照明弾と発煙筒が示す場所に向かうサスケとナルトだがカカシは既に本来の演習目的である合否の判定を決めている。
此処で2人を追わず演習を終了し、彼等を集合させて合格を伝えれば担当上忍最初の仕事は終了し、わざわざ待ち構える場所に向かって戦う必要はない。
「んー、仕方ない…行くとしますか。」
しかしカカシはあえて罠に飛び込む道を選んだ。
それは力に自信があるからでも、彼等を下忍と侮ってる訳でもない……これはカカシからの細やかなご褒美なのだ。
見事なチームワークを見せた彼等に忍術や体術の奥深さを、現時点での力量差を、実践で得てきた知識や技術を言葉ではなく実戦して見せる。
まだまだ強くなる可能性とは言え彼等はまだ下忍。
そんな彼等に名高い上忍がわざわざ力を示すのは今の力に慢心せず、傲らず、高みを目指して欲しいからである。
そして自分や回りの上忍を越えるくらいに育ってほしい……カカシはそんな事を思いながら集合場所入口に向かった。
~集合場所~
「ハァハァ…サクラよくやった!」
「ナイスタイミングだってばね!」
「ナルトから団子屋で先生の話し聞いたでしょ?
それで準備してるときに2人には悪いけど私達3人居たって無理な相手を2人だけでギリギリまで惹き付け続けるのは難しいと思ったのよ…結局頑張って飛ばしても今の今まで掛かっちゃたけどね…」
「アイツが別格だとしても今の俺達じゃ他の上忍にだって勝てない…」
「それが分かっただけ無駄じゃ無かったってばね!」
3人はカカシが来るまで今回の演習で分かったことを話し合った。
その様子を少し離れた場所でカカシは微笑ましく見ていた……が、次の瞬間その顔は恐怖に歪んだ。
「そんな訳で俺達が上忍相手にするには『やり過ぎちゃった……てへっ!』ぐらいがちょうど良いと分かった。
これより第一次遅刻魔撃滅攻撃開始だってばね!」
「「ラジャー!!」」
「へ?」
ナルトの号令とサスケとサクラの元気一杯な声が演習場に響き渡った。
ドッゴーン!×20
大量の爆発が演習場回りの林を襲ったのだ。
「目標の死ぼ……安否急いで確認!」
「ターゲットの死体無し!」
「こっちもだ!」
「無事なら良い……第二撃発射!」
「「了解!」」
3人はカカシの無事を祈りながら罠へと繋がる紐を切ると辺り一面に張った札がボフン!と音たて大量のナルトが現れた。
「「「「多重影分身+変化の術!!」」」」
なんとか避けたが全身煤まみれになったカカシを襲った第二の悲劇……それは分身ナルト達が変身したナース、バニー、スク水、セーラー服など様々な格好をしたカカシの大群だった。
「おっ、オェェェ!」
自身の女装姿……物理的ダメージは無いが精神的ダメージは絶大である。
しかも倒すと…
「カカシ御兄ちゃんのバカっ!」
「我等の絆は死して永遠だ!」
「俺は全力でセクハラをする!」
「うっふ~ん、俺を見てぇ~」
「今宵の俺は飢えているでござる」
様々な台詞を吐いていくのだ…それも痛くて恥ずかしい物ばかり。
「お、お前ら嫌いだぁぁぁ!」
森にこだます悲鳴を聞いた3人は…
「ナルト、先生の無事を確認したわ!」
「流石、上忍は伊達じゃないな……」
「ば、馬鹿な!奴は化け物か!」
必死に笑いを堪え、ふざけながら第三撃へと繋がる紐を切っていた…
演習終了時間10分オーバー
残る罠は第四と第五の2つ
また終わらせ切れなかった……
演習マジなげぇー…つうか長くしすぎた…
ってことで次回で演習終わらせたいと思ってるけど有言実行出来るか不安なナコでした!