機動戦士ガンダムSEED Destiny 凍て付く翼   作:K-15

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第20話 その名はガンダム

ベルリンでは依然として、連合が投入した新型モビルアーマーにより街が蹂躙されて居た。

ザフト軍は必死に抵抗するが量産機がどれだけ束になってもキズひとつ付けられない。

巨大な足は目の前に立ち塞がるモノを全て踏み潰し、四方から発射されるビームはモビルスーツを、街を、人を焼き払う。

未だに避難出来てない民間人も多く、モビルアーマーの行動は完全な無差別攻撃。

街並みは瓦礫へと姿を変え、戦争と言う枠組みを超えてしまって居る。

 

「消えろ……消えろ……消えろぉぉぉ!!」

 

モビルアーマーは絶え間なくビームを発射し続ける。

爆発と衝撃による地響きが鳴り止む事はなく、街には更に炎が広がって行く。

モビルアーマーに搭乗するパイロット、ステラ・ルーシェは限界が迫る体で機体を動かして居た。

薬物投与で衰弱した体を無理やりに回復させ、また戦う為に酷使させる。

ステラはまた命令のままに、自身の意思とは関係なく機体に乗り込み戦って居た。

ザフト軍は侵攻を阻止すべく部隊を派遣したが、新型のデストロイに攻撃が届く事はない。

ザムザザーにも搭載されて居た陽電子リフレクター、コクピット付近にはトランスフェイズ装甲を採用し今までにない高い防御力を持って居る。

全方位攻撃により近づく隙を与えず止める術がない状況で、ミネルバが到着するよりも前に事態を嗅ぎ付けたアークエンジェルが現れた。

ブリッジのスクリーンには焦土と化すベルリンの街並みとデストロイの姿。

全てのモノに容赦のない攻撃にマリューは思わず口元に手を当てる。

 

「これは!? ひどい……民間人の避難も終わってないのに。こんなの戦争ですらない。一方的な虐殺よ!!」

 

燃えるベルリンを見てマリューが嘆く。

人々の姿はデストロイのビーム攻撃を前にして消えてしまう。

次々と瓦礫の山に消え、業火に焼かれて骨すら残らない。

この光景を前にキラも黙って見て居る事など出来なかった。

 

「マリューさん、フリーダムで出ます」

「えぇ、お願い。アークエンジェルもモビルアーマー撃退のため前に出ます」

 

「援護をお願いします」

 

言ったキラはこれ以上被害を出させない為にモビルスーツデッキに走った。

マリューも敵の照準を少しでもこちらに向けるべく各クルーに指示を飛ばす。

 

「キラ君が発進後、援護射撃。ここではローエングリンは使えない。ゴッドフリートで注意を引きます」

 

フリーダムのコクピットに乗り込むキラはエンジンに火を入れ機体のOSを起動させる。

コンソールパネルに表示される文字。

エネルギーが供給されたフリーダムのツインアイが光り、脚部をカタパルトに固定させる。

開放されたハッチの先に見えるのは黒煙により灰色に染まる空。

 

「キラ・ヤマト。フリーダム、行きます!!」

 

メインスラスターの出力を上げカタパルトから放出されるフリーダム。

フェイズシフト装甲を展開し装甲がトリコロールカラーに変わり、背部の青い翼を広げベルリンのモビルアーマーへ飛ぶ。

目の前には炎の中に立つ巨大な影。

「なんて大きさだ!? 部分的に破壊してもダメだ。コクピットを!!」

 

フリーダムは背部のバラエーナを撃つが、デストロイは随時陽電子リフレクターを展開しておりビームは全く効果がない。

バラエーナのビームを防いだ事でステラはフリーダムの存在を目にする。

 

「敵!! 倒すべき……敵!!」

 

デストロイ前面から放たれる大量のビームはフリーダムに向けられる。

雨のように迫り来るビームに流石のキラでも緊張が走った。

迫り来るビームをしっかりと視認し、機体をバレルロールさせ相手に向ける面積を減らし攻撃を潜り抜ける。

それでもたった1回攻撃を避けただけに過ぎず、デストロイの攻撃が止まる事はない。

貯蔵されたエネルギーを使い尽くすまでは動き続ける。

絶え間なく襲い来るビームの雨。

 

「このままじゃ攻撃も出来ない。それなら!!」

 

キラは意識を集中させ、潜在能力であるシードを覚醒させ常人とは比べ物にならない反射神経を引き出す。

ビームライフルを腰にマウントさせ、サイドスカートからビームサーベルを引き抜く。

シールドでビームを防ぎ、メインスラスターで加速。

デストロイとの距離を詰めようとするが、近づくにつれて攻撃の密度は高くなる。

ビームサーベルを振るい発射されたビームを斬り落とすが、動きが止まってしまいこれ以上詰め寄る事が出来ない。

 

「くっ!? 近づく事も出来ない」

 

「沈めぇぇぇ!!」

 

胸部から発射される赤黒いビーム。

キラはペダルを踏み込んでコレを避けるが、発射された先に直撃し街の一部が焦土と化す。

攻撃する隙もない、防ぎきるにも限界がある、回避すれば街の被害が広がる。

動きが制限されてしまい流石のキラも苦しい表情に変わった。

レーダーにはデストロイだけでなく紫色にカラーリングされた隊長機、ネオのウィンダムの居る。

フライトユニットを装備して加速する機体、デストロイに近付けさせまいとビームライフルの銃口を向けトリガーを引く。

 

「モビルアーマーだけじゃないのか。このままだと止められない」

 

迫るビームをキラはまたビームサーベルで一閃し斬り落とす。

 

「チィッ!! よりにもよってフリーダムが来たか。ステラ、気を付けろ!! 相手はフリーダムだ」

 

「フリーダム? ネオの敵なの?」

 

「そうだ、ヤツは敵だ。必ず食い止めるんだ。出来るな?」

 

「うん!! わかった!!」

 

(ステラ、今だけは耐えて来れ。アイツが来るまでは)

 

ネオはステラの邪魔はさせまいとフリーダムの相手をする為に前に出た。

そしてデストロイも雄叫びを上げるように本来の姿をあらわにする。

2足歩行だったモビルアーマーから両腕が出現し、さっきまでよりも全長が伸びた。

そのフォルムは人型であり、モビルアーマーとは違い手足と頭部がある。

姿を変えたデストロイは地響きを鳴らしながら歩を進め、更なる攻撃をベルリンの街に加えた。

 

「フリーダム、これ以上はやらせん!!」

 

「時間がないのに!!」

 

キラはウィンダムの右脚部に狙いを定めサイドスカートのクスィフィアスを展開し発射した。

高速で射出される弾丸は正確にウィンダムに向かうが、ネオはスラスターを制御すると寸前の所で回避する。

そして次の攻撃が来る前にネオはビームライフルのトリガーを引く。

コクピットに目掛けて1射、回避した先を予測してもう1射。

 

「これは……」

 

キラは頭の中で不思議な違和感を抱く。

自身に目掛けて発射されたビームを回避するが、その先にはもう一筋のビーム。

瞬時に反応してシールドでこれを防ぐが、1体1の射撃戦でシールドを使うのは珍しかった。

確認するかのように、キラはビームサーベルをサイドスカートに戻しビームライフルを握らせると、距離を離しつつビームを撃つ。

寸分の狂いもない正確な射撃。

ウィンダムはメインスラスターの出力を上げ大きく機体を動かすとビームの射線上から離れる。

逃げる機体に照準を定めさらにトリガーを引く。

だが発射されたビームがウィンダムの装甲に当たる事はない。

 

「この回避パターン……もしかして!? 確かめてみるしかない!!」

 

感じるモノがあったキラは右足でペダルを踏み込むが、後方からモビルスーツに変形したデストロイの砲撃が飛んで来る。

背部のフライトユニットから大量のミサイルが発射され、高い追尾性がフリーダムを襲う。

20を超えるミサイルの雨。

頭部バルカンを連射し迫るミサイルを撃ち落とす。

大量に吐き出される薬莢。

次々と発射される細かな弾丸はミサイルに直撃し爆発の炎を上げる。

全てのミサイルはフリーダムに着弾する事はなく爆発してしまう。

 

「どれだけの武器を搭載して居るんだ?」

 

『キラ君、ゴットフリートで援護するわ。当たらないように注意して』

 

「マリューさん、でもあのバリアは」

 

『何もしないよりはマシ。それに注意を引き付ければそれだけ近づきやすいでしょ?』

 

「幾らアークエンジェルでも狙われたら逃げれません。気を付けて下さい」

 

『わかってる。ゴッドフリート照準、撃てェェェ!!』

 

アークエンジェルの主砲がデストロイを狙う。

戦艦から放たれる高出力のエネルギー、それは空気を薙ぎ払いながら一直線に目標へと突き進む。

だが搭載された陽電子リフレクターはこの程度の威力ではビクともしない。

連続して発射される主砲を前にしてもデストロイにはキズひとつ付かなかった。

 

「やっぱりゴットフリートでもダメか。新しい反応、ミネルバ!?」

 

///

 

フリーダムがデストロイの相手をする中で、ザフトのミネルバは最前線にようやく追い付く。

ブリッジの艦長シートに座るタリアは、また関係のない戦闘に介入して居るフリーダムとアークエンジェルの存在を目にする。

 

「また戦闘介入をしてるの?」

 

「ですがフリーダムが居るなら、あのモビルアーマーを止められるかも」

 

「敵の敵が味方だなんて、そんな短絡的な訳がないでしょ!!」

 

アーサーの一言にタリアは檄を飛ばす。

鋭い視線で状況判断をしながら、タリアはインパルス発進の指示を出した。

 

「今回の作戦進行にフリーダムとアークエンジェルは関係ありません。この状況で積極的に狙う必要はないが、味方とも思わないように。最優先事項は連合のモビルアーマーの阻止、余裕はない。彼らの処置はその後に決めます。コンディション・レッド発令、シンを出撃させて」

 

パイロットスーツを着用し、いつでも出撃出来る準備をして居たシンはデッキでその時を待って居た。

レイ、アスラン、ケガをしたままのルナマリアも一緒にここで待機して居る。

もうすぐ始まる戦闘を前に、ルナマリアはポツリと呟く。

 

「ヒイロ、間に合わなかったわね。まさかとは思うけど、敵前逃亡なんて事……」

 

「心配するな、アイツは戻って来る」

 

そう言ったのはレイだった。

不安に思うルナマリアとは対称的に、彼はいつも通りで冷静に言葉を返す。

 

「あれだけの戦闘技術を持ったヤツが早々の事で逃げ出すとは思えん。それに、もしも逃げ出すにしてももっと上手くやる筈だ。ヒイロは戻って来る」

 

「レイはヒイロの事、信用してるのね」

 

「あぁ、仲間だからな」

 

ルナマリアはレイの言葉を聞き安堵の表情を浮かべる。

短い期間ではあるが、ヒイロは兵士としてミネルバ及びザフトに貢献した事実はクルーに定着して居た。

間近で戦闘を見て来たルナマリアにはそれが良くわかる。

 

「そうね、戻って来るわよね」

 

たった1人の出撃に緊張感の走るシン、ベルリンに現れたモビルアーマーのデータを出撃ギリギリまで見て居た。

陽電子リフレクターによりビームが効かない事は既に分析済み。

(アイツを落とすにはアレを潜り抜けるしかない。問題はどう接近するかだ。それが出来ないと……)

 

携帯端末に表示されるデータをじっと見つめるシンをアスランは黙って見て居るしか出来なかった。

以前の戦闘でモビルスーツが損傷した為、今回の出撃はシンのインパルスだけ。

それぞれが思って居る中で、戦闘領域に突入したミネルバ艦内ではコンディション・レッドが発令されけたたましい警報音が響き渡る。

 

「ヒイロが居なくても俺一人でやってやりますよ。隊長はそこで見てて下さい」

「シン……」

 

そんなアスランを見下すシン。

ヘルメットを片手にシンはデッキからコアスプレンダーに乗り込む為に出て行った。

残された3人は作戦が成功するのを見守るしかない。

モビルスーツデッキに走るシンはコアスプレンダーのコクピットに搭乗し、慣れた手付きでコンソールパネルを叩く。

エンジンを起動させると、ブリッジのタリアから通信が繋がった。

 

『聞こえて? 想定より状況が思わしくない。すでに友軍は壊滅状態、前線ではフリーダムとアークエンジェルが現れて敵モビルアーマーと戦闘してます』

「そんな!? 何でフリーダムが?」

『思惑はわからない、でも敵を間違えないで。今優先すべきは連合のモビルアーマー。なんとしてもアレを止めて』

 

「了解。シン・アスカ、コアスプレンダー行きます!!」

メインスラスターを全開にして、コアスプレンダーはカタパルトから射出される。

灰色に染まる空を飛ぶ。

続けてすぐにチェストフライヤー、レッグフライヤーも射出された。

ガイドビーコンで位置を合わせてコアスプレンダーとドッキングする。

背部にはフォースシルエットを装備し、全身に電力を供給させると装甲がトリコロールカラーに変化した。

左腕にシールド、右手にビームライフルを装備してメインスラスターから青白い炎を吹かす。

メインカメラが映すのは炎に燃えるベルリンと黒く巨大なモビルスーツ。

 

「モビルスーツ!? モビルアーマーじゃなかったのか? それにフリーダムも」

 

前線ではフリーダムがデストロイの相手をしているが陽電子リフレクターを突破出来ずに居た。

しかしデストロイの動きは当初に比べれば鈍くなって居る。

傍で見守るネオはその事に気付いており、このままではいつかステラの体力が尽きる。

「わかっちゃ居るんだがな。そうも言ってられんか。新手が来たな!!」

 

「あのカラーリングのウインダム!! ネオだな!!」

 

「その声……あの時のボウズか!!」

 

「今はアンタを相手にしてる暇はない。モビルアーマーを!!」

 

ビームライフルを腰部にマウントさせるシンはバックパックからビームサーベルを引き抜いた。

デストロイの注意は今フリーダムに引き付けられており、ビームの網目を掻い潜り一気に詰め寄る。

 

「はぁぁぁ!!」

 

巨大な胸のコクピット部分を袈裟斬り。

陽電子リフレクターではビームサーベルを防ぐ事は出来ないと知ってるシンは迷わずコクピットを斬り付けるが、角度が浅いのと分厚い装甲に阻まれて決定打にはならない。

 

「クソ!! 見た目通りに硬いヤツだな!!」

 

デストロイの胸部はビームサーベルの熱で赤く爛れて居るが機体は未だに攻撃するのを止めない。

シンはもう1度仕掛けようとするが、横からウィンダムがメインスラスターを全開にして組み付いて来た。

ぶつかった衝撃にコクピットが揺れ、シートベルトがパイロットスーツの上から食い込む。

ウィンダムは組み付いたまま離れようとはせず、加速したままインパルスをデストロイから引き剥がして行く。

 

「コイツ!? アンタの相手をしてる暇はない!!」

 

「やめろボウズ!! あれに乗ってるのはステラだぞ!!」

 

「なんだって!?」

 

接触回線から聞こえて来るネオの一言。

それを聞いて思わず目が見開き、操縦桿を握る手の力も緩んでしまう。

 

「なんで……なんで……ステラが」

 

絶望するシン。

インパルスの動きは空中で静止しており、そんな事を知らないステラは顔面口部のビーム砲をインパルスに向けた。

 

「動けボウズ!!」

 

「え……」

 

発射される巨大なビーム。

ネオはペダルを踏み込みウィンダムを加速させると再びインパルスに組み付き発射されたビームを回避した。

一命を取り留めるシンだが、次の時には怒りが湧き上がり震える手で操縦桿を力一杯握り締める。

 

「お前……お前が、お前がァァァ!!」

 

「っ!!」

 

握ったビームサーベルを振り上げウィンダムを斬り付ける。

ネオは咄嗟にシールドを構えるが、ビームサーベルを前に簡単に両断されてしまい態勢を崩してしまう。

離れようとするネオをシンは逃がすつもりはなく、メインスラスターを全開にして接近する。

一気に詰め寄り袈裟斬り。

だが切っ先は空を切る。

更に近寄り横一閃。

スレスレの所でビームが装甲に触れる事はない。

威嚇のつもりでビームライフルの銃口を向けるがシンはそんなモノは全く目に入って居らず、一切気にする事なく再び接近してビームサーベルを振り下ろした。

ウィンダムが構えてたビームライフルは真っ二つに両断され、爆発により右マニピュレーターごと吹き飛んでしまう。

 

「はあああァァァ!!」

 

殺意をみなぎらせるシンにネオは攻撃しようとはせず、残された左手でインパルスの右腕を動かせないように掴んだ。

そして密着する事で更に動きを制限させる。

 

「お前!! ステラをもう戦わせないて言ったろ!!」

「あぁ、だからエクステンデットに関するデータをお前にやる!!」

「なに!?」

「データはデストロイのコクピットの中に隠してある。だから頼む、ステラを救ってやってくれ!!」

 

ネオには上層部に逆らうだけの力は無い。

だからせめてもの望みを託しコクピットにデータディスクを隠し、そしてインパルスがもう一度やって来るのを信じた。

 

「勝手な事を!! お前が居なければ!!」

 

(わかって居るさ。ステラ1人を救う為に関係のない民間人を何百人と巻き込んじまった。今の俺が許される筈がない!!)

 

「ネオから離れろ!!」

 

「ステラ!?」

 

デストロイの巨大な手がインパルスに迫る。

ウィンダムを膝で蹴り飛ばしたシンはその場から瞬時に離れ、捕まらないように空中を飛行した。

けれどもインパルスに乗っているのがシンだとわからないステラは攻撃をやめない。

シンは何とか呼び止めようと通信を繋げて呼び掛けた。

 

「止めるんだステラ!! 僕だ、シン・アスカだ!!」

 

「無理だ、投与した薬も切れかけてる。今は何を言っても届かない」

 

「アンタがそうした!!」

 

「虫が良い話なのはわかってる。だが、今の俺にはこんな事しか出来なかった。ステラを助けてやれるのはお前だけなんだ」

 

ステラが搭乗してる事を知ったシンにデストロイを攻撃する事は出来ない。

それを傍から見て居たキラは援護のつもりでデストロイにビームライフルを発射した。

無論ダメージが通る事はないが注意は引き付けられる。

 

「インパルスのパイロットはどうしたんだ? こんな所で止まったら落とされるぞ」

 

自分に向けられるビームの雨を掻い潜り、反転して全門一斉射撃。

ハイマットフルバーストで迫り来るミサイルを撃ち落とすと同時に攻撃を加える。

陽電子リフレクターの性能の前にコレも意味を成さないが、キラにもデストロイの動きが鈍くなって居るのがわかった。

 

「さっきまでよりも攻撃の精度が悪い。手数も減って来た今なら!!」

 

青い翼を広げたフリーダムは加速しデストロイに目掛けて接近を試みる。

胸部の3連装大口径ビーム砲が発射され、赤黒い巨大なビームが来るがコレを容易に回避し、両手の指から発射される10本のビームも掻い潜ると接近戦が出来る距離までもう少し。

ペダルを踏み込み更に加速、翼は風を切り右手にビームサーベルを握る。

 

「ごめん、殺したくはないけれど。でもキミを止めないともっと多くの人が巻き込まれる。だから今だけは!!」

 

キラはデストロイを止める為に覚悟を決める。

胸部目掛けて突き立てたビームサーベル。

だが間に割り込んだインパルスはシールドを前方に構えビームサーベルを受け止めると、激しい閃光が両者を照らす。

 

「ステラは俺が必ず守る!!」

 

「インパルスは何を!?」

 

「やらせるもんか!! お前にだけは、絶対にやらせるもんか!!」

 

デストロイを止める折角のチャンスを止めるインパルスの行為に驚くキラ。

間一髪の所で阻止するシンだが、その背後ではデストロイが胸部の3連装大口径ビーム砲を発射せんと巨大な体をインパルスに向けて居た。

エネルギーがチャージされ、今まさにトリガーを引かれようとして居る時。

 

「うるさい雑魚、ネオの邪魔をしないでよぉぉぉ!!」

 

『ターゲット、ロックオン』

 

上空に現れた新たな機影。

瞬間、デストロイに光りが降り注ぐ。

シンとキラも思わず目線を空に向けてしまう。

 

「えっ!?」

 

「なんなの!?」

レーダーに映るモビルスーツの反応。

それははるか上空から大出力のビームを発射し、陽電子リフレクターを展開するデストロイに直撃する。

通常兵器では陽電子リフレクターを貫く事は出来ない。

が、ソレはリフレクターを貫通するとデストロイの左腕をゴッソリと持って行った。

腕が吹っ飛びデストロイが態勢を崩して地面に膝を着く。

発射されたビームのあまりの威力にキラは舌を巻いた。

「バリアを貫通した……」

 

「あれは……あの時の!!」

 

シンが見上げた先、インパルスのメインカメラが捉え戦闘画面に映し出された映像には、ツインバスターライフルを構えるウイングゼロの姿。




少し古い情報ですがフルメタが再びアニメ化されるようで歓喜しております。
オルフェンズのバルバトスも第4形態が登場して興奮が冷めやらぬ状態です。
あの刀は高周波ブレードとかそう言うのなのかな?
プラモデルは買ってないのでまだ細かな設定がわかりませんが、次が楽しみですね。
ご意見、ご感想お待ちしております。

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