責任者はつらいです。
できる事なら責任者に任命される前に戻って別の人に代わってほしいです。
「涼華、おい涼華!」
「ん? どうしたの秀吉?」
人がせっかく読書している最中に秀吉が話しかけてきた。
「どうした何も、今は自己紹介で次はお主じゃぞ?」
「え? 何時の間にホームルームになってたの?」
全然気付かなかったよ。
「ハァ~お主は読書に集中すると周りが見えなくなるからのぉ」
うるさいな。
自分でも自覚している………つもりだよ。
何か文脈がおかしいぞ?
とりあえず何時までも皆を待たせる訳にはいかないので、僕は立ち上がる。
「え~と、黒白涼華です。好きな物は甘い物と本。特技は小説を作ることで、将来の夢は作家です。一年間よろしくお願いします」
一礼して僕は座った。
とりあえず自己紹介というものはこんな物で良いと思い、僕は再び読書に戻った。
『生きているなら、神様だって殺してみせる』
この決め台詞カッコイイな。
「「「「「ダァァァーーーーリィィィーーーーン!!!」」」」
「うわ! なな、何だ?」
突然の野太い声に、僕は驚きながら声を上げる。
何だろう、今の野太い声に物凄くおぞましい感じがした。
「忘れてください!」
あれ? 何か明久が後悔の念が篭った言葉を放った。
もしかして、さっきの野太い声の原因って明久なのかな?
「あの、遅れて、すみま、せん……」
そう思っていると、Fクラスのドアから、一人の少女が入ってきた。
クラスの視線が少女に集まる。
「問題ないですよ。今自己紹介をしているので姫路さんもお願いします」
「は、はい。姫路瑞希です。よろしくお願いします」
あれ? 姫路瑞希?
それって確か一年の時に頭が良くてAクラス確実って言われていた人の名前だよね。
何でFクラスに?
「……久々に使ってみるか」
「涼華、アレを使うのか?」
「うん、久々にリハビリを兼ねてね」
そう言うと僕は座禅を組み、目を閉じる。
「創造開始〈イメージ・オン〉」
涼華の創造内
今日は二年生の振り分け試験。
なのに何故か今日は体調が優れない姫路瑞希。
もともと身体が弱い彼女はそれをがまんして試験に臨んだ。
結果、途中で体調が更に悪くなり、途中退席してしまって無得点扱いとなった。
しかし、残酷な事を言う教師に対して、無得点扱いとなる彼女を庇った一人の青年が居た。
「こんな風になったけど、当たっているかな?」
「うむ。その青年の部分を明久にすれば正解じゃな」
僕は姫路瑞希が何故Fクラスになった理由を創造してみるた結果を秀吉に言った。
「しかし、毎度ながらお主の想像力には驚かされるのぉ」
「いや、人の性格や体質さえ解れば、誰でもできると思うよ。というか、姫路さんを庇った青年は勝手な想像だったんだけど、実在してたんだ……」
しかも友人だし、まぁ明久なら庇ってもおかしくないか。
主人公能力発動!
これで検索まで使ったら何だか仮面ライダーWのフィリップに思えてくる……どうしよう?