思ったことを直接言ってくださった方が私自身も参考になり非常に助かります。
些細なことでもいいので是非アドバイス等よろしくお願いします。
くそっ……!
水谷君の方を見れない……!
金縛りにあったかのように固まり、そして頬も熱い。
これがただの武者震いであることを信じたいところなのだが……。
もし違ったとすれば、一体これは……?
い、いや。
そんなこと考えない方がいいか。
そうだ。
これは武者震いだ。
あたしの絶対に負けられない戦いを目の前にした武者震いなんだ。
頭で勝手に自己完結し、深く深呼吸。
……これってはたから見れば滑稽だよな…。
突然俯いて、顔紅くして、固まって、深呼吸して。
一番後ろの席だからよかったものの、やってるあたしでもそんな光景をみればドン引きするだろうに。
これもかれも水谷君のせいである。
水谷君がいるからあたしが変な行動を起こしたり、テンパったりするんだ。
……この調子だぞあたし。
どんどん、もっともっと自分の中での水谷君像を悪くしろ!
「(……優子。さっきから忙しいね)」
「(見てたの……?)」
「(うん。一部始終、全部)」
「(………いくら積めばいい?)」
「(おっけー。優子がとっても恥ずかしがってることは分かったからその考えはやめよっか)」
おっと。
自分でも驚くくらいに思考が飛んでいた。
「(あんなドン引きするような動きして、何を考えたの?)」
「(やっぱドン引きしたのね……)」
たまにくる愛子のストレート攻撃に心を痛めながらも、ここは一つ呼吸を整える。
ふぅ。
後は考えてたことをまとめて言うだけね。
「(あたし……水谷君に捨てられそう……)」
「(何その子犬的発言!? さっきと言ってたことが180度違うけど!?)」
むぅ……。
言葉にして伝えるってこんなに難しいことだったっけ?
「(えっと……水谷君の思い通りにことが進むとあたしは水谷君のことが好きになってしまうの。だから最終的には捨てられる。気がついたら水谷君の策に嵌って背水の陣になってたのよね)」
「(………ん? なんで水谷君の思い通りになると優子が水谷君のことを好きになるの?)」
しまった……!
キスのこと話してないからそれじゃ辻褄が合わなくなるんだっけ……?
「(ええっと……ちょっとね…。最初に条件提示された時、なんで仮とはいえあんたの彼女なんかに、って言ったら水谷君が俺の彼女になれるんだから光栄だろ、って言われてね。絶対に水谷君のことなんか好きにならない!なんて宣言したのよ。で、もし二ヶ月間あたしが水谷君のことを好きになったら何もなし。好きにならなかったら水谷君が土下座でもなんでもしてやる、って話になったってわけ)」
「(うわっ……。水谷君って相当の自信家なんだね……。あれだけのスペック持ちとはいえ、意外だな……)」
愛子はさっきあたしに向けた目、同様に水谷君を引き気味で見る。
ま、まぁ少しくらい話を盛っても問題ないわよね。
元々ナルシスト気質な部分は(きっと)あるし、それがほ〜〜〜〜〜んの少しだけ肥大化だけだ。
…………最近言い訳しかしてないような気がするのは気のせいよね。
「ーーというわけで明日のHRで使用する資料を今日の放課後に人数分刷ってほしいのですが……木下さん、お願いできますか?」
「ふぁい!?は、はい!」
突然の先生の名指し。
あ、焦った……!
完全に話を聞いていなかったから不意打ちもいいところだ。
幸い授業中ではなくただの頼みごとだったからいいものの、これが答えを言えなど言われた日には答えられなかっただろう。
よ、よかった……。
「ですが、たぶん木下さん1人では大変でしょう。あと1人ほど手伝ってほしいのですが」
「先生〜!だったら水谷君がいいと思います!」
「そうですね。男手があった方がいいでしょう。それでは水谷君にもお願いします」
…………え?
水谷君だと……?
わざわざ水谷君を名指ししてくれた鈴木さんを見てみると、こちらに向けてグッとサムズアップをしていた。
なるほど。
あたしが水谷君の彼女だと聞いたもんだから気を効かせてドッキングしてくれたというわけか。
ありがとう鈴木さん。
これほどまでにありがた迷惑を実感したことはないけど、一応好意として受け取っておくわ。
………さて。
面倒なことになったぞ……?
唐突ですがここで宣伝。
現在ハメルーンサイト内で私が最も楽しみにしている作品についてです。
タイトルは『バカと喧嘩と言えない秘密』。
mos様の作品で『バカとウチと本当の気持ち』シリーズです。
明久×美波と王道ながらもあまりみないカップリングですが明久と美波のじれったい、ゆっくりとした進展は心をほっこり温かくしてくれます。
私の作品もmos様を参考に出来るだけ登場キャラの心情を分かりやすく書いていますがまだまだ届きません。
まだ読んでいない方は是非一度目を通してみてください!