無限なる世界 作:在り来たりな〝ネームレス〟
(ステータスが見れない。・・・予想はしていたが、これ程速く見れない奴が現れるか。不幸だな。)
ゴウは、聖職者の様な格好をした人間を見つけると、スキル「
しかし、慌てる事は無くとも、その事を不幸と嘆いた。だが、その顔には、
(ククッ・・・面白い。スキルか装備か知らないが、どちらにしろ、戦力強化に成る。)
「よお。お前が、親玉だな?・・いや、正確には依頼者、か?」
ゴウは、その人間に近付き、話し掛ける。
「貴方が・・・貴方が、あのお方が仰有られていた、魔に犯されし少年ね。」
澄んだ女の声が、響く。
「魔に犯されし少年?・・・魔とは、【
「【
女は、心底可笑しいようで、嗤い続ける。
「・・・下等・・?」
小さく、小さく、ゴウは呟く。その小ささは、至近距離に居る女が気付かない程、小さな音量だった。
「
“ベーチェルナ神聖教国”この世界でも珍しい、宗教国家だ。“ベーチェルナ神聖教国”は、
「ベーチェルナ?・・おいおい、“ベーチェルナ神聖教国”と言えば、強国中の強国じゃないか。」
「ええ、そうよ。」
ゴウの言葉に、アビンリースは機嫌を良くする。
「だがよ。何故、こんな場所に居るんだ?お前等の総本山は、別大陸だろ?・・この大陸は、まだ、海に面してる国だけで、布教してるんだろ?」
「クッフッ・・フフフッ!言ったでしょ?魔に犯されし少年を救済する為よ。」
「そうか・・・なら、調度良い。」
「は?・・何を言ってるの?」
次の瞬間、凄まじい殺気が、辺り一帯を支配する。
「お前を殺すのに調度良いて言ったんだよ。」
「ッッ!?」
アビンリースは、驚愕する。ゴウの声が、自分の後ろから、聞こえる事に。
ゴウの声に反応したアビンリースは、直ぐ様後ろを振り向く。そして、その瞳に「
「ッー!?――――」
アビンリースは、一瞬の隙すら見せなかったのに、自分の後ろに移動された事に驚きつつ、魔法の
「『
女が
ゴウの膂力・スキル「
上記の全ての要素が、上手く重なり合い、LV5の技と同等の威力と成り、ゴウの格下は勿論、ゴウと同等の実力では、一撃で致死傷と成る威力を持っていた。
「甘いわ。」
先程の驚愕を全く感じさせない冷静なアビンリースの声が響く。
次の瞬間、凄まじい激突音が響き渡る。
「ッッ!クソッ!」
ゴウは、スキル「
(チッ!
「ねぇ、貴方。まさか、此れで終わり?」
「勝手にほざいてろっ!クソ女っ!・・我、紡ぎ、改変させ、顕現させるは、悪虐なる魔鬼の契約。」
“
そして、ゴウが魔法の
(その余裕ぶっ壊す!)
アビンリースは、ゴウが長い魔法の
「―――契約に基づき、我に対し者を、持て成せっっ!!『
スキル「
この魔法は魔力量に関わらず、全ての魔力を消費する魔法だ。この魔法の1つ目の能力は、ゴウが今現在使用できる魔法を対象に向かって、一定時間放ち続けると言う事だ。
ゴウの魔力により、生成された色取り取りの魔法が、アビンリースに向かう。その魔法は、LV1~LV4迄と、先程のゴウの攻撃の数倍の威力を誇る。
「フフフッ・・・アハッハッハッハッ!凄いわっ!」
だが、アビンリースはその全てをスキル「
「アハハハッ!これは、
この魔法は、
しかも、この魔法はオリジナル魔法なので、国遣えの者が見れば、是が非でも己たちの手の内に入れようとするだろう。
「あら、もう終わりかしら?・・う~ん、面白かったけど、まだまだ足りないわね。」
そして、土煙が上がるが、その中に無傷のアビンリースが立っていた。
「何が、足りないだって?」
「何がって、魔法――」
ゴウの疑問に土煙を手で、払いながら答えるアビンリースだったが、土煙が晴れ、ゴウの姿を見ると固まる。
「・・・ヴ・・ヴッ、
この世界には、地球の人間と殆んど同一種の
そして、アビンリースが見たゴウの姿は、頭に角が生えている亜人の一種、
「・・何故っ!さっきまで、全て
ゴウに後ろから攻撃された時と比べ物にならならない程の動揺を見せる、アビンリース。
「『
「ッッッ!?まさか・・・まさかっ!今の魔法はっ!?」
「クククッ・・・・あぁ、そうだ。『
「ッッ!・・変化中、魔法が自動発動し、貴方を守る訳ね。」
「あぁ。だが、助かった。お前が、油断していてくれて。」
(やってしまったわね。まさか、ここ
「なら、
アビンリースが、そう言い放つと同時に、アビンリースから膨大な殺気と神々しいと言える魔力が、溢れだす。
「ハアハアハアッ・・・ングッ!・・フウフウッ・・・ッッッッ・・ハアハアッ・・・っぅう。」
そこは、元の森の原型を留めていなかった。大地は大きく抉れ、大小様々なクレーターが無数に存在し、木々は切られ、折られ、轟々と赤熱の炎を挙げていた。
そして、その中心に2つの人間の影が在った。
1つは、左半身が無く、残った右半身も様々な傷が刻まれている人間の影。
1つは、右腕と左足が無く、残った身体に様々な傷が刻まれている人間の影。
「あ・・ッンゥゥグッ・・・あ・・危なかった。・・・右腕・・左足・・・無くし・・・ブフッ・・けど・・・・治るっ・・・・・あの方・・ご報・・・・・る。」
この戦いを征したのは、アビンリースだ。
「・・・あの方に・・・ぐうぅ・・これが、な・・けれ・・・ば。」
そう言うアビンリースの近くに散乱しているのは、巻物だった。
この巻物は、
「・・・カサッ・・・・・ガサッ・・。」
「ッッ!?・・・ま・・まだ・・・生き・・・・・?」
微かな音から、ゴウが生きていると、認識したアビンリースは、その並外れた生命力に驚愕しながら、ゴウの方向を見る。
だが、その音は、ゴウの物では無かった。
「・・・ゴウ?・・ねぇ、ゴウ。どうしたの?返事して。」
その音元は、【
「マッ・・・ブ・・サキュ・・・ぁ・・・ス・・・・・ワール・・を。」
慌てて懐から、
その影を認識した瞬間、後ろを振り向くアビンリース。
そこには、瞳の中を怒りで燃やし、周辺に怒気と殺気を撒き散らす熊型の魔物―――【
・
「ゴガガガアアアアアァァァァ!!!!!」
「・・あ―――」
アビンリースが、最後に見たのは、その豪腕を振り上げる【
)】の姿だった。
下記の物は、多分本編には出ないんで、ここに書きます
名前
平民は、個人名のみ
王皇貴族は、個人名・分家名(旧家)・本家名の形
例外とし、一定以上の実力・権力を持つ者の多くは、個人名・名字となる(つまり、2つの名を持つ事は、強者の証)