バカと天然な創造者   作:通りすがりのクロネコ

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 3年以上前にリリカルなのはというアニメ友人に進められましたが、その頃、何故か見る気が起きませんでした。
 何故でしょう?


第四話

 さてさて、姫路さんの自己紹介が終わり、僕が創造している間にいつの間にか明久と共に廊下に出ていた、Fクラス代表である雄二が教卓の前に立った。

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。代表でも坂本でも好きなように呼べばいい。それはいいとして、皆に一つ聞きたいんだが」

 

 かび臭い教室

 

 古く汚れた座布団

 

 薄汚れた卓袱台

 

「Aクラスは冷暖房完備、さらには座席はリクライニングシートらしいが……………不満はないか?」

 

「「「「「大ありじゃあぁぁ!!!」」」」

 

 雄二の問いに、クラスの心が一つになりかけた。

 というか、当然の反応だね。

 

「これは代表としての提案何だが…………FクラスはAクラスに試召戦争を仕掛けようと思う」

 

 雄二は代表として、まるで国家の要である総理大臣であるかのように提案を述べた。

 

『無理に決まっているだろう』

『勝てる訳ない』

『これ以上設備を落とされたらどうなるんだよ』

『姫路さんと秀吉さえ居ればそれでいい』

 

 またしても当然の反応だね。

 けど何か関係ないのは一つ混じってなかった?

 

「そんな事はないこのクラスにはAクラスに勝てる要素が揃っている」

 

 雄二が自信満々に言うが、本当に居るのかな?

 

「おい康太、何時まで姫路のスカートを除いているんだ?」

 

「………!!」

 

「え? あっ!」

 

 雄二の言葉に先ほどから畳を顔に擦り付けている康太の動きが止まると、姫路が康太の存在に気づき、スカートを抑える。

 

 というか、康太君居たんだ……

 

「土屋康太。コイツがあの有名なムッツリーニだ」

 

 そう言うと、康太全力で首を左右に振った。

 

『なっ! あいつがあの性職者だと!?』

『バカな……奴がそうだと?』

『見ろ! まだ証拠を隠そうとしているぞ』

『あぁ、ムッツリの名に恥じない姿だ』

 

 恥だらけだと思うけど、

 でも康太君って、情報操作とか隠密とかが得意だから確かに勝てる要素には入るね。

 

「それに、姫路の事は皆その実力をよく知っているはずだ」

 

「え? 私ですか?」

 

「あぁ、ウチの主戦力だから期待している」

 

 なるほど、確かに姫路はAクラス並みの学力を持っているから、戦力といえば戦力だね。

 

『そうだ! 俺達には姫路さんがいる!』

『彼女なら、Aクラスにも引けをとらない』

 

 おぉ、凄い影響力。

 

「それに木下秀吉もいる」

 

「ワシもか?」

 

『演劇部期待のホープ!』

『確かアイツって、Aクラスに姉がいたな』

 

 あぁ、違うよ単純な皆。秀吉は優子と違ってそこまで勉強できないよ。

 まぁでも演技力は凄いしポーカーフェイスが上手だからそういうので戦力になる………と思うよ?

 

「当然俺も全力を尽くす」

 

 

『坂本って小学校の頃『神童』とか呼ばれてたんだろ?』

『確かに、何かやれそうな気がしてきたぞ』

『これはいけるんじゃねぇか!?』

 

 へぇ~雄二って小学校の頃そう呼ばれてたんだ。

 知らなかったな。

 

「それに、黒白涼華もいる」

 

「え? 僕?」

 

 突然名前を挙げられて僕は戸惑う。

 

「コイツは、あの有名な創造者(ストーリーテラー)だ!」

 

「「「「な、何だと!!!」」」」

 

 雄二の言葉にクラスの全員が驚く。

 あれ? 僕ってそんなに有名なのかな?

 

『バカな、創造者(ストーリーテラー)ってあの!』

『相手の性格さえ解れば、ゲーム等で次に相手がどう攻めてくるか、どう考えているのかを瞬時に想像するあの!』

『それに噂だと、創造者(ストーリーテラー)は世界に希少価値のある完全記憶能力者』

『ある意味Aクラス以上の実力がある存在だぞ!』

 

 誰? こんな噂を流したの? 

 というか、合っているから逆に腹が立つな。

 

『おいおい、という事はこのクラスって、Aクラス並みが二人、それ以上が一人居るって事か!』

『しかも創造者(ストーリーテラー)が居るなら、試召戦争は勝ったも同然だろ!』

『これならいけるぜ!』

 

 凄い、僕名前と勝手に付けられた異名を聞いただけでクラスの士気が火山地帯並みに上がった。

 え? 僕ってそんなに期待されているの?

 

「最後に、吉井明久もいる」

 

 

 ………シーン………

 

 凄い、明久の名前が出たと同時に、火山地帯まで上がっていた皆の士気が、一気に氷河期へと突入しちゃった。

 

「ちょ、雄二! どうしてそこで僕の名前を呼ぶのさ! まったくそんな必要ないよね!」

 

 明久が何か雄二に文句言ってる。

 

『おい、誰だよ吉井って?』

『俺は知らないぞ?』

『っていうかそんな奴居たっけ?』

『ほら、あのダーリン野郎じゃないか?』

『あぁ、あのバカ面の』

 

「ホラ、せっかく盛り上がってきた士気に翳りが出てるし……って最後に言ったの誰だ! 僕はバカ面じゃない。365°どこからどう見ても、美少年じゃないか!」

 

「おい、明久。5°多いぞ」

「実質5°じゃな」

「というか、何気に今のN発言だね」

 

 上から、雄二、秀吉、僕の三人が明久に言った。

 

「皆ひどいよ! って涼華、さっきのNって何?」

 

「ナルシストのNだよ」

 

 僕の言葉に明久がガクッと落ち込んだ。

 そんなに落ち込まなくても……今度お菓子でも奢って上げよう。

 

「おっと、話が逸れたな。コイツの肩書きは≪観察処分者≫だ!」

 

 明久を真っ向から無視して雄二が言い放つ。

 そういえば明久って、観察処分者だったよね。

 

『おい、それってバカの代名詞じゃなかったか?』

 

 あ、誰かが致命的なことを言った。

 すると、先程まで落ち込んでいた明久が立ち上がり、

 

 

「ち、違うよ! ちょっとお茶目な16歳に付けられる愛称で「そうだ、バカの代名詞だ」肯定するな、バカ雄二!」

 

 明久、諦めなよ。

 流石にちょっとお茶目な16歳というだけで観察処分者なんて愛称は付かないから……

 まぁ、そんな肩書きが付いた理由は大方想像が付いたけど、

 

 

「あの~それってどういうものなんですか?」

 

 あれ? 姫路さん知らないんだ。

 

「まぁ簡単に言えば、物理的な干渉。つまり物体に触れる事ができるから教師の雑用係等やらされているから、召喚獣の操作に慣れている人の事ですよ。まぁ、召喚獣のダメージがフィードバックするという欠点がありますが……」

 

 とりあえず僕が説明しておいた。

 

「へぇ……そうなんですか」

 

 姫路さんは感心したように呟く。

 

「まぁコイツはいてもいなくても大して戦力的に変わらないから気にするな」

「じゃあ何で言ったのさ!」

 

 明久が何か雄二に文句を言っている。けど当の本人は完全に無視してるね。

 

「皆! この境遇はおおいに不満だろう!」

「「「「「当然だ!」」」」」

「ならばペンを取れ! 出陣の準備だ!」

「「「「「おぉー!!!」」」」」

「俺達に必要なのは卓袱台ではない! Aクラスのシステムデスクだ!」

「「「「「うぉぉぉぉ!!!」」」」」

「まずは景気づけにDクラスを叩きのめす! あいつらを軽くのして次はB! 最後はAだ!」

「「「「「やってやるぜ!!!」」」」」

 

 うわ~お。

 何だか一瞬雄二がBASARAの伊達政宗か長宗我部元親に見えてきた。

 眼帯じゃないけど。

 

「とい訳で明久、Dクラスへの宣戦布告を頼む」

「え、でも下位戦力宣戦布告の使者って、大抵ひどい目に遭うよね……」

「それは映画や漫画の中だけの話だろ? 大事な使者に手荒い真似何てしないだろ。騙されたと思って行ってこいよ」

「わかった、行って来るよ!」

 

 雄二の言葉に惑わされ、明久はDクラスに向かおうとするが、流石にかわいそうだと思った僕は、一つアドバイスをした。

 

「明久、Dクラスの代表が平賀って人だったら、K駅前の本屋の大人本って言ってみて」

「? よく解らないえど、ありがとう。涼華!」

 

 そう行って明久はDクラスへと向かった。

 

 その後、帰ってきた明久は僕にお礼を言った後、雄二に襲い掛かり、ルール無用の不良空間っぽくなりましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 




 この前リリカルなのはの映画第二段のCMを見かけました。
 面白そうなので見てみようかなと思ったが、何故か見る気が起きない。
 まるで、頭の中が妙な鎖で繋がれているかのようです。
 何というか、もどかしい感じです。
 何か良い方法は無いでしょうか?

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