完勝の瞬間を見せつけるために
Are you ready?
古の記憶など捨て
5-4のゲージを壊せ!
※【艦これ】ミッドウェータイムラバー【替え歌】より抜粋
1942年6月5日
北太平洋 ハワイ諸島北西 ミッドウェー諸島沖 北約100キロ
「いったい、誰が―――」
その日
敵の撃破。だが蒼龍に勝利の喜びは無い。
ドォン、と腹を震わせる爆音が海面に巨大な波紋を立てる。立て続けに2つ、激しい爆炎が海上に屹立した。測ったように同じタイミングで、敵空母の燃料と弾薬が誘爆し、轟沈したのだ。いや、実際に
では、誰が敵を倒したのか……?
「―――油断しちゃ、ダメだよ」
果たして、いつの間に近づかれたのか。背後からそっと囁かれたその声に、蒼龍は肩を跳ね上がらせて身体を反転させた。振り返ったと同時にギリと弓を構える。しかし、声の主の姿は見えない。素早く視線を左右に走らせ、やがて“灯台下暗し”という昔ながらの諺を思い出して、ゆっくりと視線を足元に落とした。
「……貴女が、助けてくれたの?」
すぐ足元、海面からちょこんと頭だけ出した
でも、こんな娘、見たこと無いわ。
深海棲艦でないのは確かだが、まったく見覚えのない艦娘だった。だというのに、なぜか他人という気がしない。青みがかった黒髪と精悍な容貌は、どこか鏡で見る
「本当はね、
「えっ、ちょ、ちょっと待って―――」
不可解な台詞を言うだけ言って、その潜水艦はすうっと海中に姿を没した。慌てて視線で追いかけるものの、漆黒の輪郭は絵の具を水に溶かすようにあっという間に海中に溶けていく。驚くべき潜行速度に蒼龍はギョッとして手を伸ばすが、すでに届く距離ではなかった。せめて潜行音を捉えようと耳を澄ますが、機関の駆動音どころかタンクへの吸水音すら聞こえなかった。なんという静粛性、なんという運動性。その驚異的な性能とそれを実現した未知の建造技術に考えを至らせ、蒼龍はゴクリと生唾を飲み下した。なぜ気が付かなかったのだろう。そもそもにして、蒼龍のすぐ背後にいたはずの潜水艦が、蒼龍にすら気づかれないまま、どうやって遥か遠く水平線上に浮かぶ2隻の空母の機関部と弾薬庫を正確に狙い撃てたのか。既存の潜水艦など話にならない。現在、開発が進められている最新鋭の伊二百一型潜水艦でも足元にも及ぶまい。
一体何者だったのか。それに、“お母さん”とはどういう意味なのか。だいたい、私はまだ結婚どころか
「って、こんなことしてる場合じゃない! 飛龍たちを助けに行かないと!!」
数秒の混乱を乗り越え、蒼龍は頭を振って思考を切り替えると仲間の救援へと駆け出した。物思いに耽るのは生き残った者にだけ許される権利だ。
その後、救援に駆けつけた蒼龍の必死の反撃によって、被害甚大だった赤城と加賀は辛くも窮地を脱することが出来た。それとは逆に、貴重な戦力である空母2隻と大量の艦載機―――しかも新型ばかり―――を喪失したことで深海棲艦側は勢いを失い、戦力の再編成に大いに手間取ることとなった。その虚を、戦力を維持した飛龍と蒼龍の空母部隊、そして後方から進軍してきた大和、武蔵、長門の戦艦部隊は見逃さなかった。空母の消失によって満足に制空権を確保できなくなった深海棲艦にとって、最強の大型戦艦3隻による殴り込みはまさに悪夢だったろう。さらに後方からは修理と補給を終えた瑞鶴と翔鶴が榛名と霧島を伴って参戦し、戦況は一変。艦娘たちによる第二次攻撃は成功し、深海棲艦を見事撃破することに成功した。MI作戦は誰も欠けることなく勝利に終わり、それからの戦いの行く末を運命づける上で大きな転換点となった。
蒼龍は終戦まで飛龍とともに第一線で活躍し、戦後は後輩の指導と
平成27年6月5日
ハワイ米軍基地パール・ハーバーへの寄港を終え、日本への帰還の途についていたそうりゅう型潜水艦壱番艦『そうりゅう』から、突如6本の89式長魚雷が消失するという事件が起きた。厳格に管理されていた搭載兵器の原因不明の消失に、海上自衛隊上層部は騒然となった。しかし、消失したと思われる時間帯が、ちょうど旧海軍の空母『蒼龍』の眠る海域に差し掛かった時であったことを知ると、彼らは経験から何かを悟ったように、事態の舵を沈静化の方向に向けた。これには、当時のクルーたちが一様に語った「助けなければと思った」という不可思議な証言も何らかの影響を与えたとみられるが、定かではない。
潜水艦『そうりゅう』
日本国海上自衛隊が所有する、
なお、本艦の外見的な特徴として、船尾に備え付けられた舵の形状がある。音波の反射を少なくし、機動力を向上させるため、本艦の舵は
これも、元はTwitterでちょちょいと晒した妄想を清書したものです。
ニワカな素人がウィキペディアを見たり、コンビニで売ってる500円ちょっとの本を読んで書いたものなので、間違った描写があるかもしれません。その時はご指摘いただければ幸いです。教えてエロイ人!!