【GE作者合同投稿企画】アニメ化ですよ、神喰さん!   作:GE二次作者一同

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題名・作者名:仁義なき王様ゲーム・フロンサワー

投稿作品名:スイーツイーター

登場キャラ:アマト、レイジ、ライム、女神三姉妹、その他

ジャンル:ギャグ


仁義なき王様ゲーム (作:フロンサワー)

 時は2074年、フェンリル極東支部――通称、アナグラで禁断の遊びが行われようとしていた。

 その名は、王様ゲーム。

 今宵の犠牲者は無動レイジ、桐永アマト、ライム・ファイオッツ、シエル・アランソン、アリサ・イリーニチナ・アミエーラ、台場カノン、女神三姉妹の計7名だ。

 

「さて……全員、集まったね?」

「「「……」」」

「そう固くなるなって、王様ゲームは楽しんだ者勝ちだよ?」

 

 ライム・ファイオッツの手には7本の割り箸が握られていた。

 この7本の割り箸の内、6本は1~6の数字が書かれ、1本は先が赤くなっている。

 赤の割り箸を引いた者が王、残りは奴隷。勿論、割り箸の先はライムの手で隠されている。恐らく、最もオーソドックスであろうクジの方法だろう。

 

「くそぅ、ライム先輩め……! こんな悪魔の遊びに誘いやがって……! しかも、僕の部屋で……!」

 

 嘆くレイジ。しかし、そうした所で現状は何も変わらない。待つのは成功か破滅か、それだけである。

 

「私、王様ゲームをするの初めてなんですよ~。なんだか緊張しちゃいます……」

「俺もですよ、カノンさん。王様になったら、何を命令すればいいのやら……」

「お菓子を持ってくるように命令すればいいんじゃないですか?」

「しゃあ来い! 王の座は譲らんぞ!!」

 

 アマトは異様に目をギラつかせる。このように、王様ゲームは変人をも魅了させる、無限の可能性を秘めたゲームなのだ。

 

「じゃあ、記念すべき1回目! 王様だ~れだ!!」

 

 それぞれが割り箸を抜き取る! 最初に運命を手繰り寄せたのは――!

 

「僕だああああああああああああ!!!!」

 

 ライム・ファイオッツ!

 彼は稀代のおっぱい星人として、アナグラでは(一部の人間に)崇められている。

 ニヤリ、とライムの口元が歪む。女子の背筋に冷や汗が流れた。

 

「王様と3番が……キットカットゲーム!!」

「「「ッーーーー!!!???」」」

 

 王様ゲームの定番、キットカットゲーム。キットカットの両端を咥え、折れるまで喰い進めるという悪魔のゲームだ。

 自分ではない誰か2人にキットカットゲームをさせるのが定石。しかし、ライムは違う。女子と当たる確率に全てを賭け、自分と3番を指名した。まさに、神をも恐れぬ蛮行ーー!

 誰もが固唾を呑む中、手を挙げたのは――!

 

「俺だ、ライム」

 

 ――スイーツイーター、桐永アマト!

 

「……そっすか」

 

 露骨に落ち込むライム。神を殺す一撃は、あと一歩届かなかった。

 

「ドン引きです、ライム……」

「誤射しますよ?」

「死ねばいいと思いますも」

『レイジ、きっとかっとげーむってなぁに?』

「えっとね、キットカットゲームってのは……」

 

 女性陣は養豚場の豚を見るかのような目でライムを見ている。

 

「やる意味ないですし、折りましょう。電光石火で折りましょう。アマトさんも賛成でしょう?」

「何言ってんだ、ライム」

「え?」

「お菓子が絡むようなら、俺は全力を尽くす。男とキスする? それがどうした、キットカットを食べれるなら安い代償だ」

「なんやこいつ!!??」

 

 その言葉に嘘偽りは砂漠の砂一粒ほども無いと感じさせる凄味を、ライムは全身の肌で感じ取った。

 

「さっさとキットカットを咥えろ!! 命令は絶対だ!!」

「えぇ!?」

 

 アマトは鬼気迫る勢いで、キットカットの袋(二個)を両手に構えている。

 嫌な悪寒と共に吹き出る汗が頬の脇を伝っていくのをライムは感じた。

 

 そして、『その言葉』がアマトの口から放たれる。

 

 

「逃げるなぁぁぁぁぁ!!」

「「「!!??」」」

「キットカットゲームから、逃げるな!! これは……命令だ!!」

「うっ、ううう、うがぁあぁぁぁあああ!!!! やってやる、やってやるぞ!! 野郎に唇を渡すもんかぁぁぁぁぁ!!!」

 

 決死の覚悟を決めたライムは、キットカットの封を切り口に咥え、アマトも満足そうに反対側を咥える。

 そして……。

 

「キットカットうまうま」

「泥水、泥水は何処にありますか……」

 

 地獄の惨状が出来上がった。

 

「あ~……ライム先輩が再起不能なので、代わりに僕が進行役を務めます」

 

 手っ取り早くクジを集めるレイジ! ぶつくさ文句を言っていたものの、なんやかんやで楽しくなっているようだ。

 

「それでは第2回戦、王様だ~れだ!!」

 

 2番目に運命を手繰り寄せたのは――!

 

「再び僕だああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

 ライム・ファイオッツ、まさかの王に再臨! 彼の執念は確率論をも狂わせるというのか!?

 

「キットカットゲームだ………………王様と、1番……!!」

 

 普通の人間なら、先程の惨状がトラウマとなり守りに入る。しかし、ライムは違う! 再び勝負に打って出た。

 確かに、アマトが当たってしまった場合の恐怖はある――だが、それがどうした!

 誰かが言っていた。人間が真に敗北する瞬間は、挑戦するのを忘れてしまったときであると!

 ライムの目には、抗い続ける人間の気高き光が宿っていた。

 

『あっ、わたし1ばんだ!』

「えっ」

 

 1番はまさかの神機、女神三姉妹だ。

 

「神機がキットカットゲームとか無理じゃね?」

「神機じゃなくて女神三姉妹だ!! 訂正しろデコ助野郎!」

『ばかにしないでよね!! きっとかっとげーむくらいわたしにもできるもん!!』

「わ、分かったよ。やればいいんだろ……」

 

 キットカットの端を咥えるライム。しかし、先程と比べれば余裕そうな表情だ。

 

「それじゃあ、イタダキマスしようかヴァリキュリアちゃん」

『うん!』

 

 黒い顎がキットカットの端を飲み込んだ。どう見てもプレデターフォルムである。

 

「ターーーーーーーーイム!! ちょっとこれ洒落になr」

『あむあむもぐもぐーー!!!』

「」

「ヴァリキュリアちゃん!! ぺってしなさい、ぺって!! お腹壊しちゃう!!」

『ぺっ!!』

「」

「はいはい、もう1度僕が進行役を務めます。それでは第3回戦! みんな割り箸を引いたね? それじゃあ、王様だ~れだ!!」

 

 レイジの問い掛けに答えたのは――

 

「あっ、私が王様ですね」

 

 誤射姫、台場カノンだった。

 

「それじゃあ……2番さんと6番さんは、お菓子を作ってきてください。2人だと大変そうなので、それぞれ1人お手伝いさんを選んでもいいですよ?」

「流石はカノンさん、天使か。という訳でお菓子を作りに行きましょうか」

「はい!」

「っと、6番は僕か。それじゃあ、手伝ってくれるかなヴァリキュリアちゃん」

『うん!!』

「だけど僕、お菓子なんて作ったことないからな。大丈夫かなあ?」

「心配するな、俺が色々と教えてやる。カノンさんもいるし百人力だ」

「は、恥ずかしいですよアマトさん……。それはともかく、私もお手伝いさせてください!」

「ありがとうございます。あの、都合がいい頼みなんですけど、神機用のお菓子の作り方なんかも教えてくれたりとか……」

「勿論だ。最高のレシピを伝授しよう」

 

 こうして、3人と神機1つは調理室に消えていった。残ったのはアリサ、シエル、白目で気絶しているライムの3人だった。

 

「行っちゃいましたね」

「……ええ」

「2人とも、迷わず選んでましたね」

「……そうですね」

「しりとりでもします?」

「……はい」

 

 彼らが帰ってきたのは、その30分後だった。

 

「はい、それじゃあ第4回戦! 王様だ~れだ!! ……って、僕か」

 

 王様になったのはレイジだった。

 

「う~ん……そうだ、4番と5番はロミオ先輩とリヴィさんを煽りに行ってよ」

「「」」

 

 アリサとシエルの表情が固まる。

 それもそのはず、ロミオとリヴィは今時の少女マンガでもやらないような甘酸っぱさ全開の青春を送っているからだ。

 浮いた話のない2人には、それはあまりにも苦行すぎた。

 

「「……逝ってきます」」

「うん、行ってらっしゃい」

 

 アリサとシエルは、一先ずロミオがいるであろうラウンジへと向かった。

 ラウンジに入ると、丁度良くロミオとリヴィがいた。

 

「つ、作り過ぎたからクッキーをやる! そそそ、そういう意味じゃないから勘違いしないことだな!!」

「おぉ、美味そうだな! ありがとう、リヴィ! 余り物でも嬉しいぜ!」

「~~~~っっ!!///」

 

 リヴィは顔を真っ赤にしながらラウンジから出て行った。

 一連のやり取りを見ていたアリサとシエルは、既に心が折れようとしていた。しかし、王様の命令は絶対。どうにか心を持ち直し、ロミオを煽りに向かった。

 

「青春してますね! 甘酸っぱ過ぎてちょっと見てられないです!!」

「ラブラブですね! 告白はいつするんですか!?」

「告白する予定は当分無いっすね」

「「!!!???」」

「ほら、俺が言うのもなんだけど、リヴィってメチャクチャ良い女でしょ? 俺なんかじゃ釣り合わないですって。色々な世界を見て、色々な人と触れ合って、自分の気持ちに改めて向き合ってほしいんっすよ。ただ、それでもこんな俺を好きでいてくれるなら、俺から告白しようと思って」

 

 ロミオの笑みは神々しさで満ちていた。偽りの神が跋扈するこの世界で、本物の神の神託を授かったメシアのように――。

 あまりにも過ぎた光は、容赦なくシエルとアリサを襲った。とうとうその光に耐えきれなくなった2人は、地面に沈んだ。

 

「ありゃりゃ、ちょっとクサすぎたかな? どうしよう、この2人」

「ふっ、僕に任せろ!」

 

 扉から現れたのはライムだった。

 

「おお、ライムさんじゃないっすか」

「2人は僕が回収するから、ロミオ君は気にしなくてもいいよ!」

 

 ライムはシエルを背負い、アリサを抱えた。おんぶに抱っこ状態だ。当然、ライムの胸と背中には柔らかい物体が押し付けられていた。

 

「前門のおっぱい! 後門のおっぱい! うっひょいうっひょい!!」

 

 ライムは飛び跳ねながら、レイジの部屋へと向かっていった。

 2人が目を覚ましたのは、既にライムが満足し終えた頃だった。

 

「ライム先輩が燃え尽き症候群に罹っているので、また僕が進行役を務めます。王様ゲーム第5回戦!! 王様だ~れだ!!」

 

 スイーツイーター、桐永アマトは誇らし気に当たり割り箸を掲げていた。

 

「2番、一緒に極甘ジュースを一気飲みしようぜ☆」

「アマトこの野郎!! ぶちころがすぞ!! 買ってくるだけでいいじゃん!! どうして僕まで巻き込んだ!!」

 

 2番は不幸に定評がある薄毛隊長、無動レイジだった。

 

「だってさ、1人で飲むのは寂しいじゃん」

「嫌だぁぁぁぁ!! またあのジュースを飲むなんて嫌だぁぁぁぁぁ!!!!」

「ほれほれ、極甘ジュース2本買ってこい」

「しかも僕の金で買うの!?」

 

 この世の終わりが来たかのような表情で極甘ジュースを2本買ってきたレイジ。アマトは満足そうな表情で極甘ジュースのプルタブを開けた。

 

「それじゃあ、乾杯」

「……乾杯」

 

 レイジの部屋にピンクの汁がぶち撒けられた。

 

「レイジが再起不能なので、再び僕が進行役を務めます。王様だ~れだ…… って、僕ですね」

 

 ライムは仏のような顔をしていた。おっぱいに触れて満足したからだろう。俗に言う賢者タイムだ。

 

「それでは、1番さんは王様ゲームの感想を述べてください」

『わかったー! えっとね、とってもたのしいげーむだったよ! ライムがとてもがんばってた! みていてあきなかった!』

『アマトとカノンのつくったおかし、ぜんりょくでわるくなかったわ』

『…………ネタ枠乙』

「「ごふぁっ」」

「まあ、なんやかんやで僕も楽しめたかな」

「ああ、俺も満足だ。スイーツを沢山食えた」

「はい、私も久し振りにアマトさんとお菓子を作れて嬉しかったです!!」

「僕ももう満足です……満足……やっぱ駄目だ、おっぱい揉みたい」

 

 こうして、王様ゲームは終わりを迎えた。




 という訳で、ようやく主人公'sを絡ませることができました! この機会を下さったウンバボさんには感謝です。

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