ダンジョンで狩人に出会うのは間違ってるだろうか 作:夜明けの戦
一度根付くとなかなか抜けなず
そしてどんどん育っていく
最後には大木となり後ろが見えなくなる
たとえ、伐れたとしてもまた直ぐに芽をだすだろう
「あれ、ベル君随分早く帰ってきたのね?」
ギルド本部のエントランス、そこの受付にいたエイナ・チュールは自分が最近新たに担当することになったベル・クラネルが帰って来たことに安堵しつつ帰りの速さに些か疑問を覚えた、彼は新興ファミリアのそれも唯一の構成員だまだレベルもステイタスも低いので収入も少ない、そんな
「あ、エイナさん」
「ど、どうしたの?ベル君何か顔がニヤけてるけど」
とニヤニヤと顔から幸せオーラを振りまくベルに少し動揺した。
「実はダンジョンで会った人を家のファミリアに招待するとこなんです、しかも、もしかしたらそのまま入団してくれるかもしれなくて」
エイナはそこで少しベルの言い方に違和感を覚えたが
(ダンジョンで会った人?普通に考えれば他所のファミリアの人よね、ベル君もパティーを組むことが出来たのかな?しかも
「そう、それは良かったわね、ところでその人はどこに?」
エイナは自分の担当する子の仲間になるのがどんな人か少し興味があった。
「あ、はい、あの人ならあそこに」
「えっ!?」
そうベルの指さす方には長身に帽子を被り、マスクを着けハンマーを持ったコートの人物がギルドの掲示板を眺めていた。
エイナはギルドに勤めてそこそこの長さになる、これまで色々な冒険者を見てきた、彼等の立ち振る舞いや所作、纏う空気などである程度なら見ただけでその冒険者がどれ位の実力者か判る自身があった、そんな彼女が見た人物は・・・第一線で活躍する上級冒険者クラスと同じ空気を纏っていた。
(えぇぇぇ、ベル君がダンジョンで出会ったって言うから低階層でしょ、レベル1クラスの他のファミリアの駆け出しかとおもったのに、完全に格上の人じゃない。大丈夫かしらあのレベルの人の
そんな世間のファミリア間等でトラブル事などが良くある事を知っているが故に警戒し悩むエイナの前でベルは無邪気に語りだす
「凄いんですよあの人、戦闘中動きがあまりにも速くて瞬間移動みたいになるし、変形したりする武器でモンスターをあっという間に倒しちゃうし」
そう興奮気味に話し始めるベルをエイナが止める
「あ~、ベル君悪いんだけどあの人私にも紹介してくれない?」
「へ?別に構いませんけど」
なんでそんな事を態々頼むんだろうかとベルが顔にだしてると
「ほ、ほら、やっぱり担当者の新しい仲間のこともこれからのアドバイス為に知っておかなくちゃダメでしょ」
尤もらしい言い訳で誤魔化しながら彼の事を探る為接触しようとする
「あ、そうですよね、わかりました」
ベルはエイナの態度を気にすることなく狩人を呼ぼうとして動きを止めた
「?どうしたのベル君」
不審な動きのベルにそう声を掛けると、彼は決まり悪げに頭を掻きながら振り返り
「あはは、そういえば、まだあの人の名前聞いて無かったです・・・」
「はぁ!?」
そしてベルはそれから暫くエイナから冒険者としての心得と人としての道徳について説教された
そんな頃、狩人はギルド内を観察していた
(内装も清潔感があり人の動きも乱れがないな、まるで役所のような所だなここは、いや、あながち間違いでは無いか、ベル君から聞いた話ではダンジョンの管理、運営を担ってるのがギルドらしいからな。世界で唯一の魔石採掘現場にして巨大自治都市オラリオ、交易、戦力、文化がこれだけ揃う都市などそう有るものではない、その根幹をなす部分の管理人、おそらく目に見える以上の活動もしているだろう)
そんな事を考えながら彼はギルド内部を歩きながらこんどは周りの人々に視線を移した
(ヒューマン、エルフ、ドワーフ、
それぞれの種族を見つけ気付かれないように眺め観察していく、そして
(・・・そして、
狩人がそう考えた瞬間、無意識に殺気が溢れ出た。
この時ギルド内にいた
(いかんな、ベル君の話で彼等が私の知る《獣》とは違うと解ってはいるのだが、如何せんあの
ベルを見たとき気が付いていたが冒険者と言われる彼等から感じる弱々しいがよく知るもの、其れこそヤーナムで行われていた『血の医療』による《獣の病》の力、いや、コントロール出来ているならば寧ろ《狩人》の力か、まあ、どちらだろうが結局変わり無い、理性で抑えられているか否かの問題でしかないのだから。
(クックッ、今更ながら彼等の言葉こそ真理であったとまざまざと見せ付けられて要るようじゃないか)
嘗て自らの手で狩り取った仲間の神父と理性有る獣の男の言葉か重くのし掛かる、とっくに踏み越えていったものだと思っていたが、やはり、突然環境が変わり不安になっているのかもしれない、自分がこんな事で悩むなど今更だと彼は思考を切り替える為ある一団を見る、露出の多い女性と男性のいるパーティーだ。
(それにしても・・・アマゾネスは種族では無いだろう、あれは特殊な思想を持った部族、或いは組織であって種族ではな?)
と今度はオラリオの種族の判別のしかたの適当さについて考えだす、まあ、ベルに聞いた話によれば彼の知るアマゾネスと違い、彼女らは結構異性に対してガツガツしてるらしく、旦那探しに此処に来てるような者もいるらしい。
(かのアマゾネスの英雄ペンテレシアが見たら何と言うか、と言うかアマゾネスがいるならあの腰みのいっちょの彼の種族はバーバリアンで良いのではないか?)
思考の題材が一気にレベルダウンした。
そんな下らない事を考えながら彼はあるいっかくに来ていた、其処にはボードが掛けてあり、様々な書類などが貼り付けてあり、上には『掲示板』と書かれているようだ、キルドからのお知らせや、あるファミリアの大規模遠征予定の記事、近々開催されるお祭りのポスター等だと《解る》ものが貼ってあった
(さて、目が覚めてから先送りにしていたが、まずここの言語、私は北欧園のごく一般的な数カ国の言葉で意識的にベル君に話し掛けたが、彼はその全てに答えた、彼にそれとなく発音は大丈夫かと聞いたら「綺麗な共通語ですね」と言っていたから恐らく彼は私の声を聞いているのではなく、私の言葉に込めた意思を受け取ってるのか? いや、聞いた声をそうに認識させられてる可能性もあるか・・・どちらにしろ、普通のコミュニケーションを取れるのはありがたい)
言葉も何もかもすっ飛ばして斬りかかってきた連中等とばかり付き合ってきた彼からすればここはとても文明的で素晴らしく平和であると彼はしみじみと思った、まあ言葉が通じてもまともにコミュニケーションが取れるとは限らないのだが。
(文字に関しては流石交易都市というべきか道すがらに見た様々な様式、おそらくは数カ国園の文字が在った、が意味は見てるだけで捉えることが出来ていた)
そう考えつつ、顎に手を当て前の掲示板を《視》る。
(ギルドに在る情報誌ならば此処、オラリオで基本的に使われてる文字だと思ったが、やはり街で一番多く見たものだな象形文字に近いか、丸や線で形作り、書体はドイツ文字の様だな・・・、ふぅ、やはり目覚めてから感じられる感覚や気配が前より格段に上がっている、そして見たことも無いのに理解できる文字)
寝起きから早々戦闘に入ったものだから、ベルについては感覚が鋭く成っていたから気付いたのかと最初は思ったが、道すがらに見た冒険者達の内にも感じられる、いや、神経を集中させれば最早《視》ることも可能やもしれない、これはもしや
(!まさか、これが『瞳』なのか?)
そう、彼がヤーナムで最後まで求め続けた『計画』のためのピース、それがこれではないのかと彼は考え始め柄にもなく興奮しかけていた、と同時にヤーナムからあらゆる意味で遠くに来た今に手に入っても、と冷めた部分が自らの中から熱を奪って行き始めた時、後ろから声を掛けられた。
夏バテタ(´・ω・`)
タイプも進まんし、ネタがつきそうです(ToT)
フロム、フロムはよデルコンはよ