蠱毒な少年   作:巳傘ナコ

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第十一訓不毛なババ抜きと姉の教え~自己紹介もあるよ!~

 

なんとか屋上にたどり着いた二人が見たのは、ただならぬ雰囲気を放ちながらババ抜きをする二人だった。

ただ微笑ましくババ抜きをしている光景ならどれ程良かったことか…

 

なんせ少年は一言も喋らずにギャンブラーなら誰が見ても尊敬するようなポーカーフェイスを維持し、対戦相手は顔をマスクで隠して唯一見素顔伺える目元も変化しないため、ある意味こちらもポーカーフェイスを維持していり。

 

そしてどちらもジョーカーを引かせ続ける不毛かつ奇跡のようなやり取りを永遠と繰り返していた。

 

「……な、なにやってるんですか?」

 

シュッ、シュッっとカードを引き合う音以外何も聞こえない屋上に堪えられず思いきって尋ねたサクラ。

サスケはその行動を心の中で讃えた、『ナイスだサクラ!!』と。

 

「サスケとサクラか…やっと来たみたいだな。二人も来たし、そろそろ終わりにさせてもらおうかな!」

 

「たしかカカシ先生……で名前あってよね?この勝負、始めた時点で俺に敗けはないってばね!」

 

「な、なにぃ!」

 

カカシがナルトからラスト一組を揃え、上がり宣言をしようとした瞬間にトランプが全てただの木の葉に変わったのだ。

 

「アンコ姉から『勝負をするなら勝てる勝負を、それでも負けそうなときは勝負自体を御破算にして無かったことに』って習ったってばね。」

 

「アンコが姉さんねぇ……でもサスケもサクラも全員覚えときなさい。騙し騙されが当たり前の世界で仲間を守るためには必要なことだからね。」

 

 

トランプバトルが終わればサクラとサスケを交え、円を作るように座り、簡単な自己紹介が始まった。

一番手に選ばれたのはナルトだ。

 

「名前はうずまきナルト。慎重、体重、年齢、血液型は秘密。好きなこと色々。嫌いなもの特になし。趣味は家庭菜園と動物や蟲の観察及び飼育……以上。」

 

「じゃあ次はサクラ、その次がサスケ。最後は俺でいいかな?」

 

「えっと…春野サクラです!好きなものは白玉餡蜜、嫌いなものはか激辛料理全般で、好きな人は…内緒です!」

 

「俺はうちはサスケ。好きなもの……今はまだ分からない。嫌いなものはない。目標と言うか野望に近いが兄を殺す事だ。」

 

サクラはチラチラサスケを見ながら自己紹介をし、一人でエヘヘやキャッ!など何かを思い出して盛り上がっていた。

 

それに対してサスケは終始冷静だったが、好きなものを語るときだけ顔を赤くしていた。

こちらもサクラた同様何かを思い出したのだろう。

 

最後のカカシの自己紹介がやって来た。

 

「名前は、はたけカカシ。名前以外は教える気はない……以上だ!」

 

最後については自己紹介と呼べるものだったか甚だ疑問だが、とにかく全員が自己紹介を終えた。

 

「自己紹介も終わったことだし今日は解散して、明日お前たちには初任務として俺と演習をしてもらう。内容や理由は明日話すから、朝の8時に演習場に集合だ。」

 

「ちょっ、待ってください先生……もういないし!」

 

「何で卒業したのに演習なんてしなきゃいけないんだっ!!」

 

「……はい」

 

カカシが去った後には演習場までの地図と『明日、朝飯食べてくるなよ。俺の演習は厳しいから食べてきたら吐きまくって死ぬからな?』と書き置きがあった。

 

ナルトはそれを文句言うサスケとサクラに渡すとアカデミー内の図書館に向かって歩き出した。




どーもナコです!
下手な外伝下記始めたナコです。
幼少期はナルトのキャラ付けや周りとの関係を少しでも形作るために外伝も多くなると思いますがこれからもよろしくお願いします!

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