家族(仲間)と自分探しの旅[一時凍結] 作:Eucliwood
反省はしている、だがk(ry
はい、というわけで今回は戦闘話です。
そしてとある島に上陸です。
原作でも登場する島です。
*カームベルト:シキ:朝*
「シキお嬢様、カームベルトに入りました。」
どうやら僕の船はカームベルトに入ったらしい。
さて、海王類とはどういうものなのだろうか。
クロからは海王類を倒すと考えるのは命知らずの馬鹿だろうと言っていた。
僕は馬鹿だというのか。
そうか、そうか、つまりきみはそんなやつ(ry
話を戻そう。
海王類とは所謂怪獣のような生物らしい。
小型のサイズもいれば数百mもの大型や島クラスの大きさのものもいるといわれる。
とてつもなく強い海王類、そんな海王類の巣がカームベルトとされている。
カームベルトは嵐もなく、静寂な海らしい。
そんな海王類ならちょうどいい相手になりそうだ。
クロはもそうだが、僕自身の能力や魔法の力の強さも知りたい。
僕はクロと一緒に甲板に出る。
辺は波の音も聞こえないような静かさになっていた。
「タモネホ、ショクロポゴ バゾンコ、サヨキロコロクロウオキロ(さて、勝負だよ、海王類)」
僕は今の内に魔力を固めておく。
クロも戦闘準備に入っていた。
少しの間、この場に静寂が流れる。
次の瞬間ザバァッ!っと海から噴火したように海水が吹き上がると、出てきたのは牛の白黒の模様とワニが合体したような海王類が出てきた。
他にも、次々と現れ、完全に海王類に囲まれる。
皆大きさは山のように大きかった。
「ハノウオモトボゾ、ソヨエオ ザボ サヨキロコロクロウオキロ サヨ…(なるほど、これが海王類か…)」
僕はクロに合図を送り、まずはクロの強さを測る。
「死走―空間爪―」
クロはその場から猫の手と呼ばれるグローブの指先に、五本の刃が装着されたそれを残像が残るほどの速さで振るう。
すると、クロが狙いを定めた一匹の海王類の目玉の部分、その空間が歪み、海王類の目玉が切り刻まれた。
「ヴゥオオオオオオオオ」
海王類は太い声を上げ、クロの方へ狙いを定める。
攻撃するつもりだ。
クロはそんな海王類に向かって地面を足で蹴る。
普通に蹴るのではない、瞬時にその地面を高速で何度も蹴る。
そうする事で瞬発力が生まれ、一瞬で海王類の目の前まで移動する。
「死走―懺滅掌―」
クロは猫の手を顔の前で合わせ、ゆっくりと開いた。
すると、海王類の頭部が切り刻まれ、太い声を上げる暇もなくそのまま海に沈んだ。
海王類一匹にこの時間か。
期待以上の成果が出てるようでよかった。
僕はクロに下がってていいと伝え、今度は僕が前に出る。
先ほどの戦闘で全ての海王類がやる気になっているようだ。
いいだろう、僕を楽しませてみろ。
僕はずっと固めていた魔力を解放する。
「ワコリソンコ、ソヨソヨ ウン ノホソヨワコリソ メト サヨケロテモ(闇よ、此処を常闇へ還せ)」
詠唱すると、辺り一面に暗黒が広がった。
その暗黒は海王類だけでなく、海も一緒に飲み込んだ。
そして、その闇は収縮していった。
後に残ったのは僕たちと船だけ。
先程までいた海王類は一匹残らず闇の餌食になった。
これほどまでに強力だとは思わなかった。
だが、燃費が悪いな。
先程の魔法で魔力の半分が持って行かれた。
闇魔法は強いが、その分消費も大き過ぎる。
使いどころは気を付けないといけない。
「流石です、シキお嬢様。」
クロも流石だ。
僕はクロにご苦労と伝えて、船内に戻った。
この船には僕の魔力シールドが張られており、海王類が攻撃しても壊れないような強度にしてあるから心配しなくてもいい。
あとはこのまま進むだけ。
クロもこれなら十分グランドラインでも通用するだろう。
だが鍛錬はさせる。
油断は禁物だ。
僕の実力も知れた。
廃スペチートな力をもっていると分かったから満足だ。
おとなしく部屋で能力を鍛えたり、新しい魔法を考えておこう。
ほのぼのと生きていこうと思っていたが、これから先、どうやら血なまぐさい事が多くなりそうだから攻撃魔法も考えておこう。
グランドライン……楽しみだ―――――
*船:クロ:夜*
俺はシキお嬢様にいわれていた鍛錬を終え、甲板で休憩をしていた。
シキお嬢様はとてもお強い。
孤高にして最強の存在だと俺は考えている。
シキお嬢様の反応からして恐らく悪魔の実を食べていないのだろう。
あの能力はシキお嬢様が元々もっていたものだろう。
あれほどの強大な力を見事にコントロールしているシキお嬢様には恐れ入る。
俺もシキお嬢様と初めて会った頃は「なんだこのガキは」と思っていた。
だが、俺はあの気高き、誰にも左右されない自分だけの意思をもった心に惹かれた。
十歳程の少女とは思えない。
本当に、あのお方は何者なのだろうか。
いや、シキお嬢様はシキお嬢様だ。
俺が考えてもしょうがない。
シキお嬢様のおかげで力も付いた。
当初の俺とは比べ物にならないほど強くなっている。
今では海王類でさえ倒せる程の力を手に入れた。
全てはシキお嬢様のおかげ。
俺はシキお嬢様に全てを差し出すつもりだ。
シキお嬢様のためならばどんな事でもやり遂げてみせる。
あのお方のためならば…………
絵画から飛び出してきたかのような美しく、それでいて妖艶な容姿。
誰も寄せ付けない、しかし、誰もが魅せられる心。
俺のつかえているお嬢様は最も偉大なお方だ。
強大な力を手にしても決して慢心しない、力に飲み込まれない強さ。
俺は少しでもあのお方に近づきたいと鍛錬に精を出している。
「さて、……はじめるか。」
シキお嬢様は、このクロが必ずお守り致します―――――
*船:シキ:昼*
そろそろカームベルトを横断できる頃だろう。
僕は甲板に出る。
海王類が数匹船を攻撃…いや、飲み込もうとしているが、僕のシールドに阻まれ、ただ口を開くだけの絵面になっている。
知能はあまり高くはないようだ。
でかいのは図体だけか。
僕はクロを呼び、そろそろカームベルトを超えられると伝え、ウォーターセブンで色々買い物をするための準備をさせる。
最初は行けないかと思ったが……海王類の巣・カームベルトを横断できたから、ウォーターセブンへ行く事ができた。
途中で無理そうなら進路変更してレッドラインの方へ向かおうと思ったが。
どうやらその必要はないようだ。
改めて辺りを見回す。
海の波が心地よい音を出す。
潮風が吹き、空にはカモメが飛んでいた。
どうやらカームベルトを通り越したらしい。
「モトヨンアオキロ ホンノ ロソスヨネホシヨニホ ヒノ キロソヨクロサヨ(本来の目的地に行こうか)」
僕は日傘を手に取り、椅子に座って景色を楽しむ事にした―――――
*船:シキ:夕方*
空がオレンジ色になってきた。
逢魔が時か。
黄昏時ともいうかな。
久しぶりに見た気がする。
こういう景色も好きかな。
僕はゆったりと変わりゆく景色を楽しんでいた。
「シキお嬢様、近くに島が見えますが、一度あちらによりますか?」
クロが僕の傍に来て提案した。
そうだな、寄り道も楽しそうだ。
「トモクロツモウオンコ(そうするよ)」
僕はそう言うと、クロは「かしこまりました。」といって船の舵をとりにいった。
クロは最近僕のこの意味不明な言葉を理解し始めた。
どうやったのか聞くと、どうやら法則性があるらしい。
それを分析して理解したクロを僕は普通に凄いと褒める。
僕自身は全くと言ってわからないのだから。
暫く景色を眺めながら紅茶を飲んでいると、だんだん辺りも暗くなってきた。
船の前を見るといつの間にか島があった。
見たところ砂漠が多い島だ。
人がいればいいのだが。
「シキお嬢様、島に到着します。」
今度はいつの間にかクロが隣にいた。
……最近警戒心が薄れてきているのか?
もっと緊張感を持つべきか?
「コロイオンコクロサヨ(降りようか)」
僕がそういうとクロは荷物を持った。
僕も日傘を広げて、島に降り立つ。
さて、ここから歩いて、人をみつけようか。
僕とクロはその砂漠の島を歩いて人のいる場所を目指した―――――
どうでしたか? 今回はシキが己の力がどれほどのものかを試すためにカームベルトに我が物顔で侵入して海王類をフルボッコにするというものでしたね。
人間に例えると激ヤバ幼女がヤクザの拠点に乗り込んでフルボッコにしてる感じですかね。
シキは考え方が一般人とは違います。
精神異常者のような思考回路をしていますが、ここで疑問です。
精神異常者ってなんでしょうね? 私は我々一般人が異常者で、あの方々が正常者に見えます。
ただ私たちのように物事を一方向からではなく、客観的に見るだけだと思いますね。