バカと天然な創造者   作:通りすがりのクロネコ

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体育大会のアーチ責任者面倒臭い……


第二話

 さてさて、見事にFクラス入りを果たしてしまいました黒白涼華です。現在僕は廊下を歩いている所なんですが、今はAクラスの設備に釘付けです。

 

「うわ~パソコンやドリンクバーにお菓子…………小説書き放題です!」

 

 羨ましい。僕もAクラスに入りたかったな………

 まぁいいや、とりあえず僕は再びFクラスに向かった。

 

「……ボロイです」

 

 中に入ってないのに何故かそう理解できました。

 というか、2-Fの札がボロボロですし。

 

(とりあえず入ろうか……)

 

 そうして僕はFクラスの扉を開き、

 

「こんにち「早く座れこのウジ虫野郎!」………」

 

 入った瞬間に罵倒されました。

 ウジ虫野郎って僕のこと? ていうか、何で入った瞬間に罵倒されなきゃならないんだろう。

 もしかして僕って、他人にとって害虫と等しい存在と思われているのかも。

 あれ? 何だか目から汗が出てきた。

 

「生まれてきて、ごめんなさい」

 

 鬱だ。死のう。

 

「ちょっ、涼華落ち着け! 今のはちょっとした人違いでお前に言ったんじゃない! だから窓から飛び降りようとするな!」

 

「えぇい、雄二め紛らわしい事を、落ち着くのじゃ涼華! ここでお主に死なれたらワシは姉上に殺されかねぬ!」

 

 飛び降りようとする僕を必死で止めようとする友人二人。

 というか、

 

「秀吉、雄二。君達Fクラスだったんだね……」

 

 2分くらいで正気を取り戻し、僕は疲れて息切れしている二人に呟く。

 

「ま、まぁな。というかお前、怪我の方は大丈夫なのか?」

 

「そうじゃ、姉上も心配しておったが、もう大丈夫なのか?」

 

「あ、うん。怪我はたいしたことないんだけど……」

 

「どうしたのじゃ? 何か問題があったのか?」

 

「入院中全然小説が書けなかったから……電撃大賞に間に合わなかった……」

 

「ど、ドンマイじゃ」

 

 秀吉が僕を慰める。

 あぁあれは地獄だったよ。物語を書く事ができない何て、僕にとっては死活問題だ。

 

「まぁ良い。とりあえず席は自由だから、適当なところに座ってくれ」

 

「あ、解った」

 

 さて、改めて今日室内を見る。

 

 

 ボロボロの畳。

 

 卓袱台の机。

 

 少し割れた窓。

 

 綿の少ない座布団。

 

 普通の学生が見たら唖然とする教室なのだが、

 

(これ、ネタになるかも……)

 

 僕だけは例外であった。

 とりあえず僕は友人達の中で一番付き合いが長い秀吉の隣に座り、カバンから『空の境界』を取り出す。

 

「ほぉ、ライトノベルとは、涼華にしては珍しいのぉ」

 

「この作者の作品。結構気に入っているからね」

 

 他愛のない話をしながら、僕は読書し始める。

 

「すいませーん。ちょっと送れちゃいま「とっとと座りやがれ害虫野郎!」入った瞬間いきなりの罵倒!?」

 

 あ、あれ明久に言うつもりだったんだ。

 

 

 

 

 

 




夏休みなのに休んでいる感じがしないのは何故だろう?

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