家族(仲間)と自分探しの旅[一時凍結]   作:Eucliwood

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 今回の話、とにかく説明が多いような気がします。

 気がしますというかします。

 次回は投稿が遅くなりますが、とうとうこのONEPIECEの主人公であるルフィとその仲間たちに出会う予定です。

 「まだ他の海賊に合わないの?」という方々、お待たせします。

 頑張って脳みそスプーン一杯しかない頭で話を構築しますので、これからも宜しくお願いします。


- 効率 -

 

 

 

 *砂漠の街:夜:シキ*

 

 

 

 「…タモ、タモルソツモジボウオ(さ、寒すぎる)」

 

 「確かに、夜の砂漠というものは冷え込みますね。

お嬢様、もう少し、着込みますか?」

 

 「キロワコ、バゾキロジョクロプゴバゾヨコ、ラソモトクロベゾハノヨンノホサヨツモウオタモ(いや、大丈夫だよ、魔法でなんとかするさ)」

 

 そう言って僕は魔法を使って暖をとる。

 

 「ネホアオチモユン(照らしを)」

 

 すると片手からテニスボールほどの小さな球体状の火の玉を出す。

 

 それをちかくに置いてある暖炉に放り投げる。

 

 暖炉はパチパチと音をならせながら暗い部屋を明るく照らす。

 

 僕たちは街についたあと、買い物をした。

 

 その時に宿の位置も覚える。

 

 買い物が終わった頃には夕方になっていたから宿をとり、今の状態だ。

 

 一日の終わりというのは早いね。

 

 そんなことより、この宿はサービスがなってないね。

 

 何故暖炉を灯すだけでもお金が必要なんだ。

 

 こういう時だけ商人魂見せなくていいんだよ。

 

 だからこそ、最初は暖炉を灯さなかったのだ。

 

 しかし、それはあまりにも寒いので、僕は自身の魔法で火を灯したのだ。

 

 今はクロもいるしね、流石にそれは鬼畜の所業だよ。

 

 僕は暖炉の火で少し温まったあと、ベッドで寝る。

 

 ただし、備え付けのベッドがあまりにも汚く、そして臭いも酷かったのでこれまた魔法で創ったのだ。

 

 確かに魔法はできるだけ使いたい。

 

 感覚に慣れたいからだ。

 

 しかし、未だに省燃費の方法ができない。

 

 そんな状態でぽんぽんと使いたくはない。

 

 万が一の事も考えたらそうなる。

 

 省燃費の魔法か……

 

 様々な方法を考えてはいるのだが、全てアウト。

 

 どう考えても今じゃ不可能な方法や、効果があまり期待できない方法ばかりしかできない。

 

 もっと、効率的に、強力な魔法を出せる方法……せめて何かきっかけがあればいいんだけれどね……やはり難しいか。

 

 思っていた通り、此処に少しばかり長居させてもらう事になりそうだ―――

 

 

 

 *アラバスタ:クロ:朝*

 

 

 

 「お嬢様、朝でございます。」

 

 「…………」

 

 「お嬢様、起きてください。」

 

 「…………」

 

 「お嬢様。」

 

 「…分かっているよ、そんなに耳元で騒がないでくれるかな。」

 

 お嬢様はこの砂漠の街、アラバスタに来てから魔法について研究している。

 

 毎日起きてから夜遅くまで魔法の研究に没頭しているのだ。

 

 今まで船に乗っていた頃は私が起こす頃には既に身支度も終えているのだが、毎日の疲労が身体にきているのか、それとも精神的なものなのか、私が起こしてもすぐには起きていただけない。

 

 お嬢様にはあまり無理はなさらないようにと言っていたが、右から左に流されているようで、無理をし続けている。

 

 このままではいけないと、私が就寝の時間になれば半強制的にお嬢様を夢の世界へ誘う事にした。

 

 それがあってか、今はそれほど身体的には問題な部分はない。

 

 だがやはり、精神的にきているのか、起床の時だけは行動が遅い。

 

 「シヨザボケロタモテモネホスヨエオハノキロサヨハノ(着替えさせてくれないかな)」

 

 「分かりました、では失礼。」

 

 私はお嬢様の身支度を整えながら、お嬢様の言葉について考えた。

 

 お嬢様の喋る言葉は特殊で、初めは私も何を言っているのか分からず、筆談で会話をしていたのだが、だんだんと言葉の法則が分かり、今では普通に会話できる。

 

 お嬢様の言葉は、一見するとただの羅列にしか聞こえないが、そこにはちゃんとした言葉があるようになっている。

 

 例えば、あ行はカ行+ロ、は行はマ行+トというふうになっている。

 

 そして特殊な使い方のする言葉もあり、しゃ、しゅ、しょやぎゃ、ぎゅ、ぎょ等のよう音が含まれるものはそのまま発声され、っ等の促音は言葉のあとの文字を連続でというような感じになっているのだ。

 

 例にあげるならば、殺気はタモ(さ)シ(っ)シヨ(き)となる。

 

 促音はそのあとにくる単語の最初の言葉を連続して使えば適用される。

 

 他にも特殊な使い方をするのもあるが、今の私は完璧にマスターした。

 

 ただ問題がある。

 

 発声が不可能なのだ。

 

 確かに頭では理解できる。

 

 その言葉を聞き、それに回答することは簡単だが、その言葉で回答するのが不可能なのだ。

 

 発声があまりにも複雑すぎて声が追いつかないのだ。

 

 ここでも例をあげるとすれば、カロ(あ)はかとろを混ぜた非常に形容しがたい発声になるのだが、お嬢様は平然とやってのける。

 

 私だけではなく、お嬢様以外の奴もこの発声はできないだろう。

 

 これはお嬢様限定の独自の言語というわけだ。

 

 だが、これは暗号を相手に伝えるのには最適だろう。

 

 お嬢様は目が覚めたとき、見知らぬ無人島のような場所にいたとおっしゃっていた。

 

 お嬢様の過去や経歴等はとても聞きたい。

 

 しかし、お嬢様が言うまでは私は何も行動しない。

 

 相手の中に容易く入り込むものではないからだ。

 

 正直、未知の島等より此方が一番知りたいのだが。

 

 「カロイオザボノホクロ、ナホツモサヨナナホヲコ(ありがとう、助かったよ)」

 

 「これが仕事ですから。」

 

 お嬢様の身支度が整え終わった。

 

 現実味が感じられないような美しさと可憐さ、そして奇妙な怪しさがある。

 

 愛と美の神、ヴィーナスでも素足で逃げ出すほどの美しさだ。

 

 そしてお嬢様は普通の奴らとは違う考え方をする。

 

 ここでも一つ、例え話をしよう。

 

 暴走する電車が二車両ある。

 

 そのどちらか片方の電車を止められるのは自分だけ。

 

 片方の電車に乗っているのは3人。

 

 そしてそしてもう一つの電車の線路先には小さな子供が足を怪我して動けない。

 

 こちらの電車は誰も乗車していない。

 

 このままでは子供は轢き殺される。

 

 しかし、その子供側の電車を止めれば、もう片方の暴走した電車は横転し、中にいる人はほぼ確実に死ぬ。

 

 こんなとき、普通ならどうするか。

 

 おろおろして、結局は判断を怠り、両方が死ぬ。

 

 子供を助けつつ、なんとか電車も止めるなんていう奴もいる。

 

 しかし、お嬢様は違う。

 

 お嬢様は、迷わず乗客のいる電車を止めるだろう。

 

 例え子供が死のうとも。

 

 何故なら効率が高いからだという。

 

 子供一人を助けるより、不特定年齢の3人を助けたほうがいいと判断する。

 

 お嬢様は物事をとても客観的に捕らえる。

 

 だからこそ、迷わず利益が高いほうを選ぶ。

 

 しかも、お嬢様がいうには、電車の乗客も100パーセント死ぬというわけではないと言っていた。

 

 確かにほぼと言っただけで、必ずとは言っていない。

 

 お嬢様はそうやって利益の高いほうを選ぶのだ。

 

 だから、私が時折止めてさしあげないと、近頃みたく無理をしたりするのだ。

 

 世話のやけるお嬢様です。

 

 しかし、その気持ちとは裏腹に、私がお嬢様を見る眼差しはとても優しげな目をしていたという―――――

 

 

 

 *アラバスタ:シキ:昼*

 

 

 

 「ワコノノホマトヨンプゴヨンモトボゾサヨヨンテモキロチモネホキロナホヘノ(やっと半分ほど完成してきたね)」

 

 僕は今もなお、魔法の研究をしていた。

 

 僕の考えていた『魔力消費が少なく、尚且つ効果が高い魔法』というものが半分ほど構築できた。

 

 省燃費混成魔法とでも言おうか。

 

 その究極の魔法構成の最果てが目に見えてきた。

 

 これだけでもやる気は変わってくる。

 

 僕はここアラバスタという名前の砂漠島に来てからずっと研究をしてきた。

 

 それも寝る暇も惜しんで。

 

 寝る時間があったら研究したほうがいい。

 

 そして起きるときはクロが起こしてくれるからいいね。

 

 魔法構成が完成するまではアラバスタに留まっているが、完成したらすぐ航海するつもりだ。

 

 定期的に船をクロに見てもらったりしているが、ホコリが溜まっているか心配だ。

 

 早く完成させないと船に戻った頃には何十年前に乗り捨てられた船なのだという話になってしまいそうだ。

 

 そんな汚い船に乗りたくはないし、また船を創るとなると相当疲労がたまる。

 

 今でさえ疲れているのにそこにまた蓄積されたらたまったもんじゃない。

 

 とにかく丁寧に、かつ迅速に完成させなければならない。

 

 幸い僕たちのようにこの島にくる海賊というものは見たところそれほどいなかった。

 

 僕はなるべく穏やかに過ごしたい。

 

 まぁ興味の湧いたものにはとことん手を出すが。

 

 …………僕も海賊という職に本気になってみようか―――




 途中の効率説明は作者自身あまりよく分かってない状態ですので、あまり突っ込まないであげてください。

 効率のよい方を選ぶとかいいながら、睡眠時間削って朝起きられないのが効率いいのかと言われると、何も言えなくなります。

 ただ、睡眠にはレム睡眠(眠りが浅い)、ノンレム睡眠(眠りが深い)があります。

 人間はノンレム睡眠時に記憶を整理します。

 一般の方は目安として8時間睡眠のうちに4~5回あり、その一回では15分程だそうですが、極稀に2~3時間の睡眠のうちにノンレム睡眠が1~2時間という方がいるそうです。

 精神異常者の方は特にその傾向が強いそうで、シキもその部類にあたります。

 ですので、クロに起こされる時もなかなか起きられないということです。

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