GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の更新で取り合えず戦闘回は終わりの予定にしています。この後は出来たらギャグをメインに考えて行きたいですね。GSは戦闘よりもギャグが輝くと思うので、それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします

PS

それと今後GSで出す予定のキャラを活動報告に上げています
こういうキャラも出して欲しいと言うのがありましたら、活動報告かメッセージでよろしくお願いします

出せるかは判りませんが、前向きに検討したいと思うので



その3

リポート3 GSのアルバイトを始めよう! その3

 

アシュ様の城で身体を休めて、復帰してすぐにアシュ様の所に行けば……まさかの強制転移

 

(はぁーどういうことなんだろうね)

 

別にその指示に逆らう気は無いんだけど、いきなりだとさすがに驚く。それにアシュ様の所に来たのは

 

(自分の物じゃない記憶の事を聞きたかっただけどねえ)

 

寝ている間に見ていた夢はそのまま私の頭の中に残っている。だけどおきた事が理由なのか?それとも世界の修正力なのか?あれだけ鮮明だった記憶は、一気に劣化して所々穴抜けになってしまった

 

(……どういうことなんだろうねえ)

 

その記憶は今よりも先の記憶。それが如何して私の夢として現れたのか?その理由が判らない……しかしそれにしても

 

(あの男の名前が気になるねえ)

 

バンダナを巻いた男。2枚目と言うか、3枚目ですらとてもじゃないが英雄としての器ではない。それなのに色々な出来事の中心人物

 

(あー気になる!あの男が気になってしょうがない!!!)

 

転移の中で髪をかき毟る。この魔族メドーサ様がただの人間をここまで気にするなんて……こんなことはありえない。人間なんて取るに足りない存在のはずなのに……

 

(これが終わったら本格的に探してみようかねえ)

 

会いたいとおもう。メドーサ様がただの人間に?そんなことはありえない、だけど私の穴抜けの記憶の中には

 

何度も何度もあの男に邪魔をされた記憶があり

 

そして自分が若返る為の苗床にしたが、男はそれを回避した。この時に私はその男の霊気の1部を引き継いだ

 

そして私を1度倒した。最初は取るに取らないと思った人間の小僧が

 

ここで1度記憶は完全に穴抜けになり何も判らなくなる。なにか見たような記憶もあるが、思い出せない

 

何故か生き返った私は、魔族からも神族からも追われ行き場のない私……そしてこんな私の手を掴んだのは能天気に笑う男

 

そして私は見たことも無い魔族と人間の娘と行動を共にして、陰からその男を見守っていた

 

(あーなんなんだろうねえ……)

 

憎いと思う気持ちもある、しかし愛おしいという気持ちもある、そして自分ではと言う劣等感もある。自分でもどうしようもない複雑な感情に頭を抱えながら転移した先は

 

「ビル?しかしずいぶんと派手に霊力を使ってるねぇ」

 

隠遁術を使いこっそりとビルの中に入る。中から感じるのは魔力と霊力

 

(下位の魔族か?となれば私を送り込んだ理由も納得だね)

 

今下手に暴れると神族にばれる可能性がある。それを考慮しての事だろう、それに警戒するべき人間と言うのも納得で中々の霊力の持ち主が2人いるのだが

 

(ずいぶんとへっぽこが混じってるねぇ)

 

殆どないような霊力とそれと一緒にいる妖怪の気配。人間と行動する妖怪なんて相当の変わり者だねと呟きながら、階段を上り3階へと足を踏み入れた私が見たのは

 

「死ぬーッ!しんでまうううううう!!!」

 

「コーンッ!!!」

 

バンダナを巻いた少年とその頭の上の尾が3本ある妖狐が涙を流しながら目の前を駆け抜けていく。そしてその後ろを

 

【ウヴォアアアアアアッ!!】

 

レギオンが魔力刃を展開しながら追いかけていく。そして更に

 

「美神さん!私の横島になにするんですか!許しませんよ!」

 

「しょうがないじゃない!私の顔を切られそうだったんだから!!」

 

短い黒髪の少女と亜麻色の髪の女が喧嘩しながら駆け抜けていく。そのあんまりな光景に

 

「はっ?」

 

思わずマヌケな声を出してしまう。しかしそのマヌケな声の原因が今のやり取りではなく

 

(あいつら知ってる。私は知っている)

 

夢で見た人間達に良く似ている。穴抜けの記憶なので顔はうろ覚えだが、間違いないと断言できる。しかし私が注目したのは

 

(見つけた!あいつだ!)

 

夢の中で私に手を伸ばした男。私はその男の後を追って姿を消したまま移動するのだった、なおメドーサが横島を追いかけ始めた頃

 

「!!!なんでしょう?今の嫌な気配は?」

 

妙神山の小竜姫は何かを感じ取って首を傾げていたりするのだが、それが何なのか?を知るのは随分先の出来事になるのだった……

 

 

 

レギオンに追いかけられて必死に逃げていく横島を追いかけているのだが

 

(中々距離が縮まらない!)

 

元々横島の運動神経は悪くない。むしろ良い部類だ、そして横島の痛いことを嫌がる性格とあの超人的の反応速度が組み合わさると

 

「どひゃー!?」

 

【グガアアア!?】

 

上体をほぼ90度そらしてレギオンの刃をかわし

 

「どっひゃあああ!?」

 

何か足をもつれさせてた勢いで顔面から廊下に倒れかけた勢いで攻撃を更に回避し、バランスを崩したレギオンから更に逃げる

 

「横島君。信じられない運動神経ね」

 

美神さんもさすがに信じられないという感じで呟く。タマモの嗅覚と視覚で常人よりも視界が広いとはいえこの回避は既に常人の動きではない。だが

 

「感心してる場合じゃないですよ!早く横島と合流しないと!」

 

レギオンの後ろを追いかけながら走る。今の横島は集中が全然出来てない、あの状態では破魔札を使うことなんて不可能だ

 

「判ってるんだけど早すぎるのよ!」

 

美神さんの言うことも最もだ。レギオンは私と美神さんには目も向けず横島を追いかけている。それは手ごろでしかもある程度の霊能力を持っていると言う事で取り込むのに適した存在だと判断したからだろう

 

(魔力を使えば追いつけるけど、使うわけには)

 

まだ魔力を使うには時期が早過ぎる。だけど今のままでは追いつけない、私が焦り始めたころ

 

「コーーーンッ!!!!!」

 

一際大きいタマモの鳴声と同時に青い炎がレギオンを襲う。それは普通の雑霊ならまとめて倒せるだけの出力の狐火だった、だがレギオンにはあまり効果が薄いようで倒すまでには至ってないが

 

【ギギャアアアア!?】

 

炎に加えて何かの幻術も併用しているのか、レギオンは苦悶の声を上げて暴れているが

 

(あんな霊力を使ったらどうなるか判らないわけじゃないでしょうに)

 

今のタマモは人化する霊力もなく、基本的に横島の頭の上で眠り。横島の潜在霊力と周囲の霊気を吸って体力を回復させているのに。その状態であれだけの攻撃をするのは正直自殺行為だ。それでも横島を護るために……

 

(あーっもう!ますます邪険に出来なくなるじゃない!)

 

別にタマモは嫌っているわけではない。そりゃ確かに私から横島を取ろうと考えている所は嫌だけど、魔族でもある私にとっては別に一夫多妻と言うのは別に嫌悪する事じゃないし。それにそもそも

 

(私4分の1くらいは横島の血引いてるしねえ)

 

逆行した際にルシオラと横島蛍が混ざり合い。全く別の存在になっているし……まぁそんなに気にしない。自分が第一婦人にしてくれるのなら大丈夫。まぁ絶対嫉妬とかすると思うけどね!

 

「美神さん!蛍!早く1階へ!!」

 

ダウンしたタマモを抱えて走ってきた横島はそのまま私と美神さんの横を通り。ある場所の前に立つ

 

「ちょっと!?本当にそこなの!?」

 

美神さんが怒鳴るのも無理はない。そこは窓ガラスの前だからだ、飛び降りて無事で入れる高さではない。それにタマモがダウンしてるから横島の感のはずだ。

 

「ここっす!絶対に!」

 

横島がそう断言して窓の外に飛び出す。私もそれに続いて

 

「先に行きます!」

 

美神さんにそう叫んでから窓の外に飛び出す。私は何があっても横島を信じると決めてるんだから

 

「ええ!?嘘……大丈夫なの!?もう!!何かあったらひどいわよ!」

 

そして後ろから聞こえてくる美神さんの声。少しの浮遊感の後両足が地面につく感触がする

 

「良かった。あれ?横島は?」

 

先に飛び降りたはずの横島の姿がない。少し辺りを見ると下のほうから

 

「み、水玉」

 

「え?」

 

いや、確かに今日は白と水色の水玉模様だけど……下を見ると横島がその目を充血させて私の足元にいて

 

「ッきゃあ!?」

 

スカートを両手で押さえて後ずさる。べ、別に見られても良いんだけど、あまりに色気が無いわけで、どうせ見せるならもっと派手な……って私は何を考えているのよ、そう言うのはもっと段階を踏んでからで……怒ればいいのか、喜べばいいのか判らず沈黙していると

 

「よっ「フギャあああああ」あ、あら?」

 

美神さんが降りてきて、横島の鳩尾を踏み抜いて昏倒させる……美神さんは

 

「ふ、不慮の事故よね?」

 

でっかい汗をかきながら私を見てそう尋ねる。ふ、不慮の事故。そ、そうよ!横島が私の下着を見たのも不慮の事故!気にする事じゃないんだわ!

 

「え、ええ」

 

これは不慮の事故。故意じゃないから……と話しつつ、横島を抱えてビルの外に出ようとしたのだが

 

「結界!?こんなのまで使えるの!?」

 

ビルの出入り口は結界で封じられていて脱出できない。そして

 

【グルオアアアア】

 

雄叫びと共にレギオンが姿を見せる。どうもここでやるしかないみたいね……横島とタマモを瓦礫の陰に横にして結界を張り。それと同時にサイキックソーサーを両手に展開する。霊力と魔力に制限を掛けてるけど、まぁそれなりには決まるはず

 

「これ後で絶対。請求してやる」

 

美神さんが胸の間に手を突っ込み。そこから何かを取り出して投げ渡してくる

 

「使いかた判るでしょ?持ってなさい」

 

渡されたのは高純度の精霊石が2つ。それも0が9はつくレベルの代物だ。だけど目の前のレギオンを考えるとこれでも行けるかどうか。もうこれも全部何もかもお父さんのせいねと心の中で呟くと同時に

 

【グルオオオオッ!!!】

 

「来るわよ!気をつけて!」

 

「はい!」

 

私と美神さんのタッグ対レギオンの戦いが幕を開けるのだった……

 

 

 

美神と蛍は気付かなかったが、横島が寝ている瓦礫のそばには隠遁術で完全に気配を隠したメドーサがいた

 

(ふーん……随分とマヌケ面だねえ)

 

記憶の中ではもっと凛々しい顔をしていたと思うんだけど……

 

(人間だから違うのかねえ)

 

成長の遅い神族や魔族と違って人間は成長が早い。もしかするとそのせいかもしれないねと思いながら、瓦礫に腰掛け脚を組む

 

「このおっ!!!」

 

気配を殺してついてきていたから判るけど、あの黒髪の女は蛍と言うらしい、その隣で霊力の篭った棒でレギオンと応戦している女は美神。そして私の足元で寝ているのは横島で、抱えているのはタマモと言うらしい

 

(こいつは九尾の狐じゃないのかい?)

 

大分前に中国で見たような気がする。私は名前こそはメドーサだけど、中華系の系統を汲んでいるから実は数回あって話したこともある

 

(なんともまぁ……凄い?やつなのか?)

 

九尾の狐が懐くというのは正直信じられない。狐のときは更に人間の悪意に敏感になるというのに……タマモは横島を護った。それだけ善良な人間と言うことなのかもしれないねと思いながら戦いに視線を戻す

 

(押されてるね。ありゃ並のレギオンじゃないよ)

 

かなり上等な魔力を核にしている。これはそう簡単に倒せる相手じゃない、無論ちゃんと装備が整っていれば勝てる相手だけど

 

「行けッ!」

 

見たところ美神の装備は神通棍とか言う人間の使う武器と精霊石。多分破魔札も持っているだろう。だけどあれだけの再生能力を持つレギオン相手では分が悪い。蛍のほうは

 

「脆いくせに硬いわね」

 

霊力を板状にして投げることと霊波砲を武器にしているようだけど、決め手に欠いている……ダメージよりもレギオンの再生能力の方が上だからだ

 

(これを態々偵察させた理由が判らないね)

 

別にそこまで危惧する事は無いんじゃないだろうか?それに私は知りたかったバンダナの男の名前も判ったし、あの2人が死んだら横島は連れて帰ってもいいかもしれない。仕込めば強くなりそうだし……ねえ?並の人間では見抜くことが出来ないが、横島の中にはかなりの潜在霊力が眠っている。これを鍛えるのも面白いかもしれない

 

「くっ!?」

 

そんな事を考えていると美神がレギオンに殴られ体勢を崩す。その勢いか、50万と書かれた破魔札が横島のほうに飛んでくる

 

(この程度じゃ駄目だろうねえ。あのレギオンには)

 

普通のレギオンならこれでも充分だろうけど、まぁ相手が悪かったってことでこれで監視も終わりか?と思い立ちあがろうとすると、私の視界を隠すように横島が立ち上がり自身の足元に落ちていた50万の破魔札を掴む。

 

(無駄なのにねえ)

 

どうせ効かないのにと思いながらも横島が如何するのか気になり見ていると

 

「……」

 

目を閉じて意識を集中している横島の手の中の破魔札の中の霊力が増していく。おかしい普通破魔札と言うのは込められた霊力以上の力は使えない筈だけど……それに

 

(こ、これは!?)

 

発動することも無く、レギオンに引き裂かれた破魔札と横島の手の中の破魔札が共鳴し、更に霊力を引き上げる

 

「!?美神さん!離れて!」

 

蛍が美神を連れて飛びのいたのと同時に横島の手の中から破魔札が放たれ、レギオンに張り付く。それと同時に地面に落ちていた破魔札の破片も浮かび上がりレギオンの身体を覆う。そして横島は指で印を組み

 

「■」

 

何事か呟くと強烈なまでの霊力が炸裂しあのレギオンを跡形もなく消し飛ばした。これは間違いない、陰陽術だ。しかもかなり高位の……

 

ぐら……

 

糸の切れた人形のように倒れこむ横島を見て、アシュ様が警戒しろと言った言葉の意味を理解した私は

 

(こいつはとんでもない大物に育つかもしれないね)

 

とりあえず報告が優先だ。私はそう判断し、隠遁術を維持したまま廃ビルを後にしたのだった……

 

 

「い、今のはなに?」

 

見たところ破魔札を起点にした高位の陰陽術のように見えた。しかも現代には伝わってないほどのレベルの代物だ。それを素人のはずの横島君が使ったという事実に驚いていると、横島君の隣にしゃがみ込んでいた芦さんが脈を図りながら

 

「……美神さん。横島……意識無いです。しかもかなり前から」

 

つまり今のは横島君の意思ではない。もしかすると祖先の中に陰陽師かそれに属する人間がいたのかもしれない。生命の危機を感じて咄嗟に使ってしまったと考えていいと思う

 

(これはとんでもない拾い物ね)

 

幻術を見破る能力と幻術そして狐火を使えるタマモ

 

ある程度GSとして完成している芦蛍

 

まだ霊能力には目覚めてないけど、大化けするかもしれない横島忠夫。これだけの逸材を逃すわけには行かない!

 

「いいわ!決めた!2人とも雇うわ!詳しくは事務所に帰って、ううん。明日!明日話し合いましょう!ほら行くわよ!」

 

とりあえず今は話している元気もないし、早く休みたい。私はそう思いながらコブラに横島君と蛍さんを乗せて私は廃ビルを後にしたのだが

 

(ああ……出費が……これはたっぷり違約金を貰わないとね♪)

 

強力なレギオンだった。BランクのGSが何十人も束になって戦うレベルの悪霊だった。これは2億くらい貰わないと割に合わない。普段ならこのまま飲みに行くところだが、除霊の報酬に磨けば光るダイヤモンドの原石を2つも拾った私は珍しく鼻歌を歌いながらハンドルを切るのだった……これだけ優秀なGSの卵をむざむざ手放してなるもんですか!

 

(また会えた。1000年待った甲斐があった)

 

「ん?芦さん何か言った?」

 

「いえ?なにも?」

 

おかしいわね?いま確かに誰かの声がしたような気がしたんだけど?疲れているのかな?私は多分疲労のせいだと判断して

 

「少し飛ばすわよ」

 

「え?ま、待って!?」

 

横島君を抱えなおす芦さんを確認してからコブラのギアをトップに入れたのだった……これなら5分くらいで帰れるわね。日付が変わる前に事務所に戻って報告書を仕上げて

 

「今日は泊まって行っちゃいなさいよ。そのほうが話も早いわ」

 

「ひいいいい!?」

 

加速のせいで返事を返すことの出来ない芦さんに苦笑しながら、私は事務所への道を高速で走り抜けて行くのだった……

 

 

リポート3 GSのアルバイトを始めよう! その4へ続く

 

 




横島(?)の活躍でレギオン消滅。もうどういうことかGS美神を知っている人は判ると思いますけどね。次回はメドーサとかアシュ様の視点もいれて書いてみようと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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