side.サクラ
卒業試験を合格し、更に班のメンバーにサスケ君が居ると分かった私の心は今にも天に昇りそうだった。
しかし、最後の一人がナルトだと知り、気分は最悪、天国から地獄へ急降下だ……
だってナルトは私達には無表情だから…
ナルトはアカデミーだとイルカ先生、チョウジ、卒業生実習でたまに来るリーさん、テンテンさん、火影様にしか笑顔を見せない。
周りにどれほど人がいて、全員がナルトの笑顔や拗ねた姿を見ては居るけど、それが向けられてるのは私達じゃない。
感情豊かなナルトと無表情なナルトのギャップ。
きっとナルトを『能面』と呼ぶ人達は、そのギャップと自分達に向かない笑顔が悔しくて呼ぶんだと思う。
何か悔しいじゃない……周りに何十人、何百人、何千人居てもナルトにとっては居ないも同じ…眼中どころか道端の石や埃みたいに意識すらされてない。
好きじゃないし、友達でもないけど認めさせたいじゃない!
上手く言えないけど私達がナルトに抱く思いは好きとか嫌いじゃない…もっと不思議な何か…
出来るならあの笑顔を向けてほしい……ただそれだけなのかもしれない。
だって本当に楽しそうに笑うんだもん!
あれを見た日から思うことがある……もしナルトの隣で今のチョウジ君みたいに話したり出来たらきっと毎日退屈しないんだろーなーって。
side.いの
チョウジがずいぶん前からナルトと一緒に居るのをよく見る。
シカマルとアタシの訓練が終われば、チョウジのお母さんが作ったオカズ持ってナルトが住む里外れの森へ行く。
シカマルは『メンドクセェ…』と言ってるけど本当はかなり気になってることは、アタシにはお見通しだ!
私も本当はかなり気になってる……だって、あの『能面ナルト』だよ!?
それがチョウジとかには満面の笑み浮かべて毎日話してるんだよ!?
気にならない方がおかしくない?ってか気になるのが普通だよね!
ってな訳でアタシはナルトを尾行してる!
このいのちゃんがナルトの秘密を全てを暴いてやる!
道に迷いました……ナルトが住む森まで着けてきたのは良いけど予想以上に深く広い森に迷いました。
「此処何処よぉ…チョウジ~シカマル~ひっぐ、うわぁぁぁん!!」
花屋の私ですら見たことない植物、獣や蟲達が唸りながらずっとアタシを見てる……堪えられず泣き出したアタシは悪くない!!
「あーー!!本当煩いってばね!この不法侵入者!」
「な、ナルト?た、たずかっだ~!!怖かったよぉぉ!!」
ナルトが目の前に現れた時、抱きついたのはしょうがないと思います…はい…
とにかく人が居る安心感から30分程私が泣いてる間ナルトはとにかく離れようと暴れていた…こんな美少女に泣きつかれて嫌がるなんて失礼な奴だ!!
「此処真っ直ぐ進めば出られるから2度と来るなってばね!」
「また迷いそうだからやだ……ナルト連れてって……」
「えぇーーーーーー!」
「また泣くわよ…」
「わ、分かったてばね!」
チョロいな!
けど分かった事がある。ナルトは私達に無関心で無表情だけど冷たい奴じゃない。
だって嫌だ嫌だと言いながらも私をおんぶして出口まで運んでくれたんもん!
「ありがと、ナルト!」
「礼は要らないから、もうくんなってばね……」
ナルトは相変わらず無表情だけどかなり疲れて見える。
このまま何かと巻き込めば壁を壊せるかもしれない。
「女の子って綺麗とか可愛いが大好きなの!それを手に入れるためなら、どんな手間も努力も惜しまないって知ってた?」
「急になんの話だってばね?」
「じゃあねー!また明日アカデミーで!」
「変なやつだってばね……」
必ず手にいれてやるわよナルト!
近いうちに私の弟して、女装させたり、着せ替え人形にしたり、肩揉ませたり、笑わせたり、遊んだりしてやるわ!
~その頃~
「……今凄い悪寒がしたってばね」
「誰かがアタシの座を狙ってる!?来るなら来い、姉の座は渡さないわよ!!」
「はぁ~、いい加減に弟離れしてほしいってばね…」
帰宅したナルトは何故か居るアンコに捕まり風呂場へ。
最後の抵抗でなんとかナル子に変身し、アンコの背中を洗っていた。
うまく上手く書けませんでしたが一応サクラといの目線完成です!
外伝は思いついたのから書いていくのでまだ第何話かは書いてません。
ちなみにサクラはアカデミー卒業試験終了後目線で、いのは卒業試験の1ヶ月程前の話です。