特殊船団護送艦隊 船団護衛戦記 第四次北インド洋海戦   作:かませ犬XVI

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第三章
第九話 増援


 黒煙に包まれた敵戦闘機が、攻撃目標としていた大井から次第に逸れ、やがて海面へと突っ込んでいく。小さな水柱と共に海面に落ちた敵機は、その衝撃で翼をもがれ、ひっくり返りながら、急速に海中へと消えていく。

 これが、敵戦闘機の最後の一機。七十機以上で以て航空攻撃を仕掛けて来た敵第二次攻撃隊の最期だった。

 

「敵機、撃墜」

 

 敵機の迎撃に成功した大井が、一言そう無線に吹き込む。これを最後に、戦場から全ての轟音が消えた。敵機来襲前と同じ静けさが海に戻り、また、空を黒く染めていた対空砲弾の煙が風に流され散っていく。

 今までの戦闘が嘘のように平穏を取り戻した艦隊に、扶桑は、小さく胸を撫で下ろした。

 周囲の烈風隊、そのさらに向こうを飛ぶ彩雲隊からも、新たな敵発見の報告は無い。電探もクリーン。周囲に敵影は無い。一先ず乗り切ったのだ。

 

「こちら祥鳳です。迎撃艦隊全艦、針路を方位○九○に変更、速度を十八ノットに落として下さい。被害状況を確認します」

 

 戦闘が一段落した事を見計らい、早速祥鳳からの指示が出る。その指示に従い、舵を切り、機関の出力を抑える。これで、後は水の抵抗を受けて勝手に速度が落ちる筈である。

 被害状況の確認となると、被弾した扶桑は間違い無く詳細を聞かれるはず。扶桑は、艦内各所から上がって来ていた被害報告を今の内にまとめ、受けた損害を簡潔に報告できるよう準備した。

 ふと外を見ると、今なお火種の燻る初春の横に早速球磨が横付けし、消火作業を手伝っている。それと同時に、初春と、彼女同様に無線設備を壊された子日の二艦は、折られたアンテナの所に乗員が集まり、復旧作業を開始している。戦闘中は機銃掃射の激しさに作業どころではなく放置するしかなかったが、敵が居なくなった今、次なる戦闘が始まる前に直そうとするのは当然の対応だった。

 

 その後、各々が順々に被害状況を旗艦の祥鳳に報告し、そしてそれを祥鳳が大淀へと報告した。ちなみに、この時無線の使えない初春子日の二人に関しては、それぞれ球磨と若葉が手旗信号で交信の末、代理で報告していた。結果、武装の殆どを失った初春が大破、戦闘不能判定をもらい、タンカーや大淀達の居る本隊への後送が決定。加えて、シンガポール到着後には、そこで船団護送艦隊からは離脱。海上自衛隊が事実上借り受けている現地の造船ドックで修理に入り、次の戦略輸送船団がシンガポールを通過するその時までそこで待機するという事まで決まってしまった。

 これにより、第三特殊船団護衛艦隊の旗艦は、もう少し無線の復旧に時間の掛かる子日ではなく、三番艦の若葉が臨時で引き継ぐ事となった。

 なお、初春が大破判定を受けた事を除けば、やはり扶桑を含めて他の艦は皆損傷軽微であり、敵機の体当たりを受けた扶桑、無線が故障した子日、後部ヘッジホッグが損傷した若葉の三隻が小破判定を受けただけにとどまった。

 航空部隊の損害は、被撃墜が十四機、被弾撤退が十五機、不時着水が一機の、計三十機。やはり、数の暴力で一気に押せた第一次攻撃隊の時と比べると、損害は酷く、四倍を超えている。すぐに北上、大井の二隻がトンボ釣りのため一時離脱し、烈風隊の上空警護の下、発炎筒を頼りに救助作業を行った。

 後送の決まった初春に関しては、結局護衛無しの単艦での退避となった。理由は、彼女の損害は武装ばかりで船としての航行に必要な設備は無傷だった事と、迎撃艦隊と本隊との間は烈風達の制空権下にあり、対潜哨戒機も飛び回っている事。そして、彼女自身が聴音ソナーを装備している事であり、心配は不要と結論付けられたからだった。そもそも、彼女の通る場所に敵などいない筈なのだ。もし彼女を狙える位置に何かが居るのならば、それは迎撃艦隊の横を敵がすり抜けたという事に他ならず、彼女どころか、船団自体が襲撃の危機であると言えた。

 

 

 それから更に数十分後、再度敵の様子を見に行った彩雲からの報告により、敵の動向も知らされた。

 敵艦隊の位置は、扶桑達迎撃艦隊のほぼ真南約二百五十キロ。依然として速力二十五ノットを維持し、ほぼ北東方向へと航行中。我軍へと接近し続けている。

 しかし、その陣容は当初より変化しており、航空自衛隊機の爆撃を受け撃破された敵空母一隻は、既に姿が見えないらしい。沈没したとは思えないため、大淀や祥鳳達はこれを戦闘不能故の戦線離脱と判断した。残る一隻は、まるで護衛空母のように戦艦二隻の後ろにくっ付いており、未だ健在。彩雲によると飛行甲板はスカスカだったそうだが、迎撃の戦闘機だけは飛んで来ている。敵航空戦力は、まだ壊滅したわけではない。この残り一隻の空母が内部にどれだけの航空機を溜め込んでいるのかは、上空からは窺い知る事が出来ない。撃破されたもう一隻からの離脱機を受け入れている可能性も高く、依然として要警戒だった。

 また、敵戦艦の周囲を取り囲む輪形陣の中に、一隻、または二隻、駆逐艦にしては大きな艦影が確認された。敵戦闘機の妨害もあり、詳しく偵察は出来なかったものの、恐らくそれは駆逐艦ではなく軽巡ホ級、またはヘ級と思われ、砲戦時には、排水量と攻撃力で優る古鷹達が出来る限り対処に当たる事が決定された。

 

 その後、子日の無線が復旧したり、トンボ釣りを終えた大井達が戻ってきたり、迎撃艦隊が再び速度を上げて南下し始めたり、道中で無線を直した初春から無事船団に合流出来た報告があったりした。その間、警戒していた敵第三次航空攻撃隊は姿も形も見えず、再度彩雲が高高度偵察に出向いた時も、飛行甲板には僅か数機しかなく、総攻撃の兆しは無かった。

 このままいけば、扶桑達迎撃艦隊が敵を抑え、その間にタンカー達本隊がシンガポールまで逃げるという、当初の予定は達成出来る。初春の離脱という問題こそ発生したものの、空母の艦載機部隊からの攻撃を受け、被害が駆逐艦一隻の離脱で済んだのは、はっきりいって上出来である。本隊に残した大和や青葉達予備戦力にまで、敵を残す事は無いだろう。

 扶桑は、そう思っていた。ようは、自分達がこれから行う敵との砲撃戦で、同数の戦いに競り勝ちさえすれば、後はシンガポールまでひた走るだけ。それでこの船団護衛任務の最大の難所は抜けられると、そう考えていた。

 

 しかし、それが大きな間違いであったと知るのは、それからすぐの事だった。

 

 

 インド洋北部 ベンガル湾中央部 特殊船団護送艦隊本隊南方百キロ アンダマン・ニコバル諸島まで、残り四百五十キロ地点 戦艦扶桑艦橋

 

 クウェート出発十日目、午後三時五十二分。

 敵がすぐそこまで迫り、最早何時敵影が水平線から姿を見せても可笑しくは無い頃合いとなった、この時刻。扶桑達迎撃艦隊は、全艦砲を右舷側へと向け、敵戦艦が来るのを待ち構えていた。

 少し前にまた偵察しに行った彩雲の報告によれば、敵の位置は、扶桑達迎撃艦隊のほぼ真南、百キロ。速力は、扶桑達も敵艦隊も双方共に二十五ノット。全力航行中である。

 ただし、敵艦隊はこの距離まで接近するなりそれ以上のこちらへの接近を止め、針路を真東へと変更。こちらと並行している。そればかりか、こちらが敵に近付こうとすれば、逆に敵が離れていこうとする始末だった。

 また、同時に生き残った最後の敵空母からの戦闘機、そして偵察機の発艦が激しくなり、上空警護がかなり厳重になった。おかげで、さっきから彩雲が近付けない。敵から五十キロ程離れた空域から、烈風の警護を受けながら遠巻きに眺めるだけしかできないそうだ。同時に、敵の偵察機がこちらの様子を窺って遠方の高空に姿を見せており、排除を目論む烈風隊と追いかけっこをしている。

 仮にこちらの烈風隊を大挙して突っ込ませれば、数的優位を以て敵直衛機を蹴散らせるであろうが、それをする意味も薄い。烈風隊を気安く消耗するわけにはいかず、また、爆撃機雷撃機の居ない祥鳳達の航空部隊では、敵への攻撃手段は烈風による機銃掃射か、対潜仕様の九七艦攻で小型の対潜爆弾を落としてやるしかない。だが、それだけで破壊出来そうなのは駆逐艦しかなく、そして敵駆逐艦を何隻か仕留めたところで、本命の敵戦艦を止められなければあまり意味は無い。

 結局、これは昼間の戦いを不利だと判断した敵が、夜戦に全てを掛けるべく時間を稼いでいるのだろうというのが扶桑達の見解だった。

 

「こちらシンガポール地方隊司令部。神通、大淀、応答せよ」

 

 そんな時だった。シンガポールから、通信が入った。

 

「こちら神通。提督、何でしょう」

「こちら大淀。聴こえています」

「インドネシアのバンダ・アチェ西方、五百キロに新たな敵艦隊を発見。巡洋艦が約十五隻。推定速力三十五ノット。北に向かって侵攻中だ」

「巡洋艦ですか? まさか……」

 

 もたらされた悪い知らせに、無線の向こうで大淀が言い澱む。

 それを聞きながら、扶桑は早速インド洋の海図を手繰り寄せ、敵と自分達の現在位置を確かめた。

 船団の現在地は、アンダマン・ニコバル諸島の中間であるテンディグリー海峡の真西、約四百五十キロ。扶桑達迎撃艦隊は、その南百キロの地点に居る。そして、敵の新手、巡洋艦十五隻が確認されたのは、スマトラ島最北端、バンダ・アチェから西に五百キロ。

 現時点では、かなりの距離がある。だが、問題はそこではない。敵は北上を続け、自分達は東に逃げている。現在の敵艦隊の位置と、船団護送艦隊本隊の予定航路の最短距離を測り、扶桑は、自分の血の気がみるみる引いていくのを感じた。

 僅か、四百五十キロしか無い。これでは、敵速が三十五ノット――時速約六十五キロ――とこちらの本隊の二倍もの速力を誇る都合上、間違い無く先回りされる。待ち伏せされる。それは、マラッカ海峡への出入り口、アンダマン・ニコバル諸島を海上封鎖されるという事を意味していた。

 

「現在、シンガポール、インドネシア、マレーシアに駐機中の出撃可能な全航空機に出撃命令を掛けている。だが、どこまで妨害出来るか判らん。そちらも迎撃用意を」

「大淀、了解」

「神通、了解」

 

 嵌められた。おびき出された。釣られたのだ、敵の戦艦に。まんまと護衛を引き剥がされてしまった。

 扶桑は、自分達が敵の仕掛けた罠にはまりつつある事を理解し、焦燥と後悔に、小さく唇を噛み締めた。

 

 今にして思えば、妙だった。敵艦の数が、やけに少ない事が。気付くべきだった。敵の陣容の中に、こちらの巡洋艦隊と戦う勢力が居なかった事に。疑問に思うべきだった。何故、重巡である古鷹達を、ホ級やヘ級ごとき軽巡洋艦の相手に回す余裕があったのかを。

 この特殊船団護送艦隊は、今回土壇場で編入が決まった大和を除いたとしても、普段から戦艦二、空母七、巡洋艦十という勢力を誇る。その艦隊を相手にするのに、戦艦二、空母二しか戦力を用意しないのは、明らかにおかしかった。

 こちらの空母が皆小型で、大型正規空母なら二隻で相手できると考えたのは、まだ譲歩出来る。だが、巡洋艦を十隻も野放しにすれば、戦艦同士の砲戦の最中に盛大に妨害して来る事ぐらい、容易く想像出来る。それを敢えて放置するのは、何らかの理由があるはずだった。

 何故、そこに思い至らなかったのか。少しでも疑っていれば、こうも本隊から引き離される事も無かったというのに。

 

「特殊船団護送艦隊全艦、傾注」

 

 艦隊無線が、大淀の声を吐き出す。その声色は、硬い。彼女も、このままでは艦隊の針路を塞がれてしまう事、そして、その阻止が不可能に近い事も理解しているだろう。最早、立ち塞がる敵を強行突破する以外に道が無い。この事態をかなり重く受け止めているようだった。

 

「これより、艦隊再編成を行います。第一特殊護衛隊は、船団前方に進出。航路の死守を。見敵必殺をお願いします」

「大和、了解」

「第二特殊船団護衛艦隊は、必要最小限の艦を除き、全戦力を船団前方に展開。索敵、及び、可能な限りの敵の撃滅をお願いします」

「球磨、了解くま」

「第一特殊船団護衛艦隊は、対潜警戒を密に。これまで敵潜の活動が見られないのは不自然です。夜襲が想定されます」

「睦月、了解」

「第一特殊護衛航空艦隊は、艦攻隊に夜間航空攻撃の用意を。対潜爆弾で構いません。敵の妨害をお願いします」

「祥鳳、了解」

「第四特殊護衛隊、及び、第三特殊船団護衛艦隊は、そのまま敵戦艦部隊との交戦を。可及的速やかに撃破後、本隊への復帰を御願いします」

「扶桑、了解」

「若葉、了解」

 

 大淀から、全艦隊への指示が飛ぶ。扶桑達への指示は、要約するとさっさと敵戦艦を撃破して船団のもとへと戻って来い、というものだった。

 当然だった。扶桑達は今、敵の囮に釘付けにされている状態にある。船団の護衛でありながら、引き離されて護衛として機能していないのだ。牧羊犬の役割は、戦死してでも羊を守る事。その使命を全う出来ない。仮にこれからの戦いで敵戦艦を撃沈せしめようとも、それは戦術的な勝利に過ぎない。その間に敵巡洋艦に好き勝手に動かれ、本来護るべきタンカー船団を叩かれてしまった場合、それは戦略的大敗を意味していた。

 かと言って、敵の囮艦隊の無視も出来ない。もしここで扶桑達が敵を無視して船団のもとへと戻っても、敵の戦艦はその後ろを悠々とついて来るだろう。未だ継戦能力を残していると思われる、残り一隻の空母まで引き連れて。それは許容できなかった。

 敵の戦艦は、叩かねばならない。だが、戦艦に引き付けられているのでは、護衛の意味が無くなる。故に、今の扶桑達に出来る事は、大和達が時間を稼いでいるその間に、敵の戦艦を素早く撃破し、船団へと復帰。船団の周囲を固め、防衛網を突破して来る敵巡洋艦からタンカー達の盾となる事だった。

 

「こちら球磨。ここは球磨が残るくま。第二特殊船団護衛艦隊は、全員船団に戻るくま」

 

 早速、球磨が動き出した。

 戦力に余裕を持つために、軽巡三、重巡二という戦力で南下して来た彼女達だが、肝心要の本隊の方が数的劣勢を強いられている今、そんな事をしている余裕は無い。敵囮艦隊に巡洋艦が一隻、または二隻しか居ない以上、この場に五隻も揃う必要は無かった。

 必要最小限の艦を除き、全戦力を船団前方に展開。事実上の呼び戻し命令と取れるこれを受け、球磨はその必要最小限を彼女自身のみで十分だと判断したのだろう。

 

「姉ちゃん、一人で大丈夫?」

「何とかするくま。姉ちゃんを信じるくま」

「なら、いいんだけどさ」

 

 北上の問いに、球磨が答える。だが、強がりともとれるその答えに、扶桑は頭を過る一抹の不安を拭えなかった。

 敵囮艦隊の陣容は、戦艦二、空母一、軽巡一ないし二、駆逐艦多数。対するこちらの陣容は、戦艦二、空母二、軽巡一、駆逐艦五。数の確定していない敵軽巡と駆逐艦の数次第では、数的不利である。

 副砲だけでも援護に回せればいいのだが、敵の戦艦を相手にそんな余裕は無い。祥鳳達空母も、恐らく夜間航空攻撃を狙っているであろう敵空母への防勢対航空作戦に追われる。となると、球磨、そして初春の欠けた第三特殊船団護衛艦隊だけで敵巡洋艦以下を抑えて貰わねばならなかった。

 

「大淀海将、こちら第二室蘭丸船長、堀田だ。応答願う」

「こちら大淀。何でしょう」

「我々は何をすれば良い。迂回は出来ないのか?」

 

 無線の向こうで、今度はタンカーの一隻が大淀に話しかけた。

 

「残念ですが、速力で二倍近い差がある今、迂回は不可能です。どう逃げても、追い付かれます。ですので、貴方がたは速力を維持しこのまま真っ直ぐ直進を。我々が進路を切り開きます」

「そちらが敵を仕留めるまで、待機も無理か」

「はい。敵の数が多いです。離れ過ぎると、敵に我々が迂回されます」

「そうか……。了解した」

 

 北上達四隻を本隊に還したとはいえ、それでも船団の護衛につくのは、戦艦が大和一隻、巡洋艦が大淀、多摩、北上、大井、木曾、古鷹、加古、青葉、衣笠の九隻、そして駆逐艦が吹雪、白雪、初雪、深雪の四隻。計十四隻。敵が約十五隻である事を考えると、仮に一人一殺が出来たとしても、一隻足りない。

 実際には、大和だけで複数隻を相手に出来るだろうが、その代わりに吹雪達駆逐艦が一対一で敵巡洋艦を仕留めるのは難しい。駆逐艦四隻だと、足止め出来たとしてせいぜい二隻。重巡や大型軽巡が相手であれば、一隻で精一杯の可能性も低くはない。

 大鷹達が対潜爆弾で支援攻撃を行う事を考えても、やはり余裕があるわけではなく、戦力的には五分と五分。更なる新手の可能性や、防衛網をすり抜けられたと気付いた時にすぐさま駆け付けるためにも、護衛があまり前に突出し過ぎるわけにもいかなかった。

 




誰が敵がたったあれだけだなんて言い切った?
という事で、敵別動艦隊、巡洋艦十五隻が登場。

敵の数が妙に少ないというこの伏線、気付いた人居たのだろうか。


何で今の今まで発見出来なかったん?
という問いに関しては、作中で説明している通り、索敵機不足です。
広大なインド洋の全てを監視するなど、軍事衛星の力を以てしてもまず不可能。まして、戦力の大半を太平洋海域に注力している海上自衛隊に、インド洋を睨む力などほぼありません。
加えて、最大戦速三十五ノットもの高速で、インド洋中部の深海棲艦支配領域から一気に東部沿岸を駈け上がって来たこいつ等は、人類側の索敵網に飛び込んでから船団に突っ込んで来るまでの所要時間も短くなります。
ようは、気付いてから対処するまでの時間を与えない。現代の超音速対艦ミサイルと同じ考えですね。

この増援により、本隊に置き去りだった大和にも出番が。敵は戦艦じゃなくて巡洋艦ですけどね。

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