相良良晴無双   作:空気破壊者

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注:原作崩壊でも構わない、キャラ崩壊しても構わない
  良晴が無双しちゃっても構わない




1戦目

相良良晴、17歳 高校二年生。ある一、二点を除けばごく一般的な普通の青年である。

そんな彼は現在戦国時代と思われる合戦場のど真ん中を走っていた。

 

「いや、どういうことだ?オイ!お前らやめろ!!」

 

いきなり戦場に現れた学生服姿を見れば「敵だ!!」と思うのは仕方のないことだろう。

仮に学生服を脱いだとしても彼をただの農民とは誰も思いはしない。

 

 

 

彼の身長は195cm、体重95kg、筋骨隆々のガタイの良い男だ。

21世紀の日本でも高身長に入る、ましてや低身長が当たり前である戦国時代ではほぼ見かけることがない。

故に足軽達からしてみれば「名のある武将に違いない!!討ち取るみゃあ!!」という訳である。

 

 

 

「やめ、やめろ……やめろっていってるだろっ!!」

 

左右から襲って来る敵の攻撃を避け続ける……のではなく、最初は避けていたが、だんだんイライラしはじめ突いてきた相手の槍の柄を持ち持っていた人間ごと振り回し始めた。

 

 

 

彼のもう一つの異常な点は人並み外れた身体能力、運動能力である。

彼が通っていた高校では男子運動部の誰もが『土下座してでも入部してもらいたい男№1』の異名を取る程の運動能力だ。

実際にいくつもの運動部が彼に土下座をして入部を勧めた、が入部は絶対にしなかった。

その理由は後日語るとしよう。

 

 

 

「ひぃっ、化物みゃあ!!」

 

(持っている人間ごと)槍を振り回す姿を見て、足軽たちは蜘蛛の子を散らすように離れていった。

その隙に良晴は再び丘の斜面を駆け上った。

走りながら、良晴は「これは夢だ」と考えていた。

夢だ、夢だ、夢だ……いつも通り授業を終えて家に帰り、筋トレをして、プロテイン飲んで、自分の部屋で『織田信長公の野望』をプレイして…自分でも気づかないうちに寝ていたんだ。

だから先ほどの様に簡単に足軽達をあしらっていたんだ。そうに違いない。

だが夢の中でも恐怖を感じるらしく、逃げているんだ。

 

「よし!あとちょっとで林の中に隠れることができるぜ!」

 

と、安堵した瞬間、突如ひゅんっという音が聞こえた。

 

「……はっ?」

 

マヌケにも聞こえるそんな一言を言ったがそんな事はどうでもいい。

林の中から放たれた矢が良晴の腕を掠めた。

痛い、血が流れている、痛い、痛い、痛い―――。

もしかして、これは夢じゃなくて現実?と考えていたがそう考えるのも中断しなければいけない事態になった。

眼前に現れたのは放たれた矢。五本、十本、二十本。

鏃は金属製で、胸に刺さったら即死モノである。

こんな命の危機は生涯初めてかもしれない。

もう夢ではない、そう思った時には既に体が動いていた。

 

 

 

一本目の矢。右腕を後ろに下げて避ける。

二本目の矢。左足を上げて足元に矢が刺さる

三、四本目の矢。頭を左に曲げて矢を避ける。

五本目の矢。見当違いの場所に飛んでいく。

六本目の矢。そのまま地面に寝転び足元の矢も抜く。

七本目以降の矢。地面をゴロゴロと転がり避ける。

 

 

 

一瞬の出来事に弓兵たちは目を奪われていた。

一方、良晴は人間の限界を超えた反応スピードを見せたせいで体中のあちこちの部分が悲鳴を上げていた。

林に行けば射殺される、そう思った良晴は丘の中途をUターン。

うおおおおおおおああああー、と言葉にならない叫び声をあげながら今度は東に広がる川岸へと駆け下りていく。

甲冑や兜を身にまとっていた足軽たちよりも、何も身につけてなく、身軽な良晴には追いつけない。

 

「おい!お前!首置いてけみゃあ!!大将首だろ!!」

 

「だからっ!俺は敵でも大将首でもないって!!」

 

この川さえ超えてしまえば、戦場からは離脱できるはず―――。

筋肉を付けすぎた体の為、浮かぶことができない良晴にとっては川が浅瀬なのが唯一の救いだった(といっても普通の足軽ならば胸まで浸かるほどの深さだった)。

 

 

 

 

 

難なく川を渡りきり、向こう岸へとたどり着いた。

ここまでくれば足軽たちは追ってはこないだろうと、ホッと一息ついた。

だが、そこは戦場の外ではなく身分の高い武将たちが集結する本陣だった。

帳の下、椅子に優雅に腰を掛けている大将と出会ってしまった。

旗印は、○の中に二本線。かの有名な駿河の大大名、今川義元の旗印だ。

 

「ま、まさか…今川義元の本陣に入っちまったのか?」

 

だが、すぐに間違いを見つけた。女の子だ。

大将である今川義元が座るはずの椅子にはなぜか美少女が座っている。

 

「あら?誰ですのあなた?」

 

今川義元の娘だろうか?いや、戦場に娘を連れてくる馬鹿はいないだろう。というよりも本当に娘なのだろうか?

 

「あ…ああ、用は特には無いんだけど……」

 

と立ち上がった時、今川義元の娘(?)が悲鳴を上げた。

 

「うおっ、どうしたんだ一体」

 

「巨大な背丈!その歪な体!!汚らわしいですわっ!まるで絵巻物に現れる鬼ですわっ!!」

 

「汚らわしいって…確かに人よりも体はでかいけれども…」

 

「お黙りなさいっ!わらわは由緒正しき今川家の大大名、今川義元!!お前みたいなあやしげな者は成敗しますわっ!」

 

良晴の思考が一時停止した。…今なんて言った?今川義元?

 

「……本当に今川義元!?」

 

「呼び捨てしないでくださいましっ!元康さん、やっておしまいっ!」

 

「ひぃぃ、鬼退治なんて無理ですよ~」

 

ぶるぶると震えながらも日本刀を抜刀した小柄なメガネっ子の女武将が今川義元の傍に駆けつけてきた。

良晴は頭を抱えた。また女の子。しかも元康ときた。

 

「もしかして、松平元康…とかじゃないよな?」

 

「はいぃぃ、そ、そのとおりです~」

 

松平元康、後の世に徳川家康という名を轟かす日本三大武将。だが女の子だ。

 

「女の子に飢えてるからもしかしたら目に見える男がみんな可愛い女の子に見えるのか?いやそれだったら足軽たちも…」

 

「な、なんかブツブツ言ってます~怖いです~」

 

「いいからやっておしまいなさいっ!」

 

良晴が思考の海に沈んでいる時、元康が抜身の刀で良晴の胴体めがけて振り下ろした。

 

「んっ?うおっとぉ!?」

 

「お、大人しく退治されちゃってくださ~い」

 

「いやっ!俺は鬼じゃないからっ!!」

 

「そ、そうなんですか~?でも義元さまのご命令は絶対ですので~」

 

「やめっ、おわっ!?」

 

良晴は元康の一閃一閃をを躱しながら思考を巡らせていた。

生きる為ならある程度の暴力も必要だという事は分かっている、しかし女の子を傷つける事だけは避けたい。

そう考えているうちに本日二度目の奇跡が起こった。

元康が振り下ろした刀を片手真剣白刃取りで受け止めた。

 

「き、奇跡体験アンビリィバボォー……」

 

冗談をいっているが、内心で悲鳴をあげる良晴。

元康が油断している隙に空いている片手で元康の手首を掴み、刀を取り上げた。

 

「と、とりあえず落ち着いて…ね?」

 

良晴は元康を捕まえて声をかけるが元康は混乱していて話を聞かなかった。

そのとき、良晴の目の前に小柄な足軽が現れた。

 

 

 

 

「その子を離してやってくれみゃあ!」

 

 


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