ありがとうございます! 感想も加速しただと!? 重ねてお礼申し上げる!
なーんだぁーみんなもトライガン好きなんじゃーん。少し安心しました。
『あれ? トライガン知らない? 嘘、マイナー?』
何て少し怖くなっちゃってましたよw
さて、こんな事を話せる人が増えると、トライガンで誰が好きなのよ? って話は避けられないSADAME! なわけだ。 大体の人気はテロ牧師様がタバコを吸いながら掻っ攫っていくんですが、他にもホーンフリークさんとかが人気かな。
しかしね、しかしだよ諸君。私はヴァッシュが一番好きなんだ。
漫画版だけど、一番好きなのはテロ牧師の死亡した瞬間、テロ牧師が酒瓶落としたところがたまらないんだけど、その後に飯作って食うところが大好きだ。
……え? 飯テロ? 何聞いてたんだお前は!!
(愛と平和のために戦う戦士。人は僕を愛の狩人と呼ぶ。狙った獲物は外した事が無い。それが女性のハートだとしてもね)
「BANG(ばーん)♪」
「何してるんですかガンナー。行きますよ?」
衛宮邸玄関。そこにはセイバー・アーチャー・ガンナーの3名とそのマスター達3人がいた。
話し合った結果。キャスターのサーヴァントの住処となっている柳洞寺を攻める事にしたのだ。理由は単純明快。キャスターによる街への被害が大きいからである。ガス漏れ事件に見せかけての被害は多く、衛宮、遠坂の通う学校の生徒も数名不登校となっているらしい。
衛宮の友人である寺の息子、柳洞一成の話によると、最近になって学校の教師であり、一成の兄貴分である葛木宗一郎が『許婚として連れてきたという女性が居候として住んでいる』と言う事らしく……。時期が時期だけに怪しすぎるという事になった。
重ねてライダーの言「魔女がいる」という事だけでなく、魔術師の眼から見ても霊脈として質が高いとあるだけに、まるで連想ゲームの様に『キャスター』の名前が出てくる。
「やっぱり僕だけで良いと思うんですけど~」
「ガンナー話を聞いていましたか? 最弱といわれるキャスター、そのサーヴァントと戦うも油断して呆気なく退場ということもあり得ます。心してかかりなさい。……それとも、まだ相手が女性だと言う事で舞い上がっているのではないでしょうね?」
「さぁ! みんな気を引き締めて行こう! 敵は柳洞寺にあるぃ~!!」
「「「「「はぁ……」」」」」
気を取り戻すように皆一様に集中して夜の街を歩く。一人を除いて。
「~♪ ~~♪」
「……ガンナー、戦わないと言うならば今の内に帰るべきだと思うが? 窮地に陥ろうとも手助けはせんぞ?」
アーチャーが口を開く。マスターの許可なく発言するタイプでは無い彼が言った事は、多かれ少なかれ、その場の者達が思っている事ではあった。
「別に良いよ。その時は凛ちゃんに助けを呼ぶもん」
「え、私が助けるの……?」
「サーヴァントがマスターに、しかも他のマスターに助けを呼ぶとはどういう事ですか?」
皮の軋む音がヴァッシュの後頭部に広がる。
「じょ、冗談ですぅ……っと、あそこが入り口?」
「あぁ、柳洞寺だ」
口数少なく登って行く6名。
「いるな」
アーチャーがそれだけ声に出すと、セイバーも気配を察知し、跳んだ。
「セイバー!?」
ガキンッ!
「ほう……挨拶も無しにいきなり斬り付けてくるとは……セイバーのサーヴァントとは、無粋な様だな」
「お前は?」
「アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎」
「「「「っ!」」」」
「真名、言ってるじゃん! 言っちゃ駄目なんじゃないのマスター!?」
「参りました……名乗られたからには、こちらも名乗り返すのが騎士の礼です。小次郎と言いましたね。アサシンのサーヴァント。私は―――」
「よい、名乗れば名乗り返さねばならぬ相手だったとは……いや無粋な真似をしたのは私であった。真名なぞ知らずともよい。我等にとって敵を知るのはこの刀で十分。そうは思わんか? セイバーのサーヴァント」
「ストップ! ストップ~! 僕はね、話し合いに来ただけなの。戦いに来たんじゃないの! という訳で、何でアサシンの君がここにいるか分からないけど、用があるのはこの奥だから……通してくれない?」
ガンナーは大きく手を振って割って入る。
「ガンナー! ふざけるのもいい加減にして下さい! 私達は戦いに……!」
「貴様か、あの女狐の言っていた不確定な存在とは。サーヴァントが戦う気がないとはな。正直、恥曝しも良い所だと思わんか異国の英霊よ」
「くっ! 返す言葉もありません」
「マスター!? ちょっと! 君の所為で僕の好感度が落ちてるじゃないか!!」
何を今更。そう言わんばかりの視線の矢がヴァッシュの背に刺さる。
バゼットは、ガンナーに憐れみの目を送りながら、アサシンの言った言葉に疑問を持った。
「ですが……『女狐』というのは、キャスターの事ですかアサシン。あなた達も協力関係になっていると?」
「協力? いいや、あの女狐は私を使役しているのだよ。私はもうココを離れる事も出来ん。『ここから先へサーヴァントは通すな』これが私の仕事だ。しかしこの人数だ。2組ほど通しても仕方のない事だろう」
アサシンのマスターは既に脱落しており、アサシンの全権限はキャスターが握っているという事らしい。
「どんな理由があるか知りませんが、ここは私に任せて先へ行ってください。……ガンナーも! 何をいじけてるんですか!」
しかしここでそれを考えていられるほど余裕があるという空気では無いため、セイバーがここを受け持つと言った。
「了解した。行くぞ凛」
「分かってるわよ!」
「シロウ君。ここは任せました」
「危なくなったら僕を呼ぶんだよ?」
「危なくなってもあなたは呼びません」
「まぁ何とかするさ」
シロウは自分の家から持ってきた木刀を強化して4人の背を見送った。
山門を抜けるとキャスターが既に戦っている。
キャスターは骨の兵士を何体も使い、時間を稼ぎ、相手の消耗を待っている。
戦っている相手は……
「ほぁぁぁぁ! キャスターさんにライダーさんだぁぁぁ!! 僕も仲間に入れ――!」
「ガンナー、あの二人が楽しそうに遊んでいる様に見えるんですか?」
ゴスッと深い音をガンナーの頭で奏でながらバゼットはツッコミの言葉を添える。
まだ1~2日しか協定を結び行動を共にしていないアーチャーは鼻で笑い、凛は額に手を置き 溜め息をついている。1度見たものをもう一度見せられているかのような、分かり切った行動をガンナーは取っていた。よく言えば意思疎通は取れているという事になるが、一方通行の片道切符だった。
「あらあら、こんなところまで入ってきて、今日はお客さんが多いわね。まとめて相手するのは少し大変かしらね」
「僕にお任せを! 僕は愛の狩人ヴァッシュ・ザ・スタンピード。あなたのお力にならせて下さい! さぁ、こちらの御婦人を虐める方々!! どっからでもかかってきなさぁい!!」
「ガンナーいつの間に寝返ったんですか!!」
「ふふふ……良い子ね。ポチ、ではあのライダーから始末なさい―――」
キャスターはガンナーの頬を軽く優しめに撫で上げると指示を出した。
「え、キャスターも少しココが弱いのかしら? そんな言う事なんてガンナーが聞くわけ無いじゃない。至近距離から撃たれてお終いね。セイバーの時と言い、ガンナーはふざけてはいるけど懐に入るのは上手いわ」
「そうだな、キャスターの頭の出来に関しては肯定しかできない上に、仮にも同じサーヴァントとして心外且つ嘆かわしい。しかしだ凛。この場合、頭が弱いのは君だと言う事になる」
「は? 何でよ?」
「―――ワンっ! 御主人様~♪」
「見ての通り、アレが言う事を聞いてしまう戯けだからだ」
ガクッ!
ライダーはマスターからキャスターを始末する命を受けていた。ただ、アサシンが山門で構えている事で一時は思案していたが、衛宮士郎達がアサシンを相手にして始めるとほぼ同時にドサクサに紛れて寺に入った。
山門をくぐると目の前には骨の兵士が展開されていた。
しばらく骨の兵士の相手をすると山門を抜けてきた2組のサーヴァントとマスターが眼に入った。特に赤いコートの二人が目に付く。一人は金髪でキャスターの僕みたいな事をしている犬だ。もう一人は双剣を手にしている白髪の男だ。
「ガンナー! いい加減にしなさい!!」
「アーチャー……こんなくだらない所で死なないでよ?」
「あぁ、分かっているさ」
とりあえず、犬は噂のイレギュラーであるガンナー。そして、今のところコチラに攻撃の意思はないアーチャーと、そのマスター。
ライダーは感情を表に出さないサーヴァントらしいサーヴァントだが、ガンナーの後ろには異様な形の小刀を手にしたキャスターがいる。先ほどまで持っていなかった武器だが、ガンナーはここで脱落かとライダーは口元に笑みを浮かべた。
「ふっ……ガンナーとは誰にでも尻尾を振るサーヴァントだったのですね。――っ!?」
しかし、ライダーが気付いた時にはいつの間にかガンナーに銃口を向けられていた。その後ろの刃物に気付いてはいないのだろうか、キャスターの命令を本気で聞いているのか至近距離のキャスターではなくライダーを狙う。
ドンッ!
しかし、ライダーは余裕を持ってかわしている。銃口を向けられてから間があった様にも感じたが、ライダーはその間を利用してガンナーの横をすり抜けるように回避しつつガンナーのコートのボタンを二つ取っていた。
「……それぐらいの早さならば……私が本気でしたらあなたは2度死んでいましたよ?」
言葉と同時にコートのボタンを地面に落とすライダー。ソレと自分のコートを確認してガンナーは真剣な面持ちで答えた。
「僕がその気なら君は5回……乳を揉まれていた」
顔を緩ませ、手をワキワキとするガンナー、するとライダーの服の胸元に軽く切れ目が入った。ガンナーもライダーと交錯する中で彼なりの攻撃をしていたようだ。
「くっ! ランサーを退けていたのは本当でしたか!」
最速のサーヴァントであるランサー。それを退けたにしては遅すぎると思った矢先のことだ。ライダーは気持ちを切り替え、眼の前のガンナーにダガーを構える。
「真面目に戦いなさいガンナー! ソレが出来てどうしてあなたは……!!」
「隙ありねライダー」
サクッ
キャスターによる突然の後方からの刃物に刺されダメージを負うライダーはバックステップで距離を取る。しかし、致命傷では無い。
「ぐっ!? な、何を!? その様な小さな刃では……!」
「あら? でもあなたのマスターとの契約は無に帰したわよ?」
「
バゼットはその効果の宝具から、すぐに所有者であるキャスターの真名を弾きだした。それが正解かは定かではなかったが、ほぼ間違いがないと思えた。
「御主人様~これでライダーちゃんは自由の身なんですね~♪」
「えぇそうよポチ。あなたも今あの怖いマスターから解放してあげるわね」
「ガンナー! アンタ本気で裏切るつもり!?」
「が、ガンナー! いつまでキャスターの犬をやっているんですか!!」
「今、終わりましたよマスター」
ドンッ! バキィィィンッ!
ヴァッシュの銃弾はキャスターの物理障壁を組み込んだ魔法障壁に阻まれた。ちなみに射線からして狙いはキャスターの持つルール・ブレイカーだったが一瞬でそれに気付いたのはこの中でライダーとアーチャーだけであった。
「……ポチ、どういう事かしら?」
「ごめんなさい。人妻の香りがするんでパスします! 今回はライダーちゃんだけにさせて貰いますね。では失礼して……!」
「な、何ですか!? ちょっと!? 放しなさい!」
ガンナーの肩に担がれて暴れているのはライダーだ。ダガーで攻撃しようとするも、銃の腹で叩かれ落としてしまう。
「マスター撤退を!」
「え、しかし……もうっ! 分かりました!!」
「ライダーを攫うって……何考えてるのかしらアイツ……」
「今までの奴の行動を見る限り……まさかな?」
キキンッ!
「セイバー!」
「シロウ下がって!」
「2匹の燕を捉えるのは一苦労だな……いや、一匹は名も無い鳥か」
アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎の燕返しをセイバーがかわせたのは階段という足場の幸運だった。足場が揃っていればセイバーの鎧、または衛宮士郎の首は胴体と離れていたかもしれない。
多重次元屈折現象。全く異なる軌跡を描く三つの斬撃を、文字通り全く同時に繰り出すというものを目の当たりにし、セイバーは一種の感動すら覚えていた。宝具を持たずに宝具の域にまで達した修練の化身。目の前にいるサーヴァントはこれほどまでに騎士道を弁え、撃ち合ってくれる。
しかし、その感動は儚くも崩れ去った。崩れ去るとは言葉通り、上から下へという現象だった。
「おぉぉぉぉぉぁぁぁ~~~~~!! これは大変ですよ~~~!!?」
叫び声を聞いたセイバーは上を見上げ、声の主に聞き返す。
「どうしたのです!? ガン……ナー……?」
「大変なのは俺なんです~~~!!」
バランスを崩しながら大声を上げるガンナーは、目隠しをしたサーヴァント……キャスターには見えないため、恐らくライダーであろう人物を肩に抱え、山門から走り出すではなく、文字通り飛び出してきた。後ろから続く、バゼットや凛は普通に階段を駆け下りてくる。アーチャーは弓を構えるような背後が見える為、殿としてキャスターへの牽制をしていると思われる。
飛来してきたガンナーは横に反れ、階段脇の溝の段になんとか平行に足を乗せ、さながら一直線に走るスケートボードや、スノーボードと言った様子で勢いよく下って行く。良く見るとガンナーの靴底は金属製の様で、これが足場という条件も揃い良く滑る様だ。
「のぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~!」
「バランス! バランスを取ってください! この下手くそーーー!!」
騒いで下りて行くガンナーと抱えられているライダー。ライダーがライドしているのは騎乗スキルも全く機能しない程の暴れ馬のようだ。
「邪魔が入ったか……行くがいいセイバー。私はここを動けん、また相見えようぞ……む? ふっ……またな」
カッコよく再会の口上を述べながら納刀するアサシンだが、セイバーは呆然とガンナーの騎乗スキルを見送っていた。
バゼットはアサシンに頭を下げた。
「アサシン、お邪魔しました。出来れば今度はガンナーは置いて来ようかと思います」
「出来ぬ約束事は無理にせぬ方がいい……が、健闘を祈りたいな」
何故か戦おうともせずにバゼット達は下り、アサシンは定位置に戻るかのように登って行く。
「で? コレどうするのよ?」
遠坂凛は頭を抱えて目の前のアイマスクをしている髪の長い女性を見ている。念のためアーチャーとセイバーは警戒を解かずにいるが、困惑はしている。マスターならまだしもサーヴァントを攫うなど見た事も聞いた事もなかったからだ。
「残念ながら、私のマスターとの契約は間違いなく切れています。もう私には戦う理由もありませんから、消えるのを待つのみです」
シレっと答えるライダーは、隣の視線を意図も介さずに無視している。
そして隣にいるのは事の発端となったガンナーである。
「ライダーちゃんか~綺麗な髪だね~。あ、お茶飲む? ドーナッツは好き?」
「ガンナー! それは私のドーナッツでは無いのですか!?」
あっさりと警戒を解いてしまうサーヴァントもいるが、アーチャーは自分だけはサーヴァントであろうとしていた。
「―――いや、僕が買って来たものだし……」
「そんなバカな! あなたが買ってきたドーナッツは毎回私が食べているじゃないですか!」
などと、平和かつしょーもない争いをしているガンナーとセイバーを眺めながら、この家の主は計算をしていた。
「サーヴァントが4人、マスターが3人、藤ねぇと桜で9人か、一番の問題は食費がな~……バゼットのアレだけで足りると良いんだけど、セイバーがよく食べるからなぁ……」
「士郎君!? ライダーも住まわせる気ですか!?」
バゼットは後ろのそんな声にガンナーの方から180度視線を切り替えた。
「え? そりゃあ、ガンナーが連れて来たんだから……違うのか?」
「私は屋根で警備をしている。好きにしてくれ」
あ、駄目だと思ったアーチャーはいつもの場所にいつもの理由でこの場を抜ける事にした。
「あ、アーチャー!? くっ逃げたわね! ったく……でもマスターがいないんじゃねぇ~……」
ライダーは先ほどから飛び交う会話に疑問を持ち、目の前でお茶を飲んでいる警戒心ゼロな人達に聞くが……。
「私をどうする気なんですかあなた達は?」
「「「「……ガンナーに聞いて(くれ)((ください))(よ)」」」」
「それは困りました」
「え!? 僕には聞いてくれないの!?」
ガンナーは眼を輝かせて今にも涙を流しそうだ。何ともメンドクサイ男である。
「この世から消える最後に疑問を抱えるとは……」
「まぁそう言わずに、僕のマスターと契約すればいいんだよ」
「「「「はぁ!?」」」」
「……それはどういう事でしょうか? 意味が分かりません。ガンナーのサーヴァント。自分のマスターを魔力切れで潰すつもりですか? 2人分の令呪も無いですし……」
ヴァッシュは戸棚から隠し持っていたドーナッツをテーブルに広げて食べ始めた。
「んほへ? まふはーはほふとへいやふ―――」
コツンッ
と、ガンナーは手の甲で軽くバゼットに叩かれた。
「食べながら話さないでくださいガンナー」
「……(ゴクリ)失礼。あのね、マスターは僕と契約してるけど令呪とかは無いからマスターに負荷とか少ししか掛かってないみたいなんだよね。だから、マスターとライダーちゃんが契約すれば大丈夫なのさ(モグモグ)あ、ほれも美味ぃネ(モグモグ)」
「私も頂きます(パクパク……モフモフ……)」
セイバーもドーナッツへと武力介入を始めた。
そして、ライダーを含む冷静な人達は少し疑問に思い、分析し、叫びをあげた。
「「「「……はぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」
イレギュラーはイレギュラー。令呪なんていらんのです。
(今のところはね ボソッ)
ガンナー現界後に空から降ってきたカバンに入っていたバゼットの換えの腕。それは令呪付きで降ってきました。ですがそれはガンナーの令呪ではない! サーヴァントシステムによる召喚ではありますが強制召喚。正規の召喚陣も使っていないその召喚は8人目が生まれる以外にも差異が生まれるのです。