転生して主人公の姉になりました。SAO編   作:フリーメア

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あっぶねぇ...なんとか今月中に投稿できた...
和葉「今までサボってた癖によく言いますね」
うぐっ...なにも言えねぇ...
そしておそらく、これが今年最後の投稿になると言うね...
和葉「もう一つの方は投稿出来なさそうですね」
ちくしょー...

皆様大変長らくお待たせしてしまい申し訳ございません。え?待ってないって?・・そうですか...


それはともかく、ではどうぞ


ラフコフ討伐戦 祖の一

 圏内事件からおよそ一ヶ月、攻略組のメンバーは作戦会議をしており、場はピリピリとした緊張感が出ていた。それも無理はない。これから戦うことになるのはモンスターではないのだから。

 とその場に一人フードを被った小柄な人物が入ってきた。

 

「情報が入ったヨ」

 

「どんな情報だ?アルゴ」

 

()()の居場所が判明しタ」

 

 アルゴと呼ばれた特徴的な喋り方をしている人物はキリトの問いに答え、その一言に周りはざわめきだした。

 今回の会議はあるメンバーの壊滅をするためにたてたものだ。メンバー達の名前は、SAO最悪の殺人ギルド笑う棺桶(ラフィンコフィン)。少なくとも死者千五百人のうち、二百人のプレーヤーが彼らの手によってこの世を去った。

 

「...それは信用出来ますか?」

 

「...これだけはオレッチでも本当かどうかが分かってないんダ。ただラフコフの、もう殺人はしたくないって奴からの情報のようだゾ。十四階層の端にある洞窟が奴らのアジトらしイ」

 

「「「「「「!!」」」」」」

 

 これにはこの場にいる全員が驚かされた。まさかそんな下層の、ダンジョンですらない所にいるとは思わなかったのだ。

 

「...なるほど、確かにそれなら今まで見つけられなかったのも納得です。僕達はずっと中層にいると思っていましたからね」

 

「それで、どうするんだ?キリハ。もう少し準備が出来てから行くか、このまま突撃するか」

 

 キリハは手を顎に当て、考えるそぶりをした。数秒時間が経ち

 

「一時間後に出発します。それまでに準備を終わらせて下さい。勿論、全員コリドーを持っていて下さい」

 

 と発言し、その決定に誰も反論しなかった。(一部、まだキリハ達を認めていないプレーヤーは不満げにしていたが)

 

 

 

 そして一時間が経ち、現在はラフコフのアジトの近くにある洞窟で最終確認を行っていた。

 

「基本的には皆さんでラフコフを抑えて貰い、僕のスキルで捕まえます。良いですね?ただ、僕が近くにいないこともあるので縄で縛ってコリドーを使うか、余裕があるのなら僕を待ってください」

 

 そして今回の作戦リーダーはキリハとキリトであった。攻略組で最高レベルを持ち、いくつものオレンジギルドを壊滅してきたからだ。

 と全員で確認を行っているとある話し声が聞こえてきた。

 

「ラフコフっていってもどうせHPが危険区域までいったらおとなしくなるにきまってるよなぁ?」

 

「当たり前だろ?」

 

「それなのに《神速》ときたら、ククク、チキッてんのかぁ?」

 

 この会話をしているのはキリハ達を認めていないプレーヤーであり、明らかにキリハ達を挑発している。この挑発にアスカ、《風林火山》、《月夜の黒猫団》等のプレーヤー達が殺気だった。

 が、その挑発は気にもとめずキリトは警告をした。

 

「俺からは一つだけ言っておく。ここにいる全員、覚悟を決めろ」

 

 この言葉を先ほどのプレーヤー達は笑い飛ばした。

 

「覚悟を決めろぉ?んなもん攻略組にいるときから出来てるに決まってんだろ?」

 

 このプレーヤーが言っている覚悟は『死ぬ覚悟』だ。それは攻略組の全員が持っている。しかしキリトが言っているのはそれではない。

 

「違えよ。そんなのはここにいる全員が持ってる。俺が言ってるのは『殺す覚悟』だよ」

 

「ハァ?殺す覚悟ぉ?そんなもん必要ねぇだろ。どうせ危険区域までいけば命乞いをするに決まってる」

 

 キリトは舌打ちをしそうになったが、なんとか抑えて「...警告はしたぞ」と言った。こういう人間は何を言っても無駄だと判断したのだ。キリハはキリトが喋り終わるのを待ってから再度全員に話し掛けた。

 

「...勿論、生きて確保することが前提ですが相手はラフコフです。自分や仲間の命が危なくなった場合、迷わず殺してください」

 

 キリハの言葉には説得力があった。これをキリトが言ったとしても説得力があるだろう。何故なら、二人はすでに人を()()()()()()()()()()()()...。

 

「そして最後に、死なないでください。これは願いではなく作戦リーダーとしての命令です」

 

 キリハの言葉に一部を除く全員が力強く頷いた。それを確認したキリハは出発の合図をした。

 

 

 

 

 ラフコフがいるアジトには列の先頭にキリト、後方にアスカ、中間には前後どちらから奇襲されてもすぐに対応出来るようにキリハ、その三人に挟まれるように他の攻略組が並び、奥に進んでいく。そして広場のような所まで()()()()()()に到着した。

 

(おかしい、ここまで誰にも会わないなんて...あの情報は間違いだったのか?アルゴも確信はないと言っていたからそれでも不思議じゃあ...まさかっ!?)

 

 そこまで考えてキリトは即座に索敵スキルを発動し、目を見開いた。そして叫んだ。

 

「全員武器を取れっ!!囲まれてるぞっ!!」

 

「シャアッ!!」

 

「「「「「「「っ!!?」」」」」」」

 

 キリトが叫んだ瞬間、何人ものレッドが攻略組に襲いかかった。がキリトの警告の方が一瞬早かったのですぐさま武器を取り、反撃を始めた。

 場は混乱に陥った。奇襲を仕掛けるつもりだった攻略組が逆に奇襲を仕掛けられ思考が働かない者も多かった。そういう者は、いち早く思考を働かせた者がフォローをした。

 だが混乱に陥ったのは少しだけだった。確かに奇襲を仕掛けられたが、攻略組には優秀な者が多く、自分が何をするべきか考え、行動に移したのだ。更にキリハも、キリトが叫んだ瞬間に大鎌を構え突撃したおかげでレッドをどんどん確保しているが、死者は一人として出していない。

 キリトは二刀流で敵の手足を斬り無力化していくと、先ほどキリト達を挑発していたプレーヤー達の焦った声が聞こえた。

 

「お、おいっ!もう投降しろっ!お前のHPはもう危険区域だろっ!?」

 

 だがそんなことはお構いなしにレッドは自身の得物を構えプレーヤー達に襲いかかった。

 

「ひいっ!?」

 

 レッドは浮かれていた。今日は誰一人として殺していない。ようやく殺せると思ってしまった。そのレッドはここに《死神》もいることを忘れていた。

 悲鳴の後、刃物が体を貫く音が聞こえた。だが自身の刃はなにも貫いていない。ふとレッドは胸に違和感を感じそこを見て、驚愕した。水色の刃が胸から生えていたからだ。自分が貫かれたことを認識した瞬間、首をはね飛ばされた。ポリゴンになる前にそのプレーヤーを発見した。黒いフード付きコートを纏った《死神》の一人、キリトだった。フードが取れて素顔が露わになっている。キリトの目からはなにも感じない。本当になにも感じていないのか、感情を抑え込んでいるだけなのか、それは分からない。だが、レッドはなにも感じないその目を見て恐怖しながらこの世を去った。

 キリトは、唖然としているプレーヤー達に言った。

 

「だから言ったろ。殺す覚悟を決めろって」

 

 キリトはそう言って他のプレーヤーを助けに行った。

 そしてキリトは、昔人を殺したことを思い出していた。

 

 

 

 

「ヒャアアっ!!」

 

「甘い」

 

 一方のキリハは大鎌を持って最前線で一人、また一人とレッドを斬って黒鉄宮に送っていた。まだ一人も殺せてないせいかレッド達は気が立っており、闇雲にキリハに突撃していっては斬り伏せられていた。

 

(順調ですね。奇襲されたのは予想外でしたがこれなら...)

 

 そこでキリハは気づいた。あの四人がいないことに。

 

(どういうことですか?奇襲されたということはラフコフにこちらの情報が流れていたということです。だというのにあの四人が見当たらないのは...っ!!)

 

 思考の途中、風を切る音が聞こえた。キリハは即座に回避行動をした。回避をしながらキリハが見た物は、毒が塗られてあるナイフだった。それを認識した瞬間、キリハは武器を大鎌から刀に変え迎撃態勢をとる。ナイフの飛んできた方向にはあの四人がいた。

 

「あれー?外した?」

 

「ジョニー先輩が下手なんじゃないんですかぁ?」

 

「んだとてめぇっ!!」

 

「それぐらいに、しておけ。いつ、攻撃してくるか、わからないぞ」

 

 ジョニー・ブラック、モルテ、ザザ、そして

 

「久しぶりだなぁ、キリハ」

 

「PoH...」

 

 リーダーのPoHがいた。キリハは四人を確認した瞬間、殺気を放つが、そんなことはものともせずPoHが口を開いた。

 

「やっとお前を殺せるなぁ、キリハ。よくもあの時はハッタリをかましてくれたなぁ」

 

 最後の方はPoHも殺気を滲ませていたが、無論キリハにも効かない。この殺気の応酬はほんの挨拶代わりだ。

 

「御託はいいからさっさとかかってこい。全員ぶった切ってやるからよ」

 

 そう言った瞬間、四人は笑い出した。

 

「キリハさんそれ、本気で言ってるんですかぁ?貴方一人で僕達四人を一度に相手できるわけないですよぉ」

 

 そうモルテに言われたキリハは、ニッと口の端を吊り上げた。

 

「じゃあ、やってみるか?」

 

「上等だコラァァア!!」

 

 そう言って真っ先に飛び出したのはジョニーだった。少し遅れてザザとモルテも飛び出す。ジョニーはナイフを振るうがキリハはバックステップで避ける。避けた所にはモルテとザザが待ち構えており、自分の得物を振るう。だがキリハはなにもしない、する必要がない。代わりに口を開いた。

 

「ああそれと─

 

 

 

 

 

─誰が一人だって?」

 

 その答えはすぐに分かった。モルテとザザの得物が弾かれたからだ。弾いたのは、先ほどまでいなかったキリトとアスカだった。

 

「全く、キリハは無茶をしすぎだ」

 

「それはキリトもだろ?」

 

 PoH達四人は、キリトとアスカがここに来れた理由がすぐに分かった。自分達以外のラフコフがほとんど捕らえられたのだ。PoHは舌打ちをした。足止めにすら役立たねぇと。

 

「キリトはザザを、アスカはモルテをそれぞれ頼む」

 

「「了解」」

 

 二人はキリハの頼みを了承した瞬間、それぞれの相手に斬りかかった。それをザザとモルテは受け止める。

 

「「ちょっと俺と付き合って貰うぜ?」」

 

 そのまま四人は、キリハ、PoH、ジョニーの三人から離れた。

 

「さて、始めようか」

 

「の野郎っ、なめた真似してんじゃねぇぞ!」

 

 ジョニーの言葉はもっもとだ。人数を減らしたとはいえ殺人鬼二人を同時に相手取るのは難しい、()()()()...

 

「キリハよぉ、俺ら二人を相手取るなら殺されても文句はないよなぁ?」

 

「ハッ、その心配はいらねぇよ。俺がてめぇらを黒鉄宮にぶち込むからな」

 

「言ってくれるぜ」

 

 そこでお互い言葉を切り、そして同時に言葉を発し地を蹴った。

 

「「Its show time!!」」




今回で終わらなかったと言うね
和葉「何で僕もPoHの言葉を言っているのですか」
んー?なんとなくだよ
和葉に一回でいいから言わせたかったんだよね


おかしい所がありましたら報告よろしくお願いします<(_ _)>

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