ナルトがチャクラ糸の修行を始めて1ヶ月、結果から言えば修行は半分成功で半分失敗と言ったところだ。
チャクラ糸は出せるようになり、30cm程度のカラクリと呼ぶにはあまりに粗末ではあるが人形なら操れるようにはなった。
しかし、糸も人形も強度がかなり弱く、今のままでは到底戦闘などで役に立たない代物。
後に登場するカンクロウやサソリのチャクラ糸の強度を綱糸と例えるならナルトのチャクラ糸は蛸糸、良くてピアノ線程度の強度しかない。
「じいちゃんに言われて分かってるつもりだったけど……改めて突き付けられるとショックだってばね…」
多数の影分身達と訓練していたナルトが中々成果でない特訓に呟いた。
以前ダンゾウはナルトの大きなハンデを包み隠さず伝えていた。
そのハンデとは『後天性変異骨格チャクラ系不能』という世界でナルトたった一人の症状。
幼き日より暴力の嵐に曝されたナルトの体は本来なら毎日が重症・即刻入院・絶対安静のオンパレードだった。
しかし、ナルトには九尾が封印されていた。
九尾の意思に関わらず九尾チャクラが宿主であるナルトの治癒力を異常活性させ、毎日の怪我をその場で強引に治していたのだ。
怪我は治ったがその治療は正当な物ではない。
通常なら骨折した場合、まず診断、骨に歪みがでないように治療、最後にズレないように固定し元通りの腕に戻す。
しかしナルトの場合は診断も固定もなく、その場で強引に治療……完治を目的としないあくまで死なない為の強制的治癒は次第にナルトの骨格やチャクラ系に多少ではあるが歪みを与えた。
その多少の歪みがナルトにもたらした結果は常人に比べてチャクラの放出や練度を阻害し、日常生活には何一つ問題はないが長時間の戦闘等は出来ないと言うものだった。
だからこそナルトは小細工と言われるような小道具の作製と基礎的な忍術の改良に取り組んだ。
誰よりもナルトの現状を知ってるからこそダンゾウは体術より基礎的なトレーニングに多くの時間を費やして身体機能や戦闘時の活動限界時間の底上げを図った。
そんなダンゾウの狙いを言わずもがな理解したからこそヒルゼンは自身が知る数多の忍術ではなく、ダンゾウ及び日常のトレーニングの疲労回復を兼ねた精神修行に時間を費やした。
そんな3人の思いあって修行を初めてから6年掛かったがナルトは数多の忍具を開発し自身を自衛できるようになり、身体能力と活動限界時間の底上げにも成功した。
更には精神修行のお陰で自身の限界時間を常に感じ無茶な修行や戦い方はせず、物事を冷静に判断出来るようになった。
「俺は無茶せずに強くなって、どんな時も無茶せずに生き残らなきゃいけないんだってばね!」
「自分で言っててなんだけどかなり無茶な話だってばね……」
本体ナルトが溢した愚痴に返すは分身ナルト。
しばらく休憩してから二人は再び修行を再開した。
どんな無茶でもやって、やり抜くと幼き日に誓ったから。
そんなナルトの元に、正確には第七班にある依頼が舞い込むの翌日の事である。
中々浮かんだ文が繋がらず四苦八苦していたナコです!
待ってる人なんて居るのかな?なんて思いながらもなんとか投稿できました!
ついに!って程伸ばしてはいませんがナルト君の弱点登場です!
そんで次回から橋です!白です!鬼人です!ガトーショコラです!
ガトーなショコラをどう料理するか必死に考えながら頑張りたいと思います!