機動戦士ガンダムSEED Destiny 凍て付く翼 作:K-15
ローエングリンゲートを突破したミネルバはそのまま進路を進み黒海沿岸ディオキアに到着する。
ここでは明日ラクス・クラインの慰問コンサートが開催され、クルー達はラクスを見に行けるかもしれないという事で多いに賑わって居た。
通信士のメイリンもその1人でディオキア基地内の食堂で興奮しながら姉であるルナマリアに話しかけて居る。
「明日はラクス様のコンサートだよ、お姉ちゃん!!」
「朝から何回も聞いたわよ」
「生でラクス様に会えるなんてぇ……超楽しみ!! 明日は絶対に行こうね!!」
「はしゃぎ過ぎ、もう少し静かにしてよ。」
「だってだって、あのラクス様だよ!!」
メイリンをなだめるルナマリアだったが静まる様子はなく、メニューを選んでる最中もメイリンの口は閉じない。
「わかった、わかったから。も~ゴハンの時くらい大人しくして」
連日ラクスの事を聞かされていたルナマリアはホトホト呆れて居た。
メニューを決めて職員に伝えるとすぐに食事が提供される。
トレイを両手で持ち席を探す2人は既に座って居るヒイロの姿を見つけた。
「隣、使っても良い?」
「好きにしろ」
そっけない返事を聞くとメイリンとルナマリアはヒイロの横と前の席に座る。
興奮冷めやまぬメイリンは視線をヒイロに向けると食事も後回しにして話し始めた。
「ヒイロはラクス様のコンサート見に行くよね!! 今まではテレビとかでしか見た事なかったけど今度は本物だよ!! 朝早く起きて良い席確保しないと」
ルナマリアはこれ以上は関わりたくないとその様子を静かに見守るだけ。
ヒイロも2人が来た時には用意された食事を食べ終えており、メイリンの言う事は聞き流して席から立ち上がる。
「俺はあの女に興味はない。オーブで――」
「えええええええぇぇぇぇぇ~~~~~~~!!」
ヒイロの声をかき消し絶叫が響く。
メイリンの絶叫は空気を震わせ外に居るモノにまで伝わる。
突然の事の食堂に居るモノ全ての視線が彼女に集まり、ルナマリアも動揺して目を大きく見開いて居た。
声の反響によりコップに注がれた水が微かに揺れる。
「興味が……ない……」
この世の終わりのような暗く淀んだ顔をするメイリン。
反響が止み、周囲は静寂に包まれる。
だがすぐに目に光を戻すとヒイロの腕を掴んで無理やり歩き出した。
「発売されたDVDは初回限定盤で全部買ったから見せてあげる!! ご飯なんて食べてる場合じゃない!!」
反論も許されずヒイロは腕を掴まれて食堂から連れ出されてしまう。
ルナマリアは引き止めようともせず、心の中で事が穏便に済むのを願うばかり。
(あの様子だと良くて丸1日。そのまま徹夜でコンサートの席取りに駆り出されるでしょうね。ヒイロ、ご愁傷さま)
ヒイロを引き連れたままメイリンはミネルバの自室まで戻って来た。
手を離し開放するや否や自室の扉にロックを掛け今までに買ったありったけのDVDを引き出しから引っ張り出す。
その内の1つを手に取るとヒイロの眼前に見せ付けて来る。
「これが3年前に発売されたアプリリウスでのコンサート!! ラクス様の初めてのコンサート、今じゃプレミアが付いて中々手に入らないんだから。まずはコレ!!」
「オ、オイッ!?」
「最後の『静かな夜に』が最っ高なんだから。ほら、コッチに座る!!」
メイリンはまたもヒイロの腕を掴むと部屋に設置したモニターの前にまで歩かせる。
ヒイロの意見など全く聞く耳を持たずシートに座らせ手に持ったDVDのパッケージからディスクを取り出しデッキに入れた。
モニターに映像が流れ始めるとヒイロの隣へ座り真剣な眼差しを向ける。
そうして深夜遅くまでラクスのDVDをヒイロとメイリンはノンストップで見始めた。
長い時間の中で休憩が取られる事もなく、聞きたくもないメイリンの解説も聞かされる事となる。
///
「ねぇ、まだ見てるの?」
部屋に戻ったルナマリアは既に寝る準備をして居る。
大音量で映像を見てるメイリンとヒイロに呼び掛けるが聞こえないのか返事がない。
「先に寝るわよ」
諦めたルナマリアはそう言い残し寝室のベットに行ってしまう。
メイリンは姉の事を意に返さず、映像が終わるとすぐ次のディスクに入れ替える。
休憩もなしで6時間以上も見続けてる事もあり彼女の目元には隈が出てるが全く気にする素振りもなく、映像が再生されるとまたヒイロの隣へ戻った。
「でね、次のが半年前に発売されたばかりのヤツ。終戦してから全然出なかったんだけど、再開してから路線変更して派手になったの。今のラクス様は昔と比べて安っぽくなったって言う人も居るけれど私は違うわ!! 今も昔もラクス様は最高なんだから!!」
ヒイロは文句も言わずメイリンの見せる映像を見てたが入れ替えたディスクの映像をしばらく見ると目付きが変わる。
「今までと動きが違う」
「わかる!? ダンスも取り入れたりしてアクロバティックになったの!!」
「そうじゃない。比べると歩幅が5センチほど伸びてる、発声もキーが少し高い。決定的なのは薬指の長さだ。最近のは人差し指と薬指が同じくらいの長さだが昔は人差し指の方が長かった」
「へぇ~、そうなんだ。私も何回も見てるけど気が付かなかった」
ヒイロの『感想』を聞いたメイリンはまた流れる映像に集中する。
彼女はまだ事の重大さに気が付いてなかった。
興奮するメイリンを尻目にヒイロは頭の中である仮定を組み立てる。
(あの時、オーブで会った女が本物。半年前から現れたコイツが偽物。プラントの統率を図る為の替え玉か。元々はそうでないにしても今と言う状況に置いては有効に機能してるな。初代プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの娘……替え玉とは言え世間に認知されれば使い道は多いな)
「ヒイロ聞いてるの!! 次は『Quiet Night C.E.73』だよ。ちゃんとダンスの振り付けも覚えてよね!!」
夜はまだ長い。
翌日、ミネルバクルーの殆どは今日開催されるラクス・クラインのコンサートを見に行った。
メイリンはDVDを解説しながら全て見終わった後、またヒイロの腕を無理やり掴みコンサート会場に日も昇らぬ内に向かう。
空を見上げればまだ暗く、月と星が微かに見える。
「じゃあ私は取り敢えず飲み物とか買って来る。この席から絶対に動いちゃダメだからね!!」
「わかっている。早くしろ」
先乗りしたヒイロは言われた通りにシートに座ると両腕を組んでまぶたを閉じた。
昨日から続くラクスのコンサートDVDをノンストップで見せられた事もあり少なからず疲れて居る。
まだ誰も居ない会場で肌寒い空気に晒されながらも休息を取った。
(本物のラクス・クラインがどう動くか? このまま傍観するか、再び表舞台に登場するのかによってプラントの情勢は傾く。現状ではそれは考えにくい。だが、あの時オーブに居たのが気がかりだ。何か意図があると……すれば……)
ヒイロは本物も偽物も裏で何をしてるのかを探ろうと思考を巡らす。
けれども気が付けばそのまま寝てしまった。
数分後には戻って来たメイリンに肩を揺らされて目が覚める。
「ヒイロ、ヒイロったら!!」
「ん、ここは……」
「コンサート会場、戻って来たら寝てるんだもん。全然人が居ないからまだ良かったけど、もし遅かったら私の席が取られちゃう」
言いながら両手に紙コップを持ちながら隣へ座る。
「はいコレ。炭酸だからスカッと目も覚めるわ」
「あぁ。今の時間はわかるか?」
「うん? まだ朝の4時だから……5時間後に始まる予定。あぁ、早く生でラクス様見たいなぁ」
「そうか。終わったら起こせ」
言うとヒイロはまた目を閉じて睡眠を取る。
元からラクスの事に興味のないヒイロにとってコンサートの事など見なくとも良かった。
けれどもこの場から移動しなかったのはメイリンに対するせめてもの配慮なのか。
「ちょっとヒイロ!? 寝ちゃダメだってば!! ヒイロ、ヒイロ!!」
今度はメイリンがどれだけ呼び掛けても目を開ける事はなかった。
///
『みんな~、今日は来てくれてありがと~!!』
ラクス・クラインのコンサートが開かれて2時間後、最後の曲を歌い終わり無事に閉幕を迎える。
終始興奮した状態で掛け声を上げて居たメイリンの体は疲労しきっており歩くのも辛い。
一方のヒイロはコンサートが終わるまで一瞬たりとも目を覚ます事はなく体力を温存してた。
メイリンは隣に座るヒイロの肩を揺らす。
「ヒイロ、ヒイロ終わったよ」
「ん、そうか……」
「なら次はグッズを買いに行かないと。一緒に――」
客足が会場から遠退く中でメイリンは次なる目的の為にヒイロを連れ出そうとしたが、突如として携帯端末の呼び鈴が鳴り響く。
ヒイロはポケットに手を入れて通話ボタンを押すと耳元に端末を当てる。
「どうした?」
『あ、コンサート終わった? ヒイロも大変ね、あんなのに関わっちゃって』
聞こえて来たのはルナマリアの声。
メイリンに連れ回された事に哀れみを込めて言うがヒイロは普段よりも機嫌が悪かった。
「そんな事の為に呼び出したのか? 用がないなら切るぞ」
『待って待って!! 切る事ないでしょ!! 今、ディオキアの8番街にあるホテルに居るんだけどデュランダル議長が訪問されてるみたいなの。それでザラ隊長から連絡があってアタシ達と話がしていんだって』
「何の為だ? 俺はアイツと話す事はない」
『そうかもしれないけど!! 軍人なんだから上からの指示には従うの!! シンとレイもコッチで待ってるから早く来る事、良いわね?』
「了解した」
『ホテルまでの道はわかる?」
「問題ない。7分で合流する」
『じゃあ待って――』
ルナマリアの声を途中で遮断するヒイロはシートから立ち上がり、言われた通り8番街ホテルに向かって歩き出す。
残されたメイリンはどうするべきか悩む間にヒイロの背中は遠ざかってしまう。
「あ、えぇ、行っちゃうの? まだグッズ買いたいのに!! あ~もぅ!!」
メイリンはヒイロの事を諦めて1人で今度はグッズ売り場まで走る。
ヒイロは全く気にする素振りすらなく、ホテル前に時間通り辿り着いた。
そこには既にアスラン、シン、レイ、ルナマリア、艦長であるタリアまでも居る。
ヒイロの姿を見たルナマリアは途中で通話を一方的に切られた事に対して声を上げた。
「アンタ途中で切ったわね!!」
「時間には間に合った。問題ない」
「そうだけど――」
「ルナマリア、話は後にしてちょうだい。議長が中でお待ちよ」
言葉で彼女を静止させるタリアは時間がないとホテルの中に足を踏み入れる。
不満が収まらない彼女はヒイロを睨み付けタリアの後に続く。
中はデュランダルが滞在してると言う事もあり護衛兵が至る所で警備に当って居る。
全員はエレベーターで階を上がりホテル内のバルコニーまで来た。
「良い事、くれぐれも失礼のないように」
念を押すタリア。
言われてシンは襟元を正した。
大きな扉をノックするタリアは中に聞こえるように伺いを立てる。
「ミネルバ艦長、タリア・グラディスです。デュランダル議長?」
数秒後、内側から扉が開かれる。
中に居るのはデュランダルと護衛兵1人だけ。
バルコニーには彩色された長机にティーポットが用意されて居た。
「やぁ、待って居たよ。中へどうぞ」
「はい、失礼します」
一礼してからタリア他5人は部屋の中へと入る。
デュランダルの誘導に従い用意された椅子の前に立つ。
最初にデュランダルが座るのを見てから5人も席に付く。
「折角の休暇にわざわざ来て貰ってありがとう。私もこの様な機会がないと前線で戦う兵と会う事も出来なくてね。キミ達の目から見た地球圏、プラントの現状を聞きたいんだ。余り固くならず自由に発言してくれ」
言うとティーポットに手を伸ばすが、気が付いたタリアは立ち上がると代わりに中の紅茶を注ぐ。
「助かる、タリア。さて、キミ達ミネルバの活躍は私の元まで良く届いてるよ。特にシン・アスカ君」
「は、はい!!」
「新型のインパルスを使いこなしてるそうだね。アーモリー・ワンが初陣だと聞いたが良くやってる」
「ありがとうございます!!」
デュランダルは紅茶の注がれたカップを持つと静かに口に含む。
「これからも活躍に期待してるよ。強奪されたセカンドステージの内の1機は破壊したと聞いた」
「はい、データも既に連合に渡ったと考えられ戦闘にも投入して来ました。奪還するのは困難と考え撃破しました」
そう説明するのはモビルスーツ隊隊長のアスラン。
「そうか、それも致し方ない」
「奪われた3機の内、破壊出来たのはアビスです。残り2機もまた投入されるかもしれません」
「だろうな。充分なデータを採取したのなら後は戦力に投入するだけだ。連合の立場からすれば新型のGは欲しい筈だ。アビスを撃破したのはキミか?」
「いえ、自分ではありません。彼です」
そう言うとアスランはヒイロに目線を向けた。
この中で唯一制服が緑のヒイロの姿をデュランダルはスゥッと目を細めて見る。
「初めて見る顔だね。名前を聞かせて貰えるかな?」
聞かれてもヒイロは真正面を見るだけで口を開こうとしない。
「ん? どうしたんだい?」
「ヒイロ!!」
見かねたシンが小さな声を出し見えないように肘を当てる。
そこでようやくデュランダルに視線を合わせると口を開けた。
「ヒイロ・ユイです」
「ヒイロ君か。単刀直入に聞くがキミは戦争に付いてどう考える?」
「それは今の連合とプラントの情勢の事か?」
「ソレもある」
必要以上の事は言わない。
ヒイロは数秒考えるとデュランダルを睨むように鋭い視線を向けた。
「終戦後の世界情勢を見ても連合がプラントに戦いを仕掛ける理由はない。それでも今のようになった理由は戦争による産業の活性化。連合の裏で何者かが状況をコントロールさせてる。」
「なかなかするどい着眼点だ。私もキミと同じ様に考えてる。いつの時代も戦争なんて起きて欲しくない。皆がそう考え願うにも関わらず人類は戦いの歴史を積み重ねて来た。何故か? そう願いながらも人が戦うのは避けられない運命なのかもしれない。戦争の裏では莫大な資金がうごめいてる。キミ達が乗るモビルスーツも、艦艇も、1つ作るのに様々な事業と資金が動く。この点だけを見れば非常に効率の良い産業と言える。だがその為にどこかで誰かが死ぬ。そんな事を私は認めない。連合の裏で牛耳る存在、ロゴス。連合と戦うのではなく彼らのような戦争商人を世の中から失くす事が今の戦いを終わらせる1番の道だと考える」
デュランダルの言葉に他の5人は静かに耳を傾けた。
けれどもヒイロだけはソレに対して意見を言う。
「俺達兵士は平和の為に戦って来た。だが仮にロゴスを壊滅したとしても、世界から兵器と兵士を失くしたとしても、人類の戦いは終わらない」
「何故そう考える?」
「人は感情で行動するからだ。武器がなくても人は戦いを止めない。大戦などと大掛かりな事をする必要はない。それでも人は常に戦う姿勢は必要だ。世界に対して、社会に対して、自分に対してもだ」
「ヒイロ・ユイ君、キミは強い人間だ。私はソレを素晴らしいと思う。けれども人類全てがそうではない。だから私は全ての人々が安心出来る世界を目指す」
(ギルバード・デュランダル、俺はお前をまだ信用してない。お前がこの世界に何をもたらすのか、見極めさせて貰う。だがその道を外すようなら、俺はお前を殺す)
///
会談が終わり5人はミネルバに戻る為、ホテル内の長い廊下を歩いて居る。
シンはヒイロの傍まで近寄ると先程の事を聞いて来た。
「オイ、なんですぐ議長に返事しなかったんだ?」
ヒイロは立ち止まり横目でシンを睨む。
「なっ、なんだよ」
「いいや。ただ考えが読めなかっただけだ」
「どういう事だよ?」
「わからないなら気にするな」
「お前、俺の事を馬鹿にしてないか?」
シンは聞き返すがヒイロはこれ以上は喋らない。
そんな中に昨日嫌ほど聞かされた声が聞こえて来る。
「アスラ~ン!! ふふふっ」
「ミッ……ラクス」
「お久しぶりですわ。会えて嬉しい!!」
ラクスが突然来た事に驚くアスラン。
けれども彼女はそんな事はお構いなしで皆が見てる前でアスランに抱き付いた。
「今日のライブ、見て下さりましたか?」
「い……いや、他にもやる事があって見に行けなかった」
「そんな~」
2人の様子を見てため息を付いて呆れるタリア。
その後ろからラクスの声を聞いたデュランダルがやって来た。
「あっ!! 議長!!」
「コンサートは終わったのかい?」
「はい、皆様とても楽しんで居ました」
「それは良かった。キミのお陰で兵の士気が上がる」
デュランダルはアスランの耳元に口を寄せると小声で囁く。
「気付いてるかもしれないが、くれぐれも内密に頼むよ」
「わかってます」
状況を理解してないラクスはただ笑顔を向けるだけ。
自分が蚊帳の外に雰囲気に耐えられずラクスはまたアスランに話し掛けた。
「そう言えば!! アスランは隊長なんですわよね?」
「あ。あぁ。ミネルバではモビルスーツ隊の隊長をしてる」
「わたくし、1度モビルスーツを見てみたいです!!」
「そう言われてもな」
独断では判断出来ない内容に頭を悩ますアスランだがデュランダルが助け舟を出す。
「良いではないか、アスラン。キミに渡したセイバーの戦いぶりを見る事も出来るし良い機会だ。模擬戦でもやってみてはどうかね?」
「議長がそう仰るなら」
「艦長もそれで宜しいかな?」
「異論はありません。では準備もありますので20分後でも宜しいでしょうか?」
「構わんよ。では行こうか、ラクス」
「はい、議長!!」
言うとラクスはデュランダルの左隣へ並びながら歩いて行ってしまう。
喧しい声の主が居なくなった事に安堵しタリアはまたため息を付いた。
「なら私達も行きましょう。アスラン、さっき言ったように模擬戦は20分後。すぐに準備を初めて」
「了解です。各員はモビルスーツに模擬専用の武器を装備させて発進準備。いつでも出られるようにして来れ」
隊長であるアスランの指示に従いシン、レイ、ルナマリアは敬礼する。
だがヒイロだけは通りすぎて言ったラクスの背中をジッと見つめて居た。
(替え玉としてアイツを使ったのはプラントの総意か。それともあの男1人の考えか。どちらにしても本物のラクス・クラインがどう動くかによって変わって来る)
ラクスが偽物だと気が付いてるヒイロは誰にも言わず1人思考するが、その事に気が付く筈もないルナマリアは横目でジッとラクスの姿を見つめるヒイロの事を覗いた。
(ヒイロもあの子に毒されちゃったわね)
そんな風に思われてるなど露知らず、模擬戦を始める為に各員はミネルバに戻る。
少しギャグっぽくなってしまった。
メイリンのキャラもこのストーリーの進行に伴い変更させて頂きました。
今回は不満な声が多いかも。
ご意見、ご感想お待ちしております。