ソードアート・オンライン00-A wakening of the Trailblazer- 作:〜レオス〜
まず謝罪させてください
今までサボっててすみませんでしたああああああああ!
これからは月1くらいで投稿できるように頑張ります!!
ホントに久々の投稿すぎてキャラもおかしくなってるかもですがどうか暖かい目で見守ってください。
ロックオンside
「……ふぅ」
俺は細く長く、息を吸い込んだ。仮想の肺を満たした冷たい空気を同じだけ時間をかけて吐き出す。
そしてスコープを覗き込む。視界中央では1人のプレイヤーが身を屈め、茂みの中をじわじわと移動していた。両手で抱えているのはコンパクトな短機関銃、サイドアームの類は見当たらない…その代わりに全身がやけにゴツゴツとしてやがる……
加えて対光学銃防護フィールドと高性能な対実弾銃複合アーマー……おそらく武器重量のそれを装備につぎ込んでいるんだろう……しかもご丁寧に頭までフェイスガードつきの分厚いヘルメット……
「これはどうしたもんかねぇ……」
立て続けに同じ場所に当てればいけるか?いや、相手も素人じゃない……すぐに遮蔽物に隠れてしばらく出てこないだろう……
「ダメだなこりゃ、諦めるか」
とスコープから眼を外そうとしたところでそいつの右腰にぶら下がるものに気付いた。
……あれはプラズマグレネードか!
俺はすかさず照準をそいつの背中辺りから右下に動かし、ゆらゆらと揺れて俺を誘ってる金属球に照準を合わせた。
「さて……じゃあ、狙い撃つぜ!」
予測円が凝集してピンポイントの光点となったその時、トリガーを絞る。
全身を叩く衝撃とマズルフラッシュによって一瞬司会が白く染まった。だがそれはすぐに回復し、色彩を取り戻したスコープの中でそいつのグレネードのひとつがパッと弾けるのを確認した。
「まぁこんなもんかね」
スコープから眼を外し、自分の相棒を担ぎ歩き出す。それとほぼ同時に俺の後ろで遠雷のような爆発音がした。
「まず1人目、このペースでどんどんといかせてもらいますかね」
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シノンside
本戦が始まりすでに30分くらい過ぎていた。私は木の根本で15分ごとに衛星から送信される各プレイヤーの位置情報を確認する。
自分の周囲1km圏内に存在する光点は3つ。それらを指でタッチして名前を確認した。
その時上空の監視衛生が飛び去ったらしく、端末のマップに表示される光点がてんめつしはじめた。あと少しで位置情報がリセットされる。
私は急いでそれらの点をタッチしていたが指が止まる。ある名前を必死に探していたことに気づいたからだ。
……知るか、あんなやつ…
そして光点が消えたのを確認してその場を離れる。
私が向かったのは川や橋を一望出来る丘の上だった。先程マップを確認した際に、私の感が正しければここを2人のプレイヤーが通るはず。
と思ったその時、木の影から一直線に飛び出す人影が目に入る。
ーーーよし、狙い通り…!
その男、ダインは自分の来た方向へ銃口を向け伏した。
「……どんな時も後ろに注意よ、ダイン君」
レティクルの交点に無骨な横顔を捉えて呟く。
……ここはペイルライダーとの対決を待たずに撃ってしまってもいいのではないか…中継で見てるギャラリーには悪いけど、ね。
私はへカートのトリガーにそっと指を添えた、その瞬間。
私の顔の真横を弾丸が通過する。
そこでようやく自分の後ろに人が存在していることに気付く。でも誰もいるはずがない…数分前にサテライトスキャンをチェックしたときは立てこもりの獅子王リッチーだけだったはず……まさかアイツが山の山頂から降りてくるわけがない…しかも重機関銃を抱えた敵の足音に私が気付かないわけがない……
ーーー誰がーーー
圧倒的な驚愕と疑問を抱えながらそっとサイドアームのMP7に手を伸ばす。
その時私の顔の横を眩い光が通る。
「動くな」
「っ……!?」
私はその声のしたほうへ両目を向けた。
首筋まで伸びているボサボサの髪、今にもこの夕暮れの闇にも紛れてしまいそうな浅黒い肌。そして猫、いや虎や獅子のような鋭い瞳。
仇敵セツナ。そんな彼が私に半ば伸し掛るのうに左手に光剣、右手にファイブセブンを握り構えていた。
それを認識した途端、いくつかの感情が複合した炎がぱあっと弾けるを感じた。私はその時眼前の銃口を忘れて意識せず獰猛に歯を剥き出して左手にMP7をのり、セツナに向け斉射しようとする。
「待て、俺に提案がある」
それをセツナが冷静な声で囁き、指にかかった重さをギリギリのところで止めさせた。
「何を今更ッ……!」
私は小さく、だが燃え上がる殺意を込めて言い返す。
「この状況で提案も妥協も有り得ない!どちらかが死ぬ、それだけよ!」
「お前を殺そうと思えば俺はいつでも斬れたし撃てた」
セツナの言葉は静かに、だが何か焦っていると感じた私は思わず口をつぐむ。
「ここで派手に撃ち合い銃声を向こうに聴かれたくない」
セツナの視線が一瞬私の後ろ、今まさにもうひとつの遭遇戦が発生しようとしている鉄橋に向けられる。
「……?どういう意味……」
「あの橋で起きている戦闘を最後まで観たい。それだけだ」
「…観て、それからどうするの?あらためて撃ち合うなんて間抜けなこと言わないでよね」
「状況にもよるが俺はここから即離れるつもりだ、お前を攻撃はしない」
「私が後ろから狙撃するかもよ?」
「それならば仕方が無い、もう時間が無い!諒解してくれ頼む」
セツナは気が気でないように再び鉄橋のほうを見る。そしてセツナは右手のファイブセブンを降ろす。サブマシンガンを眉間に擬せられたまま。
「……仕切り直せば今度はちゃんと戦ってくれる?」
「もちろんだ」
頷くセツナを半秒ほどじっと凝視してから私は短機関銃を下ろす。
こちらのことなど二の次と言わんばからりのここ男の態度にムカつくやら呆れるやら……そもそもコイツはどこから現れたのか、ほんの数分前にサテライトスキャンを確認した時は周囲1キロにはこの男はいなかった。
しかし私はそれらの疑問を飲み込んで再び両腕でへカートを抱えスコープを覗き込む。
「……あんたがそうまでして観たがってきる戦闘、このままじゃ起きないかもよ。ダインもいつまでも寝っ転がっていないだろうし。もしあいつが立ち上がって移動しようとしたら私もその前に撃つからね」
「その時はそうしてくれ……、いや待て」
応じたセツナの声が鋭く緊張きた。私は反射的にスコープから目を外し、肉眼で鉄橋全体を捉える。向こう岸、深い森の底に伸びる細道の奥から、ゆらりと1人のプレイヤーが姿を表したところだった。
そう、そのプレイヤーこそペイルライダーであった。
橋の反対で伏せるダインが両肩を緊張させるを
対照的にペイルライダーの立ち姿には力みがほとんど感じられない。
「……あいつ強い…」
そしてペイルライダーは全身を無防備に晒したまま、滑るような足取りで橋に踏み込んだ。これでもう銃弾を防ぐ地形オブジェクトは何もない。この状況を狙ってきたはずのダインすら戸惑いを滲ませる。
だが彼も長いあいだ対人スコードロンのリーダーを張っているだけあって踏ん切りも早かった。1秒後ダインのSG550アサルトライフルが堅実な作動音を響かせた。
発射された最低でも10発の5.5ミリ弾をペイルライダーはなんと橋を支えるワイヤーに飛びつき、左手だけでぐいぐいと登り始めたのだ。
ダインは慌てて銃口で追おうとするが伏射姿勢は上方を狙いにくい。2度目の射撃は照準が乱れ、その隙をついてペイルライダーはワイヤーの反動を利用してロングジャンプ。橋のかなりダインよりの位置に着地した。
「STR型なのに装備重量を抑えて、3次元機動力をブーストしてるんだわ……しかも、アクロバットスキルがかなり高い」
私がそう言っている間にダインは同じ手は食わないとばかりに膝立ちになり、再びトリガーを引いた。
しかし今度もその攻撃は読まれていたようでそれを軽々とかわし、すでにダインから20mの距離まで達している。
「こんにゃろっ……!」
私の耳に聞き覚えのある罵り声を上げ、ダインは空になった30連マガジンを素早く交換しようとした。
だが
腹に響くような発射音とともに、ペイルライダーの右手のアーマーライトが火を吐いた。
ダインの体にショットガンの着弾エフェクトが閃き大きく後ろに仰け反る。
だがダインはその手を止めることなくマガジン換装をし、再度頬付けしようと
した所で2度目の轟音が響き渡る。更に距離を詰めていたペイルライダーの一撃は、またもダインの体勢を大きく崩した。
そして再び仰け反ったダインにペイルライダーの追撃が加わり残りわずかだったHPを完全に吹き飛ばした。
「……あの青いヤツ、強いな…あいつがマントの正体なのか…?」
傍らでセツナが声ならぬ声で呟いた。
マント?そういえばペイルライダーはアイツが気にしてた3つの名前の1つ……以前プレイしてたVRMMOの中で敵対し……殺し合った……かもしれない相手。そのゲームはもしかしたら…いや、もはや伝説となったあの……
そこで思考を無理矢理にせき止めた。
アイツにもアイツなりに抱えた事情があるのだろう。だけどその重みはアイツだけのもの、他人が背負うものてまはないし、そんなことはすることではない。
「あの男、撃つわよ」
迷いを振り切るかのようにへカートの安全装置を解除し、返事を待たずトリガーに指を添える。
「あぁ、わかった。だがもしあいつがあの男ならば……」
「あの男なら?スナイパー特権の弾道予測線なしの第一射をたった300m足らずの距離でしかも背中を向けた状態からかわしてみせるとでも?……冗談じゃないわ」
そして一切のためらいなくトリガーを絞ろうと
したその寸前
ペイルライダーの青白い迷彩服の右肩に小さな着弾エフェクトがひらめき同時に痩身が弾かれたように左へ倒れ込んだ。
「「なっ……!」」
私はスコープでみたその光景に驚いた。それは隣で双眼鏡を覗いてたセツナも同時に声を上げた。
「……聞き逃した……?」
そう、肝心な発射音が聞こえなかったのだ。どれほど耳を澄まそうと届いてくるのは風邪なりと川のせせらぎだけだった。
「いや、確かに聞こえなかった。…………サイレンサーか」
「そうね、確かにそれをつけたライフルなら相当に発射音を抑えられるわ。命中率や射程にマイナス補正がかかるし、消耗品のくせに馬鹿みたいに高いけどね……ってかアンタよく知ってたわね」
「あぁ、少し勉強したんだ。お前に勝つためにな」
セツナはそう言い視線をチラリとシノンの構えるへカートの先を見る。
そこには大型のマズルブレーキだけが装着され、それがサイレンサーでないことは素人のセツナにもわかる。
「別にお金にケチつけてるわけじゃないわよ。あたしの趣味じゃないだけ」
ふんと鼻を鳴らして再びスコープを覗く。地面に倒れたペイルライダーはそのまま起き上がろうとしない。と言って一撃死してしまったわけではないようだ。
生きているのに、なんで逃げも反撃もしないのかーー
それに疑問はまだある。
私は先程サテライトスキャンのマップで周囲1キロ圏に誰もいないのは確認済みだ。
つまり相当の遠距離からペイルライダーを狙ったということ……ということは用いたライフルはかなりの大口径だろう。しかしGGOでは銃器が大きくなればなるほどサイレンサーのメリットは減少し、デメリットばかりが強くなる。
銃声がまるで聞こえなかったのがどうにも腑に落ちない。
そういえば……
「そういえばアンタいったいどこから現れたのよ?さっきのスキャンのときにはこの山の周囲にはいなかったでしょ」
「俺はあのペイルライダーを追っていたんだ。スキャンには映っていると思ったが……いや…そうか……」
「何よ?」
「ちょうどその時俺はあの川を泳いでいたんだ。ずっと潜っていたからそれで衛星にみつからなかったんだ。多分な」
泳いで渡った!!?
加えて質問しようとしてセツナのほうを向くとセツナは何かに気付いていたように目を見開いて、口元に手を持ってきていた。
そして
「……シノン、橋から絶対に目を離さないでくれ…」
「ど、どうして?」
「あのペイルライダーを撃ったヤツも俺と同じように川を渡っていたなら…お前の疑問も解決する」
コイツ……なんで私の考えていたことを…
そんなことを思ってセツナのほうを再び見ると。
セツナが今度は驚いた表情で橋のほうを見つめていた。
私も続いて橋のほうをスコープごしに覗いてみると
ダインの死体とペイルライダーのちょうど中間、橋を支える鉄柱の陰から、ゆらりと滲み出した黒いシルエットがあった。
プレイヤーとは思えなかった。アバターの輪郭が奇妙に暈けているのだ。
懸命に注視してようやくその理由を悟る。
全身を覆う濃い灰色のフードマントがボロボロに毛羽立っている上にそれが風になびいてまるで小動物のように不規則に動いているからだ。
「っ!!いつからあそこに……いやそれよりもあれは……サイレントアサシン」
そう、それがあのボロマント主武装。
サイレンサーの使用を前提として設計された、私のへカートに迫る大型のライフル。
正式名はアキュラシー・インターナショナル・L115A3
へカートのような対物ライフルではなくサイレンサー標準装備からわかるように人間を狙撃するための銃なのだ。
最大射程2000m以上。撃たれた者は射手の姿を見ることなく死にゆく間際にも銃声を聞くことすらない。ゆえに与えられたとおりなが
沈黙の暗殺者
あれが実装されていたのは噂として聞いていたものの実物を見たことはこれまではなかった。
そもそもソロで闘えるスナイパーを自分以外いるとは思わなかった。
だがあのマントは対岸の森の奥深くからペイルライダーを正確に狙い撃った。
ん……マント……?
頭にふとした疑問が浮かんだが、ペイルライダーに近づいたボロマントの行動にかき消される。
そうだ、本来、あの銃であれば軽装のペイルライダーを一撃死させることも可能だったはずだ。
まだ麻痺をさせてから改めて精密狙撃するならわかる。
だがボロマントはスタン弾を当てただけで森から出てきた。
そしてペイルライダーのすぐ目の前まで移動したボロマントはL115を肩にかけたまま、右手をマントの中に差し込み、ハンドガンを取り出した。
西日の作るコントラストが強すぎるうえに種類までは判別できないが、シルエットからだけでも何の変哲もない自動拳銃だと断言できる。
加えて今にも麻痺から回復しようとしている。動けるようになったらすぐに右手のショットガンをぶっぱなすに違いない。そうなったら即死するのはあのボロマントだ。
そしてそのボロマントは左手をマントから抜き出し、何も持たない左手の指先をフードの額に当て、次いで胸、さらに左肩、最後に右肩へ。
いわゆる十字を切るというやつだ。
あまりにも多くの違和感に苛まれ強く唇を噛んだとき、左耳に不意に小さな囁きが飛び込んだ。
「……シノン、撃て…」
セツナの声だ。その短い一言はこれまでになかったほど強く張り詰めている。
「え…どっちを?」
「あのボロマントだ!頼む、撃ってくれ!早く!手遅れになる前に!!!」
中途半端なとこで終わりましたね
たしかアニメがこの辺で終わってた気がする……
感想、評価お願いします!
たくさんしてくれると僕のモチベーションがとても向上します!!
是非是非(土下座)