森は侵入者のせいで騒がしくなっていた。
森に住む様々な蟲や獣達が、必死に尻を押さえながら逃げ隠れするミズキを探しだそうとしているのだ。
「何なんだ、この森は?!」
逃げてる最中に見つけた小さな洞穴に隠れたミズキはたまたま持っていた軟膏を尻に塗りながら叫んだ……半分涙目である。
『ブゥーン』
しかし森はそんなミズキを休ませる気は無いらしい。
洞穴の奥には『金紋黒大蜂』の巣があり、軟膏を塗る際に伸ばした足が巣を蹴ってしまったのだ…
「もぅ、イヤ……」
急いで出ようとするが、疲労と恐怖と尻の痛みで手足が縺れて思うように進めない。
しかも舞い上がった砂埃を攻撃と認識した蜂達は一斉にミズキを刺したのだ……よりにもよって『尻』を…
その頃ナルトは……
「こうなったら奥の手だってばね!」
「老いたとはいえ、ワシもまだ負けんぞっ!!」
部屋は互いの闘志で熱くなっていた次の瞬間!!
「おいろけの術!!」
「なっ!?」
『うっふ~ん』と厭らしいポーズで現れたのは金髪の美人だった。
三代目は目を見開いた次の瞬間、鼻血を吹き上げながら倒れた。
「今の所、この術で倒れなかったのダンゾウじいちゃんだけだったってばね……イルカ先生もじいちゃんもスケベだってばね!!」
とか言いながらも鍵開けて禁書庫に入り巻物を探すナルトであった。
ナルトが巻物を見つける少し前のミズキはと言うと……
「た、助けてくれー!」
逃げていた。猿より紅い尻を濡らした手拭いで冷やしながら自分を追ってくる巨大熊から必死に逃げていた。
何故こんなことになったかと言うと、逃げてる途中小川を見つけたミズキは手拭いを濡らしてソレで尻を冷やしていた。
ミズキは知るよしも無いことだがこの場所は『バシラ』と呼ばれる熊の狩場だった。
『バシラ』とは巨大な熊で本来は水の国に住んで居るのだが、第二次忍界大戦で住みかを失い、木の葉近くまで来ていたのをナルトが見つけて保護したのだ。
何の不運か、そのバシラが魚を取りに来てミズキを発見。縄張りを奪いに来たと勘違いしたのだ。
『グゥワァァァ!!』
「二度近づきません!だから許してぇぇ!!」
バシラは更にスピードを上げた。
どうやら答えはNOらしい……
「神様!九尾様!ナルト様!早く来てくれぇぇ!!」
今の彼には恥も外聞も無いらしい…
調度その頃、巻物を見つけたナルトは中身を確認もせずにソレを背負い森を目指していた。
「今行くってばね、ミズキ先生!!」
走れナルト!
風のように、瞬神のように、とにかく走るのだナルト!
心も体もミズキはもう限界だ!
急げナルト!
三部作構成になってしまいました……トホホ
それにしてもミズキは尻に縁がないようです!
次策ではナルトが切れるかも!?
ナルト邸の動植物達は後々説明していきますね!