魔法科高校の転生者、あるいは一般人、しかし不良、もしくは問題児、または異端者、のちにチート   作:tomato

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第六話

高校生活二日目。

 

登校するのが二回目の新入生の顔には、未だ緊張の色が抜け切っていない。二回目と言っても、一回目に登校したのは入学式なので、本格的な高校生活は今日から始まる。不安や緊張が抜けていないのは仕方ないだろう。

その緊張は顔色だけでなく全身にも表れているようで、おそらく普段よりもずっと背筋を伸ばして新入生は校門を通って行く。その様子は不安に身を強張らせているようにも見えるし、期待に胸を膨らませている、或いは気合を入れて胸を張っているように見える。

その新入生の心が反映されたように、彼らの教室も雑然とした雰囲気に包まれている。

新しく出来た友人と交友を深める者。隣の席の人物と新しい交友を築く者。自分から話しかける勇気がなく周囲を窺いソワソワする者。席に座って端末に向かう者。

雑然としているが、その方向性はある程度決まっている。皆が各々のやり方で新しいものに向かい合っているのだ。

しかし、そんな中で周りの雰囲気に流されない者も存在する。

その人物は左手を右肘の内側に挟み、左腕を枕にして机に突っ伏している。ゴツい三つの指輪を着けた右手を襟首あたりに置き、規則正しく背中を膨らませている。癖のない明るい色の髪から顔を覗かせた左耳が時々、右手に弾かれ、そこに付けられたピアスが小さく揺れる。

 

言うまでもなく義飾だ。

昨晩、伯父からかかってきた電話を可能な限り手早く終わらせた義飾は、伯父の話を聞きながら作っていた晩御飯を食べ、そのまま床についた・・・りはせず、日が昇るまでずっと書斎の机に齧りついていた。実直に、明日に備えて勉強していた訳ではない。

一晩中小説を―――この世界ではあまり人気のないジャンルの小説をずっと読み耽っていた。

読書は義飾の数少ない趣味の一つだ。中学の時に、伯父の仕送りを使い潰すためにしていた贅沢は、日本中、あるいは世界から本を買い求める事だ。

前の世界と比べて色々な面で技術が高いこの世界では、電子化が進み、紙はデスメディアになっている。義飾が好んで読むのは電子化が進む以前の、紙の本がまだ当たり前で、そして―――魔法が世界中に公表される以前の小説だ。

人気がなく、電子化されるほど需要があるわけでもなく、しかし一定数奇抜なコレクターがいる本を集めるのは、伯父の仕送りを使い潰すのにも、見た目に反してインドアな義飾の趣味にもピッタリだった。

元々、読書を始めたのは娯楽のためではなくある目的のためだったが、今では読み始めれば時間を忘れるほど夢中になってしまう。

昨晩も、五冊の本を読み終え六冊目に手が伸びたところで、設定していたアラームが鳴り響き、時間の経過に気がついた。

義飾は読書をする際、可能な限り邪魔なものを排除してから読み始める。集中を切らされたくないからだ。

そんな義飾が、読む時間を決めてアラームを設定するはずがない。つまり、鳴り響いたアラームは平日の朝に設定している、起床を促すためのアラームだ。

読書に夢中になって徹夜をする。実の所、義飾にとっては珍しいことではない。昨晩だけでなく一昨日も、その前の日も、そしてその前の日も同じように徹夜している。もう既に、生活リズムとして定着してしまっていた。

本来であれば昼に仮眠をとるので、この生活に問題はない。しかし、昨日は入学式があり、その後はずっと友達と遊んでいて寝る暇はなかった。入学式の時に少しだけ寝たが、二日分の睡眠には到底足りない。

最初は寝てから学校へ行こうと思ったが、それだと遅刻は確実。最悪、欠席もあり得る。学費を伯父に払ってもらってる以上、そんなことをすれば更に伯父に頭が上がらなくなる。

仕方なく、軽くシャワーを浴び、朝食を食べてから家を出た。幸い、義飾は一人暮らしをしている都合上、朝食を作るため朝のアラームはかなり早めに設定してある。寝てから学校に行くのではなく、学校に行ってから寝ようと考えたのだ。

 

教員や役員に就いてる生徒を除いて、おそらく一番早く学校に着いた義飾はすぐに自分の教室に向かい眠りについた。二日も碌に寝ていなければ、その眠気はすごいことになる。机に伏せばすぐに意識は落ちた。

それでもやっぱり体勢に無理があったのか深い眠りには至らず、浅い眠りと覚醒の間をふらふら漂っていた。

しかし、時間が経ち、人が増えるにつれ騒がしくなり、浅い眠りの間隔も短くなって今はもう目が覚めていた。目が覚めていても三十分にも満たない睡眠では二日分の眠気は完全に取れない。その眠気が物理的な圧力を持っているように上からのしかかってきて、体を起こすことを億劫させていた。

手慰みに左耳を弄って眠気を追いやろうとしているが、効果は全くない。周りの人間も起こそうとする者はおらず、それどころか距離をとって遠巻きに見やるだけだ。授業初日に居眠りをかまし、不良の特徴数え役満の義飾に好き好んで関わろうとする者はいなかった。

 

騒がしさに耳が慣れ、再び意識が落ちそうになる。ここで意識を落としてしまえば、たとえ授業が始まっても目覚めることはないだろう。それがわかっていても睡魔の攻撃から逃れる気はない。

今日は本格的な授業はなく、オリエンテーションで一日が終わる。なら明日から真面目にやればいい。誰にでもなくそう言い訳をした義飾は、睡魔に身を任せて意識を手放そうとする。しかし、予想していなかった外部からの干渉でそれはかなわなかった。

 

「オハヨッ!」

 

快活な声と肩に軽い衝撃。雑然としているが概ね明るい雰囲気の教室の中でも、とりわけ明るいその声は鬱屈としたものを全て吹き飛ばせそうだ。義飾の眠気も完全に吹き飛ばすことは出来なかったが、声の主を確認しようとする気力だけは復活した。モゾモゾと、正しく擬音で表わせばズリズリと顔を上げる義飾。髪が乱れるのも気にせず、枕にしている左腕から頭を離そうとしない。そして、ゆっくりと時間をかけて顔を声のした方に向けた。

 

「っはよ・・・」

 

今にも消え入りそうな、もしも蚊に鳴き声があったらそれよりも小さい声で挨拶を返す義飾。しかし、挨拶をしたらすぐに、また顔を伏してしまった。一応、先ほどよりも深く伏していないので起きる気力はあるようだ。

その様子を見て、声をかけた人物―――エリカは困ったように苦笑いして、肩を叩いた手で頬をかいた。

 

「また夜更かし?昨日もそんなこと言ってたけど、大丈夫なの?」

 

声をかけながら義飾の机に腰掛けるエリカ。出会って二日目とは思えない馴れ馴れしさだが、不思議と不快感はなく、なによりその態度は彼女に似合っていた。

エリカの言葉を受けて義飾はなんの反応もせず、ピクリとも身動ぎしない。再び意識を手放したのかとエリカが訝しんだ所で、ゆっくりと、のっそりと、たっぷりと時間をかけて義飾が上体を起こした。

 

「・・・・・・・・・おはよう」

 

体を起こした義飾の顔はかなりヒドイものだった。瞼は半分も開いておらず、目も焦点が合っていないのでどこを見ているかわからない。顔にはくっきりと隈ができ、唯でさえ人相の悪い顔がさらに関わり難いものになっている。体を起こしても、頭はまだ起きてないのかエリカの言葉には応えず、義飾はもう一度挨拶の言葉を吐き出した。

その直視しづらい顔を見てエリカは小さく息を吐いた。心配の言葉をかけたのに無視される形になったが、ここまでヒドイ顔を見ると憤りの気持ちは沸いてこない。何故挨拶の言葉を改めたのかは分からないが、ここは合わせておくのが吉だろう。

 

「ハァ・・・おはよう。目は覚めた?」

 

義飾に合わせるためにエリカも改めて挨拶する。続けて調子を尋ねたが、今度は無視されることはなく両手で目を擦っている義飾から「んーー?ぼちぼち・・・」という返答が返ってきた。

一頻り目を擦った義飾は、改めてエリカに顔を向ける。擦ったせいで目の周りは多少赤くなっているが、それ以外は概ねいつも通りだ。薄く隈は残っているがしっかりと目に力が入っている。

エリカに顔を向けた義飾だが、何を言おうか迷っていた。普通に考えて起こしてくれた事に礼を言うのが当たり前なのだが、未だ眠気が残る頭には起こされた文句が浮かんでくる。その文句を追い払って礼の言葉を探していると、左隣からエリカとは違う声がかけられた。

 

「あ、あの、おはようございます!」

 

声をかけられたのは予想外だったが、声をかけてきた人物は予想通りだった。入学式にエリカと一緒にいて、自己紹介をした美月だ。出会って二日目では義飾の容姿に慣れてないのか、挨拶の言葉はまだ固い。

彼女達の姿を見るのはこれで二度目だが、義飾の中では二人はセットだという認識だった。この認識が、今はもう風化している原作知識によるものなのか、ただ単に彼女達のことをよく知らないからなのかわからないが、今回はこの認識はあたっていたようだ。

エリカがいるなら美月もいるだろう、と自然に考えていたので、美月の少々勢いのある挨拶に動揺することはなかった。

 

「ん?あぁ、おはよう。柴田さんもいたんだな。二人は一緒に来たのか?」

 

「途中からだけどね。学校前の駅で偶然会ったの」

 

「昨日から気になってたんだが、二人は中学から一緒なのか?」

 

「え?違うよ?昨日初めて会った」

 

「ねーー!」と言いながら美月に顔を向けるエリカ。美月も美月でエリカの言葉を笑いながら嬉しそうに同調している。とてもではないが、出会って二日目とは思えない。仲良すぎだろ・・・と義飾は思ったが、一々口に出すことではないので、その感想は口の中を転がっただけだった。

 

エリカと顔を合わせている美月だが、視線はチラチラと義飾に泳いでいる。エリカも目立たない程度に義飾を―――正しくは義飾の左手を盗み見ている。

寝跡がついてるだけならば笑って済むが、そういう訳ではない。跡という点では一緒だが、義飾の左手に出来たそれは、今ついたものではなくずっと昔についたものだ。

 

「気になるか?」

 

問い掛けに主語を抜いて、代わりに顔の横まで左手を上げてヒラヒラと降る。それで十分に伝わったらしく、美月は目に見えて狼狽えた。

 

「えっ!いや、あの、えっと・・・・・・す、すいません・・・」

 

悪戯がバレた子供のようにあわてて、必死に言葉を探す美月だが、適切なものが思い浮かばず顔を俯かせるように頭を下げた。

その様子に義飾はたまらず苦笑いした。義飾としては暗い雰囲気にならないように明るく言ったつもりだったが、美月はそう受け取らなかったようだ。義飾の配慮が足りなかったのか、美月が気にしすぎなのか、原因はおそらく両方だろう。

 

それも仕方のない事だ。手の甲を両断するような大きなケロイドを見て、陽気になる人物はいない。

義飾の左手にある傷跡は、中指と薬指の間から始まり、途切れることなく袖口から服の中に隠れている。指の間から始まっているそれは、手の甲だけでなく手の平にも折り返すようについてるので、"両断するような"という言葉がただの例えではないことを表していた。

 

凄惨かつ醜悪な傷跡だが、これが出来たのは今から五年も前だ。義飾のの中ではもう気持ちの折り合いはついている。あまり気を使われれば、逆にそっちの方が気に障る。

 

「そんな反応されるとこっちが悪いことした気になるな・・・。これはずっと前に出来たモンだからそんなに気にしなくてもいいぞ。ってかこれ見て気分が悪くなったなら、俺の方が謝らないとだし」

 

「い、いえ大丈夫です・・・」

 

出来るだけ明るい声になるように気を使い、美月を慰める。それが功を奏したのか、美月の顔にあった陰りが少し晴れた。

その反応に満足して背もたれに体を預けた所で、今まで事の成り行きを見守っていたエリカが言葉を挟んできた。

 

「それって消したりとか出来ないの?」

 

「出来ない事もないだろうけど時間がかかる。一回病院行くだけで済むなら迷わず消すんだが、年単位の通院が必要だからな。さすがに面倒くせぇよ」

 

「ふ~ん」

 

少し不躾な質問だが、義飾は気にすることなく答える。義飾にしてみればこの手の話題はよくされる。傷跡を消す事を勧められたのも一度や二度ではない。伯父に至っては今でも、顔の小さな傷跡だけでも消さないかと聞かれる。それを断っているのは、エリカに語った通り時間的な都合もあるが、心情的な理由が一番大きい。その理由は伯父にも話したことはない。

 

聞いてきたのは自分なのに、エリカは気のない返事で流した。気になったから聞いた訳ではなく、ただ、流れに従っただけのようだ。その返答に思う所がないわけではないが、未だ眠気の残っている頭ではこれ以上喋るのは億劫だ。話が途切れたタイミングを見計らった訳ではないだろうが、エリカが見知った顔を見つけてそちらに声をかけた。

 

「あっ司波くんだ。オハヨ~」

 

エリカの言葉に反応して、美月と義飾がそちらに顔を向ける。視線の先にはエリカの言葉通り達也がおり、声をかけられるとは思っていなかったのか、少し驚いた顔をしている。

 

「おはようございます」

 

エリカに続いて美月も達也に挨拶する。そして義飾もそれに続く―――事はせず、気怠そう軽く左手を降った。

その義飾の態度と、義飾の左手の傷跡に達也は何も反応することなく軽く手を上げる事で挨拶を返した。

そして美月の隣の席に座る。席順は、男女別に五十音で並べて交互に列を作るようにして決められる。シバタとシバが隣合うのは必然みたいなものだ。その横の並びにケショウが入ってるのは少し不思議だが。

ここにも作為的なものを感じるな、と義飾は心の中でため息をつく。覚悟していたが高校に入学してから一気に気苦労が増えた気がする。伯父の暴走から始まり、これから始まるであろう物語的な騒動。既に原作の内容はほとんど風化しているが、僅かに残っているそれを思い起こせばため息の一つもつきたくなる。少なくとも輝かしい未来は待っていないだろうから。

 

「――――ねぇ!聞いてる?ってか聞こえてる!?」

 

思考を卑屈な方に埋没させていたせいで会話を聞き逃してしまったらしい。エリカの声に思考が現実に戻り、周りを見てみると美月とエリカがこっちを見ている。達也はこちらを向かず、端末に向かっている。

どうやら会話に一区切りついて、こっちに話を振ったみたいだ。思ったより意識が飛んでいたようで、気合を入れるために背もたれから体を離す。

 

「ワリィ、半分寝てた。なんだって?」

 

目の間を揉みながら問い返すが、返ってきたのは呆れたため息だった。

 

「ハァ、もういいわよ・・・。それよりなんでそんなに眠そうなのよ?昨日は何やってたの?」

 

「あぁ・・・一晩中本読んでた」

 

「本?って漫画とか?」

 

「あいにく小説だ。漫画は持ってるが、時間を忘れるほど読むことはない」

 

「嘘だぁ~~!」

 

義飾の返答にエリカが素っ頓狂な声を上げる。その声は賑やかな教室でも目立つほど大きく、何人かが何事かと振り返った。横で、前の席に座っている男子生徒と話していた達也もこちらを見ていた。

その視線を意に介さずエリカは、強い懐疑の色を乗せた視線を義飾に送っている。

その反応があまりにも予想通り過ぎて義飾は小さく吹き出した。やはり、義飾の容姿で本を読んでるなんて言えば、漫画が真っ先に思い浮かぶだろう。

 

「予想通りの反応ありがとう。俺はこう見えてインドア派のインテリ文学少年なんだよ。外で身体動かすより、部屋に引きこもる方が好きだ」

 

「へぇ~~!意外~~、って言うか、その絵が全然想像出来ないんだけど。あとその肩書も全然似合わない」

 

「どんな小説を読まれるんですか?」

 

エリカが身体をのけぞらせて驚愕を表す。はっきりいってかなりオーバーなアクションだが、義飾にとっては真新しい反応ではないので軽くスルーする。

しかし、続いた美月の疑問には口を噤みそうになるほど動揺した。やましい本を読んでいたからではない。これを言えば先ほどより大きい反応が返ってくるとわかっているからだ。

外見が不良の義飾が読書を趣味にしている、というのは唯でさえ意外なことだが、その上あるジャンルに傾倒して読んでいるのは意外を通り越して滑稽だ。

言おうか言わまいか数瞬迷った義飾だが、ここで言葉濁してもいつかはバレると思って仕方なく口を開いた。

 

「・・・・・・主に・・・ファンタジーだな」

 

「ファンッ!タジー―!?」

 

さっきよりもずっとオーバーなりアクションをとるエリカ。後ろに倒れそうなほど身体をのけぞらせている。予想通り、いや予想以上の反応をされて義飾が恥ずかしそうにそっぽを向く。そっぽを向いた先には美月の顔があり、目が合うと優しく微笑んでくれた。いたたまれなくなりすぐに目をそらす。視線の置き場に困った義飾は少しの間目を泳がせて、何も映っていない端末の画面に固定した。エリカの声はさっきよりも大きいので、さらに周りから注目されているのが見なくてもわかった。自然と気分が落ち込んでいく。

 

魔法が一つの科学技術として確立したこの世界では、創作された魔法の需要はかなり低い。魔法が公表される以前であればまだ人気があったが、公表されてから人気は下火になり、今では出版されるのも稀だ。仮に出版されたとしてもそれは、低年齢層向けの絵本だったり、魔法の才能がある子どものための情操教育本であったりする。大人向けの幻想小説は絶えて久しく、今では中高生向けのものも、あまり数は多くない。

新しいファンタジー作品が出ないだけで、昔一世を風靡したものはまだ人気が残っている、と思うかもしれないが魔法に対する意識が変わっている現代では、古い作品も淘汰されつつあった。

この世界の今の時代でファンタジーと言えば、子供向けの童話や寓話を指すことが多い

 

なので、二人の反応はこの世界では普通のものだ。エリカの今にも笑い出しそうな驚愕も、美月の慈愛と受容に満ちた微笑みも、どちらも正しい。恐らく、二人の頭の中には絵本を開いて楽しそうに笑っている義飾の姿があるだろう。義飾の頭にもその姿が浮かんでくるが、すぐにかき消した。身長一八〇を超える不良がキャッキャ笑いながら絵本を読んでる姿など、誰が得をするのか。

なんにしてもこのまま勘違いされたままではかなり都合が悪い。今後の学校生活に支障をきたす恐れすらある。

沈んだ気持ちを無視して、下に固定した目を前に向ける。この勘違いを正すのも慣れたものだ。

 

「一応言っとくが俺が読むのは、魔法が公表される以前の幻想小説だ。童話も読むことはあるけど、一世紀以上前のものを歴史考察のために読むぐらいだ。基本的に、民話と伝説、神話とか怪奇譚ばっかり読む。あとはゴシック小説とか」

 

「ふ~ん、高校生にしては渋いっていうか変わった趣味してるのね。どっちにしろ似合わないけど。それってやっぱり、古式魔法を調べるためなの?」

 

「まぁ、そんなところだな」

 

本当は違うが、話しだすと長くなるし、当たらずといえども遠からずなので、エリカの疑問は軽く流す。

とりあえず勘違いを正すという目的は達成されたらしく、二人から出ていた生暖かい視線は感心したような熱を持った。

義飾の返答に納得したように頷いていたエリカだったが、横から聞こえてきた話に興味の対象が移ったらしく、そちらに食い付いた。

達也が魔工技師を目指しているという話だったはずだが、何故か、達也と喋っていた男子生徒と口喧嘩に発展している。その喧騒を眠気の残る頭で眺めながら、義飾は予鈴が鳴るのを待った。




はい、遅れてすいません。
二週間に一回は更新するって言った次から遅れるというね・・・。
理由はリアルの都合とか、普通に書くのに行き詰まったとか、あと、オーバーロードが面白すぎたとか、色々あります。

ってか展開が遅すぎますね。さっさと話を進めたいと思うんですが、出来るだけ丁寧に書きたいんですよね。
なので、今回は原作で語られた部分をガッツリ削ったんですけど・・・・・・レオすまん。お前の紹介まで書いてたら切りどころはわからんなってたんや・・・次はちゃんと書くからな。
早く森崎泣かしたい。たぶん、次の次ぐらいで泣かします。

今回は独自設定の説明でしたね。まだまだ一部だけです。これからどんどん公開していくことになります。特に、主人公の能力は独自設定のオンパレードなので、それが嫌だという方は、早々に切ってください。お願いします。

それと、自分は原作のWeb版は読んだことあるんですが、書籍版は読んだ事無いです。アニメも見てないです。
なので、ツッコミ所が満載だとおもいます。見つけた場合は存分に突っ込んでいただいて大丈夫です。
一応、この小説を書くにあたって書籍を買ったんですが、まだ四巻しかないです。オーバーロードは全巻買ったのにね。馬鹿だね。

出来るだけ早く全巻揃えます。

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