ゲッターロボ―A EoD―   作:はならむ

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第二十八話「世界へ――後編」①

――夜七時過ぎ。テーブルには出来上がった鍋とオードブル、各人には茶碗に盛られた炊きたての飯が並べられており、全員が各席に座る。

 

「司令はどうします?待ちますか?」

 

「ちょっと待ってて、さっきメールで連絡したからもう来ると思うわ――」

 

マリアは自身のスマートフォンを見ると新着メールが。見ると「早乙女」からだ。

 

「『もう少しで行けるから先に食べててくれ』だそうよ。

じゃあ先にあたし達で食べましょうか」

 

そして四人は「いただきます」と同時に言って先にエミリアが担当した鍋から食べ始める。ぐつぐつと煮ている鍋は綺麗に詰められた野菜、肉、魚の豊潤の各具材と昆布と鰹節のダシが日本独特のいい匂いがリビングに立ち込めている。

 

「この鍋の凄くおいしい、エミリアちゃん凄いわねえ」

 

 

「味がちゃんとしみてるし、なにより汁が絶妙だわ……人にはちゃんと取り柄があるものなんだねえ……」

 

「ミズキ、それどういうことっ!」

 

「あら失礼っ」

 

――彼女が担当した鍋はかなりの評価だ。

 

「リュウト味はどお?」

 

「うん、久々にエミリアの手料理を食べたけど、相変わらずおいしくて安心した」

 

「ふふっ、ありがと。具材はまだまだあるからみんないっぱい食べてね♪」

 

彼女も思わずほっこりとなる。

次にマリアと愛美、竜斗が担当した手作りのオードブルを手をつける。小さなハンバーグやからあげなどの肉料理や揚げ物、グラタンやサラダ、フルーツと色鮮やかである。

ほとんどがマリアの担当した料理であり、凄く形が整っていて色や匂いでもう食欲がそそられてしまう。

「ヤバウマ……なにこれ……」

 

「アタシなんかと比じゃないぐらいオイシい……っ」

 

「一流店に出してもおかしくないよねこれ……っ」

 

三人から絶大な評価をもらい、思わずマリアは照れている。だが、その中にあるとある料理を料理を

 

「ハンバーグの形が凄い……」

 

「うん……」

 

丹精込めたハンバーグが歪な形になってしまって辟易する、担当した愛美、竜斗だが、まあ初めてなので仕方がない。

 

「か、形はともかく味だから。食べてみようよ」

エミリアに促されて三人が箸で取って同時に口の中に放り込む。噛み締めていくと二人のそのシワを寄せた苦い顔がだんだんとなくなっていく。

 

「あ、おいしい……」

 

「ホントだ……普通にハンバーグだ」

 

不味いと思っていた歪なハンバーグだが、味付けは上手く出来ており驚いている。マリアも口にして噛み締めて味を楽しむ。

 

「二人が一生懸命作ったんだからオイシいのは当然よ」

 

「いやあ、マリアさんに教えてもらった通りに作っただけですから――」

 

食事をしていると家のドアチャイムが鳴る。マリアが出向き、入り口付近のインターモニターを見ると早乙女が立っていたのですぐにドアを開ける。

 

「司令、お待ちしてました」

 

「ここに来るまえにジュースを買ってきたよ、みんなして飲んでくれ」

 

「ありがとうございます、どうぞ中へ」

スリッパを用意し、彼を上がらせてリビングへ行くと竜斗達が出迎える。

 

「司令こんばんは!」

 

「やあみんな、楽しそうにやってて何よりだ。君達に色んなのジュースを買ってきたから飲んでくれ」

 

「ありがとうございます!」

 

早乙女が席に着き、竜斗達はビニール袋に入ったペットボトル大のジュースを取り出しコップに注ぐ、全員が席に着いた。

 

「途中参加で悪いがとりあえず全員揃ったことだし乾杯しようか」

 

「カンパーイ!」

 

各人のコップを互いに「キン」と軽く打ちつけた。

その後は全員が先ほどのように会話を入れつつ食事を楽しむ。

 

「早乙女さんって大変だね、今まで仕事だったんでしょ?」

 

「おや、水樹が私を心配してくれるのか?」

 

「マリアさんから聞いたのよ、休日でも仕事してるって。苦じゃないの?」

 

「まあめんどくさいと感じる時もあるけどそういう立場だから結局やらなければならないんだよ、割り切るしかない。

君達が社会人になって、自衛隊のみならず会社勤めになればだいたい休日出勤があるから覚えておいたほうがいいよ」

「マナ、それイヤだなあ……休みは遊びたいし」

 

「ハハッ、水樹らしいや――」

 

早乙女はエミリアの作った鍋を食べる。無言だが、おいしいのか箸が進んでいる。

「その鍋、エミリアちゃんが全部担当したんですよ」

 

「さすがエミリアだ。あと、よかったなあ竜斗」

 

「え、なんでですか?」

 

「いい奥さんになるぞ、大切にしてやれよ」

 

竜斗とエミリアの二人はその意味を知り、顔が真っ赤になった――。

 

「二人とも顔がオサルさんになってやんの」

 

高校生の竜斗達で仲良く楽しく会話しているその横でマリアは早乙女のコップにジュースを注ぎ、大人同士の会話を始める。

 

「……マリア、もしかしたら私達に良からぬことが起こるかもしれん」

 

「え……?」

 

「今日、入江統合幕僚長から密告が入ってな。政府の何割かが、何かを企てているらしいとの情報だ。全貌は分からんが聞く話だと私と君、竜斗達の名が出ていると」

 

「……それはなぜでしょう?」

 

「前に幕僚長にも言われたが、上層部、政府のいくらかは私を快く思ってないようでな、官房長官が私をマークしていると。

今までなんともなかったが、これからは身の回りを十分警戒したほうがいい。あと彼らの身の安全もふまえてな」

 

「……承知しました」

 

何かきな臭い話になる二人――時間が過ぎて、だいたい食べ終えてきた頃――。

「そういえばマリアさん、今日は色々と本当にありがとうございます……」

 

「い、いいのよ。気にしないでっ」

 

三人は今日の彼女の親切に深く頭を下げた。顔を上げたエミリアは思い切ってこう聞いてみた。

 

「……マリアさん。ワタシ達の思い過ごしかもしれないけど、今日のマリアさんは変だった」

 

「あたしが……変?」

 

「なんかいつものマリアさんじゃなかったような気がします、なにか無理してるような感じしかしませんでした」

 

黙り込んでしまう彼女に興味を持つ早乙女。

 

「エミリア、私に何があったか教えてくれ」

 

「……みんなで買い物に行ったんですが、ほとんどマリアさんが自腹切ったんです。

リュウトになんて欲しいパソコンを買ってあげるために全部じゃないけど十万も出したんですよ……おかしくないですか、マリアさんと外出するの初めてなのに」

 

「…………」

 

だが早乙女は「だから?」とでも言わんばかりの無表情だ。

 

「実はあの時は買わなかったですが実際はアタシ達は買いたいものはありましたし、自分で買いたいものは自分のお金で買いたいと思ってました。だけど――」

 

「……マリアが自腹を切りそうだから買わなかったと?」

 

「……はいっ」

 

……マリアは顔が段々と青くなっているような気がする。

 

「確かにワタシ達は凄く嬉しいです。

だけどマリアさんのお金の都合だってあるのにこうまでされると気兼ねてしまいます。証拠にワタシ達の買いたい物はあってもそればかり気になって結局買えなかった……」

 

「そうか。事情はよく分かった。

マリア、どうやら君はあれを思うあまりに暴走してしまったようだな……」

 

張り切りすぎて度の過ぎた親切がかえって迷惑になっていた結果に、マリアはそれすら気づけなかった自分を恥じていた。

 

「マリアさん、一体どうしたんですか?ワタシ達心配なんです、いつものマリアさんじゃないから――」

 

「………………」

 

するとマリアは立ち上がり、何を思ったのか玄関を向かい飛び出していった――。

ぼう然する三人、何か彼女に対して悪いことを言ってしまったのか、と心がぎゅうと痛くなるエミリア。

一方、早乙女は冷静で立ち上がるとマリアを追おうと玄関へ向かう。

 

「早乙女司令……アタシ、もしかして何かマリアさんの気に障ることを言いましたか……?」

 

聞いたことに後悔している表情のエミリアは彼にそう尋ねると首を横に振る。

 

「いや、君達の気持ちはわかるしマリアはやり過ぎたんだと思う――ちょっとそこで待っていてくれ」

 

彼は入り口にかけてあった彼女のコートを持って玄関を出て、下階段へ向かうとそこにマリアは段差に座り込んでうずくまっていた。

……今まで冷静かつ気丈だった彼女がここまで落ち込んでいる姿に彼も流石に心配していた。

 

「そんな薄着で飛び出して、風邪引くぞ」

 

彼女に持ってきたコートを優しく被せる。

 

「いきなり飛び出していって君らしくないな。あの子らは君を心配してるぞっ」

 

「……司令、私は大馬鹿者です……自分とあろうものが彼女達の気持ちを理解できなくて……司令の言うとおりカウンセラー失格です……」

 

「マリア……」

 

自身を貶す彼女は身体が震え、涙声になっていた。

 

「私には……やっぱり親なんて向いてません…………っ、甘く見てました……っ」

 

諦めのこもった彼女の発言を聞いて彼はため息をつく……。

 

「君というヤツはこんな簡単に諦めがつくのか、失望したよ」

 

「…………」

 

「私は実はこうなるだろうとは薄々気づいていたが君がそう弱音を吐くとも思わなかった。

君は基本的に完璧にこなす人間だから失敗というのに慣れてないんだろうな。だが失敗したからこそそこから学んでいくのが人間だろ、違うか?」

 

彼からそう諭されるも彼女は一向に顔を上げず俯いたままだ。

 

「司令………私は一体何ですか?」

 

「……マリア?」

 

「……私は家と自身の誇りを持って今までどんな仕事も激務もちゃんとこなしてきましたし命令に従ってきました。

けど、その為に自分の、女としての幸せまでも犠牲にしてきました……」

 

「…………」

 

「ケチをつけるつもりはないですけど……結婚もできず、これからも仕事ばかりのくだらない人生になるのかと……最近そう思えてきてしまってもうたまらなくなります……」

 

……彼に今まで溜まりに溜まった色んな愚痴を吐いていく。だが早乙女からすると、今まで何にしても忠実で、全然弱音や弱みを見せず心配だった彼女の弱い一面を知ることができたという嬉しさがあった。

彼はそんなマリアの横に座り込み、優しく抱擁し頭を撫でる。

 

「……考えたら、イギリスからたった一人でこんな極東の島国に来た君はすでに日本語は話せるわ、仕事は全てこなすわで驚き信頼してきたが、実際はかなり無理をしているんじゃないかとかなり心配していた」

「司令…………」

 

「祖国を離れ、友人などいなければ文化も宗教も全く違うこの日本で、そして周りや私のワガママに振り回されても少しも弱音を吐かずによく頑張ったな。

ありがとな、マリア。私自身、君へもう言葉では表せられないほどの感謝で溢れているよ」

 

いつも彼らしくない優しさに少し戸惑いを隠せないマリア。

 

「こんな私を誉めて……司令らしくないです……」

 

「いいじゃないか。そんな私を失望したか?」

 

「いえ……変な感じですけど、嬉しいです……」

 

彼女はそれがおかしいのかクスッとだがやっと笑う。

 

「……もしマリアがイギリスに帰りたいと言うならそれでも構わないよ。君の人生だ、強制はしない――どうする?」

 

 

だが彼女は首を振る。

 

「いえ……さっきみたいな弱音を言いましたが私にも誇りと信念がありますので最後まで責務に全うします、あの子達も心配ですしそれに――」

 

「それに?」

 

「……失礼なことですが私がやめたらあなたのわがままに誰が付き合うんですか、絶対に私以外の人間には務まらないと思います」

 

「確かに君だからこそ私は上手くやっていけるのだろうな……では、これからもよろしく頼むぞ」

 

「はい。あと、私の愚痴を聞いてもらってありがとうごさいます……凄くすっきりしました」

 

「いや、こちらこそ君の本音を聞けて嬉しく思うよ、ありがとう」

やっと落ち着いたマリアは顔を上げていつもの優しい顔だ。彼も普段見せたことのない甘いマスクで見つめる。

 

「なあマリア」

 

「どうしましたか?」

 

「私の恋人にならないか?」

 

「え――っ?」

 

「私と付き合わないかと言っているんだがどうだ?」

 

あの早乙女からの突然の告白に彼女の顔がリンゴのように真っ赤になった。

 

「な、な、なにを言ってるんですかっ!?変なことを言うのはやめてください!!」

 

「私はマリアが好きだからそう言えるんだ、別に変じゃないよ。君も望んでくれるならこれ以上の幸せなんかない――」

「ええ…………」

 

明らかに今までの彼と違っていた。

下らないことばかりしなければ、日本人とは違う知的でどこかミステリアスな雰囲気を持ち、フェミニズム溢れるフェイスを持つ早乙女。

それが甘い言葉で口説き落とし、愛撫してくる今の彼はまさにホストそのものだ。

そういえば彼は若い頃は結構な遊び人だったらしいが――そんな彼に対する急な不安感と、それ以上に女性的本能を強く刺激され心臓がバクバクなっている。

 

「司令……どうして急にぃ……」

 

「私とあろうものが、君の美しさと母性にいつの間にか惹かれてしまったんだ。

どうしてくれる、責任とってくれないか?」

 

「そんな……責任だなんて……っ」

 

 

彼は撫でていた手をそのままマリアの首筋を伝うように指で触るとビクッと反応し、感じている。どうやらそこが彼女の性感帯のようだ。

 

「や、やめてください……こんな所で……」

 

「君が、もう無くなったと思っていた私の『野生』を復活させたんだ。こうなったらもう止められないよ」

 

今度は彼女の首筋に優しく口づけをする早乙女。暖かい吐息が当たり、むき出しになった敏感な肌さらに刺激し、快感へと持って行く。

証拠にマリアは久々の性的な快感に今、身体中が発熱し息を乱している。

 

 

「司令……あの子達が待っているのにこんなこと……ああっ」

こんな人目のつく所で行為に及んでしまうのか……もの凄い背徳感とそれに対する興奮さえも彼女の身体中に衝撃として走り回っていた――それに負けてしまっている彼女はもう成すがままだった。

 

「――とでも思ったのか?」

 

「え…………っ」

 

なぜか彼はいきなり手を離して、よっこらしょっと立ち上がる。

 

「ウソだよ、ウソっ。今までのは演技だ」

 

「………………」

 

「悪かったなマリア、私の恋人は一生ゲッター線とゲッターロボなんでな。

それに君なら私なんかよりいい男がいっぱいいるよ」

 

ここまでやっといて、自分もその気になっていたのにいきなりウソとか言い出すとかもはや女性として侮辱以外に何事でもない。

 

 

当然彼女はブチ切れる……と思いきや、なんとおかしくなりクスクス笑い出していた。

 

「フフ……司令らしいです。こんな大掛かりな大嘘やらかすなんてっ。私すっかり騙されちゃいました」

 

「本当にすまなかったな。では笑顔が戻った所で三人の元に戻ろうか――」

 

「ええっ」

 

マリアも立ち上がり、自宅へ戻っていった。竜斗達は心配そうな顔で二人を出迎えた。

 

「マリアさん……もしアタシの言ったことを気にしているのなら本当にすいませんでしたっ!」

 

エミリアが今にも泣きそうな顔で頭を下げた。

 

「エミリアちゃんもう気にしないでっ!私はもう大丈夫だから。みんなも心配かけてゴメンね」

 

 

「マリアさん……」

 

「あなた達に関して前の戦闘からずっと気が動転してただけなのよ。

だからちょっと暴走しちゃって……けど司令に「しっかりしろ」とお叱りを受けたからもう大丈夫よっ」

 

普段のような優しい表情になっており、それを見た三人はすこし気がかりがありつつも、とりあえず安心した。

 

「ほら、ご飯が冷めないうちに食べちゃいましょ!」

 

全員は食卓に戻り、再びアットホームの食事を楽しんだのだった――。

 

次の日、ベルクラスの司令室で普段通りに仕事をする二人。早乙女はパソコンで、マリアは書類の整理をしている。

 

「なあ思ったんだがな。もし君が三人を養子に取るとなったら不都合が起きないか?」

 

「えっ?」

 

「私が昨日竜斗に言った言葉を思い出してみろ」

 

「…………あっ!」

 

そう、彼がエミリアが『いい奥さんになれる』と言っていたあの言葉を思い出す。

今時代の法律では、竜斗とエミリアをマリアが養子として取ると二人は血の繋がりはないが事実上姉弟となり、近親婚となるため結婚が出来ないということになる。

 

「まあ彼らが互いをどう思っているかは分からんが、もしそうなるなら養子に取るべきではないと思うな」

 

「……すっかり忘れてました。でもあの二人の様子を見てると……」

 

「どの道、水樹はともかくあの二人を養子にする選択肢などなかったということだな」

 

 

それを聞いて残念だとも、だが少し気が軽くなるとも感じるマリア。

 

「まあ、私が二人のどちらかを養子に取るという選択肢もある。それなら結婚は可能だが」

 

「司令……」

 

「まあ結局は各自身がこれからどうしたいかによるな。

竜斗は親についてどうするか悩んでいるのを見ると三人ともまだ決まってないし決めるのに時間がかかりそうだ。しばらく様子見といこうじゃないか」

 

「そうですね……」

 

「もし君がどうしても養子に取りたいのなら、今は無理でも時間をかけてでも積極的に接していけばいいのさ。

この戦争がいつ終わるかも分からんし、その間に彼らは君を母として見てくれるかもしれん。まあ努力だな」

「……はいっ」

 

彼女はそれに納得し一応の収拾はついた。

 

「司令」

 

「どうした?」

 

「昨日の……あれはありがとうごさいます。一瞬だけとはいえ、久々に女としての夢を見させてもらいました」

 

「なあに、気にするな。けど本番やりたいなら私は一向に構わないぞ。君が相手ならこの上ないから……ん?」

 

だが彼女は下心丸出しのセクハラ発言をシカトして部屋から出て行った。

彼女から初めて無視されてモヤモヤしている早乙女。

(けっ、マリアめ……私に似てきたな……)

 

……彼は珍しくふてくされていた。

――次の日の午前中、三人はリフレッシュし心機一転して駐屯地内でマリア率先の元で体力練成に励んでおり、司令室では早乙女一人、書類作成のためにパソコンとにらめっこしている。

 

 

 

するとコンコンとドアをノックする音が。彼は立ち上がりドアを開けると黒ずくめのスーツを着た怪しい男達が立っていた。

先頭に立つ男は一枚の紙を彼に突きつける。

建て前の長たらしいお飾りの文章と押された政府の印、上に『出頭令状』と書かれた怪しい紙が。

 

「早乙女一佐ですね?」

 

「そうだが君達は?」

 

「政府からあなたに出頭命令が出ている。来てもらいましょうか」

 

 

「…………」

 

 

――ついに来たか。彼は抗うこともせず黒ずくめの男達に囲まれながら連行されていった。

 


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