ゲッターロボ―A EoD―   作:はならむ

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第六話「蜜罠」②

――その夜。竜斗は一人、座学室で勉強していた。

 

「…………」

 

あまり予習がはかどらない、黒田の言っていたことが頭から離れない。

 

『色々経験しろ。恋愛とかな――』

 

『』

 

それがどうも竜斗の脳内にこびりついていたのだった。

 

「経験ね…………」

 

考えたらよけいにごちゃごちゃになり、今日はもういいやとさっさとノートや教科書を片付けて座学から出る。

明日の訓練もあり部屋に帰り、休もうと考えていた時であった――。

 

「イシカワァ~~っ♪」

 

「!!!」

 

後ろからあの悪魔の声が。振り向くとやはり笑顔の愛美の姿が。

 

「な、なんだよ!」

警戒し身構えるも、愛美は満面の笑顔のまま近づく、すると。

 

「悪かったってぇ~~もうあんなことしないからァ。だからお願い許して、ね?」

 

「…………」

 

突然謝罪する愛美。不気味に感じた彼は少しずつ後退るが、

 

「だからもうあんなことしないって。マナのことしんじらんない?」

 

「……な、なんでいきなり……」

 

「石川が必死であのキモいヤツらと戦っている姿を見て、キュンときちゃったのよ。

へえ、かっこいいじゃんてね。つまり見直しちゃったってこと♪」

 

「…………」

 

怪しい、危ない……彼は直感的にそう思った。

 

「けど今までマナのしてきたこと、許さんないと思うからせめてものマナが償いをしたいのよ、ダメ?」

 

お得意のぶりっ子のような顔で涙目になる彼女に彼は……。

「わ、わかったから……もういいよ!」

危険なニオイしかしない……早く逃げたい、彼はそう考えていたが、しかし愛美は彼の腕に自分の腕を組み込んでしがみついた。

 

「ココじゃあなんだし今からマナの部屋に来てよ、謝るからさ」

 

「…………」

 

結局、なすがままに無理やり彼女へ連行される竜斗だった。

散らかってると思っていたが彼女の部屋は意外と整理整頓されており、凄く清潔感溢れていた。入るなり、なぜか愛美は鍵を閉めて、ベッドに座り込むとバンバンと布団を叩く。

 

「きて、一緒に座ろーよ♪」

 

「…………」

 

彼女の隣に座り込む挙動不審の竜斗。

そのまま彼女は再び竜斗の腕と組んで、まるで彼のカノジョであるかの如く密着し甘える。

その天使のような可愛らしい顔に潜む真意とは――。

 

「ムフフ、石川っていい筋肉してるんだね、知らなかったァ♪」

 

「…………」

 

「ウリウリ、メガネとっちゃえっ☆」

 

「お、おい…………っ」

 

こんなのエミリアでもしてこないのに……彼の動こうにも動ごけずギチギチに固くなるが、同時に身体中が瞬間湯沸かし器のように熱くなり、胸の鼓動も高鳴り始める。

 

「ところで償いなんだけど……マナねえ、一生懸命考えたんだ。聞いてくれる?」

 

「えっ?」

 

すると愛美は彼の耳元でこう囁いたのだった――。

 

(エッチしよーよっ)

 

エッチ……聞き慣れない言葉が頭に響き渡り、顔中に冷や汗が流れ出す。

 

「え、えっ……いま、なんて……っ」

 

「や~ん、だから……エッチよ。オンナのコに二度も言わせないのっ!」

 

竜斗は顔中が真っ赤になり飛び上がった。

 

「な、な、なんでええーーーーっっ!!!!?」

 

彼にとってこれまでの人生で経験すらしたことのない。

確かに人間の、異性の本能行動と隠語――漫画や小説などでもその出てくるのもあるが、たいがいはぼかされるか青年漫画か女性漫画がほとんどで自分自身、そういう描写があっても流し読みするくらいである。

 

「もしかしてイシカワってそういうの、キライ?」

 

本屋のそっち系のコーナーに行くことすら躊躇う『ウブ』な自分が羞恥心で聞くにたえない、頭の中が今にも爆発しそうである――。

 

「そ、そういうのはほ、ほかの人に頼んでみ、みたらいいんじゃない―――っっ!!」

 

すると愛美はシュンとなり、身体をソワソワさせながらこう言い始める。

 

「お願いだよ……マナね、最近カレシに振られちゃったばかりでさ、さみしいの。

寂しまぎれにひとりエッチとかしてるけど欲求不満になるだけ。最初はそんな気なかったけど、石川の一生懸命な姿見てたらね、さっきも言ったけど凄くキュンときちゃったの、これじゃあマナ……おかしくなっちゃうよ。これは石川だけじゃなくマナのためにもあるのよ、だから――」

 

――そんなこと言われても……自分も未経験なのに……いきなりそんな一線を越えることをするのはいくらなんでも『はい、いいですよ』なんて言えるわけがない。

そもそも今まで自分を嫌っていた人間がいきなり態度を変えて、そして『アレ』しようなんておかしい……なにかある――

 

「お願い石川、マナの力になって!このことはみんなにヒミツにするから……」

 

「え……ええ……っ」

 

大粒の涙を流す彼女。竜斗はだんだん呑まれていき、断りきれなくなりそうになった。

 

「け、けど……っ」

 

「……だから、もうじれったいわね!」

突然彼女は竜斗をベッドに押し倒したのだった……マウントポジションを取る彼女に竜斗はこれから何が起こるか分からず恐怖でブルブル震え始めた。

 

「ハジメてなら安心して。マナがリードしてあげるから……ね」

 

「――――――っっ!!」

 

顔同士を密着させるぐらいに近づけて熱い吐息をかれる彼女。そのまま――。

 

「!!!」

 

……二人は濃厚な口づけを交わす。竜斗はこれまで味わったことのない、雷のような凄まじい衝撃が頭から足まで一線に伝わった……。

 

「う……みゅぅ……っ!?」

 

彼女の舌が竜斗の舌とねっとりと絡めてくる。

自分のファーストキスがまさかこれだとは……涙がこみあがった。しかし彼女はそれだけに留まらずになんと……。

 

(ひゃあっっ!!!)

 

彼の身体は石のように固まった。その理由は彼の下半身の……男の象徴である大事な部分に彼女の巧みな右手でサワサワ触ってきている――。

 

「……メガネ外した石川ってカワイイ顔してんのねえ……っ、マナ萌えてきちゃった♪」

 

粘る愛唾垂らす彼女はもうその気なっていて止めるのは無理だった――。

 

「あっ、フインキ作らないとね、待ってて――」

 

すると彼女立ち上がり、部屋の入り口にある部屋の明かりを調整するスイッチを弄って少し暗くしてまたベッドに戻り、おもむろに上と下の服を脱ぎだし、全部下着状態になった。

 

「うあああ………っ」

 

黒色の、露出度の高いあまりにも過激な下着をつけた彼女の姿に竜斗の顔は淋漓そのものだ――。

彼女のつけていたピンク色のリボンをとって髪をとかす。

 

ブラジャーのホックを自身で外し取り、膨らんだ胸を露出させてまた彼の上にのしかかる。

 

「……マナのオッパイいいでしょ、さわっていいよ、イシカワ……」

 

自分より約二十センチくらい小さい子供のような彼女だが、豊潤な膨らみのもつ乳房、プリッとした臀部を見るとその辺の発育は凄まじいものがある。彼女は多数の男性と付き合ってきたというが、やはり子供のような身長なのにそのギャップがいいのだろう――今の姿はフェミニンをムンムン出した大胆な格好だ。

 

「このトシゴロの女の子ってね、みんな恥ずかしくて言わないだけでホントはものすごくえっちぃの。今度エミリアちゃんにも聞いてみたら?」

 

「き、聞けるかあっっっ!!」

 

だが彼女の行動はもっと過激に走り出し、

 

「さあて次は……フフフ」

 

今度は彼のシャツの裾を上いっぱいにめくり、彼の露出した平たい胸、所謂右側の乳首のペロペロ猫のように舐め始めた――。

 

「つあ―――――っ!」

 

彼は敏感に反応している。もはや抵抗や拒否などできなくなっていた――。

 

「石川って学校じゃすごく地味だったけどさ、凄くいい肉体してんじゃないの。もったいないよ、これでスポーツしてないなんて……」

 

――余計なお世話だ。彼は悶えながらそう思った。

彼女はへそあたりまで下るようになめていく。同時に柔らかな胸を彼の身体に密接させてこするように……今度はついに……。

 

「☆§*※£@!!」

 

ついに彼女は彼のズボンを脱がすのだった。

 

「気にしなくていいよイシカワ♪マナが全てやってあげるから。寝てるだけでカイカン味わえるなんて、この幸せモノ♪」

 

「……やあ、お願いだからもおやめてくれえ…………っ」

 

泣き声になっている竜斗だが、彼女はやめる気配などなかった。

 

「ここまでやって、やめれるワケないじゃん。

それにアンタのココ、すごく正直になってるのにね、うわあ……こんなに堅くなってるっ」

 

彼女はついに下着を引きずり下ろし――アレを露出させた。

 

「………………」

 

こんな恥ずかしい目に遭うのは初めてだ――彼は静かに嗚咽していた。しかし身体はもう彼女に支配されていたのだった。

 

「フフッ、カワイイ。こんなオチ〇チ〇は初めてだけど……マナなりにガンバってあげるネ」

 

……ついに愛美は竜斗の『アレ』を咥え込む。右手で根元を支えつつ、口の中でその舌で転がすようにじっくりと――。

そして次第に上下運動を始めて舌と摺り合わせるように、そして吸い上げるように口を動かす。竜斗は今までにない快感を味わう。彼女の手慣れたそのテクニックが次第に彼を快楽に溺れさせていく……そして。

 

「!!!」

 

二人の動きは止まる。竜斗は全身カチンコチンに固まり、愛美はしばらくして口を『アレ』から離し、デスクトップのティッシュペーパーを取り出すと、口に押さえてペッと吐き出した。

 

「いっぱい出たね、マナびっくりしちゃったっ」

 

彼は両手で顔を押さえて息を乱している。

「さて、前戲はこれまでにして本番っ」

彼女は下着をするっと脱ぎ、クローゼットから何かを取り出すと再びマウントポジションを取る。

 

「危険日じゃないけど、念のために今から『アレ』つけたげる、これも経験ないでしょ」

 

「アレ……?」

 

「アレ?ゴムに決まってるでしょ」

 

なぜ彼女はこれを持っているのか……手慣れた手付きで市販で買える避妊道具『コ〇ドーム』をスルスルっと被せる。

 

「寝てていいよ、マナが動くから…………」

 

そして――――この部屋の中は甘く甲高い淫らな喘ぎ声で響き渡り、彼はその時はすでに放心状態であった。

 

これは夢か……夢であってほしい、だが現実なら――一番の心配は……エミリアにこのことを知られたら……夢であってくれ……と。

 

「久々のエッチなかなかよかった。ありがと、イシカワ♪」

事が終わり、ベッドで寝転ぶ竜斗は横で添い寝している彼女とは逆の方へ向き、静かに身体を震わせていた。よく見ると……。

 

「まさか泣いてんの?」

「………………」

 

「オンナかアンタは!」

 

……彼からすればこんな初体験は嫌だったろうに。

気持ちよかったとかそんなことより、こんな唐突に、強引に、そしてイヤな一線に足を踏み込んで、自分が自分ではないような気がして凄く不快だった。

 

「そうだ石川。マナと『セフレ』にならない?」

 

ふざけたことを言い出すが当の本人は黙り込んだままだ。

 

「別にマナと付き合えって言ってるんじゃないの。

こんないいコトないよ、今度は今日以上にいいテク使ってあげるからっ」

 

「………………」

 

「……まあ考えといてね、マナ楽しみにしてるから♪」

 

……竜斗君は魂の抜け殻になったかの如く、パンツとズボンをはくとフラフラと部屋から出ていった……。

 

独りになった彼女はベッドでため息をつく。

 

「……ホントアイツ、オトコなのかしら?けどっ」

 

ベッドの中からなぜ持っているのか分からないが、もう一つのスマートフォンを取り出し、今写る画像を見ながらニコっと笑った。

 

「イシカワ、アンタはもうマナの愛玩犬よ、二度と逆らえないんだから。さあて今度はク〇ニでもしてもらおうかしら♪」

 

その画像とは、二人が『本番』を行っている最中に彼女が取った、つまり『ハメ撮りされた写メ』であった……。

一方、竜斗は部屋に着くなりすぐにシャワー室に直行。

シャワーの浴びながら、身体をまるで何かに取り付かれたのように、特にアレを無心でゴシゴシ洗う。

 

「う、うう……………っ」

 

まるで身体中に蛞蝓が這い回ったような極度の不快感に襲われて、

そして男としての耐え難い恥辱と屈辱を受けた竜斗は泣きながら……何度も何度も、あれを忘れようとして、身体を洗う……。

 

(死にたい……っ、だれか……エミリア助けて……)

 

唇を噛み締めて、シャワーに打たれてうずくまってしまった……。


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