ソードアート・オンライン00-A wakening of the Trailblazer-   作:〜レオス〜

13 / 34
ユイちゃんの話です!

今回も長いですがお付き合いを!


第十二話 記憶-思い出-

74層のボス戦から1週間弱、それはもういろいろあった。

ひとつは俺とキリトが血盟騎士団の創始者、ヒースクリフとのデュエルだ。

俺たちはヒースクリフに負けた。

何やらキリトはアスナをかけて勝負してたらしく負けたことにすごく落ち着いていた。

そしてキリトは血盟騎士団に入団。

俺とはただデュエルをしたかっただけらしい。

そしてもうひとつ、キリトが死にかけたということだ。血盟騎士団に入団したキリトはあのクラディールと一時的にパーティーを組み訓練に出かけてた。

その後クラディールはラフコフのメンバーだということがわかった。

そのクラディールはアスナにボロボロにされ、止めはキリトにさされ、クラディールは死んだ。

そして最後に……その事件を受けてキリトとアスナが結婚したらしい。

詳しくは知らないがな。

キリトとアスナは仲間への不信感を理由で休暇を取り、22層にログハウスを買い引っ越したらしい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして俺たちはキリトとアスナの家に呼ばれていた。

 

「リズベット、準備は出来たのか?」

 

「うん、今行く〜。」

 

キリトとから『至急来てくれ』と連絡があった。

 

何があったんだ?

 

「ごめんごめん、行こ!」

 

「あぁ。」

 

リズベットは手を出して来たので手を握る、リズベットは上機嫌になる。

 

よかった、間違ってなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

22層のキリトの家の前来た。

 

「ここであってるわよね?」

 

「あっている、入るぞ。」

 

ノックもせずに家に入る。

 

「ちょ、ちょっとノックくらい。」

 

「…すまない、自宅の感覚で。」

 

「セツナくん、リズ〜!」

 

「お、来たか。」

 

アスナとキリトだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なぜ至急来るようにメールしたんだ?」

 

「あぁ、それが……」

 

「パパ…この人たちだれ…?」

 

キリトの足元には4歳〜5歳?いや感じからしてもう少し幼いか…、まぁそのくらいの子供がいた。

 

俺はアスナのところまで行ってアスナの肩に手を置き

 

「アスナ、よく頑張ったな。」

 

「違うからね!?」

 

リズベットはキリトに

 

「アンタって手ぇ出すのはやいのね〜」

 

「だから違うって!」

 

 

俺たちはその少女について説明を受けた、なんでも森で倒れていて記憶喪失らしい。プレイヤー名以外わからないのも気になってるらしい。

 

「ふ〜ん、それにしても血盟騎士団副団長様がお化けを怖がるかねぇ……」

 

「ちょっとリズ、そこは今関係ないでしょ…」

 

プレイヤー名はユイ、どうやらカーソルも出ないしステータスにはHPの表示もなかったらしい。

 

「パパ、ママ、この人だれ?」

 

「パパとママの友達だよ。」

 

「私はリズベットよ。」

 

「俺はセツナだ。呼び方はなんでもいい。」

 

「りずとせつな?う〜ん…」

 

「難しかったらなんでもいいのよ?」

 

「じぃじぃとばぁばぁ…?」

 

「「ププッ……」」

 

キリトとアスナはそれを聞いて笑って来た。

 

「ユイちゃん…さす…がに…それは可哀想よ…ププッ……お兄ちゃんとお姉ちゃんにしてあげな……ププッ」

 

「くっくくくくく…」

 

よし、あとでキリトはシめてやる。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結局呼び方はアスナのおかげで俺はお兄ちゃん、リズベットはお姉ちゃんに決定した。

 

どうやらキリトたちは明日ユイの情報を集めるために始まりの街に戻るそうだ。

 

キリトはもし記憶が戻ったら俺たちのことを忘れるかもしれない。と心配していた。

 

確かにそれは悲しいが今一番悲しいのはユイの親なんだ。

 

明日の情報集めには俺もリズベットも参加することになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌日、俺たちは第1層の始まりの街に来ていた。

 

懐かしいな……いい思い出ではないが……

 

「おかしいな、ここには2000人くらい人がいるはずなんだけどな」

 

「何かあったんじゃないかしら?」

 

「ねぇユイちゃん、ここで見覚えのある場所とかある?」

 

「う〜ん……わかんない…」

 

「教会のほうに行ってみたらどうだ?この年代の子供達が集まってるのではないか?」

 

「そうだね、じゃあユイちゃん行こっか」

 

「うん!」

 

ユイはアスナとキリトと手を繋ぎ歩き出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

教会に向かってる途中軍のやつらが子供を取り囲んでるのを見つけた。

 

また歪みだ……

 

俺は走っていって軍と子供たちのあいだに入る。

 

「貴様ら大人が子供を囲んでどうするつもりだ。」

 

「ちょっと社会常識ってのを教えてただけさ。市民には納税の義務があるからな。」

 

「そうだよ、当たり前のことだよな。」

 

やはりこいつらは歪んでいる…

 

「子供を数人の大人で取り囲みニヤニヤするのが社会常識とは……貴様らは歪んでいる!」

 

「黙れ!何も知らない雑魚プレイヤーが!それに我々軍に楯突いたからにはどうなるかわかってんだろうな!」

 

相手は剣を俺に振りおろしてきた。よけるまでもなく、素手で受け止めた。

 

「貴様の信念のない刃じゃ俺は殺せない……もっと殺意を込めてこい…!」

 

「なんなんだよコイツは…!貴様らも手伝え!」

 

「貴様の仲間ならもう俺の仲間が制圧してる。残ったのは貴様だけだ。」

 

「く、くそっ!離せ!」

 

俺は剣を離す。

 

「いいか、またこのようなことをしたら俺は貴様を殺す。」

 

「く、くっそぉぉぉぉおお!」

 

軍のやつが逃げていく。

 

「まったくセツナ無茶しすぎよ。」

 

「ほんとだよ、子供たちも怖がってるぞ?」

 

「あぁ……すまない、大丈夫か?怪我はないか?」

 

「うん、ありがとうお兄ちゃん!」

 

「あ、……あぁ…」

 

するとユイが突然声を上げた。

 

「ユイちゃん!?どうしたの?」

 

「わたし……わたし……ここには……いなかった……ずっとひとりで……くらいところにいた……」

 

「暗いところ……?」

 

「うぅ……あぁああ…」

 

「ユイちゃん?」

 

するとユイはぐったりとアスナにもたれた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺たちはサーシャという人物の計らいで教会に一晩泊めて貰った。

 

翌朝

 

「昨日はほんとにありがとうございました。」

 

「俺は歪みを正しただけだ。礼なんかいらない。」

 

「もう、素直じゃないんだから」

 

 

 

「ん……」

 

するとユイが目を覚ました。

 

「おはよ、ユイちゃん」

 

「おはよ、パパ…ママ…お兄ちゃん…お姉ちゃん……?」

 

見たところ昨日のようなことはなさそうだな。

 

「サーシャさん、ちょっといいか?」

 

「はい?」

 

「……昨日の軍のことですけど、俺達が知っている限りじゃ軍は少なくとも全プレイヤーの為に尽力してくれて、専横が過ぎることはあるけど治安維持には熱心で悪いやつらじゃなかった。だけど昨日の奴らはまるで犯罪者のようだった。一体いつからああなったんだ?」

 

「方針が変更されたらしいのは半年前くらいですね……徴税と言い恐喝まがいの行為をし始めた人とそれを逆に取り締まる人たちもいて、軍同士で対立している場面も何度もみました。噂じゃ上の方でなにやら権利争いがあったそうで……」

 

外から別の気配がする。

 

「誰か来たな、俺が見てくる」

 

キリトはサーシャと話していたので俺が行った。

ドアを開けると銀髪の女が立っていた。

 

「初めまして、ギルドALFに所属しているユリエールと申します。」

 

「ALF……アインクラッド解放軍ですか……それで何の用です?昨日の件についての抗議ですか?」

 

「いえ、抗議だなんて…とんでもない。その逆です、寧ろよくやってくれたとお礼を言いたいくらいです」

 

「じゃあ何故ここに?」

 

「ここに強いプレイヤーがいると聞いたのですが……まさか黒の剣士、閃光、雪崩だったとは……道理で軽くあしらわれるわけですね。おっと、話が逸れてしまいましたね、私は貴方達に是非とも頼みたいことがあってここに来ました。」

 

「……詳しく聞かせてもらう……サーシャ、大丈夫か?」

 

「あっ、はい。」

 

リズベットとアスナはユイや子供たちと遊ばせてる。

 

「それで、頼みというのは?」

 

「はい、……元々私達……いえ、アインクラッド解放軍リーダーのシンカーはこのような独善的な組織を作ろうとした訳ではなかったんです。ただ情報や食料を多くのプレイヤーに均等に分かち合おうとしただけで……」

 

「だが軍は大きくなりすぎた……と」

 

「はい、皆さん知っての通り元々は軍なんて大きなギルドではなく、シンカーが他のプレイヤーの為にということでボランティアをしたのが始めだったんです。そしてそれに感動してギルドに入団したい、自分も多くのプレイヤーの為に役に立ちたいという人達が増えて、今のような巨大ギルドになったのです。」

 

「でも最近になって内部で歪みが起きているけ……」

 

「はい、内部分裂が続く中、対等してきたのがキバオウという男です。」

 

キバオウ……あのやかましいやつか…あいつが軍に入っていたとは……

 

「キバオウ一派は権力を強め、効率の良い狩場を独占したり、調子にのって徴税と称した恐喝まがいの行為すら始めたのです。」

 

「昨日の奴らはキバオウ一派か…」

 

「はい。ですがゲーム攻略よりそんな行為を続けているせいかキバオウ一派に対する批判が大きくなって、キバオウはこれじゃまずいと思ったのでしょう、配下の中で最もハイレベルのプレイヤーを最前線に送ったのです。」

 

この前のあいつらはそういうことだったのか………

 

「みなさんもお分かりだと思いますが…その最悪な結果にキバオウは強く糾弾され、もう少しで彼をギルドから追放出来るところまで行ったのですが……追い詰められたキバオウはギルドリーダーのシンカーを罠に掛けるという強行策にでました……。」

 

「罠というのは……?」

 

「シンカーを……高レベルダンジョンの奥深くに置き去りにしたんです……」

 

くっ!キバオウ……貴様もこの世界の歪みになるのか…!

 

「シンカーはキバオウの丸腰で話し合おうという言葉を信じて、なにも持たずにハイレベルダンジョンの奥に行ったんです……その言葉を信じて……三日前のことです。」

 

「3日前…?ってことはもう…」

 

「いえ、まだ生命の碑にシンカーの名前の下に線が引いてなかったのでまだ生きています。ですが……」

 

「丸腰だから身動きが取れない……と?」

 

「はい…本来なら我々が助けに行くべきなのですが…現在キバオウが睨みをきかせているために……我々は…そこで強い人たちが現れたとのことなので……みなさん!どうかシンカーを助けてやってください!」

 

「……だがそれ自身が罠という可能性もある、証拠を出せ。」

 

俺がユリエールにそう答えるとユリエールはもう耐えられなくなったのか涙を流した。俺の言ったことで泣いてしまったかと思いかなり戸惑ってしまった。ユリエールはそのまままた口を開いて話をした。

 

「無理なお願いだということは私にもわかっているんです!でも彼が今……どうしているかと思うと……もう……おかしくなってしまいそうで……」

 

ユイが歩いてこっちに来た。

 

「ダメよ、ユイちゃん。パパたちは大事な話をしてるの!」

 

「大丈夫だよ、パパ、お兄ちゃん。その人嘘ついていないよ。」

 

「ユイ……嘘ついてないってわかるのか?」

 

「うん、なんとなくだけど……わかるよ……うまくいえないけど……わかるよ」

 

「そうか……なら信じるしかないな…」

 

俺はユイの頭を撫でる。

場所は 1層の地下、モンスターは60層クラスのモンスターが出てくるらしい。

 

「キリト、アスナ…助けに行くぞ。リズベットはここでユイと待っていてくれ。」

 

「私も行くわよ!私だって戦えるんだから!」

 

「私もパパたちについていく!」

 

「リズベット……仕方ない、俺たちから離れるなよ。」

 

「ありがとセツナ!」

 

リズベットが抱きついてくる。

 

「こんなところで抱きつくな!」

 

 

 

「まぁ俺たちでユイを守ればいいか……」

 

「ありがとうパパ!」

 

ユイもキリトに抱きつく。

 

「お、おい…ユイ…」

 

アスナが羨ましそうにキリトを見ていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

しばらく歩いていると奥の方に光が見えてきた。ここまで来るのは大変だった……変なモンスターばっかり出てきて………

 

 

「キリト君、あれって……」

 

「ああ、安全エリアだな……」

 

 

 

キリトとアスナがそう言うと俺はすぐに索敵スキルを発動させた。安全エリアの向こうに、反応が1つあった。

プレイヤーだ。一人だけだ。ちなみにモンスターの出現はない。

 

「シンカーはあそこにいるな…」

 

「シンカー……?」

 

俺の言葉を聞くと安全エリアに走っていった。

 

すると男性プレイヤーがこちらに気付き大声で叫ぶ。

 

「ユリエール!!」

 

「シンカー!!」

 

「来ちゃダメだ!この通路は!」

 

俺は索敵スキルを使わずとも感じられた、この殺意を……コイツはまずい!

同じくキリトとアスナも感じたのか俺が走り出すと同時に走り出した。

シンカーは気付いてないのか!?

 

キィィィン!!

 

俺とキリト、アスナが間一髪のところでモンスターの大鎌を防ぐ。

だが3人がかりでもその攻撃は重かった。

 

「ぐはっ!」

 

「ぐっ…!」

 

「きゃっ!」

 

俺たち3人は壁に叩きつけられてしまった。だがモンスターの注意はこちらに向いた。

 

「リズベット!ユイとユリエールを連れて安全エリアへ!急げ!」

 

「う、うん!」

 

なんとか立て直してモンスターの方を向いた。

 

そのモンスターはボロボロのマントに骸骨のような体に特徴的な巨大な鎌を持つ死神のようなモンスターだった。

 

The Fatal-scythe、死の大鎌という意味か……つまり死神ってことか……

 

「どうする……とんだ掘り出し物モンスターだな…さっきの攻撃といい……90層クラスのモンスターだ……」

 

「どうするって言ったってよ……3人で倒すしかないだろ」

 

「転移結晶は?」

 

「多分シンカーたちは安全エリアから転移しただろう……だがコイツは転移する時間すら与えてくれなさそうだ………」

 

死神は鎌を振り回し攻撃をしてくる。俺はロングブレイドとショートブレイドで受けるがあまりの攻撃の重さに飛ばされてしまう。

 

「ぐぁっ!」

 

「「セツナ(くん)!!」」

 

一瞬2人も俺のほうを見たせいで攻撃を喰らってしまう。当たりどころがよかったのか即死ではなかった。

だが俺たちのHPは半分を切っていた。

 

このまま……死ぬのか…守ると…この世界から救うと約束したものもいるのに……俺は……俺は……

 

気持ちは生きていたかったが現実はそうではなかった。飛ばされた衝撃でまともに立つことも出来なかった。

 

死神が鎌を振り上げ、下ろした。

 

……くそっ…つまらない人生だった。

 

死を覚悟し、目を瞑る。

 

しかし、いくら目を瞑っていても攻撃が来ない。

俺は恐る恐る目を開けるとそこにはユイが俺たちの前に立っていた。ユイちゃんの頭上を見た途端、そっちに衝撃を受けた。ユイの頭上には〈Immortal Object〉の表示が出ていた。不死的存在……?

 

 

「ユイ……ちゃん……?」

 

アスナが思わずそう呟いてしまうが、ユイはこちらを見ずに死神の方だけを向いている。

そして中に浮き、手から炎が出たと思えば灼熱の大剣を出現させ、そのまま死神に何の躊躇いもなく振り下ろした。

死神は防御の姿勢を取るが、ユイが振り降ろした大剣の前では無意味だった。そしてそのまま下まで振り降ろすと先程まで俺達が苦戦していた死神を呆気なく叩き割り、死神は炎と一緒に無数の結晶体となり、消滅した。

 

「パパ……ママ……お兄ちゃん……お姉ちゃん……全部思い出したよ……」

 

 

ユイは微笑みながら涙を流していた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺たちは安全エリアに移動した。

そこには大きな黒い大理石の机が置いてあるだけだった。

 

「ユイちゃん……全部……思い出したの……?」

 

アスナがそう言うとユイはこくりと頷いた。

 

 

 

「キリトさん、アスナさん、セツナさん、リズベットさん、全てを説明します。」

 

内容はこうだ、ユイはカーディナルの作り出したメンタルサポートプログラムだったのだ。しかしサービス直後にカーディナルからプレイヤーとの接触を禁止されてたまりにたまったエラーでバグを起こし、森をさまよってたらしい。

このコンソールに触ったから記憶が戻った、システム権限を使いモンスターを消した。

その際にコンピュータにアクセスしたからカーディナルに異物として検出されもう消される。

そう言ってユイの身体が光始める

 

「ユイ…お前はそれで満足なのか?偽りでもなんでもいい!俺たちにとってはお前はかけがえのない家族だ!」

 

「そうよユイちゃん!あたしたちにとってはホントに妹同然なのよ!」

 

「ユイちゃん……駄目よそんなの!これからもあそこの家で一緒に暮らすの!だから消えないで……!」

 

「パパ、ママ、お兄ちゃん、お姉ちゃん……今までありがとう……これでお別れです……私はもう十分すぎるほどみんなから幸せを貰いました。だからもう十分です。」

 

ユイの身体は直視が難しくなるほど薄くなっていた。

 

「ユイ!俺たちから離れないでくれ!」

 

「ユイちゃん!駄目よ!」

 

「ユイちゃん…行かないでっ!」

 

するとキリトはコンソールのほうに向かい急に弄り出した。

 

「お前の思い通りになんかさせてやるもんか!茅場晶彦!」

 

ウィンドウに高速で文字が動いている。

 

「間に合えっ!」

 

キリトは高速でキーボードを打ち終わるとコンソールがフラッシュしたと同時にキリトは後ろに吹っ飛ばされた。

 

 

「「「キリト(くん)!?」」」

 

「大丈夫か?」

 

キリトの元まで寄るとキリトの手には雫のようなものが

 

「キリトくん…それって…?」

 

「ユイが起動した管理者権限が切れる前にユイのプログラム本体をシステムから切り離してオブジェクト化したんだ……」

 

「じゃあそれって……」

 

「ユイの…心だ…」

 

キリトのその言葉にアスナは涙を流した。

キリトはアスナに雫状のクリスタルを渡す。

そのクリスタルを手で優しく包むと、胸の近くまで持ってきて抱きしめた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺たちはその後教会に戻りシンカーを助けたことについてお礼を言われまた一晩世話になった。

 

 

 

そして教会を出て帰り道

 

「ねえキリト君、ゲームがクリアされたらユイちゃんはどうなるの?」

 

「ユイのデータは俺のナーヴギアのローカルメモリーに保存されるようにしておいたよ。」

 

「じゃあ向こうでも会えるんだね……私達の娘と……」

 

「それと同時にあたしたちの妹だからね!」

 

「あぁ……俺たちの大切な妹だ。」

 

「わかってるよ、セツナ、リズ…巻き込んじゃってごめんな。」

 

「巻き込まれたなんて思ってない。」

 

「あたしも。」

 

俺たちはそれぞれの家に帰ってった。




次回、アインクラッド編完結!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。