ソードアート・オンライン00-A wakening of the Trailblazer- 作:〜レオス〜
行きます
俺とキリト、クラインは始まりの街へと強制転移された。
周りを見渡してみるとほぼ全プレイヤーがいるのではないかと思うくらいの人が集まっていた。
「何が起こるってんだよ…?」
「さっきのバグについてじゃないか?」
キリトとクラインが話をしていると上空にwarningと表示され、赤い液体のようなモノからローブを被った何かが現れた。こんなことが出来るのは運営以外いるはずがない…やはりログアウトボタンのバグについての説明か?
「私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ。もっとわかり易く言うとこの世界で唯一の神だ。プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いていると思う。しかし、これはゲームの不具合ではない。繰り返す。不具合ではなく、これは『ソードアート・オンライン』本来の仕様である。」
赤いローブの何か、いや茅場晶彦が喋り出した……不具合ではない……?本来の仕様……?こいつ……何を言って……
「諸君は自発的にログアウトすることはできない。また、外部の人間の手によるナーヴギアの停止、あるいは解除もあり得ない。もしそれが試みられた場合、ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。残念ながら、現時点でプレイヤーの家族、友人などが警告を無視し、ナーヴギアを強制的に解除しようと試みた例が少なからずありり、その結果、213名のプレイヤーがこのアインクラッドおよび現実世界からも永久退場している。」
茅場晶彦がいくつかのウィンドウを出す、それより俺たちは受け止めなければならなかった、これが…茅場晶彦が言っていることが真実であると……
「御覧の通り、多数の死者が出たことを含め、あらゆるメディアがこの状況を繰り返し報道している。よって、すでにナーヴギアが強制的に解除される危険は低くなったと言ってよかろう。諸君らは安心してゲーム攻略に励んでほしい。しかし、十分に留意してもらいたい。今後ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。HPヒットポイントが0ゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、同時に、諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される」
次々と驚愕の事実が告げられる……周りでは泣き叫ぶ者、腰を抜かしてる者……無理もない…この状況では……俺も心が挫けそうだ……
「諸君らが解放される条件はただ一つ。このゲームをクリアすれば良い。現在君たちがいるのはアインクラッドの最下層、第1層である。各フロアの迷宮区を攻略し、フロアボスを倒せば上の階に進める。第100層にいる最終ボスを倒せばクリアだ。」
聞いた話によるとβテストでは2か月で第9層までが限界だったらしい。全100層を攻略するとなれば、普通に考えれば1年10ヶ月。だが、HPが0になれば死ぬというシステムが枷になって攻略が遅れることは必然だ
「それでは最後に、諸君らのアイテムストレージに私からのプレゼントを用意してある。確認してくれたまえ」
皆一斉にメニューウィンドを出してアイテムストレージを確認する。そこに表示されたのはのは手鏡だった。
オブジェクト化してみるとそれは西洋風の至って普通の手鏡であった。旅の前に身だしなみを整えろってことか…?すると手鏡が突然光だし身体を包みこんだ、周りでも同じことが起きてるのが確認出来る。これは…!また強制転移か!
そう用心してると光はしだいに弱まっていく。
「なんだったんだ…今のは…」
「お前……セツナか?」
隣、先程までキリトがいた位置から声がするので見てみるとそこには先程までのキリトはいなかった。かわりにいたのは自分と同じくらいの身長の、男というには可愛らしい顔をしたやつがいた。
「お前こそ……まさか!」
ハッと思い自分のことも確認してみたがやはり現実と変わらない姿になっていた。
「うぉーーー!なんじゃこりゃ!?」
後ろでクラインが騒いでいた気がするが無視するとするか……そんなことより……茅場晶彦…!俺の前で神を語るか……!
「それでは、チュートリアルを終了す…」
消えようとした茅場晶彦に俺は我慢が出来なかった
「茅場晶彦!貴様が作ったこのゲーム…俺が破壊する!!俺の意思で!!必ず……必ずクリアして貴様をぶん殴りに行ってやる!」
俺が広場全体に響きわたるような声で叫ぶ
「……諸君らの健闘を期待している。」
茅場晶彦は消えた、一瞬の静寂の後再び広場は混乱する。
家族の名、恋人の名を叫ぶ者もいた、泣いて崩れ落ちてる者もいる
「セツナ、クライン…ちょっと……」
キリトに連れられ街の外れまで来る
「これからしばらく街の混乱続くだろう…いいか、よく聞いてくれMMORPGってのはプレイヤー間のリソースの奪い合いなんだ。システムが供給する限られた金とアイテムと経験値を、より多く獲得した奴だけが強くなれる。この始まりの街周辺のフィールドは、同じことを考える連中に狩り尽くされて、直ぐに枯渇するだろう。モンスターのリポップをひたすら探し回るハメになるだろう。今のうちに次の村を拠点にした方がいい。俺は、道も危険なポイントも全部知ってるから、レベル1の今でも安全に辿り着ける」
「……わかった、同行しよう」
「すまねぇ……俺はちょっと……他のゲームでダチだった奴等と一緒に徹夜で並んでソフトを買ったんだ…。そいつらももうログインしてさっきの広場にいるはずだ。だから置いてなんて…行けねぇ…」
「なら仕方ないな……よし、セツナ行くぞ」
「了解した」
俺たちは街から走って出ていこうとした…
「キリト〜!セツナ〜!お前らよっぽど可愛い顔してんな!俺の好みだぜー!」
「お前もその武将面のほうが100倍似合ってるぞ!」
「……クライン!死ぬなよ!」
「……おうよ!」
俺たちはクラインに別れの挨拶をし、街を後にした。
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