いではす……」
「ホラホラ。眠さが文章に出てるよ。あばばばっっっっhghghghとか素敵な文章が混じってるし~」
五月雨がコックリコックリして適当に打ってしまった文章にクスリと笑いつつ指摘する那珂。
寝ぼけていて言動が怪しくなっている五月雨を寝具に誘導し、那珂は彼女を寝かしつけた。
((くぅ~なんかかわいいなぁ~。妹いたら、こんなふうなのかな~))
別種の何か趣向が芽生えそうな気持ちを感じ始めていた那珂はブルブルと頭を振り雑念を振り払って、五月雨から引き継いだ書き途中の報告メールの映るノートPCに向かった。
--
一方別の部屋ですでに寝ていた五十鈴は、天龍に"叩き"起こされていた。
「ょぉ~ 五十鈴さんや起きてるか?」
気持よく寝入っていたところを叩き起こされてたため、五十鈴の顔には普段絶対他人には見せない素の怒り顔がにじみあがっていた。
「あ゛ん゛だねぇ……!起きてるかじゃなくて起こされたわよ゛!!」
怒る五十鈴をサラリと流して天龍は続ける。
「まぁまぁ。あんたと那珂とで飲みたいんだよ。どうだ?」
「わたしたち未成年でしょ!? あなた何考えてるのよ!」
当たり前のことを言い怒る五十鈴。
「実はあたしさ、二十歳超えてるんだぜ。」
「いやいや、聞いてるわよ。あんたも高校生だっていうじゃないの。」
「別にあたしたちは本当の兵士ってわけじゃないし、ここ学校じゃないんだからさぁ。ほら!少しくらいやろうぜ? 一度さ、勝利の祝い酒ってやってみたかったんだよ!」
アルコール度数がものすごく低い、この時代の若者の間で流行っている、未成年でも飲めるジュースのようなお酒の銘柄の缶をチラリと五十鈴に見せる。さすがにガチで本当のお酒を飲みたいというような人物ではなさそうなのは、半分眠っている五十鈴の頭でも理解できた。五十鈴は眠い目をこすりながら色々突っ込もうと思ったが、頭が働かないし多分今のこの少女に何を言っても無駄だと悟った。流れに身を任せることにした。面倒だったので着がえず、持ってきて着ていたパジャマのまま。
「……わかったわよ。付き合えばいいんでしょ。じゃあ那珂のところに行きましょ。」
部屋を出て、那珂のいる部屋に向かう五十鈴と天龍。
「ところであなたの側にいた龍田って娘は?どうしたのよ?」
「あー、あいつはあたしの従妹なんだ。中学生を誘うのはちょっとなぁ。」
中学生も高校生も大して変わらねぇよとツッコミを入れようとしたが、五十鈴は諦めて適当に相槌を打つのみにした。
--
報告メールを打ち終わり、ぐっと背筋を伸ばして背伸びをする那珂。その時ガチャっとドアが開いた。ドアの方を見ると、天龍と五十鈴が顔を表した。
「よ!那珂さん!起きてたか?」
「うん、ちょうどいま報告メール終わったところだよ。」
「そりゃあいい。実はこんなもの持ってきてるんだ。聞きゃあ3人とも同じ学年だっていうじゃない。同い年の女3人でちょっと飲もうぜ?」
五十鈴に見せたように、ジュースのようなお酒の缶をチラチラ見せる天龍。
「あー、あたしそういうの飲んだことないんだけど、大丈夫かなぁ?」
「大丈夫大丈夫!さ、飲もうぜ。」
そう言って缶を早速開けようとする天龍を那珂は一旦止める。
「待った待った。後ろに五月雨ちゃんたちが寝てるの。飲むんだったら誰も居ないところに行こ!」
天龍と五十鈴はそれに頷き、そうっと今の部屋を出て行った。
--
3人が来たのは甲板だった。護衛艦には少なからず海上自衛隊の隊員も乗り込んでいるため、見つからないように甲板に出て、人にみつからなそうな設備の陰まで来て座り込んだ。
プシュッ
「さー、あたしたちの大勝利に、かんぱい!」
「かんぱーーい!」
「……乾杯」
天龍が乾杯の音頭を取り、那珂と五十鈴がそれにノる。
「あら、これ結構イケるわね。私はこの味とアルコールの弱さなら好きかも。」
「あたしも前にダチとこれ飲んでさ、気に入ったから今回こっそり持ってきちまったんだ。」
五十鈴は初めて飲むアルコール飲料を気に入った様子を見せ、天龍は持ってきた経緯を口にする。ただ、一人だけ違う様子を見せたのは那珂だ。
「うぎぃ……あたしは苦手だわこれ~。飲めないこともないけど……お酒ってこんな味なのぉ?」
「ハハッ。こんなの大人に言わせるとお酒に入らないんだと。」
「CMとかで見たことはあるけど……進んで飲みたいとは思わないなぁ。……あ、これ果肉?ちょっといいかも。」
「まぁせっかく開けたんたし、この1本みんなで飲みきろうぜ。」
将来アルコールを飲む大人になるのに一抹の不安を覚える那珂だったが、ジュースみたいなお酒ということでまったく嫌でもなかったので、天龍の言うとおりせっかく開けて分け合った1本を飲み切ることにした。
天龍と那珂、そして五十鈴は静かな海の潮風に当たりながらチビチビと飲み、それぞれの鎮守府のことや自身の学校のことなどを語り合う。
「へぇ~あんたらの鎮守府ってまだ出来て4ヶ月くらいしか経ってないのか。うちはできてから4~5年経つっていうぜ。」
「そちらって艦娘何人いるの?」
気になったことを那珂は聞いた。
「あんまそのあたりのこと提督や総務の人話してくれねーけど、大体60~70人はいるんじゃないか。鎮守府のいたるところで見るし、訓練も一緒にするし。さすがに全員は見たことねーや。そっちは?」
「うちはまだ9人よ。ここに来てる6人と、あとは鎮守府に待機してる3人。」
天龍からの質問返しに答える五十鈴。
「天龍ちゃんのところって大きいんだね~。ね?仲良い艦娘って何人くらいいる?」
那珂も天龍に質問をする。
「あ?うーん、龍田とあと駆逐艦の何人かくらいだな。ぶっちゃけ艦娘同士で仲良くするって、プライベートでも知ってない限りはしないのが普通らしいぜ? 駆逐艦のやつらも、あたしの行ってた中学のやつらで一応顔見知りだし。」
五十鈴はさきほど天龍が何気なく言った龍田のことを聞いてみた。
「ねぇ、龍田さんってさっき従妹って言ってたけど、詳しく聞かせてくれない?」
「あ~。龍田もあたしが行ってた中学校の生徒で、今回の吹雪たちの同級生なんだ。けど一人だけ軽巡洋艦担当。さすがあたしの従妹だけあって素質あると思ってるよ。」
「へぇ~従姉妹同士で艦娘か~。なんか縁あるんじゃない?」
「さ~ね。あたしあまりそういうの気にしないんだけど、龍田とは普段から仲良くしてるし、一緒で良かったと思ってるよ。」
「ね?ね? 天龍ちゃんたちの本名教えて!」
那珂は天龍たちともっと仲良くしようと思って何気なく聞いてみた。天龍は快くそれに答え、従妹の龍田の本名まで口にする。さらには吹雪たちの本名を言い出しかけたが、全員の本名を聞くのはプライバシーの問題もあるため、さすがの那珂もその先は丁重にことわりを入れて聞くのをやめておいた。
「ま~ガチで仲良いやつっつったらあたしは今回参加してるメンバーと、残りの吹雪型の担当になった中房の娘たちくらいだなぁ。他は……ま、仕事の付き合いってやつ? なんか大人っぽい発言じゃね、今の!?」
「アハハ!なんかそんな感じだよね~。」
天龍が最後におどけて発言すると、那珂はそれにノった。
「うちはそう考えると、全くの知らない者同士だけど、比較的みんな仲良くしてるわね。提督がそうしたがりな人なようだし。」
「それは言えてるかもね~。」
五十鈴の発言に那珂が相槌を打った。
「まー、9人じゃなぁ。そっちも早く人増えるといいな。」と天龍。
「増えてもあの提督が人回しきれるかどうか怪しいけどね……」
「あはは……それは言えてるかも~」
皮肉をいうように五十鈴が言う。那珂もノる。
「人少ないから今は秘書艦の五月雨ちゃんと、みんなでわけあって仕事したりしてるよね。」
何気なく今の状況の一片を語る那珂。
「へ!?そっちの鎮守府じゃ秘書艦の艦娘以外にも鎮守府の仕事させてんのか!!?」
「だって人少ないもの。」
那珂の答えたことを反芻するかのように同じ言葉を使って答える五十鈴。
「いやまあそりゃそうだろうけどさ、どんだけダメな提督なんだよ……」
呆れるように言う天龍に、那珂と五十鈴は顔を見合わせ、同じようなことを言った。
「「あまり、よそにうちの提督のこと変に言われるのはちょっとね……」」
「あ……わりぃ。うちじゃあ平気で提督や大本営のことあれやこれや言ってるやつ多いし、そういう雰囲気あるからつい。鎮守府の運用って、提督の性格にすごく左右されるっていうしな。あんたらがかばうくらいだ。そっちの提督は良いやつなんだろうな。」
「良い人っていうか……なんだろうね、五十鈴ちゃん?」
急に那珂から振られて焦りを隠せない五十鈴。
「へ!?あ、あぁ~え~っと……ってなんで私が答えなきゃいけないのよ! あなた答えなさいよ!」
「もー、五十鈴ちゃんは恥ずかしがり屋だなぁ~ ……ぼそっ(提督のことになると)」
「なんか言った?」
なんであんたが私の気持ち知ってるのよと焦りや憤りの混ざった睨みをギロリと那珂にぶつける五十鈴。カマかけて言ってみただけなのに当たりかぁ~と内心気づいた那珂。全然恐ろしくはないがわざと焦る仕草を見せておいた。
「あ、あはは~ ま~頼りなさげってのはあるけどね~。真面目だけど気さくで、あたしたちのことよく見てくれている人かなぁ。けど人さばいたりするの苦手そうだから、助けたくなっちゃう。生徒会長やってるあたしの経験が役に立てればな~って思って、提督や五月雨ちゃんのこと助けてあげようと思ってるの。結構好きで気に入っているんだ、今の立ち位置。」
「あんたは素直に話せて羨ましいわ……」
軽快に答える那珂を密かに羨ましがる五十鈴だった。
--
五十鈴は艦娘自体のことを聞いてみた。
「ねぇ。そちらの鎮守府に五十鈴や那珂を担当してる人っているのかしら?」
「ん?えーっと……すまねぇ。あたし知らねぇや。さっきも言ったけど、プライベートでも知り合いじゃない限りはうちの鎮守府じゃあ、あまり仲良くしないし。訓練とかで五十鈴や那珂って人と一緒になったことないけど、60~70人もいりゃあ、多分いるんじゃないかな?そっちには天龍っているのか?」
「いえ。うちにはまだ天龍は来てないわ。」
「そっか。天龍ってさ、艤装面白いんだぜ? 眼帯型のスマートウェアと、センサーだか通信のアンテナがついた角みたいな機械と、剣が配られるんだ。眼帯や角はよくわかんねぇけどかっこいいからいいし、剣はさ、接近戦だぜ接近戦!あたし天龍になれてすっげぇ楽しいもん。」
「天龍ちゃん、なんだか戦うの楽しそ~。」那珂はクスクス笑みを漏らしながら言う。
「なんていうかゲーム感覚だなぁ。」
「ちょっと不謹慎な気もするわね……。」
天龍は自身の感覚を述べる。その発言に生真面目な五十鈴は語気弱めに突っ込んだ。
「あたしはあんまそういうの気にしないからいいんだよ。」
手を振りながらしゃべる天龍から返ってきたのは彼女の大雑把な性格を表す一言だった。
そういえばと、那珂はあの戦場でどういう戦い方をしたのか天龍に聞いてみた。何かを斬る音は、天龍の艤装の付属品の剣によるものだったのかと。
「あぁ。接近戦だったら砲雷撃よりもあたしや龍田の武器のほうがはるかに強いぜ。あのでかいやつだってスパッと斬れるもん。」
「へぇ~。艦娘で接近戦かぁ。ちょっとおもしろそ~。」
那珂は少し興味ありげに感想を口にした。
「でもそんなことより、あんたのほうが普通にすげーよ那珂。頭も切れるし、奇抜なことして勝てるしでおもしれぇわ。あたしホントは細かく作戦立てるの苦手でさ、ガンガン押したいタイプだから、あんたみたいな頭良さそうな人尊敬するわ!」
「いや~それほどでも~。生徒会やってるから人をさばくのは少しだけ得意で、それに艤装つけてるとものすんごく身軽になれるからやってるだけで、あたしなんかまだまだだよ~」
「謙遜謙遜! あんたのこと、うちの鎮守府や知り合いにも話しておくぜ。他の鎮守府に名や顔を売っておけばもっといろんなことできるようになるぜ?面白くなるぞ~!」
「うーん。それは嬉しいけどね。まー適当にやっておいて~」
((ホントなら最初は五月雨ちゃんの顔を先に売っておきたいんだけどなぁ……))
お願いはしてみたが、若干困惑した表情を浮かべている那珂であった。
--
那珂は天龍の学校のことについて聞いてみた。
「ね、天龍ちゃん。あなたの高校はどんな感じ?艦娘部は?」
「あたしの高校はふつーだぜふつー。偏差値もふつーで別に進学校ってわけでもないし。あと艦娘部はないよ。あたしは普通の艦娘としてうちの鎮守府に所属してるんだ。」
那珂は自分の今置かれている状況を話した上で、天龍に自分の学校に艦娘部をつくろうと考えたことはなかったか尋ねた。
「あたしさ、学校で艦娘部つくろうと思ってるだけど、なかなか学校側がうんって言ってくれなくてさ~。提督もあたしのためにいろいろやってくれようとしてるんだけど、思うようにいかなくて……。他の学校ではどうかなって聞きたかったんだけど。」
那珂の事情を聞いてうーんと考えこむ天龍。
「わりぃけど力になれそうにないなぁ。あたしは艦娘部作ろう入ろうとか、そもそもそのあたりのことまったく知らなかったし。うちの鎮守府もいろんな学校と提携してるらしくて、ごそっと一気に駆逐艦の艦娘たちが入ったことがあったらしいけど、少なくともうちの高校はなかったわ。」
続いて五十鈴が尋ねる。
「ねぇ天龍さん、あなたはどうして艦娘になったの?」
「あたしはたまたま艦娘の特集やってた雑誌見て興味持ってさ、試しに受けに行ったら天龍の艤装の同調ってのに合格したのさ。ま、艦娘になろうなんて人それぞれだけど、みんなそんなもんじゃね?まぁ他の人がどうだこうだってあんま気にしないけどさ。少なくともあたしは天龍の艤装がすんげぇカッコ良かったから、見た目で選んだってタイプだよ。」
言い終わると天龍は缶に口をつけてコクッと一口二口、紙コップに入った飲料を喉に通した。
「まぁ……ね。私もなんとなく興味があったってだけで、戦いたいとか世界を救いたいとかそんなことは考えてなかったわ。でも私は自分が同調に合格した五十鈴に、なんらかの縁があったと思いたいわ。150年前の第二次世界大戦で実在した軍艦五十鈴のこと調べて色々歴史知ることができたし。そういう興味の広がりやそれを通した出会いとか、心境の変化とか、そういう変化があったと思えるだけでも艦娘やってる意義はあると思うの。」
真面目に自分の思いを語る五十鈴の言葉を真面目に聞く天龍と那珂。
「あたしもただ興味持ったってだけだから人のこと言えないけど~。五十鈴ちゃんの考える方向性、真面目だなぁ~。」
自身の真意のことは棚に上げて、那珂は五十鈴をからかった。
「あんただって結構真面目じゃないの!照れ隠しにおちゃらけとかよくやるわほんっと……。あんたの発想力っていうか色々できるっていうのもおかしすぎよ。それに聞いたわよ提督から。なんなのよ同調率98%で合格って。それもう人じゃなくてほとんど軽巡洋艦那珂ってことじゃないの。」
「あ……シーッ!シーッ!」
那珂が珍しく人前で本気で慌てた様子を見せて内緒という仕草をする。
しかし隣艦隊の天龍は、同調率について特に気にしていないのか、わかっていないのかその数値を聞いてもふぅんと適当な感心の言葉を漏らすだけ。その様子にほっと胸をなでおろす那珂だった。
--
「いつかそっちの鎮守府に遊びに行きたいな。今度案内してくれよ。」
色々話をしあううちにすっかり仲良くなった天龍が那珂たちにそう話を持ちかけた。それに対して那珂も快く返事を返す。
「うん、いいよ。じゃああたしたちもそっちの鎮守府に招待してよ。他のとこがどんな運用されてるのか気になるし。」
「あぁいいぜ!そんときは他の娘たちも連れてきなよ。」
「……ふぁぁ~。私も行ってみてもいいわよぉ……演習でもなんでも……」
五十鈴はもともと寝てたところを起こされたので、酔いの効果もあり眠気がぶり返してうつらうつらとしながら一応話にノる。そんな様子をみた天龍と那珂は顔をクスっと笑う。
「五十鈴ちゃん眠そ~」と那珂。
「わりぃ。さっきあたしが叩き起こしたからだわ。ゴメンな! 少しお酒入ったことだし、もう寝よっか?」
五十鈴に謝った後、あくびをしながらストレッチするかのように身体を伸ばして天龍が言う。
「そーしよー。さすがにあたしも眠いよ。それに明日……っていうかもう今日だけど、早朝に鎮守府に帰らなきゃいけないし、寝とこ!」
那珂が締めた後、三人はその場から立ち上がり甲板の一角を後にした。
こうして軽巡洋艦兼高校生の少女3人の、洋上での密かな飲み会はお開きになった。それぞれの寝室に戻った3人は、出入口のところで一言お休みと挨拶を交わして別れた。
護衛艦の中で彼女らに割り当てられた寝室は4人部屋で、那珂は五月雨・村雨・夕立と同じ部屋。五十鈴は時雨、隣の鎮守府の吹雪・白雪と一緒の部屋だった。天龍は龍田・深雪・羽黒とである。
それぞれが部屋に戻ると、当然だが同宿者は深い眠りの真っ最中だった。酔いが回っていた3人は寝具に入ると、数分も経たないうちにスヤァ……と静かな寝息を立てて残り少ない眠りの世界に落ちていった。
ただ一人、天龍の担当であった少女だけは寝る前に一つのことを頭で反芻しながらの眠りへの旅立ちとなった。
「同調率、98%か……。高ければ高いほど良いって提督が言ってたから、すんげぇ数値なんだろうな。帰ったら聞いてみるか……。」
その後護衛艦が港に到着したのは午前3時過ぎ。任務終了のため退艦することになり、強制的に起こされた艦娘たちのうち、アルコールが入っていた3人は、少しだけ頭痛に悩まされてそれぞれの鎮守府への帰路についた。
世界観・要素の設定は下記にて整理中です。
https://docs.google.com/document/d/1t1XwCFn2ZtX866QEkNf8pnGUv3mikq3lZUEuursWya8/edit?usp=sharing
人物・関係設定はこちらです。
https://docs.google.com/document/d/1xKAM1XekY5DYSROdNw8yD9n45aUuvTgFZ2x-hV_n4bo/edit?usp=sharing
挿絵原画。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=51859050
Googleドキュメント版はこちら。
https://docs.google.com/document/d/19B-o6t2XbMbOEymPqZnKBS8NbUMZQGBLDQJZY2Eipn0/edit?usp=sharing
好きな形式でダウンロードしていただけます。(すべての挿絵付きです。)