ソードアート・オンライン00-A wakening of the Trailblazer-   作:〜レオス〜

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また出落ちですね。

あと、キリトの二刀流の話、ユイちゃんの話、骨の話、最後の決戦
4話でアインクラッド編完結させます!

この土日中には終わらせたい…


第十話 告白-プロポーズ-

俺は目を覚ますと何もない真っ暗な空間の中にいた。

 

ここは…どこだ…?俺は確か家で寝てたはずだが………ん?あれは!母さん!父さん!

 

俺の目の前には暴走車との事故で死んだ父さんと母さんがいた。

 

母さん、父さん……俺は俺は!

 

近づいて行く、一歩、また一歩と

目の前まで来たと思ったら次の瞬間、母さんと父さんの姿は消えていた。

 

母さん…?父さん…?どこ…?俺を…僕を1人にしないで…!

 

次は視界が真っ暗になる。

また何かが見えたと思ったらそこには1人、誰かが立っていた。足元には何かが転がっている。

何か……それはつい先程まで俺が探していた人物のバラバラになった遺体であった。

それに立っている人物にも見覚えがある。右腕に見慣れた片手剣を持ち、その先は血に濡れている。青いコートのようなものを着ており、赤いマフラーをつけているその男の口元は笑っている。

 

う、嘘だ…母さん……父さん……お、俺が俺が…………うわぁぁぁぁぁああああ!

 

ピシャリ、ピシャリと後ろから不気味な足音が聞こえ俺の後ろから不気味な声が聞こえる。

 

お前も俺らと何も変わらねぇ……同類なんだよ……

 

違う!俺は貴様らとは違う!

 

じゃあアイツは誰なんだ、お前じゃないのか…?

 

不気味な声は先程まで剣を持っていた男のことをさしているのだろう、その男は移動し、次々に殺していく、妹、キリト、アスナ、クライン……俺の仲間を………そして最後に向かった先には……

 

リズベット!ダメだ……辞めてくれ……これ以上……俺の目の前で仲間を……大切な人を…殺さないでくれ……

 

誰に言ってるんだ、あれはお前自身だろ?…言ったじゃねぇか、お前は俺たちと同類だって……

 

ち、違う…!俺は貴様らとは……!

 

そうこうしてるうちにその男はリズベットに向かい剣を振り上げる。

 

や、やめろぉぉぉぉおおお!

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

バッ!

 

「はぁ…はぁ…ここは……」

 

再び目を覚ますとそこは見慣れた場所だった……

 

「…セツナ、大丈夫?なんか魘されてるみたいだったけど……」

 

「はぁ…はぁ……リズベット……大丈夫だ、問題ない……」

 

「うん、それならよかったわ。朝ごはん出来てるからはやく食べちゃいなさいよ〜」

 

「わかった、すぐ行く。」

 

リズベットは鼻歌を歌いながら部屋を出ていった。

 

「……夢か…そうだ、あれは夢だ…俺には関係ない。」

 

俺はそう思うが俺のオレンジカーソルがそれを認めない。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

朝食をとり店の手伝いをしているとリズベットから呼ばれた。

呼ばれたので店先に出てみるとアスナとリボンズが来ていた。

 

「おはよう、セツナくん。」

 

「しっかりと眠れたかい?」

 

「まぁまぁだな…」

 

「セツナくん、このアイテムを使って。」

 

「これは……?」

 

「オレンジのカーソルをグリーンに戻すことの出来るアイテムさ、僕もそのおかげでホラこの通り。」

 

見るとリボンズのカーソルはグリーンに戻っていた。

 

「わかった、ありがとう。でもアスナはわかるがなぜお前まで。」

 

「見てみたいと思ってね、君が罪を犯してまで守りたかったものを。あとこれ、ヒースクリフから君への手紙だ。呼んでおいてくれ。」

 

そう言い残しリボンズは店から出ていく。俺はアイテムを使い、カーソルをグリーンに戻す。

 

「へー、あの人が血盟騎士団のもう1人の団長様なんだ、強いの?」

 

「強いというか……なんていうか……ヒースクリフ団長とはまた違う凄みがある人だから、あ!でも強いことは強いよ!?」

 

 

ヒースクリフ……奴からなぜ俺に手紙なんかが…

 

「アスナ、ちょっといいか?」

 

「セツナくんどうしたの?」

 

「ここではまずい、一旦外に。リズベットは気にせず商売を続けてくれ。行くぞアスナ。」

 

「ちょっと押さないでよ!」

 

「あ、うん…?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺はアスナを連れ店の外まで行く。

 

「何よ、リズに聞かれたら困ることでもあるわけ?」

 

「あぁ、聞かれたらまずい。アスナ、お前にしか聞けないことだ。真剣に答えてくれ。」

 

「な、何よ……?」

 

 

 

「どうやら俺はリズベットを好きになってしまったらしい………」

 

「………はい?」

 

「リズベットを好きになってしまったらしい。」

 

「…………えぇっ!?セツナくんが!?自分から!?」

 

「あぁ、俺からだ。」

 

「(よかったねリズ!両想いじゃない!)……それだけじゃないでしょ?」

 

「あぁ…この気持ちはどうやって伝えたらいいんだ…?俺はこういうのよくわからないんだ。教えてくれ!」

 

「普通に言えばいいじゃない?………いい?SAOにはね………」

 

アスナが俺に耳打ちをしてきた。

 

「なに!?ほんとにそれでいいのか!?不安なんだが……」

 

「大丈夫よ、私が言ったことに間違いはない(はず)よ!」

 

「………わかった…信じよう、助かった。ありがとう。」

 

「頑張ってね、応援してるから。」

 

「あぁ!」

 

そう言って俺は家に戻る。

 

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「戻ったぞ。」

 

「おかえりなさい、何話してたの?」

 

「今はまだ秘密だ。」

 

「えぇ〜、教えてくれたっていいじゃない?」

 

「近いうちにそれも含めて話すつもりだ。だが今はダメだ。」

 

「むぅ……」

 

「少し出かけてくる。2時間くらいで帰ってくる。」

 

「は〜い…行ってらっしゃ〜い…」

 

少し不機嫌そうだがリズベットは俺を送り出してくれた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は50層のアルゲートに来ていた。

 

「へい、いらっしゃい。ってセツナか、今日は何売ってくれるんだ?」

 

「すまない、今日はそういう用件ではないんだ。」

 

ここはエギルの開いてる半ぼったくりのような店だ。

 

「じゃあどんな用件だよ?」

 

「エギル、お前はリアルだと既婚者らしいな。」

 

「どこからそんな情報を…」

 

「情報屋のアルゴからだ。」

 

「あいつか………」

 

「そこでお前に聞きたいことある。」

 

「なんだよ、答えられる範囲しか答えられねぇぞ?」

 

「婚約指輪とはどうやって送ればいいんだ?」

 

「はぁ?」

 

「婚約指輪だ。」

 

「いやいや知ってるがなんでお前がそんなこと……もしかしてあの武器屋の嬢ちゃんと…?」

 

「いいから答えろ。」

 

「はぁ…へいへい、俺の場合は普通の指輪だ。値段なんか関係ねぇ、気持ちがこもってれば相手はそれで充分なのさ。」

 

「なるほど、助かった。」

 

「そういうアクセサリーはこの街の中心部にたくさん売ってるぜ。」

 

「行ってみるか、エギルありがとう。」

 

店を出て中心部のほうに向かうがこの街は迷路みたいになってるので多少迷った。

 

「へい、兄ちゃんいらっしゃい!お、兄ちゃんってもしかして攻略組の『雪崩』さんかい?」

 

「……あぁ」

 

「ラフコフ討伐でも大活躍だったそうじゃねぇか、あんたがあのギルド壊滅させてくれたおかげで俺たちは安心して素材集めに行けるってもんよ!ほんとにありがとな!」

 

「あぁ、ところで指輪はあるか?」

 

「おう、ちょっと待ってな。」

 

店員はたくさんの指輪を見せてきたので俺は小さな宝石がところどころに目立たないように埋め込まれた指輪を見つける。

 

「これは……」

 

「兄ちゃんお目が高いね!その指輪に埋め込まれた宝石は光の当たる角度で色が変わるのさ」

 

「そうなのか……じゃあこれを2つ頼む、値段は?」

 

「ホントなら3000万コルと言いてぇところだが兄ちゃんのおかげで攻略も進むし生きる希望も持てるからな。特別に1000万コルでいいぞ!」

 

「っ………!すまない、助かる。」

 

そう言い俺は購入ウィンドを操作し、購入した。

 

「兄ちゃん!これからも攻略頑張ってくれよ!」

 

「あぁ…」

 

俺は48層に戻った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

48層に戻って店に向かう途中にキリトとクラインに会った。どうやら目的地は同じらしい。

 

「キリト、クライン……プロポーズとはどういうタイミングでやればいいんだ?」

 

「「は?」」

 

「プロポーズとはどのようなタイミングでいうのが一番なんだ?」

 

「(おいおいキリトくん、聞きましたか?)」

 

「(あぁ、確かに聞いた。あのセツナがプロポーズだと!?)」

 

「(セツナのやつ……ちっくしょー!俺ですらまだなのに……)」

 

「(ま、まぁ俺たちにもよくわからないこと質問されてもなぁ…)」

 

「(ムカつくからテキトーなこと教えとこうぜ)あのなぁセツナ、プロポーズってのはタイミングなんてどうでもいいんだ。あと抱きついたりしてもいいかもな。」

 

「そうなのか、流石クラインだ。ありがとう、参考にさせてもらう。」

 

「お、おうよ、困ったことあったら俺に聞けよな。」

 

「(おい!信じちゃったじゃねぇか!)」

 

「(いや、間違ったことは言ってねぇ……はずだ……)」

 

そうこうしてるうちに家につく。

 

「ただいま、リズベット、聞いてくれ……俺と」

 

リズベットに抱き着こうと歩き出す。

 

「「うわぁぁー!」」

 

クラインとキリトが俺の口を塞ぎ、動きを止める。

 

「バカ野郎!タイミングはどうでもいいって言ったが常識的に考えて俺たちがいない時だろ!?」

 

「クラインがテキトーなこというからだ!」

 

「モガモガ!」

 

「ちょっと……どうしたの?」

 

俺は口を抑えられ喋ることが出来なかった。クライン……今度会ったら仕返しをしてやる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結局人がいなくなったのは閉店してからだった。

閉店後も店の片付けなどをしてたら時間が経ってしまい、もう夕食時も食べ終わった。

 

リズベットは今食器を洗っている。……タイミングは今しかないか……

 

「リズベット、聞いて欲しいことがあるんだが……いいか?」

 

「ん〜、いいわよ。」

 

俺は立ち、リズベットの後ろまで歩いていき……後ろから抱きしめる。

 

「きゃっ!な、なに?どうしたの?」

 

「……このまま聞いて欲しい、俺と……結婚してくれ…」

 

「今なんて…?」

 

「俺と結婚してくれ。」

 

しばらくの沈黙、するといきなりリズベットが泣き始めた。

 

「う……うぅ……」

 

「す、すまない…いやいいんだ…気にするな。」

 

「ち、違うの……嬉しくて…こんなあたしでいいなら…よろしくお願いします。」

 

「これを。」

 

婚約指輪を渡し、結婚了承のウィンドウを送る

 

「婚約指輪だ、受け取って欲しい。」

 

「喜んで♪」

 

リズベットは指輪を左手薬指にはめ、結婚了承のウィンドウを操作すると結婚特有のBGMが流れる。

 

「改めてよろしく頼む、リズベット。」

 

「こちらこそよろしく頼むわ、セツナ!」




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