機動戦士ガンダムSEED Destiny 凍て付く翼 作:K-15
戦いは終わった。
ロゴスの首謀であるロード・ジブリールは死に、地球連合軍が戦う理由は失くなり、同時にザフトが戦う理由も失くなる。
ジブリールがこの世から居なくなった事を確認したデュランダルは、メサイアの司令部のシートの上で安堵の息を零す。
「終わったか……そして始まりでもある」
鋭い視線を向けるデュランダルは力強くシートから立ち上がり、司令部から歩いて行く。
全世界にこの事を伝える為、カメラも設置されて居る広報室へ向かう。
扉を開けた先では既に準備が整って居る。
「議長、お疲れ様です。いつでも出来るように準備は出来ております」
「ご苦労。なら早速始めよう。この瞬間から、また新たな世界が生まれる」
用意されたカメラの前に立つデュランダル。
息を止め、まぶたを閉じて集中する。
そして数秒、ゆっくりと開かれる瞳と世界に向けて発せられる言葉。
メサイアからデュランダルの言葉はプラント、地球圏と、全世界へ伝えられる。
「皆さん、私はプラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルです。私は今、ここで宣言させて頂きます。ロゴスとの戦いは終焉を迎えたと。ロード・ジブリールは我々の手により抹殺されました。しかし、この戦争により失われた命は戻って来ません。何故、このような事になったのか。何故、もっと早くに戦争は終わらなかったのか。その感情は、私も皆さんと同じです。つい2年前にも戦争は起きました。その時に私達は誓った筈です。もう目の前で人が殺されるのも、戦うのも見たくはないと。こんな事はもう2度と繰り返さないと。しかし、テロリストによりユニウスセブンは地球に落とされようとした。それを切っ掛けに地球連合とプラントは、再び戦争状態となりました。我々は戦争を停止しようと努力しましたが、それも目の前の利益を前には虚しく過ぎ去られ、同じ過ち、同じ苦しみを繰り返す事になってしまいました」
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この声明をラクス・クラインはエターナルのブリッジで聞いて居る。
すぐ傍にはバルトフェルド、ダゴスタ、そしてヒイロが居た。
『愚かな悲劇の繰り返し……その一旦は先にも言いましたようにロゴスの存在です。敵を作る事で戦いを引き起こし、人が大勢死ぬ事も厭わず、それを食い物にして来たロゴス。ですが、ロゴスはもうこの世に存在しません。だからこそ私は申し上げたい。私達は今度こそ、もう1つの最大の敵と戦って行かなければならない。それに打ち勝ち、開放されなければならないのです』
「ロゴスのロード・ジブリールが撃たれたと言うのは本当でしょうか?」
「あぁ、こっちでもついさっき確認した。戦略兵器レクイエムの崩落、それに巻き込まれるようにして死んだらしい。ダイダロス基地にはもう連合軍の戦力もない。残るのはザフトだけだ」
「そうですか。これで、わたくし達の目的の1つは達成したと言えるでしょう。ですが……」
「この次が問題なんだ。議長がこの宣言で何を示すのか。それに掛かってる」
ブリッジの巨大スクリーンに映し出されるデュランダルの姿を4人は固唾を呑んで見守るしか出来ない。
ヒイロも同様に、鋭い視線をスクリーンに向けるだけだ。
『有史以来、人類の歴史から戦いが失くならない理由。常に存在する最大の敵。それはいつになっても克服出来ない、私達自身の無知と欲望だと言う事を。人類が宇宙に進出して幾年が経過しても尚、人は人を信用出来て居ない。幸福を求める手は際限なく伸ばされ、燃えないゴミを増やしていく。それが今の人類です。争いの種、問題は全てそこにある』
「人間の欲……本能とも言えるモノ……」
「だが、それがなければ文明が進む事もなかった。表裏一体の存在だ。一体、何をするつもりなんだ?」
「わたくし達はまだ、戦う事を止められない……」
ラクスにはデュランダルが言おうとして居る事が予測出来た。
しかしそれは、まだ戦う事を止めてはならないと言う事でもある。
『だが、それももう終わりにする時が来ました。終わらせ方を私達はもう知って居る。全ての答えは、皆が自身の心に持って居る。それにより、人を知り、自分を知り、明日を知る。これこそが繰り返される悲劇を止める唯一の方法です。私は人類最後の存続を掛けた防衛策として、デスティニープランの実行を今ここに宣言します!!』
「デスティニープラン……人々の運命を変える計画……」
ラクスはシートの肘掛けを強く握り締めた。
デュランダルの掲げるデスティニープラン、それは遺伝子操作により人々を統治、管理する計画。
コーディネーター技術も発達し、デュランダルの唱える計画を実行に移せる段階にまで来た。
デスティニープランを実行する事で、遺伝子から『戦う』と言う情報を取り除く。
そうして人類を管理する事で世界から戦いや争い、戦争を失くす。
「このプラン、要するに全人類をコーディネーター化させるって事か? 本気なのか、デュランダル議長は?」
「彼は本気です。そしてその為ならばどんな犠牲を払ってでも厭わぬ覚悟があります。わたくし達人類は、なまじ知性があるせいで、文明を広げすぎたのかもしれません。国、人種、性別、そして……ナチュラルとコーディネーター。2年前も、そしてこの戦いも、普通の戦争ではありませんでした。ヒイロさん」
視線を変えるラクスはブリッジの壁へ背中を預けているヒイロに声を掛ける。
自身を殺そうとした相手にも関わらず、向けるその評定はいつものように可憐で優雅。
「アナタならわかる筈です。この戦いが普通の戦争とはどう違うのかが」
鋭い目付きでラクスを見るヒイロ。
バルトフェルドとダゴスタはザフト兵でもあり、エターナルに侵入して来たヒイロを心良くは思ってない。
いつ、またラクスが狙われるのではないかと、常に警戒し様子を監視して居る。
ピリピリとした緊張、そしてそのまま数秒が経過して、ヒイロはようやく口を開け問い掛けに応えた。
「戦争とは言え人間が引き起こしたモノだ。そこには主義や主張がある。問題はその主張にある。ナチュラルもコーディネーターも、互いに唱える主張は同じだ。ナチュラルの抹殺、コーディネーターの抹殺。そこが決定的な違いだ」
「はい、そうです。どちらかが戦えなくなれば戦争は終結します。そしてどちらかの主張が通る事となる。ですが2年前の戦争は違います。連合とザフト、どちらかが戦えなくなったとしても戦いは終わりません。ナチュラルを、或いはコーディネーターがこの世から1人足りとも居なくなるまで戦いは終わらない。これはもはや、戦争と呼べるモノではありません」
「だからデスティニープランを考えた。デュランダルが目指す未来、奴はコーディネーターである事を選んだ。違いがあるから格差も生まれる。全てを統一し、更に統治する。確かにデュランダルの計画通りに進めば、今のような戦争はなくなる」
「そうかもしれません。ですが、わたくしは戦争根絶などと大層な主張をするつもりはありません。国と国、人と人、衝突が起こる事は必ずあります。ただそれを、元の鞘に戻したいだけなのです」
「その為にどうするつもりだ? ザフトと戦うか?」
「いいえ、出来る事なら話し合いで解決したいです」
「奴がお前の言葉を聞くとは思えん。話し合う段階はもう終わってる」
「ですが、可能性が0と言う訳ではありません。試す価値はあると思います。ダゴスタさん、機動要塞メサイアに通信を」
言われたダゴスタはパネルを素早く叩きメサイアに通信を繋げる。
スクリーンに表示される映像。
通信が繋がって暫くすると、そこにはデュランダルの顔が映し出された。
「デュランダル議長、はじめまして。わたくしはシーゲル・クラインの娘、ラクス・クラインです」
モニター越しに自己紹介をするラクス。
それを見るデュランダルの表情は笑みを浮かべて居た。
「自己紹介などして頂かなくても、アナタの事なら承知してます。ラクス嬢」
「デュランダル議長、先程の放送……デスティニープランは、本気で実行されるつもりですか?」
「えぇ、本気です。その為の宣言です」
「わたくしはデスティニープランの実行を容認する事は出来ません。それは人々の自由を奪う事です。全人類をコーディネーター化など」
「ですがそこまでしなくては人類は戦いを止める事など出来ない。2年前、そして目の前で繰り広げられた戦いを見て、アナタにも理解出来ると思ったのですが」
「だから人々の自由を奪うのですか?」
「何も奴隷にする訳ではありません。本人の意思はあります。世界から軍を失くし、兵士を失くす。そして戦争のない世界へと管理する。ニュートロンジャマーが打ち込まれたのも、血のバレンタインが起きたのも、ユニウスセブンが地球へ落とされようとしたのも、レクイエムなどの戦略兵器が作り出されたのも、全て人類の過ちだ!! もはや人類はこのような過ちを繰り返してはいけない。その為のデスティニープランだ!! そこまでしなくてはならない段階へと来て居る!!」
「人の業……アナタが全て背負うつもりですか?」
「そうです。この計画が成功すれば人類はより良き未来へ導かれます」
「ならわたくしは、最後まで抗ってみせます。コーディネーターとしてではありません。人としての感情を持った、1人の人間として」
「キラ・ヤマトと交友のあるアナタなら、わかって頂けると思ったのですが。わかりました、では」
スクリーンに映るデュランダルの顔が消える。
シートに体を預けるラクスは口から大きく息を吐き、体の力を抜いた。
「戦いはまだ続くのですね」
「ラクス、どうするつもりだ? キラもアスランも出撃して居る。こちらから仕掛けるには無理があるぞ」
「ザフトも消耗して居ます。ここは1度帰艦して貰い、改めてどう動くのかを考えます。なるべく早く。2人はどこに?」
「ザフトの新型と交戦中だ」
チラリとスクリーンに表示される座標を覗くヒイロ。
そのに映るのはデスティニーとストライクフリーダムの信号。
(ゼロで未来を見たシンなら、ここから先も戦える筈だ。あとは俺がどう動くか)
戦況は刻々と変化する。
エターナルに潜入してから状況を見守って居ただけのヒイロだが、いよいよ動き出す気配を見せた。
ブリッジを後にしようと出入り口に向かうが、ダゴスタは銃を抜くとヒイロの後頭部に照準を定める。
「待て、どこへ行くつもりだ? 貴様はラクス様の恩恵を受けて居るから、牢屋にも入れずに自由にした。だが、これ以上の勝手は許す訳にはいかない」
「俺を殺したいなら撃てば良い。ただし、少しは抵抗するがな」
振り向くヒイロと銃を突き付けるダゴスタ。
視線が交わる2人からは殺気すら漂う。
でもそれも一瞬の事で、シートから立ち上がるラクスがダゴスタを静止する。
「お止めなさい。ダゴスタさんも銃を降ろして下さい」
「ですがラクス様!?」
「彼は心の優しい方です。どうかここは、わたくしを信じて下さい」
「コイツが?」
もう1度ヒイロを見るダゴスタだが、モビルスーツを奪ってまで侵入して来た相手を信用出来る筈もない。
それでもラクスの言葉に反する事も出来ず、渋々構えた銃を降ろした。
ダゴスタから戦闘の意思が失くなったのを確認したヒイロはラクスに言葉を掛ける。
「何故、俺をそこまで信用する?」
「オーブの海岸で初めてお会いした時に感じました。アナタの瞳は悲しさを知って居ます。悲しさを知るからこそ、人に優しくする事も出来る方だと」
「人の事を信用し過ぎだ」
「そうでしょうか? わたくしはそう思ったのですが?」
「まぁ良い、借りは返す。俺なりのやり方でな」
そう言ってヒイロはブリッジから出て行ってしまう。
ラクスが向ける表情は最後まで慈愛に満ちて居た。
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アロンダイトを構えるデスティニーは、その大きな剣を振り下ろした。
黒く分厚い装甲は引き裂かれ、目の前のデストロイは動きを止める。
トドメにコクピットへパルマフィオキーナを打ち込み、ロゴスが用意した最後のデストロイが沈んで行く。
「これでもう、ロゴスに戦う戦力はない。なら、あと残るのは!!」
レーダーに反応する機影。
因縁の相手であるストライクフリーダム。
ペダルを踏み込み、メインスラスターから青白い炎を噴射して機体を加速させる。
「フリーダム!! 今こそお前を落とす!!」
「あの機体は!?」
フリーダムは握るビームライフルで牽制射撃をするが、デスティニーは光の翼も展開させ更に加速する。
その動きに警戒するキラは距離を取りながら、2丁のビームライフルを連結させ頭部を狙う。
素早く発射されるビーム。
だがデスティニーは回避行動を取らず、一直線に突き進んだ。
「はぁァァァッ!!」
アロンダイトがビームを弾く。
突き進むデスティニーはアロンダイトを大きく振り下ろした。
「っ!?」
連結ビームライフルが切断され、マニピュレーターから素早く投げ捨てた。
サイドスカートからビームサーベルを両手に掴み、キラは相手に呼び掛ける。
「どうして!? もうこれ以上戦う理由なんて」
「お前にはなくても、俺にはある!! 家族の仇だ!!」
「仇? 僕が……キミの?」
「そうだ!! だが、それ以上に!!」
アロンダイトで袈裟斬りするデスティニーに、フリーダムはビームサーベルで振り払う。
交わるビーム刃。
激しい閃光は両者を照らし、アロンダイトは一方的に両断される。
「行ける!!」
「クッ!! ドラグーンを」
突き出されるマニピュレーター。
反応するキラはメインスラスターを吹かして後退しフリーダムの背部から6基のドラグーンが射出する。
次の瞬間にはデスティニーのマニピュレーターが光る。
だがフリーダムは既にそこには居らず、デスティニーの動きを封じる為にドラグーンが周囲を飛び回り、メインカメラや四脚を狙い撃つ。
四方から発射されるビーム。
けれどのデスティニーはその全てを避けた。
「アンタはもう、これからの未来には必要ない!! ヤキンのフリーダムはここで倒す!!」
意識を集中するシン。
視界がクリアになり、反射速度が飛躍的に上昇する。
腰部のビームライフルを掴み、縦横無尽に飛び回るドラグーンの1基を捉えた。
引かれるトリガー。
発射されたビームはドラグーンを撃ち抜く。
(今の俺なら出来る!! 次!!)
ビームはまた1基、ドラグーンを落とした。
卓越した技術と集中力でシンは全てのドラグーンを撃ち落とす。
それを見たキラも意識を切り替え、デスティニーを自身と対等に渡り合えるだけの実力者だと認識した。
クリアになる視界は正面にデスティニーを捉える。
腹部のカリドゥス砲を瞬時に発射された。
シンもウェポンラックから大型ビームランチャーを展開し高出力のビームを撃つ。
赤黒いビームがぶつかり合い閃光が走る。
光の先から出て来るのは、フラッシュエッジを振り下ろすデスティニー。
「遅い!!」
「僕はまだ、負ける訳にはいかないんだ!!」
振られるフラッシュエッジ。
フリーダムは武器を握るその腕を左手で掴み上げ、右手に握るビームサーベルで攻撃しようとする。
だが、この状況になってもまだ、キラは相手を殺さないように戦って居た。
全力を出したシンと比べ、その考えの差にわずかばかりの隙が生まれる。
デスティニーのもう片方の腕からマニピュレーターが突き出された。
パルマフィオキーナの輝きがフリーダムのコクピットを狙う。
(これが僕の弱さなのか? この機体のパイロットは……強い!!)
(もう逃さない!! 終わりだ!!)
「やめろぉぉぉ!!」
宇宙に轟く叫び。
突然に事にシンは一瞬、気をそらしてしまう。
キラはペダルを踏み込み後退、同時に2機の間へビームブーメランが高速で突撃して来た。
距離を離す2機。
その場に合流して来たのはアスランのジャスティス。
「止めるんだ、シン!! ロゴスが消滅した今、俺達が戦う意味はない」
「どういうつもりだ? まだ俺の事を味方とでも思ってるのか!!」
我慢出来なくなったシンはフラッシュエッジを構えてジャスティスに突っ込む。
アスランは反撃しようとはせず、実体シールドからビームシールドを発生させてコレを受け止めた。
「止せシン!!」
「うるさい!! どうして裏切った!!」
「確かに何も言わずに軍を抜けたのは悪いと思って居る。けれど議長の言葉を信用する事は出来ない。デスティニープランもこのまま実行させる訳にはいかないんだ」
「そんな事で!! じゃあ今、自分のしている事は正しいのかよ!!」
「どうしても戦うつもりか? なら!!」
シンを相手にアスランも全力を出す。
クリアになる視界、握るビームライフルのトリガーを連続して引いた。
光の翼を展開して回避するデスティニーだが、逃げた先にはフリーダムが先回りして居る。
「くっ!?」
レール砲が撃たれる。
瞬時に反応するシンは左腕の実体シールドで弾を防ぐが、目の前には連結ビームサーベルを振るジャスティスの姿。
息の合った連続攻撃。
振るわれる連結ビームサーベルの斬撃も実体シールドで防ぎ閃光が走る。
防がれたのを見たアスランは更にビームサーベルを振った。
尚も防ぐシン、両者を照らす閃光は激しさを増す。
「俺は負けない!! フリーダムにも、アンタにもだ!!」
「シン、お前は!!」
グリフォンビームブレ―ドを発生させて、ジャスティスは脚部でデスティニーを蹴る。
ビームの刃は白い装甲を容易く斬り裂き、両脚部の膝から先を切断した。
「ぐああァァァッ!! でも、まだだ!! デスティニーは!!」
両足を失っても尚、シンは戦いを諦めては居ない。
腰部からビームライフルを引き抜き銃口をジャスティスに向けるが、フリーダムがそれを許さず、レール砲により破壊されてしまう。
「負けられないのは俺も同じだ」
最後にはビームライフルにより頭部を撃ち抜かれてしまう。
武器も失い、動く事も出来ず、前を見る事すら出来ない。
戦う力を奪われるデスティニーは月の重力に引かれて落ちようとして居る。
それでもシンは操縦桿を握る手の力を弱めはしない。
「まだ終われない!! こんな所で終わる訳にはいかないんだ!!」
落下して行くデスティニー、だがそこに新たな機影が現れる。
発射される無数のビームに回避行動を取るフリーダムとジャスティス。
「エターナルから帰還命令が出て居る。キラ、撤退だ」
「わかった。フリーダムも修理しないと」
青白い炎を吹かしこの領域から撤退して行く2機。
デスティニーの救援に現れたのはレイが搭乗するレジェンド。
2機が離れて行くのを確認するレイは、機能不全に陥ったデスティニーの腕を掴み、ミネルバへ帰艦する為戦闘領域から離脱する。
「離せレイ、俺はまだ!!」
「その機体ではもう戦えない。まさか、ここで死ぬつもりか?」
「それは……」
「わかれば良い。ミネルバに帰艦する」
シンとレイのモビルスーツを収容したミネルバはダイダロス基地から離脱し、メサイアの本部隊と合流する。
ザフトはこの戦いで宣言通りロゴスのジブリールを撃つ事が出来た。
それにより連合軍の統率が崩れ、存続に危機にすら立たされる。
だがザフトの戦力も疲弊しており、更にはレクイエムの一撃により破壊されてしまったプラント首都アプリリウスの損害状況を把握せねばならず、現状ではもう満足に戦う事は出来ないで居た。
フリーダムのジャスティスを退けるだけの準備も整っておらず、両者はにらみ合いを続ける。
ヒイロが動くと感想で返事を返しましたが、もう少しお待ち下さい。
破壊されてしまったデスティニー、シンにはもう戦う力は残されてないのか?
もう少しで完結です。
ご意見、ご感想お待ちしております。