咲-Saki- とりあえずタバコが吸いたい先輩   作:隠戸海斗

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久ちゃんとのいちゃいちゃタイム始まるよー。
っていうか既に始まってるよー。


10竹井久その1 現状と進学

かなりの貧血とそれに加えて背中の傷。

秀介が退院するまで二ヶ月ほどかかった。

 

吐血した量が尋常ではなかったらしく、見舞いに来た靖子からも「死ぬかと思った」と顔を逸らされながら言われた。

面と向かって心配したと言うのが恥ずかしいのだろうか。

 

久はもう振りきってくれたのか、今までの通りになっていた。

秀介としてもありがたい。

 

そんな久だが、「これだけは伝えておかないと」と、意識を取り戻して割と近いうちにあの時の勝負の事を話してくれた。

 

 

まずあの日の出来事からだ。

 

そもそも久は父親の借金の事は知っていたが、あれほど膨れ上がっていて切羽詰まっていたことは知らなかったという。

大会の最中突然携帯電話が鳴り、出てみると知らない男の声。

 

「今お父さん借金返す為に麻雀打ってるんだけど、この腕じゃ借金膨れるだけだよ。

 代わりに打ちに来ない?」

 

そんな軽い声で、しかし死刑に近い宣告をしてきたのだ。

そもそも父親は麻雀があまり強くない。

それなら父親に任せるよりマシと久は急遽大会を辞退し、指定された雀荘に向かったのだという。

しかしそこで待っていたのは卓上の三人と、さらに後ろに立つ一人。

四人がかりで手を通され、サインやすり替えの横行。

久といえどもどうにもできない。

 

そんな時、「シュウなら・・・・・・」と頭に浮かんだ。

しかし巻き込むわけにはいかないと必死にその考えを振り払い、麻雀を続ける。

だが負けが重なり、もはやどうにもならない、頭が真っ白。

 

巻き込んで済まなかった、と泣きながら謝る父親が卓に着いたのを見たところまでは覚えている。

気がついたら雨の中、秀介の家に向かって走っていたのだと言う。

 

後は秀介も知っての通りだ。

 

 

「・・・・・・本当に、巻き込んで・・・・・・」

 

ごめんなさいと言うのを、秀介は止める。

 

「謝るのは無しだ」

 

笑顔でそう言い、しかしその後言いにくそうに言葉を続ける。

 

「・・・・・・俺も、現在進行形で悪い事をしている・・・・・・」

 

告白を断り、ただの幼馴染でいたいなどと。

それに思い至ったのか、ボンッと久の顔が真っ赤になる。

 

「べ、べべ、べ、別に・・・・・・いいなら、いいけど・・・・・・」

 

この反応・・・・・・ずっとこのままの関係でからかい続けるのも面白そうだ、などと思いすぐに自重する秀介であった。

 

 

そしてその後、今現在の状況だ。

 

まず借金は無くなり自由の身、これはいい。

だが久の父親が言うには、あんな連中と関係を持ってしまった事で今後も久達に何か無いとは言い切れない。

だから落ち着くまで夫婦親子の縁は切っておいた方がいいだろう、と。

それはつまり落ち着いたらまた籍を入れるだけで、しかし今はとりあえずそうしておいた方がいいだろうと言う事。

 

「だからね・・・・・・私今は上埜久じゃないの。

 母親の旧姓名乗ってるから、竹井久なの」

「そうか、俺も呼び間違えないように気を付けるよ」

「いやいや、あんたはずっと名前で呼んでくれてるじゃないの」

 

そう言って笑い合う。

やはりこの関係はいい。

 

だが、これは久を傷つける行為だ。

いずれ近いうちに答えを出さなければ、と秀介は自分自身に釘を刺すのを忘れない。

忘れはしないが、しかし中途半端な気持ちのまま急激に仲を進展させようとするのもよくない。

結局のところそのまま、日常を送るしかないのである。

ヘタレと言われるのも仕方がない。

 

そのまま幼馴染として過ごし、秀介は退院し、学校生活に戻る。

 

 

 

「そういえばシュウ、進学どこにするの?」

「・・・・・・考えてなかったな」

「ちょ、しっかりしてよ」

 

夏も終わり、季節は秋だ。

中学三年生としては受験を考える時期である。

前の人生よりも進んだ教育だったが一応2回目と言うこともあり、裏世界が長かった秀介でもそこそこの成績を収めていた。

よっぽど頭のいい学校を目指さなければ何とかなるだろう。

一方の久はかなりの成績優秀者である。

頭のいい学校も目指せるだろう。

例えば。

 

「お前はどうするんだ?

 頭が良くて麻雀も強い風越に行くのか?」

 

その発言に久の身体がピクッと跳ねる。

確かに以前風越を気にかけていたことはある。

しかしその話は秀介にはさり気なくした程度だ。

 

覚えていてくれたんだ、と何やら嬉しくなる。

 

が、久はついついっと秀介の制服の袖をひっぱりながら呟くように言った。

 

「今私立に行くようなお金無いし・・・・・・それに・・・・・・。

 

 ・・・・・・女子校行ったら・・・・・・会えなくなっちゃうじゃない・・・・・・」

 

ほんのり頬が赤い気がする。

何この可愛い生き物。

思わず秀介は久の頭にポンと手を乗せた。

 

「・・・・・・お前、可愛いな」

「なっ!?」

 

バッと離れる久。

そんな反応すら可愛いと思ってしまう。

 

「・・・・・・そうだな、どこか一緒に通えそうな共学でも探そうか」

「・・・・・・そ、そそそ、そうね・・・・・・」

 

その後もつかず離れずの距離で二人は会話を続けた。

 

まったくもっていじらしく、健気なものである。

 

 

それから数日後、久が秀介に向かって言った。

 

「清澄高校なんてどう?」

「清澄?」

 

はて、名前も聞いたことないしどんな学校だ?と聞いてみる。

特に麻雀部について。

しかし。

 

「あるわよ、一応」

「一応?」

「廃部寸前らしいわ」

「は?」

 

何故そんなところにと秀介は首を傾げる。

久は笑いながら言った。

 

 

「私達だけの麻雀部を作りたいの。

 それからその内メンバーを集めて、全国を目指すの!」

 

 

久のその輝く瞳に、秀介はほぅと見惚れる。

志を決めた姿の何と魅力的なことか。

 

「それまでは個人戦で頑張るのか?」

「んーん、個人戦にも出る気は無いわ」

 

は?と秀介はやはり首を傾げる。

 

「もちろんメンバーが集まってくれれば団体戦と一緒に出たいけど。

 それまでは・・・・・・ね」

 

そう言ってウインクしてみせる。

 

「・・・・・・実力を隠す、ってか」

「そそ」

 

ふーむ、と秀介は頷く。

久はニコッと笑った。

 

「シュウもそうでしょ?」

「ん?」

 

何が?と聞き返す。

 

「中学で名を上げなかった理由」

 

ああ、と秀介は手を叩く。

そういう風に思われていたのかと。

 

単純に全力勝負になったら体が持たないと思ってのことだったのだが。

 

しかし・・・・・・と考えてみる。

麻雀無しで将来どんな人生を送るのだろうか、と。

 

散々麻雀で、というか麻雀のみで生きて来た前回の人生。

確かに辛かったし、あんな死に様だったし。

しかし辛い事ばかりでは無い。

麻雀を通じて色々な人と出会ったし、何より麻雀という物が大好きだったから。

それを思うと多少無茶をしてでも麻雀で生きて行く人生を選んでもいいのではないだろうか。

 

「・・・・・・そうだな」

「やっぱり」

 

んふふ、と笑う久。

 

「行ってみるか、清澄」

「決まりね」

 

パンと二人はハイタッチを交わす。

 

 

 

そうして受験を終え、二人は清澄高校の生徒となった。

 

 

 

始業式を終え、さっそく二人は部室へ向かう。

 

「うむ・・・・・・まぁ、こんなものか」

 

埃まみれの床と麻雀卓。

空っぽの本棚と広い空きスペース。

 

「まぁ・・・・・・とりあえず掃除からね」

「そうだな」

 

 

最初の一週間は掃除だった。

床を磨いて、卓を綺麗にして、本棚を磨いて、窓を綺麗にして。

 

それから次の一ヶ月で色々な物を持ち込んだ。

本棚には本、窓にはカーテン。

それからティーセットなんかも持ち込んでお茶を飲んでみたり。

秀介はリンゴジュースを愛用していたが。

飲みながらも麻雀ができるように、小さなテーブルをいくつか買ったり。

 

パソコンを持ち込んで繋いだり。

秀介は機械系統が苦手なようで設定は久がやったり。

その割に麻雀卓の修理はあっさりやってのけたり。

 

大きなベッドを苦労して持ち込んで、暇な時には寝ようぜ、なんて言ってみたり。

それを聞いて久が赤い顔でごにょごにょ言っていたり。

 

それはそれで楽しい一ヶ月だった。

 

 

それを終えると、まるで無限ともいえる空き時間が押し寄せて来た。

 

 

他に部員はいない。

一応部活を行う為に必要な最低人数と言う物があるので、名前だけ借りている幽霊部員もいるにはいるのだが、彼らも顔を出してはくれない。

ベッドに二人で腰掛け、天井を仰ぎながら呟く。

 

「・・・・・・打つか?」

「・・・・・・二人で?」

「・・・・・・特殊ルール二人麻雀」

「・・・・・・何もしないよりよさそうね」

 

チャ、タン、と広い部室に二人だけの麻雀の音が響く。

 

久と秀介、二人だけの麻雀。

それはそれで楽しいものだったが、しかし長続きするものではない。

何とかしなければ、と久は考えていた。

 

 

そしてある日。

 

「出掛けるわよ!」

 

部室に向かおうとしていた秀介にそう声をかけた。

 

「・・・・・・どこへ?」

「んふふふふ」

 

何やら怪しげな笑いを浮かべる久。

 

「ついてらっしゃい!」

 

有無を言わせずそう言って歩き出してしまった。

そうなればついていかざるを得ない。

 

しばらく歩き、現れたのは喫茶店だ。

 

「ここよ」

「・・・・・・ここに何があるんだ」

 

秀介の言葉も聞かず、久は店に入っていく。

やれやれ、と秀介もそれに続いた。

 

チリリーン

 

「おかえりなさいませー」

 

眼鏡の女の子が迎えてくれる。

が。

 

「・・・・・・メイド?」

 

その服装に秀介は首を傾げる。

 

「来たわよ、まこ」

「おー、いらっしゃい久」

 

何やら親しげに話す両者。

知り合いか?と様子を見ている秀介に、まこと呼ばれた少女が寄ってくる。

 

「あんたが志野崎秀介?」

「そうだが」

 

秀介の返事にまこは、ほほうと怪しげに笑う。

 

「よく久があんたの話しとるよ。

 早いとこ進展した方がええんじゃない?」

「まこ? 何話してるの?」

 

聞こえていないようで久がひょいと覗き込んでくる。

 

「何でもー。

 今日もそっちで打つの?」

「ええ、お願いするわ」

 

そそくさと立ち去るまこ。

久はそれを見送ると秀介に向き直った。

 

「・・・・・・何話してたの?」

「・・・・・・別に。

 それより打つって言ってたか?」

 

むむ、と不満そうだったがすぐに久は喫茶店の奥を指差す。

 

「ここは確かに喫茶店だけど、奥に麻雀卓があるのよ。

 そこで麻雀好きが集まって打つの」

 

奥を覗き込んでみると、確かに麻雀卓が置いてある。

今は誰も打っていないようだ。

 

「たまに強いプロの人も来るらしいのよ」

「・・・・・・プロがこんなところに何の用で来るんだ」

「知らないわよ、メイドが好きなんじゃないの?

 ここの服装はいつもメイドってわけじゃないけど」

 

二人してやれやれと首を振る。

 

「・・・・・・とりあえず今は誰もいないみたいだが?」

「来るまで待ちましょう。

 喫茶店なんだし、コーヒーでも飲んで」

 

久はさっさとテーブル席に座る。

仕方ないなと秀介もその正面に座った。

ついでにチラッと聞いてみる。

 

「・・・・・・で? レートは?」

「いやいやいや! 喫茶店経営できなくなっちゃうでしょ!? ノーレートよ!」

 

ちぇーっと本気か冗談かよく分からない舌打ちをする秀介に、「何言ってるのよ」と割りと本気で心配する久だった。

そんな二人の所にまこが何やらニヤニヤしながらやってくる。

 

「ご注文は?」

「コーヒー二つ。

 あと本日のケーキ一つ」

「新メニューでカップル限定の「ジャンボパフェストロベリー風初キスの味、そして幸せが訪れる」ってのが・・・・・・」

「注文は以上よ」

「・・・・・・はいよ」

 

注文を取るとまこはやはりニヤニヤしながらさっさと立ち去る。

ふと、久が笑いながら聞いてきた。

 

「コーヒー、苦くて飲めないとか言わないわよね?」

 

別に飲めなくは無い、と思いつつ少し考えて言ってみる。

 

「別に平気だ。

 何ならビールくらい苦くても」

「ちょ、高校生でしょ、成人まで待ちなさいよ」

「冗談だ」

 

そう言って二人で笑い合った。

 

「ところで灰皿は無いのか?」

「タバコも禁止、成人まで待ちなさい」

「残念だ」

 

 

 

チリリーン

 

しばらく待っていると、新たな客が入ってくる。

 

「おかえりなさいませー」

「打てるかしら?」

「ええ、お二人お待ちです。

 わしが入ればすぐ打てますよ」

「ならお願い」

 

どうやら麻雀を打ちに来た客のようだ。

 

「久、それと志野崎先輩。

 打ちに来たお客さんですよー」

「今行くわ」

 

久と一緒に席を立つ秀介。

ちらっとまこの方を見ながら久に聞いてみる。

 

「・・・・・・今先輩って呼ばれたか?」

「あの子一つ歳下よ」

 

あっさり答える久。

だが久は名前を呼び捨てにされていなかっただろうか。

秀介にも親しげだったように感じる。

 

「あの子はそういう性格なのよ。

 あ、それからまこも麻雀中々の腕だから、油断しないようにね」

「そうなのか、分かった」

 

高校に入って最初の麻雀だ、少し本気で打とうか。

 

 

そう思った秀介の決断は、卓に着いた瞬間に削がれていった。

主に対面に座ったプロのせいで。

 

「・・・・・・なんでここにいるんだ」

「それはこっちの台詞だよ、靖子姉さん」

 

現れたのはプロになって1年程でありながらも徐々に「まくりの女王」としての地位を確立している靖子であった。

 

「ん? なんじゃ、お知り合いか?」

 

まこの言葉に、靖子の上家の久が小さく頷く。

 

「まこ、あんたの言ってた強いプロってヤスコの事だったのね・・・・・・」

「こら、人前では藤田さんと呼んでくれと言ってるだろう」

 

ぷーっと膨れる靖子にはいはいと返す久。

 

「まぁ・・・・・・じゃあ、シュウ。

 今日はまこの打ち方を見ることにしましょう」

「そうだな」

「おいこら、プロになった私の腕前を甘く見てないか?」

 

スルーされて悲しいのか、靖子が文句を言う。

 

「二人ともそんなこと言うとるけど、藤田プロより強いんか?」

「私は苦戦するわよ。

 でもシュウ相手じゃね」

 

まこの質問に、久はなんだか自分の事のように嬉しそうに答えた。

そんな久の態度がまた気に入らなかったのか。

 

「・・・・・・久」

 

靖子は意地悪気に口を開いた。

 

「何? ・・・・・・っと、何でしょうか? 藤田さん?」

 

今更ながらに敬語に直す久に、靖子は言った。

 

「シュウは私の可愛い弟分だ」

「・・・・・・?」

 

それが何か?と首を傾げる久。

フッと笑って靖子は続ける。

 

 

「もし付き合いたければ私を倒してからにしろ」

 

 

「ちょっ!?」

 

何それ!?と思わず立ち上がる久。

今の態度だけで察したと言うのかこの人は。

 

「べ、別にそんな! 私は・・・・・・あの・・・・・・うぅ・・・・・・」

 

とっさに否定しようとしたが本人の手前否定しきれない。

日頃の態度から見ても久は諦めていないのだから。

まこは「ほほぅ、これはこれは」と楽しそうに見ていた。

 

しかしそれは当人同士の問題だろう、と秀介は点箱を開ける。

 

「・・・・・・靖子姉さん」

「ん? どうした? シュウ・・・・・・」

 

靖子が見ている目の前で、秀介は100点棒を銜えた。

途端に靖子の表情が変わる。

 

 

「確かに靖子姉さんの事は本当の姉みたいに慕ってるけど・・・・・・」

 

 

カタンと点箱を仕舞う。

 

 

「・・・・・・あんまり口出ししてほしくないなぁ・・・・・・」

 

 

そう言って不敵に笑う秀介。

 

 

「ちょ! お前!」

「何ですか? 藤田プロ」

「お、お前まで呼び名を変えるな!

 いつも通り「靖子姉さん」と呼んでくれ!

 それから、お前まさか・・・・・・身内以外の人間がいる前で・・・・・・!」

「まさかプロが「手加減してください」なんて言わないですよね、靖子姉さん?」

 

んー?と笑ってやると、靖子の顔に汗が浮かんでいるのが見えた。

 

「大丈夫ですよ。

 もし万が一派手な負け方をしたとしても、ここにいるのは身内と、口の堅そうな店員さんだけですし」

 

ちらっとまこの方を見る秀介。

まこは「ありゃー?」という表情をした後にポンと手を叩くと靖子に視線を向ける。

 

「確かにわしは口がめちゃくちゃ固いですけぇ、気にせんといてください、藤田プロ」

 

と、いかにも信頼できなさそうな笑顔で言った。

靖子の顔が青くなってきた気がする。

 

「それはそれとして藤田プロ、志野崎先輩はそんなに強いんですか?」

「・・・・・・ぐ・・・・・・」

 

答えずに視線を逸らすその態度がもはや答え。

「へぇー」とまこは秀介の方に目をやる。

 

「お手柔らかにお願いします、志野崎先輩」

 

ぺこりと頭を下げるまこ。

秀介も手を上げて返事をする。

 

「ああ、よろしく。

 そういえばまこって名前しか聞いて無かったが・・・・・・」

「染谷です、染谷まこ。

 どうぞまこって呼んでください、先輩」

「分かった、まこ」

 

ニッと笑う秀介。

まこもニッと笑って返した。

 

それを何か気に入らなそうな表情で久は見ていた。

 

 

「さてと」

 

フッと秀介は正面の靖子に笑いかける。

ビクッと靖子の身体が跳ねた。

 

「もしも万が一、天文学的確率で、プロである靖子姉さんがビリ・・・・・・いや、箱割れするようなことがあったら・・・・・・俺と久の件には口出ししないと誓って頂きたい」

「お、お前! トバす気か!? 姉と慕う私を! プロの私を!」

 

がくがくと震える靖子に「やだなぁ」と秀介は笑って見せた。

 

 

「今まで黙ってたけど、靖子姉さん」

「は、はい!?」

 

 

「靖子姉さんが負けた時のあの魂の抜けたような表情、嫌いじゃないよ」

 

 

 

数十分後、卓にがっくりと倒れ込んだ靖子の表情は実に秀介のツボをついていたとだけ語っておこう。

 

 




あぁ、フルボッコは胸が痛む(笑)
まこちゃん登場したから、多少笑える描写が増やせるよ!(

久のデレ方はツンデレ系とは違う独特なデレ方な気がする。
いや、原作でそこまでデレたことないし、この作品書いてるの俺なんですけど(
なんかそんな気がする。

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