Fate/love&peace   作:フリスタ

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今回は修正ではなく、全て新たに書き加えました。3000文字も余裕で超えちゃいましたし、6.5として入れときます。これでこの先も更に加筆修正しなくてはならなくなった。自分で自分の首を絞めるとはw


昨日、劇場版のトライガンを見なおしたよ。映像きれいだし面白いですね。
ガスバックとの最終決戦のシーンが素敵です。まぁストーリーとしてはそこまででもないかもというのが個人的な感想(ぉぃ

でも、本当に贅沢を言うならFF7のリメイクが決まった様に、TRIGUNも完全原作で血界戦線の様な絵でリメイクされないかなぁー(チラッ)って感じです。あ、もちろん声優さんは基本変えないでいいんだからね!!

しかし、FF7によってプレステ4買う理由が出来たなぁ。まだ買わんでいいけど、さて、いつ出る事やら。



6.5 intrude

「だから僕を匿えって言ってるだろう!! ライダーは消えたんだから、僕を守るのがココの役割だろう!!」

 

「勿論構わないとも少年。しかし一つだけ言わせて貰おう少年」

 

「な、何だよ……?」

 

 眼光が鋭くなる教会の神父に間桐慎二は今までの威勢を閉じ挙動不審となった。

 ここは聖杯戦争における聖域とも言える中立の教会。敗退、降参などによりマスターの命は最低限は守る立場の場所だった。ライダーのマスターである間桐慎二が、自分のサーヴァントが消えた事を知ったのは数十分前、イレギュラーのサーヴァントによってだった。

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

「ライダーのマスターか?」

 

「ヒィッ! お、……お前は……?」

 

「俺はガンナーのサーヴァント。ライダーは落ちた。貴様は正規のマスターでは無いのだろう? その本を寄越せ」

 

 ガンナーは拳銃を間桐慎二に向けたまま説明し、少しずつ距離を詰めていく。慎二は頭のどこかで殺されると理解した。本に委譲されたサーヴァントへの命令権は2つ。それを利用してライダーを呼ぼうとしても現れない。ガンナーはその光景を鼻で笑い続けて話す。

 

「令呪が発動しないだろう。貴様とライダーの契約は切れているからだ。さっき言った通りライダーは落ちたからな」

 

 少し芝居掛かった威圧的な言葉も拳銃の圧力は絶大だった。眼の前の男に圧力がなかったとしても、拳銃というモノは『撃たれれば死ぬ』なんてことは分かり切ったシロモノだった。

 そして、ガンナーは嘘を付いていなかった。間違いなくライダーは落ちているのだから。ガンナー陣営に。

 

「ぼ、僕を殺すのか……」

 

「その本を渡したらこの戦争が終わるまで隠れてるんだな。せいぜい他のサーヴァントやマスターに殺されないようにな」

 

 ガンナーは教会の言峰という人物の事は聞いていた。信用できるわけがない。ならば、出来るだけこの家の事も配慮しながら聖杯戦争を終わらせて間桐慎二の命も守ろうと思っていた。いつもの様に衛宮の家に入れてしまおうとも考えたが、衛宮邸の家計の問題や、人間関係を考慮した結果それも難しいと思っての行動だった。そもそも令呪のないマスターなのだ、身を潜めていれば殺される事は無いだろう。

 

「ほ、本当に殺さないんだな!?」

 

 喚き騒ぐ慎二を元気な子だなと内心思いつつ、件の本を受け取り、ガンナーはその場から消えた。しかし、間桐慎二は知っていた。聖杯戦争における脱落したマスターの保護区域という教会の存在を。

 間桐慎二は教会へと走った。これほど真面目に走った事は一度もないかもしれない。一生懸命や汗をかく事は格好悪いと思うようになって周りの人間を乏しめる様な男になっていた慎二。それでもある一部の女子からの人気はある為に増長もした。衛宮士郎はお人好しのバカだ。その考えが変わったわけではない。ただ、今の自分の命欲しさに走った。

 

 

 

 

 

「あ、桜ちゃ~ん」

 

「ヴァッシュさん?」

 

「士郎君の家行くでしょ?」

 

「あ、はい。ヴァッシュさんはまたドーナッツですか?」

 

「体はドーナッツで出来ているからね。心はラブ&ピース―――」

 

「ふふふ。……あの、ヴァッシュさん。バゼットさんや先輩たちからは『ガンナー』って呼ばれてますよね? あれって……」

 

「あ、ちょうど良かった。そのことで話があるんだよ。桜ちゃんが思ってる通り僕はサーヴァント。桜ちゃんも聖杯戦争って知ってるでしょ? さっきお兄さんからこの本貰ってきてね」

 

 帰りにドーナッツを買い、衛宮邸へと向かっていると桜に会い、衛宮邸で起きている事や、つい先ほど間桐の家で何が起こったかを簡単に話し、一緒に衛宮の家に向かった。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「―――君をここで匿うことは問題ない。ここはその為の教会だ。しかし君はそれでいいのか? サーヴァントを提供すると言ったら君はどうする?」

 

「え? な、何を言ってるんだアンタ。サーヴァントはもう全て違うマスターが―――」

 

「綺礼、それが我の新しいマスターか?」

 

 慎二は気付かずにいたが、金髪の男はそこにいた。傲岸不遜な態度がありありと伝わってくる。前回の聖杯戦争で受肉し、現界したままに消えずに生ける人類最古の英雄、ギルガメッシュだった。

 

 

 

 

 

 ―――衛宮邸。ライダーの正式なマスターである間桐桜が再度ライダーと契約し、しばらくすると夕飯の支度をと思い衛宮は買い出しに、桜は出汁作りなど下拵えを始めた頃だった。

 アーチャーは苛立ちを覚えていた。それはガンナーというサーヴァントと休戦協定を結んでからだろうか。いや、きっと出会った時にその感情は生まれていたものだ。余裕を持ってランサーと拮抗する速さは驚嘆に値するが、その攻撃は殺意を持たず全てを生かそうとする気持ちの悪いものだった。

 相手ならば殺すことが当たり前の聖杯戦争で相手を殺さない。分かる。あのガンナーという男は聖杯戦争だから殺さないと言っているのではない。どんな時も誰であっても殺さない殺したくないと言っているのだ。重厚な銃という明確な人殺しの武器を持って殺さないと言っているのだ。

『だって……誰も死にたく無いじゃん?』

 殺すことで救われる者がいる。一人を殺し多数を生かす。それが出た答えだ。

『ん~でも。君も同じような考え持ってるでしょ?』

 持っていた事はあった。だが、そんなものに意味はなかった。それは間違いだった。

『士郎君と同じ匂いがすると思うんだけどなぁ……あ、怒った?』

 生涯を理解されることはなかった。アレは間違いだ。あれは今間違えているのだ。

 

 ―――ならば殺す。今の自分が正しく、今の奴が間違っている。殺すことで救われる。それが正しい事だ。それが普通だ。

 

 そして、買い物に出ていたはずの衛宮士郎が攫われたという話を皆がしている時にアーチャーはマスターの遠坂凛に伝える。

 

『凛、ここが潮時だと思うが』

 

『どういう事よ……』

 

『分からない君ではないだろう。この協定に我々の利点は少ない。まだキャスターと組んだ方が効率的だ』

 

『はっ、何を言ってるの。あんな無関係の人間を巻き込むような外道と組むなんて有り得ないわ』

 

『君がそれを許さないのは分かっている。だが、ここにいる理由にはならない。デメリットの多い陣営だ。ここにいる者は皆、聖杯戦争に参加する者として破綻している。このままでは聖杯は手に入らないぞ』

 

『……そんな事は分かってるわよ』

 

「―――このままじゃ平行線ね。急いだ方が良いだろうし、ガンナーの考えに従いましょう」

 

「凛ちゃん、ありが――」

 

「――ただし、すぐ近くまで行って、何かあれば私か桜のどちらかが令呪を使ってでも乗りこむからね。時間も決めましょうガンナー達が入ってから20分、いや15分かしらね。それを過ぎたら乗りこむわ」

 

 ガンナーの礼の言葉を遮る様に凛はそう言った。それが最大の譲歩だと凛は告げ、渋々ガンナーも了解した。

 

 アーチャーは声を出さず笑う。バーサーカーとの戦闘は避けられない。ならば援護に巻き込んで殺せばいい。令呪の縛りによって直接は討てなくても手はある。前回バーサーカーと初めて戦った時は失敗したが、どんな手を使ってでも仕留める。最終手段として、柳洞寺に行きキャスターのルール・ブレイカーを使いマスターの凛と契約を切っても構わない。アーチャーのクラスから時間にも余裕はある。今このタイミングは難しくとも確実に殺す。自分の歩いてきた道が変わるわけではない。だが、衛宮士郎は生きていてはいけない。

 

 

 

 

 

 何度か不思議な夢を見た。

 砂漠の荒野。建物よりも遥かに大きな電球。街に溢れ返るガンマン達。ただの西部劇の世界観では無かった。最後は決まって熱砂にはためく赤い布が見えたところで眼が覚める。その夢を見始めたのはガンナーと出会って少ししてからだったと思う―――。

 ランサーと契約して数日経った頃も自分に関わりのない歴史の夢を見た事がある。「見たのか」短く話すランサーに私も「ええ」と短く答えた。仲良くというわけではない。サーヴァントとマスターだ願いを叶えたい者同士、利用し合う関係が普通だ。……いや、ランサーとはそうじゃなかった。私達は良いサーヴァントとマスターの関係だったと思いたい。

 ―――ならば、アレはヴァッシュ・ザ・スタンピードの記憶なのだろうか。ならば、無数の傷跡もまた彼のモノなのだろうか。

 朝眼が覚めれば、ガンナーは居らず、衛宮邸に備わっている道場から出てきたところで見つけた。卵を一つ持っており、何をしていたかと聞けばいつもの様に軽い口調で愛と平和について考えていたという。卵を持って何の宗教だと思いもしたが、もしかすると裏では真面目に修練を積んでいるのかと思ってしまう。

 しかし、日常を見ているだけでその考えも吹き飛ぶ。

 

「たっだいまー」

 

「またドーナッツですかガンナー……」

 

「ポイントが溜まったから景品貰って来たよセイバーちゃん。ほい」

 

「お、おお! これは……!」

 

 ライオンの様なドーナッツを鬣に模した可愛らしいぬいぐるみがセイバーの手に渡る。

 

 ―――これがサーヴァントだと言えるのか? このような時間は嫌いというわけではないが、いつまで続くのか。分かっているのでしょうねガンナー。

 


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