IS-虹の向こう側-   作:望夢

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マシュマーのコミカルさってどうやれば出せるのか私にはわからん…。


第31話ーそれぞれの朝ー

 

「はぁ……」

 

 私はこの頃多くなった溜め息をまたひとつ吐き出した。

 

 この一ヶ月間、落ち着く事がなかった。それはどうしてなのか、考えなくてもわかることだった。

 

 私のことを見てくれる人が近くに居なくなってしまったから。

 

「少佐……」

 

 ユキ・アカリ少佐。その人は無価値な私を引っ張りあげてくれた。

 

 ISに乗れない無価値な私を連れ出した。そしてあの宇宙を駆ける感覚が、私には必要なんだ。

 

 ISが何のために生まれたのかわかった時、その正しい飛び方をわかった様な気がしてきた。

 

 空を飛ぶためじゃない。ISは、宇宙を駆ける為の物だと。

 

 それを自覚して、無重力の宇宙を駆ける様なイメージを乗せてISをようやく動かせる様になったのに、それを見せたいのに。

 

「ボーデヴィッヒ大尉、居るか?」

 

「ハルフォーフ隊長? どうぞ」

 

 シュバルツェア・ハーゼ隊の隊長。クラリッサ・ハルフォーフ大尉。軍歴では私の方が上だが、手術に失敗し、失敗作の烙印を押された私に代わって、部隊を率いてくれている。私が未だに軍に居られるのも、手術を受ける前の実績はもとより、ハルフォーフ大尉が私を庇っていてくれているからだ。

 

「何か用ですか?」

 

 ISに乗れるようになったとはいえ、戦うことの出来ない私がわざわざ声を掛けられる様な事に身に覚えがなかった。

 

「情報局のハマーン・カーン局長から、シュバルツェ・ハーゼ隊に特命が降りた。フランスで静養中のアカリ少佐の護衛と身辺援助だ」

 

「少佐の!?」

 

 少佐の名を聞いて、私は立ち上がった。

 

 静養中ということは重傷を負ったのか?

 

「詳しくは伏せられてしまったが。あの少佐が静養して護衛が必要な事態ともあれば、その責任は重大だ。……着いてきますか?」

 

 それはハルフォーフ隊長にのみ与えられた特命なのか、私にはわからない。でも少佐と会えるというのなら。

 

「私も行く。連れていってください、ハルフォーフ隊長」

 

 ISに乗れずとも、デザインベイビーとして生まれたこの身体の身体能力で身辺警護くらいは出来る自信がある。相手が人間であるなら、この身は少しでも役に立てる。……そう思ったからハルフォーフ隊長も私に声を掛けたのだろう。

 

「一時間後の10:00には迎えに来ます。それまでに準備を整えておいてください」

 

「了解。……私に畏まる必要はないんだ。クラリッサ」

 

「たとえ周りがなんと見ようと、私には敬意を払う上官であります。ボーデヴィッヒ隊長」

 

 私の様な小娘に憧れて、クラリッサは軍に入ったと本人から聞く。律儀にも、今もその憧れを抱いてくれたままで私に接してくれている。

 

 それが私には申し訳なくあり、悲痛でもあった。

 

 期待を裏切った私を、こうも慕ってくれるクラリッサ。私には、そんな資格がない。

 

「理由がどうであれ、また隊長がISに乗れるようになったのが、私は嬉しいんです」

 

 いつもはキリッとして、隊の調和と士気を保っていてくれているクラリッサが、とても軟らかに笑っている。その顔を、私は直視できなかった。

 

「……男の後ろを、追いかけているだけだ。私は」

 

 儚くて、でも見たこともないような力強さを持つ少佐の事をただ知りたいが為、近づきたいが為に、私はISに乗ることを努力している。

 

 それだけだ。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「くだらないもんだな。まったく」

 

 テレビ回線に繋いでいたウィンドウを閉じて、ガンダムMk-Ⅱの整備状況を確認する。

 

 テレビの内容はまったくもってくだらなかった。今の女尊男卑の世界に対する討論番組であったが、延々と同じ様な内容の話ばかり。

 

 要約してしまえば、昔から女は男に虐げられてきた。だから今の女尊男卑の風潮は世界の自然な流れであり、男が女に虐げられても文句は言えないという感じだ。

 

 まったくもってくだらな過ぎる。

 

 確かに古来より、男はなにかにつけて女を軽んじ、虐げた事実もあるだろう。それは男が女よりも力があったからだ。外で狩りをするために男の身体は屈強に進化したと一説には聞く。

 

 男女の体格差から基本的に腕っぷしの強さは男が上だ。

 

 だからと言って、ISの存在を理由にして、ISを持たざる者までもが増長し、自身に力があると誤解させる社会風土もまた間違っていると知れ。

 

 少なくとも、MSが現れたからMSのパイロットが偉かったなんて風潮はなく、皆誇りを胸に戦場を駆け抜けて行った。

 

 そんな矜持をISのパイロットたちが持ち、少しでも世俗に正しく発信していれば、また違っただろう。

 

 男など所詮は子を遺す為の種馬だという者まで居る様だ。それは傲慢だ。

 

 ならば問いたい。お前たちが本当に虐げられてきたのか? 歴史を紐解いて過去に学ぶのは良い。だがそれを自分に都合の良いものとして曲解し、正当性を掲げるのを恥と知れ。かつてのティターンズもまたそうだった。

 

 お前たちに想像できるか? 電気、水、ガスにはこちらでも課税は掛かるが、今吸っている空気にさえ、重い税金を課せられ、働けど働けど積み重なる税金に押し潰される様を。

 

 自分は恵まれた子供だったから良かった。父が技術者であったからだ。

 

 だが、中には職を失い、払える金を失い、身を削ってでも足りず、心中や夜逃げ、または身売りする人々が絶えなかった事を。

 

 おれの住むコロニーではそんな事あまりはなかったものの、他のバンチではホームレスで溢れ返る流刑地の様なコロニーさえあったと聞く。

 

 とはいえ、おれとて贅沢な生活をしていたわけではない。仕送り金はすべて税金に持っていかれ、辛うじて残った金で食い繋ぐ毎日だったのを今でも覚えている。

 

 まともな食事を取るようになったのも、士官学校に入ってからだった。この身体は発育不足の極みであったということだ。

 

 しかも自分達を宇宙へ追いやり、地球に残った人々は、スペースノイドから巻き上げた税金で私福を肥やし、肥えた身体で平穏と暮らしているのだ。

 

 そんな世界なら、戦争をしてでも独立を勝ち取りたいと思って当たり前だ。独立を出来れば、従来の半分以下の税金で生活を回せる様になるのだ。浮いたお金を食に、娯楽に、経済を回せれば豊かな暮らしが出来る。

 

 コロニーは地球がなくとも自活できる十分な環境があったのだから。

 

 だからジオンは立った。スペースノイドの独立を勝ち取るために。

 

 思考が逸れすぎてしまった。とにかく言いたいことは山ほどあるが、ISに乗れないのに威張るなということだ。

 

 ISは女ならば誰しもが乗れるものでもないらしい。

 

 乗るには適性があり、またその適性もランク分けされているらしい。

 

 MSも万人が乗れたわけじゃないからわからないでもない。

 

 しかし、儘ならないものだ。

 

 男でも動かせるISを造り、世界のパワーバランスを均衡させなければ、いまの女尊男卑の世界は変わらず、宇宙進出など夢のまた夢となるだろう。

 

 自分がISのコアを造れさえすれば良いのだが。それにはまだISの事をきちんと勉強する必要がある。MSをIS型にするのに全力で取り組んでいたから、IS関係の技術に関しても虫食い状態だ。

 

「そういう意味では、おれも変わらないか」

 

 宇宙を駆ける為のISを戦いに使っている。本来の目的とは違う使い方をして、嫌われてしまわないかと気にもなる。一月も間を開けてしまってもいるのだから、心配にもなる。

 

「ニュータイプと同じか。地球に住まう人々の手の所為で、今という時代には戦う道具に成り果ててしまう」

 

 彼女もそれがわかっているから不本意でも新型を造ってくれているのだろう。そうでない時代を築くのが、せめてもの恩返しと思いたい。それは勝手だろうか?

 

「さて……」

 

 世界の在り方に異を唱えんとするのならば、個人で立ち向かっても蟻が象に挑む様なものだ。

 

 であるならば、その声を高らかに、そしてそれが個人だけでなく世が唱えるのだとする為に多くの同志が寄って立たなければならない。

 

 かつてのエゥーゴやデラーズ・フリートの様に。

 

 そして自分は、ある意味ではそういう組織の成り立ちにも携わってきた経験がある。あとは人を導けるか如何に関わっている。

 

「結局は、まわってきたお鉢を落とさずにいられるかどうか、か……」

 

 出来ることならパイロットだけをしていたかった。それは今もそうだ。

 

 パイロットだけをやれている気楽さがある内は、まだまだ組織を導ける人間の心構えにはなれていないという事だろう。

 

 それに組織を作れば、フル・フロンタルとも事を交える事も考えておかないとならない。後手に回ってしまうのを気にした所で仕方のない事だ。

 

 人集めから始めて、組織を作るための大義も掲げないとならない。……それが人類を宇宙に巣立たせるという終わりの見えない夢物語。

 

 それにいったい何人の賛同者を得られるか。利権や実益などではなく、理想と夢想の為に行動出来る人間に関与してもらいたいのは理想論だが、その調整もまた自身の仕事か。

 

 実際、組織は理想だけでは動かせないのはエゥーゴやロンド・ベルで学んできた。

 

 今はまだ、オーダーメイドで事足りてしまうが、組織を造り、果ては戦力を持てばそれを揃え維持する為の企業などの力にも頼らなければならない。

 

 自分達ですべて揃えてしまうのも手だが、それでもその大変さはデラーズ・フリートで経験している。MSを維持する為に連邦軍の輸送部隊を襲いもしたし、足りない戦力を補強する為にスクラップを集め、使える物を集めてドラッツェという廃品利用MSも造りもした苦しい経験だったが。

 

 だがそれを無駄な経験だったとは言いたくはない。言わせない為にもやってみせないとならない。

 

「ユキ・アカリ!」

 

「……そんな大声を出さずとも聞こえるぞ。マシュマー」

 

 マシュマー・セロ。この男はハマーンに忠誠を誓うネオ・ジオンの若き将校であった男だ。若干のナルシストさはあるが、ハマーンに対する忠義に熱い男だったのを覚えている。

 

 ジオンの裏切り者というより、ハマーンと袂を別った人間が馴れ馴れしく話しているのが気に入らないのだろう。

 

「ハマーン様の御前であるから自重していたが、何故キサマ程の男がハマーン様を裏切ったのだ!」

 

 別にハマーンを裏切ったというわけでもない。ただ、あの時の自分は居なくなってしまったシャアの代わりをしなければならない立場にあったからだ。

 

 おれが居なくてもエゥーゴはどうにか組織として瓦解せずに済んだが、ブレックス准将に続き、シャアも居なくなって、さらにおれが合流を遅れてしまったエゥーゴはもう連邦軍とさして変わらぬ組織となっていた。

 

 それでもアーガマに乗ったのは、ハマーンがやったコロニー落としの現場に居合わせたからだ。そして、変わり果ててしまったカミーユの姿と、今という時代に生きる為に戦う子供たちを見て、戦う事を決意したからだ。

 

 ハマーンの言う、地球に巣食う人々の抹殺。でもそれをしたから何になると言うのか。

 

 かつて二つもコロニー落としをした組織に居た人間の語るべきものでもないが。

 

 あんな人の憎しみを呼ぶような行為はしてはいけない事だと気付く。

 

 そして憎しみを呼べば地球に住む人々はまたスペースノイドに対しての復讐心を育てる事になる。その表れがティターンズの非道さであった事を確信させる。

 

 そんな事を続けていたら人類は疲弊し、宇宙進出どころか、ニュータイプの目指すべき未来から外れてしまう。

 

 人類を誤った方向に持っていきたくはないというシャアの言葉の意味を真に理解した時。戦う覚悟を決めた。

 

「言葉を尽くしても、互いのしがらみがあったとは言え、過程の反発から戦う事を互いに承諾した。裏切り者と呼ばば呼べ。しかし、ハマーンを裏切ったというわけではないと言うことだけは覚えていてくれ」

 

「詭弁だな。キサマ程の力があれば、ハマーン様のお立場はより強固なものとしてネオ・ジオンを率いてみせただろう。キサマの存在が、ネオ・ジオンに亀裂を生みもした事を忘れたとは言わせんぞ」

 

 ハマーンの率いたネオ・ジオン。その前身はアクシズに逃れた元ジオン残党だ。

 

 ザビ家の遺児、ミネバ様を頂き、摂政として持ち前のカリスマも合わせてネオ・ジオンを率いていたハマーンではあったが、かつてのジオンが一枚岩でなかった様に、ネオ・ジオンもまた一枚岩ではなかった。

 

 グレミー・トトを筆頭とするジオンの血の正統性を問う馬鹿も居たが、そのネオ・ジオンにあってもっとも異質だったのは、元デラーズ・フリートの生き残りを中心とした派閥だった。

 

 異質とは、ハマーンもグレミーもザビ家の血の争いをしている中にあって、かつての初心。スペースノイドの独立という理想を胸に抱き戦った男たちは、その初心を外れ始めたネオ・ジオンの在り方に異を唱え、老齢した身に鞭を打って立ち上がった。

 

「咎は受けよう。だがそれはネオ・ジオンがかつての初心を忘れた事でもあると言わせてもらうぞ」

 

 そんな漢たちを率いてみせたのは、如何に時代を移ろい、組織を鞍替えしても、その初心を忘れた事等一度もありはしなかったからだ。

 

 ブレックス准将の思想を外れ、連邦軍寄りに動き始めたエゥーゴ。いや、ティターンズとの戦いで疲弊してしまったエゥーゴと、ティターンズに優秀な人材を取られてしまった連邦軍は寄り添わなければハマーンのネオ・ジオンともまともに戦うことすら儘ならなかった。

 

「初心だと? キサマらの身勝手さでネオ・ジオンを滅ぼしながらよくも言える」

 

 エゥーゴが連邦軍になるというのなら、そこにおれの居場所などあるはずもない。

 

 最後の戦い。デラーズ・フリートを率いて、ハマーンやネェル・アーガマの子供たちと供に混乱の中心となったグレミー軍を討ち、そしておれはハマーンとの一騎討ちをした。

 

 互いにジオンを背負う者として、ニュータイプの未来を目指す者として。そして、組織を率いる者として。

 

 ザビ家再興の為に地球の人類を抹殺すると宣言したハマーンに、スペースノイドの独立の道を閉ざし、終わることのない戦いの引き金を引こうとする彼女を止める為に。

 

 ジオンがあるから、スペースノイドの心の繁栄があるわけではないのだ。

 

 ジオンとは、スペースノイドたちの理想や悲願を持ち寄って戦う組織であるとおれは感じていた。少なくとも、ドズル閣下麾下のソロモンや、理想を掲げていたデラーズ・フリート、ティターンズと戦っていたエゥーゴではそう感じてきた。

 

 だから節操なしでも、裏切り者と言われようとも、スペースノイドの為、そしてその先にあるニュータイプの為にも、ハマーンとは決着を着けなければならなかった。

 

 コロニー落としの現場に居合わせず、カミーユとの再会もなければ、恐らく自分はハマーンやシャアと供に地球を潰していただろう。

 

 カミーユ・ビダン。ララァでさえ凌ぐだろう強いニュータイプの力を持ったその少年の間近に居ながらに、自分達の事で精一杯だった大人たちが、その才能を食い潰して踏みにじってしまった。

 

 その壊れてしまった心を感じる事は出来なかったが、それでも心の奥底に芽吹いていたニュータイプの未来を信じる心に触れられたから、おれはカミーユの代わりにシャアとも戦ってみせられる覚悟を持てた。

 

 無様だな。結局もって、おれは自身の奥底にはなにも持たず、他人から貰った思想や希望を持っていないと戦うことが出来ない人間だ。……だだ純粋に、MSに乗りたいだけだった子供の軽はずみな選択が結果だと言うのならば、こんなにも無様な生き恥を晒す事もなかっただろう。

 

 自分自身に骨身を削り、魂を燃やすまでの焦がれる理想という物はただひとつだけ。

 

 ニュータイプの未来を作る。ただそれだけだ。

 

「スペースノイドの自治権を要求するまでは正統的なジオンと思った。だが地球に住む人々を抹殺する様なんてのはただの恨み晴らしだ」

 

「それの何がいけないと言うのだよ。自分達は恨み晴らしを終えているからアースノイドと仲良く出来るとでも言いたいのか?」

 

「違う。ただ第二のティターンズを生む土壌を作ると言いたいだけだ」

 

「そんなもの、ネオ・ジオンの力さえあれば捩じ伏せられよう」

 

「力で捩じ伏せられた者が何をした? 我らスペースノイドがそうであった様に、アースノイドが牙を研いで向かってこないと何故言い切れる」

 

 なまじネオ・ジオンは内乱さえなければ地球圏を納める一歩手前までいったとあって、マシュマーとの論議も平行線を辿ってしまっている。

 

 確かに連邦は腐敗していたが、強権を振るうものに対して反発し、それを正そうとする者たちもまた多い。

 

 ティターンズに対してエゥーゴを立ち上げたブレックス准将や、戦い続けたブライト艦長の様に。

 

「双方止めよ。ここはもはや宇宙世紀ではない。我が名においてこの場は預からせてもらう」

 

「デラーズ閣下…。申し訳ございません」

 

「エギーユ・デラーズ」

 

 そんな平行線に割って入られたのはデラーズ閣下であった。

 

「過去を省みて反省する事を悪とは言わぬ。だが過ぎ去った事を論じて責め立てる事は悪となる。マシュマー、貴君もジオンの将校ならば過去ではなく前を向け。そこに明日の栄光は必ずあるのだ」

 

「仰りたい事はわかるつもりだ。だが私はハマーン様の為、この裏切り者を断ずる必要があるのだ」

 

 マシュマーは本気である事は見てわかる。自分がマシュマーの立場であれば同じことを思うとわかるだけに、言葉だけで論じようというのは虫の良い話だ。

 

「…………」

 

「どうした。今更怖じ気づいたとでも言うまい」

 

「好きにしろ。……私はデラーズ閣下に御命を預けし身。デラーズ閣下の命は、私にとっては絶対だ」

 

 一戦交えそうになるほどの張り詰めた雰囲気の中で、マシュマーの敵意をひしひしと感じながらもおれは背中を向けた。それはデラーズ閣下がその場を預かると申されたのだ。であるならば、おれはデラーズ閣下の御許しがあるまで剣を納めるのだ。

 

「背中を向けた者を、後ろから撃つか?」

 

「クッ、その様な卑怯を出来るとでもっ。口惜しいが、私とて誇りあるジオンの将だ」

 

 胸に戦士としての矜持を抱くからこそ、おれはマシュマーに背を向けられた。

 

 卑怯者と罵られても構わない。だがこの命は別の所で使わせてもらう。お前にはやれないんだよ、マシュマー。

 

 

 

 

to be continued… 


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